2018年06月25日公開
2024年07月20日更新
マゴチの捌き方を料理ごとに詳しく解説!魚の締め方も紹介!
マゴチという魚を知っていますか?見た目はちょっと不恰好ですが、とても美味しい白身の魚です。釣りの対象としても人気の魚ですが、捌き方や正しい締め方といった、マゴチの味を楽しむための技術的なことというのは、まだまだ知られていないことも多い魚です。釣りでも人気者のマゴチを、味が落ちないようにするための正しい締め方や、美味しく食べるための料理に合った捌き方まで、画像を交えて紹介します。
目次
マゴチを釣りに行ってみよう!
マゴチはグロテスクな見た目に反して味が良く、釣り好きにとっても人気の魚です。とはいえ、釣りでマゴチに慣れ親しんでいる人はともかく、初めて釣ったとか店で見かけるだけという人にとっては、どう処理したらいいものか良くわからない魚でもあります。そんなマゴチの締め方から捌き方、料理方法までまとめて紹介します。
マゴチってどんな魚?
マゴチはカサゴ目コチ科に属する魚類です。全長は50cmほどですが、大きいものだと約80cmというものもいます。以前は成長するに従ってオスからメスに性転換するといわれていましたが、その後の調査で稚魚の段階で性が決まり、メスのほうが大きくなりやすいということがわかりました。今もまだ性転換する魚として誤解されていることも多い魚です。
マゴチを釣ったときの締め方
マゴチは釣れた後、すぐにきちんとした締め方をしないと、鮮度が良くても味が落ちてしまいます。釣り上げたマゴチを、鮮度だけでなく味も落とさないように持ち帰るには、正しい締め方を知っている必要があります。マゴチに限らず、釣った魚はすぐに正しい締め方をしたほうが、味が落ちるのを防ぐことができるので、マゴチに限らず締め方を勉強しておくと、釣った魚を美味しい状態で持ち帰ることができるのでおすすめです。
一般的な魚の締め方
マゴチに限らず、魚は釣ったその場でその魚にあった締め方をすることで、鮮度を保つだけでなくストレスなどで味が落ちることを防ぎましょう。釣りは美味しく食べることまでひっくるめて楽しむのが醍醐味です。マゴチも正しい締め方をして、家まで新鮮で美味しい状態のまま持ち帰りましょう。そのためにもマゴチの正しい締め方をマスターしておくことが大事です。
通常は30cmを超えるサイズくらいから、血抜きをするなどきちんとした締め方をします。通常の魚の締め方の手順は、魚の脊髄に専用のワイヤーを通して動けなくする神経締めをした後に、中骨と血管を一緒に切って血抜きをし、魚の種類にあわせてエラを裂くように切ったり取り除いたりします。最後に尾にある脊髄を切ったら、頭を下にして水を張ったバケツの中で魚を振ると、効率よく血抜きができます。
マゴチの締め方
マゴチも締めた方がよい魚です。なるべくストレスがかからないように、釣ったらすぐ締めた方がおすすめです。ただし釣り船などの設備が整った場所ならともかく、血が流れることで魚が釣れなくという人もいるので、周囲への配慮は忘れないようにしましょう。水を入れた大き目のバケツを用意しておくことで、ある程度血抜きをしやすくなります。通常の締め方とは手順が異なりますが、初心者でもわかりやすい締め方を紹介します。
まずはマゴチを裏返して、エラとエラの間をナイフやハサミを使って切ります。マゴチのエラを通る動脈を切ることで、効率よく血抜きができます。画像のようにストリンガーと呼ばれる道具で逃げられないようにして、そのまま海に10分ほど入れて血抜きをしても良いですが、他の生き物が寄ってきて齧られることもあるので、用意しておいたバケツに入れると良いでしょう。
血抜きをしたら、表にしたマゴチの脳天の急所を見つけます。マゴチは脳天に丸いくぼみがあります。そこが脳天の急所になります。急所の下にはマゴチの脳があるので、ナイフやハサミなどの道具を刺して、脳をつぶします。うまく脳がつぶれると、反射で背びれが立つので簡単に判断できます。血抜きをして脳をつぶすことで死後硬直が起こりにくくなり、通常味が落ち着くのに数日かかるところをすぐに刺身にしても旨味を感じられます。
さらに味を追求するなら、神経締めもしておくのがおすすめです。水場が近くになかったり、バケツを用意しておくのが大変などで血抜きをできない場合にも、脳をつぶして神経締めするだけでも全然違います。神経締めをするときは、まずは胸びれの辺りのエラの間をしっかり背骨まで切ります。釣具店などで魚の解体用のナイフも売っているので、そういったものを使うと良いでしょう。
中骨を切ったところで持って帰っても良いのですが、中骨を切ったマゴチの首を折り曲げてみると、骨の中から白い繊維のようなものが出ているのを見つけることができます。実はこの白い繊維のようなものが、マゴチの神経になります。今度はこのマゴチの神経を処理していきます。
神経締めには、専用の締め具を使います。こちらも釣具店や通販でも売っています。締め具はガイドと呼ばれる部品と、神経に通していくワイヤーに分かれます。ガイドの細いほうを先ほどの神経に刺したら、締め具のワイヤーを刺していきます。うまく入ると、ワイヤーを動かすたびに反射で背びれが立つのでわかりやすいです。小さめのマゴチだと脊髄が細くワイヤーが出てくることがありますが、ガイドを指しただけでも効果は十分です。
捌き終わったマゴチは切り口が大きいため、水が中に入らないように包んでから、氷を入れたクーラーボックスなどに入れて持ち帰りましょう。ここまで締めておけば、帰ってすぐでも刺身でも楽しめます。白身魚は、死後硬直してしまうと硬直が解けるまで、歯ごたえは良いものの旨味に欠ける刺身になってしまいます。通常1日~2日ほど置く必要がありますが、きちんと締めたマゴチならすぐに刺身でも楽しめます。
マゴチの旬はいつ?
マゴチの旬は夏です。マゴチはちょうど冬が旬のふぐと対極に真夏に旬が来ることもあり、「夏のふぐ」とも呼ばれることもあって、旬のマゴチは値段も高めになります。その薄作りの刺身はふぐの刺身である「てっさ」にも引けは取らないとも言われ、「テッサナミ(てっさ並み)」という名前でも呼ばれることがある高級魚です。
マゴチってどんな味?
ふぐに例えられるだけあって、その白身は上品で刺身が最も美味しい食べ方と言われます。一方で旬のマゴチはその程好い脂のりから、ヒラメとも比べられます。総じて言うと、「程好い脂の乗りと肉質も程好い弾力があり、透き通った白身をした上品な味わい」と言います。刺身が一番美味しいと言われながらも、アラからは美味しいだしが出て、どんな料理にしても高い値段に見合う最高に美味しい夏の魚、という高評価な魚です。
マゴチの値段は?
マゴチはかつては、料亭で振る舞われるような高級魚だったため、値段どうこう以前に売られているのを目にする機会はほぼない魚でした。ですが今では鮮魚店や漁協の直売所など、手の届くところでも買える値段で売りに出されるようになってきました。釣りでも人気になって値段を気にせず食べられるようになるなど、段々身近になりつつある魚です。
マゴチの値段は地域で差がある
マゴチの値段はその漁獲量によっても影響を受けやすく、産地によっても値段に差のある魚です。1kgあたり1,000円しないところもあれば、1kgあたり5,000円を超える値段が付くこともあるなど、値段差が大きい魚です。特にきちんと活き締めされたものは味も良いため、より高い値段で取引されています。明石浦のマゴチは他の地域と違い、冬も脂が乗って旬とされるため、自然と高級料亭向けの値段になります。
マゴチのさまざまな捌き方
マゴチはその独特な姿のため、どんな料理に使うかで捌き方を変える必要があります。一方で捨てるところがないと言われるくらい、一部の危険部位を除きアラまで全て利用できる素晴らしい魚です。そんなマゴチのいろいろな捌き方を紹介します。
マゴチの安全な捌き方のポイント
マゴチを捌くときには、まずは危険部位から落としていきます。マゴチを捌くのに危険な部位とは、棘状になっている背びれと尻びれの他に、両方のエラ蓋の両脇から出た鋭い突起状の棘です。特にこのエラ蓋の棘は、締めるときにも危険なので、注意が必要な部分です。キッチンバサミや魚捌き専用のハサミなどで、全て根元から切り取ってしまいましょう。
マゴチの基本的な捌き方
危険部位を切り落としたら、いよいよ捌き始めます。マゴチはぬめりが多いので、滑り止めに軍手をはめて作業するか、先にぬめりを落としても良いでしょう。一番簡単な方法は、ステンレスたわしでウロコごとぬめりをこすり落としてしまいます。このとき古いステンレスたわしを使うと金属片が出て危険なので、新しいステンレスたわしを使いましょう。マゴチはアラも使うので、ウロコもぬめりも綺麗に落とすようにします。
次に頭を落としていきます。マゴチの体を軽く起こしたら、胸びれと腹びれに沿って、両脇から包丁を入れます。このとき刃先の方向に、手や指が来ないように気をつけましょう。切ろうとして力を入れたときに、勢い余って一緒に切ってしまう危険性があります。締めたときに、内臓と頭を切り離さずに済んでいた場合、首周りの切り具合を加減して、頭を切り落としたときに内臓ごと引き抜くこともできるようになります。
もうひとつ、マゴチの頭の落とし方があります。その安定性のある体型を利用して、お腹のほうから頭を切り落とす方法です。あごの付け根に包丁の切っ先を刺し込みエラの付け根を切り落としたら、後は包丁を斜めに入れていきます。刃先で背骨の関節を探り当てたら包丁を入れて、そのまま頭を切り落とします。まな板との設置面が大きいため安定性が良く、安全に綺麗に切ることができます。
頭を落としたら、次は内臓を取っていきます。マゴチの肛門から、包丁の刃先を皮側に向けて差し込みます。そのまま頭のほうに向かって、お腹を切り開いていきます。夏場は卵を持っていることも多く、取り出しにくい場合は無理に引っ張らずに、肛門部分の筋を包丁で切ってから残りの内臓ごと取り出して、丁寧に切り分けます。後々卵も煮つけなどにすると美味しく食べられます。
最後にマゴチの中骨に付いている血ワタを取り除きます。竹串を束ねたものなどで、こそぎ落とすようにして取り除きます。マゴチの血ワタは取り除きにくいのでたわしでこする方法もありますが、必ず新しいものを使うようにして、身に金属片などのかけらが食い込んで残ることがないようにします。最後に水で綺麗に洗い流し、水分を丁寧にふき取ります。水気が残っていると、臭いが出たりふやけたりして味が落ちてしまいます。
マゴチを3枚おろしにする捌き方
マゴチの3枚おろしの捌き方は、まずは頭を切り落とした切り口から包丁を入れて、背びれの中骨に沿って刃を滑らせて、尾の付け根まで背中の身を切り開いていきます。背中を切り開いたら次は、尾の付け根から尻びれの中骨に沿って、腹の切り口まで切り開いていきます。ここまでは他の魚と同じですが、次は中骨と腹骨の接合部分の軟骨を1本ずつ切っていきます。この段階では、身と中骨はくっついたままの状態です。
中骨と腹骨をつなぐ軟骨を切り離したら、尾の付け根のほうから再び包丁を差し込んで、中骨に沿って包丁の刃を滑らせて中骨と身を切り離します。これでマゴチの半身を切り離すことができます。反対側も同じ手順で中骨と身を切り離しましょう。
中骨から離したマゴチの身から、今度は腹骨をそぎ落としていきます。一般的な魚と違ってマゴチは巻き骨のため、お腹の部分の身の中に骨が深く食い込んでいます。そのため他の魚のように後から抜き取ったり、薄くそぎ落とすことは非常に難しい魚です。そのため腹骨の切り口から包丁を入れて、腹骨の外周を沿うよう意識しながら、骨ごと大きく切り取るようにします。
お腹の部分の血合いや身ごと、まとめて切り取ってしまうくらい思い切って切り取ります。腹骨が付いたままの身は、アラとして使っても良し、ぶつ切りにして料理しても良しなので、捨てずにとっておくようにしましょう。
マゴチを3枚におろすもうひとつの捌き方
マゴチはその体型から、慣れない人が横にして捌くには安定性の悪い魚です。そのためまずは平らなお腹を下にして、安定した状態で背びれの向こう側を包丁の切っ先近い部分で、まずは軽く皮を切る程度に頭のほうから尻尾に向かって切り、もう一度今度は中骨に当たるまで切り込んでから尻尾に向かって切っていきます。反対側も同じように、2回に分けて切り込みます。
背中側を切ったら裏返して、今度はお腹側を切っていきます。尾のほうから尻びれの向こう側を、1回目は皮だけを切るような感覚で、2回目は中骨の横を通って背中まで切り込んでいきます。腹骨のところまで切ったら、包丁を立てるようにして、切っ先の部分で腹骨の付け根に包丁を差すようにして、切り離していくと簡単に切り離せます。
残った反対側は半身が切り離せているので、通常の3枚おろしの捌き方でも安定しておろすことができます。腹骨のところだけは、包丁を立てるようにして骨の付け根を切るようにするだけです。中骨に少し身が残ってしまいますが、マゴチは横に軽く押しつぶしたような体型をしているので、慣れるまでは安定した状態で切るようにするのがおすすめです。
マゴチのアラの捌き方
マゴチのアラからは、とても美味しいだしが出ます。そのため捌いた際に出たアラも、きちんと処理しておきましょう。頭は硬い中骨を避けてその両脇をキッチンバサミなどで切った後、適当な大きさに切り分けてます。エラは取り除いて処分して、血ワタは綺麗に洗い流しておきましょう。
中骨も適当な長さに切り分けておきます。中骨を切り分けるときには、力で押し切るのでは硬すぎるので、それぞれの骨の節目にある軟骨を切るようにします。軟骨部分に包丁を当てたら、そのまま手を上から押し当てれば、簡単に切り離すことができます。
処理を終えたアラは、そのままだしをとるのに使っても美味しいですが、中骨に残る身も多く頭も独特の美味しさがあるため、そのまま潮汁やアラ煮などの料理にしても楽しめるのでおすすめです。
捌き方を覚えたらマゴチで料理を作ってみよう
マゴチをさまざまに捌いたら、早速料理を作って楽しみましょう。マゴチは白身魚のため、きちんと締めなかった場合には、身の熟成を促すため冷蔵庫で寝かせる必要があります。ですがちゃんと締めたマゴチなら、すぐにいろいろな料理で楽しめます。マゴチの美味しい料理方法を紹介します。
マゴチをいろいろな「刺身」で楽しむ
高級な白身魚と言ったら、やっぱり刺身ははずせない料理です。しかもふぐにも例えられるマゴチは、まさにふぐ刺しのように捌いてみても美しい料理に仕上がります。捌き方を変えて、いろいろなマゴチの刺身を楽しんでみませんか?
マゴチの刺身に適した捌き方
3枚におろしたマゴチを使います。マゴチの腹骨を取った後に、中骨の付いていた部分に沿って背中側と腹側に切り分けて、刺身用の柵にします。そのままでは皮が付いたままなので、刃の薄い柳刃包丁などで尾のほうから皮と身の間に刃を入れたら皮を引くと、ほとんど抵抗もなく簡単に皮を剥ぐことができます。
マゴチの薄作りに適した捌き方
マゴチは身の締りが良いので薄造りにします。白身魚は一晩置くと味もなれて旨味が増します。まだ締りが良いときはふぐ刺しの要領で薄造りにすると良いでしょう。刺身包丁全体を使って、筋肉の繊維に平行に引いて切ると、薄い綺麗な刺身になります。
捌き方を変えていろいろな刺身を作ってみよう
ふぐ刺しのように極薄の刺身にするときは、厚い柵のままだと上手に切れません。そのため柵の厚さを画像のように半分にヘギます。厚さを調節することで、薄造りに適した柵にすることができます。
さらに薄くした刺身用の柵を、さらしなどで巻いたら半日ほど冷蔵庫で寝かせましょう。こうすることで締めたばかりの身よりも旨味が増すだけでなく、薄切りにしやすくなるのでおすすめです。先にも紹介しているように数日置いても良いのですが、鮮度管理に自信がないときなどはこの方法が一番良いでしょう。白身魚全般に言えることなので、白身の旨味を味わうためにも覚えておきたいポイントです。
寝かせておいた柵を薄造りにするときは、左手の指先の感覚を上手に使って、包丁の先を巧みに利用して切るのがポイントです。身が透き通って包丁が見えるように引きます。引いた身の端を向こう側に折る妻折りにしたり、角をつけて菊作りや牡丹作りにしたり、中央から折れば浪造りになります。皿を右回しにしながら重ねていくと、「てっさ」のような盛り付け方も楽しめます。湯引きした皮を細切りにしても美味しいです。
小さいマゴチの「塩焼き」
小さいマゴチを釣ったときには、丸ごと塩焼きにするのもおすすめです。店で買うときにも小さめのマゴチなら、値段も安めでおさえられます。ただしリリースが定められているほど小さいマゴチは、ちゃんと海に返してあげてください。
小さいマゴチは捌き方も簡単
小さいマゴチは、危険部位を切り取ったら後はぬめりとウロコを取って、エラと内臓を取り出して洗うだけです。特別な捌き方は必要ないので、下処理だけで終わるといっても過言ではありません。くれぐれもエラのところの棘の取り忘れには注意しましょう。
マゴチの美味しい焼き方
下処理を終えたマゴチに塩を振ってなじませたら10分ほどおいて、出てきた水気は丁寧にふき取ります。グリルなどで腹側から焼き始め、軽く焼き目が付いたら裏返して背中側を焼きます。背中側にも軽く焼き目が付いたら焼き上がりです。フライパンで蓋をしてじっくり焼くと、生焼けを防ぎやすいです。好みでレモンや醤油をかけると美味しくいただけます。
簡単で美味しいマゴチの「煮付け」
マゴチの頭も一緒に、おいしい煮付けを作ってみませんか?皮付きの身で煮付けると、皮のゼラチン質がとろける、おいしい煮付けになります。腹回りの骨がちょっと気になるかもしれませんが、卵も持っていた場合に一緒に煮付けると、より美味しいおかずになります。
煮付けに適したマゴチの捌き方
頭は取って半分に切り、身はお腹を開いて内臓を取り除いた後に、尻尾のほうまで切り開いて2枚おろしにした後、適当な長さにぶつ切りにします。もし売っているのを見つけたときは、店員さんに頼めばおろしてもらえるところもあります。お値段はちょっと高目かもしれませんが、値段に見合う味を楽しめます。
マゴチを煮付ける際のポイント
フライパンに酒・醤油・味醂・砂糖・しょうがを入れて煮汁を作ります。煮汁はお好みで調味料の分量を調節します。水は入れずに煮汁だけで煮付けていきます。魚に火が通ったら火を止めて、冷ましながら味をなじませます。煮汁は焦げ付かないように気をつけてください。
皮ごとカラッと!マゴチの「唐揚げ」
マゴチも他の白身魚同様に、唐揚げにしても美味しい魚です。あえて皮付きの切り身を使うことで、マゴチの皮の旨味と美味しい白身の両方をいっぺんに味わうことができます。魚の多くは皮も美味しいので、ぜひ皮を剥かずに料理してみてください。
唐揚げに適したマゴチの捌き方と下処理
3枚におろしたマゴチの身を、皮を剥かずに切り身にします。身に含まれる余分な水分と臭み取りのために、塩を振って20分ほど置きます。出てきた水分はふき取り、全体に片栗粉をまぶしたら170℃の油で揚げます。衣がキツネ色に変わったら揚げパッドにあげて油を切れば、美味しいマゴチの唐揚げのできあがりです。
美味しく揚げるためのポイント
マゴチの切り身は、均等にすばやく火が通るように、8mmくらいに切ります。単に火の通りが良いだけでなく、歯ごたえも十分にあって美味しく仕上がります。油で揚げるときは油の温度が下がらないように、一度に揚げる個数は、3個~5個くらいにすると上手に揚がります。
マゴチの出汁を楽しむ「アラ汁」
マゴチのアラからは、とっても美味しいだしが出ます。中骨に身が残りやすいこともあり、アラ煮も良いですがもっと簡単な料理として、アラ汁もおすすめです。夏の暑い時期は、荒熱を取って冷蔵庫で冷やしてもさっぱりいただける、おすすめの料理です。
アラも捌き方で料理の主役になれる
マゴチは先の捌き方のところでも説明したように、アラも料理として利用しやすい魚です。そのため下処理の段階で、危険なひれや棘を処分し、ウロコも丁寧に取り除いておきます。特に中骨や腹骨には、身も多く残っているためとても美味しい料理になります。マゴチのアラの旨味を堪能してみましょう。
塩と醤油でアラ本来の味を楽しむ「アラ汁」
マゴチのアラは、沸騰したお湯に表面が白くなるくらいまでくぐらせます。鍋にアラとアラが浸るくらいの水と酒を入れたら火にかけて、沸騰したら弱火にして10分ほど煮込んで味を出させます。塩で薄く下味をつけてから玉ねぎなど好みの野菜を入れて、醤油で味を調えたらできあがりです。好みで刻んだ小ネギなどを振りかけても美味しい料理です。
マゴチの贅沢な食べ方!「マゴチ鍋」
文字通りマゴチを丸々1匹使って作る贅沢な鍋です。マゴチの旨味全てを、余すところなく食べきる方法でもあります。丸ごとのマゴチが手に入らないと作れない鍋でもあるので、自分で釣ってきたときでもないと作れない料理とも言えます。
マゴチ鍋に適したマゴチの捌き方とマゴチ鍋の作り方
マゴチの危険部位である背びれと腹びれ、エラの棘を取ったら、ぬめりやウロコに内臓を取り除き、中骨ごと豪快にぶつ切りにします。マゴチの準備はこれで完了です。後はだし汁にマゴチと豆腐や野菜を入れて、一緒に煮込むだけです。マゴチの上品な旨味が広がり、ポン酢などでさっぱりと美味しくいただけます。
マゴチ鍋の締めは雑炊に
鍋でマゴチの美味しさを堪能したら、残ったおだしにご飯を入れて雑炊にしましょう。マゴチの旨味たっぷりの、美味しい雑炊のできあがりです。夏の暑い時期に鍋?と思うかもしれませんが、夏の暑い時期だからこその美味しさがある、限られた季節だけの最高の一品です。
マゴチを料理に合った捌き方で美味しく食べよう
マゴチは刺身が一番美味しいといわれていますが、焼いても揚げても煮ても美味しい最高の魚のひとつです。見た目はイマイチですが、夏の時期には間違いなく食べてみたい魚です。せっかくだから自分で釣って、上品な身も、旨味たっぷりのアラも思う存分楽しんでみてはいかがでしょうか?