ハラミを英語で言うときは?焼肉屋で使えるフレーズも紹介!
日本を訪れる外国人旅行客は年々増加しており、今後さらに増えていくと言われています。観光地にある飲食店や商業施設では、英語での接客が求められるようになってきました。焼肉は、外国人旅行客が好きな日本食TOP5に入る人気料理です。しかし、焼肉の部位を英語でなんと言うのか知らない人も多いのではないでしょうか?ハラミは外国人旅行客も日本人も好きな焼肉の部位の1つで、ハラミ専門店もあるほどです。今回はハラミを中心に、焼肉の部位を英語で何と言うのか紹介します。
ハラミは英語で何と言う?
和食は2013年にユネスコ無形文化遺産に登録され、海外からも人気を集めています。外国人旅行客の中では、もともと寿司や天ぷらなどの典型的な和食が人気でしたが、最近はラーメンな焼肉などの日本食も好まれています。日本のブランド牛である和牛は、「WAGYU」で通じるほど人気があります。
焼肉で提供される牛肉の部位の1つにハラミがあります。ハラミは横隔膜という哺乳動物が呼吸する際に必要な筋肉を指し、牛1頭あたりから2〜3kgしか取れない希少部位です。 私たち人間の体の内部は大きな袋のような構造になっており、心臓や肺などがある部分をあり「胸腔(きょうくう)」、肝臓や小腸、膵臓などの内臓がある部分を「腹腔(ふくくう)」といい、横隔膜は胸腔と腹腔の境界にあります。
胸の間を触ると、ゴツゴツとした骨に手が当たります。この部分は「剣状突起」と呼ばれ、横隔膜は丁度この剣状突起のところにあります。横隔膜が収縮すると、肺がある胸腔部分が大きくなることで肺が膨らみ、息を吸うことができます。
ちなみにハラミは脊椎から背中に沿って広がっている薄い横隔膜を指します。脊椎に繋がるところにある分厚い横隔膜は「サガリ」と呼ばれています。サガリはハラミより更に希少な部位で、牛1頭あたり400~500g程度しか取れません。
ハラミは内臓系に分類に分類される肉ですが、適度な脂肪と柔らかい肉質が特徴的で、見た目は赤身の肉のようです。ですがハラミの食感は赤身肉より弾力があり、内臓系の肉の特徴も持っています。
ハラミは英語で「outside skirt(アウトサイドスカート)」と言います。このskirt は衣類のスカートの意味も持っています。ハラミは内臓系にも関わらず、このハラミに外側という意味のoutsideという英語が使われるのか不思議な気持ちになる人もいるかもしれません。牛の腹側を内側とすると、背中に沿って広がるハラミは一番外側に位置することになります。そのため、ハラミにoutsideという英語が使われているのかもしれません。
ハラミを含む肉の部位別英語表現
牛肉の部位の英語表現
ハラミは英語でoutside skirtと呼ぶことを紹介しましたが、焼肉に使われる牛肉の部位は他にもあります。ここからはハラミ以外の部位の英語での呼び方についても紹介します。
肩の部分には、ざぶとん、とうがらし、みすじ、さんかくといった味が濃厚な複数の種類の肉があります。英語ではそれぞれ順に、「chuck flap(チャックフラップ)」「chuck tender(チャックテンダー)」「top blade muscle(トップブレードマッスル)」「chuck rib(チャックリブ)」と呼びます。
ロースには、牛肉の中で最も大きく適度な霜降り脂肪を持つ肩ロースと、 胸のあたりにある柔らかくて脂肪の旨味が濃厚なリブロースがあります。それぞれ「chuck eye roll (チャックアイロール)」、「spencer roll (スペンサーロール)」といいます。肋骨あたりにはカルビがあります。英語では「boneless short rib(ボンレスショートリブ)」と言います。
腰部分には、霜降り脂肪が多くて、柔らかく甘みのあるサーロインがあります。英語で「sir lion(サーロイン) 」と言います。「loin」は腰という意味があります。「sir」は、高位の官職である「卿」の意味で、あまりの美味しさからこの言葉が与えられたと言われています。
ヒレは、サーロインの内側にある筋肉のことです。脂肪が少なくあっさりとした味わいです。英語では「tenderloin(テンダーロイン)」といいます。ヒレのすぐ近くには、カイノミと呼ばれるバラ肉があります。形が貝に似ているため、この名前がついたと言われています。英語では「bottom flap(ボトムフラップ)」といいます。
ランプは腰からお尻にかけての赤身で、英語で「sirloin butt(サーロインバット)」といいます。お尻の先には、イチボと呼ばれる赤身があり、英語では「aitchbone(アイチボーン)」といいます。そしてその先にあるのが、尻尾「tail(テール)」です。
脚の付け根部分には、外もも、内ももがあります。ももは赤身中心で、外ももの方が少し硬めです。英語では、外ももを「bottom round(ボトムラウンド)」、内ももを「top round(トップラウンド)」といいます。
続いて、ホルモン部位の英語表現を紹介します。タンは舌のことで「tongue(タン)」といいます。レバーは肝臓のことで「liver(リバー)」といいます。またハラミと共に横隔膜の一部であるサガリは「hanging tender(ハンギングテンダー)」といいます。
牛は胃を4つ持っており、第一胃のミノは「rumen(ルーメン)」、第二胃ハチノスは「honeycomb tripe(ハニーコントライプ)」、第三胃センマイは「omasum(オウメサム)」、第四胃ギアラは「abomasum(アボメサム)」といいます。
腸は大きく、小腸、大腸、直腸に分けられ、それぞれ英語で「small intestine(スモールインテスティン)」「large intestine(ラージインテスティン)」「rectal(レクタル)」といいます。焼肉店のメニュー名はそれぞれ、マルチョウ、シマチョウ、テッポウといいます。
豚肉の部位の英語表現
ハラミは牛だけでなく、豚や鶏などにもあります。豚のハラミは「pork outside skirt(ポークアウトサイドスカート)」と前にporkをつけます。
ハラミ以外の肉の部位の英語表現も、牛肉の表現の前にporkをつけて表します。ここからは豚肉の部位別の英語表現を紹介します。
肩は「pork sholder(ポークショルダー)」、肩ロースは「pork boston butt(ポークボストンバット)」、ロースは「pork loin(ポークロイン)」、カルビは「pork rib(ポークリブ)」、バラは「pork back rib(ポークバックリブ)」、骨つきの肉は「spare rib(スペアリブ)」、ももは「Ham(ハム)」といいます。豚トロは豚の首にある霜降りの肉のことで、英語で「pork neck(ポークネック)」といいます。
鶏肉の部位の英語表現
牛と豚のハラミは横隔膜の筋肉と説明しましたが、実は鶏のハラミは横隔膜ではありません。そもそも、鳥類である鶏には横隔膜がありません。
鶏のハラミは腹側の筋肉のことで、この筋肉は内臓を支えています。牛や豚のハラミは、赤身肉のような食感を持ち合わせていますが、鶏のハラミはコリコリとした食感が特徴です。英語では「chicken outside skirt(チキンアウトサイドスカート)」といいます。ここからは、鶏肉の部位別表現を紹介します。
せせりは「chicken neck(チキンネック)」といいます。鶏胸肉は「chicken breast meat(チキンブレストミート)」といい、脂肪分が少ない淡白な味わいです。胸肉の奥には最もタンパク量が多い鶏ささみがあります。鶏ささみは、牛や豚のヒレにあたり、「chicken tender(チキンテンダー)」といいます。
手羽先は「chicken wing(チキンウィング)」、鶏ももは「chicken thigh(チキンサイ)」、ぼんじりは「chicken tail(チキンテール)」といいます。
鶏特有の部位として「砂肝」があります。砂肝は砂嚢と呼ばれる胃の一部で、食べ物と一緒に飲み込んだ石や砂が溜められています。鶏は食べ物を丸飲みするため、胃の消化液だけでは消化しきれないことがあります。そこでこの砂嚢の砂や石で食べ物を擦りつぶりて消化を助けます。砂肝は英語で「Gizzard(ギザード)」といいます。
サイドメニューや調味料の英語表現
焼肉店では、肉だけでなく野菜などのサイドメニューも提供されています。また、肉や野菜につける調味料にこだわっている店舗もあります。ここからは、野菜や調味料の英語表現について紹介します。
野菜メニューの英語表現
野菜は大きく緑黄色野菜と淡色野菜に分けられます。焼肉で提供される緑黄色野菜には、人参、ピーマン、サンチュなどがあります。それぞれ「carrot(キャロット)」、「green pepper (グリーンペッパー)」「lettuce(レタス)」といいます。
淡色野菜には、とうもろこし、玉ねぎ、キャベツなどがあります。それぞれ「corn(コーン)」「onion(オニオン)」「cabbage(キャベッジ)」といいます。
また、焼肉のサイドメニューでは、キノコ類もよく見かけます。しいたけは「shiitake mashuroom(シイタケマッシュルーム)」、エリンギは「king oyster mashuroom(キングオイスターマッシュルーム)」といいます。
野菜は単品だけでなく、盛り合わせでも提供されています。野菜の盛り合わせは「assorted vegetables(アソーティッドベジタブルズ)」といいます。アソートという言葉は、日本でもお菓子の詰め合わせなどで使われているので、馴染みがある人も多いかもしれません。
調味料の英語表現
焼肉店で最もよく使われる「焼肉のタレ」は「grilled meat sauce(グリルドミートソース)」といいます。ささみなど、脂身の少ない肉の場合は、ポン酢でさっぱり食べる人も多いようです。ポン酢は「ponze sauce(ポンズソース)」といいます。
また、タレやポン酢などの液体につけて食べるのではなく、わさびや塩などの調味料で食べる食べ方も流行っています。わさびは「japanese horseradish(ジャパニーズホースラディッシュ)」、塩は「salt(ソルト)」、柚子胡椒は「yuzu pepper (ユズペッパー)」、にんにくは「garlic(ガーリック)」といいます。
焼肉屋で使える接客英語のフレーズ
自分が焼肉店で仕事をしている時に外国人の方が来店した場合、英語で接客できると非常に親切です。ここからは、入店時や注文時、会計時に使える接客英語フレーズについて紹介します。焼肉店以外でも使えるフレーズもあるので、ぜひ覚えてください。
入店時の接客英語
まず、入店時に使える接客英語フレーズです。お客様が入店されたら「いらっしゃいませ」と言います。「Welcome」のほかにも「Good evening」という挨拶をする方法もあります。
次に、お客様が何名か確認するために、「How many people?(何名様でしょうか?)」と聞き、「This way please.(こちらへどうぞ)」と席へ案内します。もし、満席であれば、「I’m sorry, we are full now. (申し訳ございません。只今満席です)」と伝えます。
注文時の接客英語
次に注文時に使える接客英語フレーズです。注文を聞く時は、「Are you ready to order?(ご注文はお決まりでしょうか?)」と尋ねます。飲み物の注文を聞く時は、「Would you like something to drink?(何かお飲み物はいかがですか?)」と尋ねます。
ここまでの注文時の接客フレーズは、焼肉店以外の飲食店でも使えるものでした。ここからは、主に焼肉店で使われる注文時の接客フレーズです。
焼肉店では、焼き網の上で肉や野菜を焼きます。お客様が加熱した網で火傷されないように、「Please don’t touch the grill.(焼き網に手を触れないでください)」と伝えます。
また焼肉店では、生の食材をお客様自身に焼いてもらいます。「Please use tongs when grilling.(焼く時はトングを使ってください)」と伝えて、トングでの調理を促します。
会計時の接客英語
最後に会計時に使える接客英語フレーズです。ここから先は、焼肉店以外でも使えるフレーズです。
会計を頼まれたら、「Your total is 7,000 yen.(お会計は7,000円です)」のように金額を伝えます。現金で払う場合とカードで払う場合が考えられるので、「Would you like to pay by cash or card?(現金で支払いますか?それともカードで支払いますか?)」と聞きます。 現金で支払ってもらう時、お釣りがある場合は「Here’s your change.(おつりをどうぞ)」と言いながらお釣りを渡します。
そして最後は、「Thank you for coming. Please come again!(ご来店ありがとうございました。またのお越しをお待ちしています!)」と言ってお客様をお見送りします。
ハラミなど肉の英語表現を覚えよう!
いかがでしたか?ハラミを含めて焼肉店で使える肉の部位別英語表現や野菜、調味料の英語表現、接客で使える英語フレーズについて紹介しました。英語がそのまま日本語読みとしても使われている部位もありますが、全く想像がつかない英語が使われている場合もあります。
焼肉のメニューの英語表現や接客の英語フレーズを覚えれば、自分が接客する時や自分が外黒人を連れて食事に行く時に非常に役立ちます。ぜひ、これらの英語表現を覚えて、使ってみてください。