ニザダイの食べ方とさばき方を紹介!刺身など料理の味を調査!

ニザダイという魚を知っていますか?西日本の海域ではよく捕れる魚ですが、関東から北ではあまり馴染みのない魚かもしれません。このニザダイには、あまり芳しくない評判があります。釣り人の間では外道と言われ、自分でさばいて食べた人には磯臭くておいしくないと言われています。しかし、身の質は悪くなく、正しいさばき方をすれば美味しく食べられるそうです。特にお刺身にうってつけだといいます。今回は、そのニザダイを美味しく食べられるさばき方と食べ方を紹介します。

ニザダイの食べ方とさばき方を紹介!刺身など料理の味を調査!のイメージ

目次

  1. 1聞きなれない魚ニザダイは家で食べられる?
  2. 2ニザダイはどんな魚?
  3. 3ニザダイの美味しい食べ方
  4. 4ニザダイのさばき方を見てみよう
  5. 5新鮮なニザダイは刺身にしよう
  6. 6ニザダイは意外と美味しい魚だった!

聞きなれない魚ニザダイは家で食べられる?

ニザダイという魚に馴染みのある人は、かなりの魚好きか釣り人でしょう。魚屋で売っているのを見かけることは、滅多にないと言っていい魚です。

しかし、西日本ではよく生息しており、素潜りするとたくさん捕まえられるといいます。捕まえたニザダイを家庭でさばいて食べる人もすくなくありません。フライやお刺身、煮つけなどいろいろな食べ方ができます。魚屋さんにも時々安価に出回っていることもあります。

ニザダイは磯臭いがきつく、とても食べられないという人もいれば、身の質が良くて脂が乗っているので、さばき方に注意すれば美味しく食べられるいいます。また臭いを緩和する食べ方もあるともいいます。家庭で美味しく食べられるさばき方と食べ方を紹介していきます。

ニザダイはどんな魚?

日本で西日本から南の沿岸に生息するニザダイ科の魚です。関東では伊豆七島にもよく数匹の群れで生息しているそうです。台湾や韓国の南部の沿岸にも生息しているといいます。主たる餌は植物性の石灰藻や海藻などですが、動物性の甲殻類(エビ、カニ)なども食べるといいます。

名前が示す通り、真鯛などのタイとは、同じスズキ目で分類される遠い親戚です。名前のニザダイのニザは「新背=新しく大人の仲間入りした若者」から来ているといい、ニザダイとは、「青二才のタイ」とも「タイの端くれ」という意味があるといいます。

大きな葉っぱのような体型で、尾ひれ近くの4、5個ある黒い斑点が特徴です。この斑点はガラスの破片のように鋭く尖っているので要注意です。ウロコはほとんどなく皮は手ではぐことができるといいます。骨は固いですが、いいだしがとれるともいいます。内臓が大きいので、排泄をなかなかしないそうです。身は透明感のある白身で、熱を通しても硬く締まらないといいます。

別名サンノジ

ニザダイはいろいろなローカル名があるようです。その中でも関東から関西、四国まで広く使われているのが「サンノジ」です。名前の由来は見た目の特徴である黒い斑点といいます。大きな斑点が3つあってそれが漢数字の三に見えるからという説と、斑点の1つの形が数字の3に似ているからという説があります。

ニザダイは外道で磯臭い?

ニザダイは、関西から南では多く生息しており、クロダイやメジナを狙った釣りで外道として釣られることが多いといいます。多く生息していて食用にもなるのにニザダイを狙った釣りや漁がないのは、磯の匂いがきつくて好まれないからといいます。臭いは夏がキツイという説と冬がキツイという説がありますが、冬の方が臭いは控えめなのでオススメという口コミが多いです。

ニザダイの臭みは、地域によって差があるそうです。内臓と皮に磯臭さがあるといいますが、高知で取れるニザダイは皮にほとんど臭いがないといいます。また、通常磯に生息するニザダイですが、沖合に住むニザダイもまれにあり、沖合のニザダイは臭いがあまりないそうです。

ニザダイの美味しい食べ方

臭いが気になるニザダイですが、良質な柔らかい白身で美味しいといいます。そのニザダイの美味しさを活かした食べ方を紹介します。いずれも新鮮なうちにさばいて、内臓を取り除いた後の腹の中をきれいに洗っておくのが、美味しく調理するポイントです。

スパイシーで良い香りニザダイのカレーフライ

ニザダイを三枚に下ろして、一口大にカットします。塩胡椒をして水気をきり、カレー粉をまぶします。エビフライやコロッケを作る要領で、小麦粉、卵、パン粉をつけて、油で揚げます。カレー粉が気になる臭みを緩和する働きをしてくれます。キスのように柔らかい白身魚フライになるそうです。

甘辛ダレが美味ニザダイの生姜入り絡め焼き

ニザダイの臭みを緩和するのに生姜を使う手もあります。カレーフライと同様に、ニザダイを三枚に下ろして、一口大にカットします。塩胡椒と片栗粉をまぶして、オリーブオイルで炒めます。火が通ったら、皿などに一旦取り出します。フライパンの油を拭き取り、生姜タレを作ります。

タレの材料は生姜のすりおろし(小さじ1)、醤油(大さじ2)、砂糖(大さじ2強)、みりん(大さじ2)、顆粒タイプのだしの素(小さじ1)に、水を適量混ぜます。生姜は生がなければチューブでもOKです。火をかけて沸騰したら、取り出したニシダイをフライパンに戻して、タレを絡めるようにして炒り煮します。生姜が気になる臭いを緩和して、美味しく食べられます。

その他のニザダイのおいしい食べ方

その他に、フードプロセッサーに入れてすり身にする食べ方もあります。タイ風にナンプラーやレッドカレーの元などを入れて、スパイシーに味付けるとおいしくなるようです。赤ピーマンやインゲンを入れて揚げれば、ニザダイさつま揚げが出来上がります。

徳島県では漁師の奥さんがよく食べるという、ニザダイを洗いにして酢みそをつけて食べる郷土料理があるそうです。

高知県では、「ハゲの焼き切れ」というニザダイを使った郷土料理があります。ニザダイの皮を手で剥いて三枚に下ろします。薄皮を焼いて刺身状に切ります。わさびしょうゆで食べるそうです。高知県のニザダイは、皮の臭いが少ないといいます。なので皮を少し残した料理があるのかもしれません。

新鮮であればムニエルでも美味しくいただけます。ニザダイの身に塩コショウと小麦粉をはたき、バターで焼き、最後にシェリー酒ビネガーをかけます。この時小麦粉をつけすぎないことがポイントです。シェリー酒ビネガーは、ヨーロッパでバルサミコやワインビネガーにならんで広く家庭で使われるお酢です。シェリー酒ビネガーがない場合は、レモン汁でもおいしくいただけます。

ムニエルを作る時には、小麦粉をつけすぎないようにします。余分な小麦粉は十分はたいて、フライパンにのせます。小麦粉が多いと脂っぽくしつこくなってしまいます。

ガーリックソテーでも美味しく頂けるそうです。その場合は、小麦粉はつけずにそのままニンニクの香りづけをしたオリーブオイルをフライパンで熱して、ニザダイの身を焼きます。ニザダイはサケのように皮の近くに脂肪があるので、ソテーやムニエルにするとサケのような味わいがするといいます。

ニザダイのさばき方を見てみよう

ニザダイを三枚におろすさばき方をみていきます。基本的には鯛やカワハギなどと同じさばき方だそうです。最初に頭と内臓をとりますが、臭いが強いのでまな板直接でなく、新聞紙をひくと良いかもしれません。ウロコはあまりないので、処理不要です。
 

ニザダイを釣って持ち帰るときには、釣ったところで血抜き(生け締め)をするといいといいます。えらの部分を少しカットして、氷海水につけて血抜きします。

さて家でさばくときには最初に、尾の付け根にあるゼイゴとよばれる突起物を削ぎとります。尖っているので、直接手に触れないように注意します。ゼイゴは両面あるので、裏面も同様に削ぎとります。

そしてニザダイのさばき方で一番のポイントが、最初の頭の処置です。出刃庖丁でエラの部分を切り込み、頭を立てて骨を切ります。裏面も同様にエラの部分を切り込みます。えらの部分を切り込むときに、内臓を傷つけないように注意します(内臓がつぶれると強烈な臭いを発し、身にその臭いがつくといいます)。頭を折るように引っ張ると、頭に内臓がついて身から離れます。

この内臓とその周辺につく脂がニザダイの磯臭さの元と言われているので、内臓が抜けた腹の中に残っている血合いや脂を流水でよく洗います。

次に、背と腹の両方から皮1枚分の切り込みを入れて、皮を手で頭から尾の方に引っ張るようにして剥ぎ取ります。この工程をスキップして、皮がついたまま三枚におろしてもOKですが、ニザダイは皮も臭みの元というので、臭みを避けたい人は先に取ってしまった方がいいかもしれません。

身を縦に置いて手で身を抑えながら、背中側から中骨に沿って包丁を入れます。背骨まで到達しましたら、尾の付け根のところを貫通させて、包丁の刃の向きを縦から横に変えます。尾の部分を手で押さえながら、包丁を斜めに引いて腹骨を切り離します。これで二枚おろしになります。

裏返して、背側から中骨に沿って背骨まで包丁を入れます。骨のついた身の部分を持ち上げながら、腹骨を切り、三枚おろしにします。

新鮮なニザダイは刺身にしよう

ニザダイの一番美味な食べ方は、刺身や洗いなど生だといいます。新鮮なニザダイを正しいさばき方でさばいた刺身が鯛よりおいしいぐらい絶品だそうです。なぜなら身が良質で締まって脂がのっているからです。身が硬めなので加熱料理よりお刺身に向いているといいます。

ニザダイの刺身はどんな味?

臭いを気にする人が多くいますが、意外と臭いはないという口コミも見かけます。新鮮なニザダイの刺身はほのかに甘みがあり、マダイや高級白身魚のお刺身より美味いということです。薄切りでも普通の厚めの切り方でもよいといいますが、たいていは薄切りで食べるようです。

刺身の切り方マスター

まず、三枚おろしのニザダイの皮をむきます。刺身用なので、皮は手で引っ張る焼ききりでなく、包丁をつかってむきます。そして、三枚おろしの身には、小骨が残っているので、骨とりでで骨を抜きます。

骨を抜くときは、身をまな板の上には置かず、手に持ちます。その方が作業がしやすいです。骨抜きのポイントは、しっかり骨抜きで掴んで、骨と同じ形でひくことです。骨がどうしても中に入り込んでるときは、テンパはねといって、中の身を薄く切り取って、骨を表面に出します。また、皮側から取る方法もあります。小骨抜きは、さばいてから半日寝かした後の死後硬直してから行うといいそうです。

お刺身用を作る時は包丁の刃元を刺身に当てて、手前にすーっと引きながら1回で切るのが正しい切り方といいます。生魚の身は柔らかいので、身に負担をかけないようにするのがコツだといいます。なので、刃の先でギコギコ押しながら切ると身を傷めてしまい、美味しくなくなります。

ニザダイのような白身魚は、目の向きがくの字になっているので、目の向きは気にしなくてよいといいます。切り方は、頭の方は幅が広いので平行に尾の方は幅が狭いので斜めに扇型切って、一切れの大きさをそろえます。

薄くそぎ切りにするときは、身は右斜め上に傾けて置きます。身の奥と手前で厚みが違う場合は、高いほうを奥にして置きます。左から、包丁の刃元側を右に傾けて斜めにあてて、スーッと引くように切ります。身を抑えている左手の下に包丁が通るイメージです。切り取った身は左手でつまんで、左側に重ねるように置いていきます。

さらに刺身切りプロに近づくには、腕の位置、包丁の持ち方、魚を置く場所にも気を配ります。脇を占めて、膝の角度を変えずに包丁の端から端まで使って切るとよいといいます。また、包丁は刃元から指一本半くらい空けて持つと、魚が良く見えるし、刃の全体を使って切りやすいといいます。そして、魚の身をおく場所は、包丁を引いたときに、刃がまな板に当たらないぐらいの手元が理想的です。

刺身を美味しく切るポイントをまとめると、「包丁の端から端まで使う」、「スーッと切る」、「魚の身に負担をかけないようにする」となるようです。

ニザダイはなめろうが美味

房総半島が発祥の漁師料理のなめろうも、ニザダイで食べると美味と言います。ニザダイの身を細く切り、刻んだみょうが、大葉、ねぎ、おろした生姜とニンニク、そして味噌を合わせます。粘り気がでるまでたたきます。たたき終わったら、まるく形に成型してお皿に盛って、卵黄を上にのせます。仕上げに、いりごまと一味唐辛子を散らします。お皿に大葉をひいておくと盛り付けがきれいになります。

なめろうにするとこの魚独特の個性は薄らぎますが、旨味は増すそうです。箸でなめろうをつまみながら、卵黄にまぶす食べ方が、目が丸くなるほど美味しいといいます。

ニザダイはポン酢と相性が良い

ニザダイのお刺身は、にんにくポン酢しょうゆで食べると美味といいます。また、もみじおろしと小ネギとポン酢でおいしくいただけるとも言います。また、オニオンスライスの上にニザダイのお刺身を乗せて、ポン酢で食べる食べ方もあります。

また、昆布締めをしたニザダイをポン酢でいただくのも美味といいます。三枚におろしたサンノジを酢につけた乾昆布に挟んでラップして、冷蔵庫に1日寝かせます。翌日取り出して、薄切りにしてポン酢につけて食べます。

ニザダイは意外と美味しい魚だった!

いかがだったでしょうか?磯臭くて食べられないという評判のニザダイでしたが、新鮮なうちに正しいさばき方で処理すれば高級白身魚に引けをとらない味わいの魚だったようです。また、食べ方を工夫すれば臭さを緩和することもできます。さばき方をマスターすれば、予定外のニザダイを釣ったり魚屋で見かけたときには、試してみてもよさそうです。

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