2018年06月14日公開
2024年07月17日更新
ヤガラの種類と値段を調査!さばき方や美味しい食べ方と味も紹介!
ヤガラは細長い頭と体を持つ不思議な容姿をした魚です。日本近海ではアカヤガラとアオヤガラの2種類が生息しており、特にアカヤガラはその上品な白身と身の締まった食感が人気で、高級食材として料亭などで扱われています。漁獲量も少なくあまり市場に出回らない魚ですがとても美味しいと評判です。今回は珍しい魚「ヤガラ」の種類と値段、さばき方や美味しい食べ方、味についても紹介していきます。
ヤガラは細長い奇妙な魚
細長いくちばしを持つ、特徴的な容姿のヤガラという魚を知っていますか?スーパーなどにはほとんどと言って良いほど流通していない魚です。不思議な姿をしており、初めて見た人はびっくりすることでしょう。実は見た目に寄らず、ヤガラは上品な味の白身魚で、古くから高級魚として主に料亭などで扱われてきました。今回はそのヤガラという魚の種類や値段、さばき方や美味しい食べ方についても調査してみました。
ヤガラの特徴と種類について
ヤガラは、トゲウオ目・ヨウジウオ亜目・ヤガラ科に属する海水魚で、インド洋・太平洋・大西洋・の熱帯・亜熱帯域に広く生息しています。日本の近海では、アカヤガラやアオヤガラの2種類がみられ、特にアカヤガラは高級食材として重宝されています。ここでは奇妙な見た目のヤガラの特徴や種類について紹介していきます。
ヤガラの特徴は?
ヤガラの特徴は、まずはその細長い体ではないでしょうか?口の部分が異様に長く伸びていて、「フエフキ」という別名を持つほどです。ヤガラは温かい海の比較的浅い岩礁帯やサンゴ礁に生息しています。岩などの隙間にいる小魚や甲殻類を、細長い口を使い吸い込むように使い捕食するため、この細長い口が役に立ちます。ちなみに頭部の長さは体の3分の2も占めています。そして断面は丸く棒のような体をしています。
体表にウロコは全くなく、変わりに強烈なぬめりがあります。手で触れるとベトベトになるほどの粘液が付くので、釣りでたまたま掛かったときはあまり手で触れないようにクーラーボックスにしまいましょう。海水ではベトベトになるぬめりですが、真水で洗うと綺麗にぬめりは取れます。
尻尾の形も特徴的で、普通の魚の尻尾の間から1本だけ、細くて長い紐のような尻尾が生えています。ちなみにヤガラによく似た魚でヘラヤガラという魚がいますが、ヤガラとは別の種類になります。顔はよく似ていますが、こちらは尻尾が太いので尻尾で見分けることが出来ます。
ヤガラは大きく成長すると最大で2メートル、重さも5キロを超えるようになりますが、通常は1メートル前後のものが多いようです。ヤガラは温かい海水温を好むので、日本近海では西日本から九州・沖縄地方で漁獲されます。温暖な気候の沖縄などでは岸に近い位置にいることもあるため、岸からルアーで釣り上げることも出来るそうです。
ヤガラは4種類が確認されている
ヤガラ科に属する魚は全世界で4種類確認されています。そのうち日本近海に生息しているのは「アカヤガラ」と「アオヤガラ」の2種類です。まず高級魚とされている「アカヤガラ」は、ヤガラといえばアカヤガラのことを指すことが多い程、漁獲量も他の種類より多く、味も良いとされています。体は全体的に赤みを帯びていて、大きくなるのもアカヤガラの方です。
「アオヤガラ」はアカヤガラに比べると味が落ちると言われていますが、そこそこ美味しい魚のようです。身はしまって固く、脂もアカアガラに比べると少なくあっさりとした味わいです。そして市場には全くといって良いほど流通しておらず、他の魚狙いで釣りをしていてたまたま釣れ、自宅で料理して食べる人が多いようです。アカヤガラと形はほぼ一緒ですが、全体的に青みを帯びた体をしています。
アカヤガラは高級食材として流通
ヤガラの種類の中でも大きく成長し、味も良いとされるアカヤガラは高級食材として流通しています。そもそも漁獲量も非常に少なく、漁獲されてもすぐに高級料亭などに取引され市場に出回らないために、一般家庭で手に入ることはあまりないといえます。近年、食通の間で美味しさが評判になり、更に値段も上がって来ているようです。ですのでなかなか手に入らない高級食材のようです。
ヤガラの味や値段は?
日本近海で漁獲されるヤガラの種類の中でも、アカヤガラが高級食材として人気があることがわかりました。次は、その高級食材と言われるアカヤガラの味や旬、気になる値段について紹介していきます。
アカヤガラの味は?
アカヤガラの味は非常に上品な白身で、脂もしつこくない程度にのっていて非常に美味と言われています。食感はプリプリとしていて、甘味や旨味が多く感じられます。透明感のある白身は刺身にしても良いですし、小骨も少なく旨味がある白身は熱を加えた食べ方もおすすめです。また、小さな体のものよりも大きいものの方が美味しいそうです。一度食べると、アカヤガラの美味しさの虜になってしまう人もいるようです。
アカヤガラの旬の時期と値段
アカヤガラの旬は秋から冬にかけてと言われています。しかし、年間を通してあまり味が落ちることは無く、いつ食べても美味しい魚です。では、高級魚といわれるアカヤガラの値段は一体どれくらいなのでしょうか?
アカヤガラは大きなものほど値段も高く、1キロ以上のものは2000円以上という値段で取引されています。小さいものでも1000円から1500円程と、他の魚に比べると値段が高いことが伺えます。しかも大きさの割りに食べる部分が少なく、もともと値段が高い魚のうえに、可食部だけを単価にするとかなり高値になってしまいます。
しかしよく獲れる地域では、時期になると小さいものは700円程度の値段で販売されることもあるようです。市場で1000円未満でアカヤガラが販売されていたらぜひ買ってみて下さい。高級料亭でしか食べられない美味しい白身を味わえるチャンスです。
ヤガラのさばき方
ヤガラの細長い見た目を知っている人は、どういうさばき方をしたら良いのか悩んでしまうと思います。特に長い頭部分の骨が固いので、非常にさばきにくいといわれています。ここからは、そんなヤガラを一体どのようにさばいていくのか、ヤガラのさばき方について説明していきます。釣りでたまたま釣れたという人も、せっかく釣れた高級魚ですので、このさばき方を見て美味しく料理してみて下さい。
ヤガラの下処理
ヤガラのさばき方を紹介する前に、まず体表を覆っている厄介なぬめりを取りましょう。ぬめりは、しっかりと真水で洗うと割と簡単にとれてしまいます。ぬめりを落としたらキッチンペーパーで水気を拭き取ります。次は長い頭を落とします。奇妙な形をしているので、どのようなさばき方をしたら良いか悩むと思いますが、胸ビレの付け根あたりに、包丁を両面から入れると簡単に頭が落とせるようです。
次は内臓を取り出しましょう。頭を落とした所から肛門まで包丁を入れ、内臓を取り出します。開いた腹の部分をよく水で洗い流します。血合いなども良く擦って洗い落としましょう。次に尻尾を切っていきます。ヤガラの尻尾は1本だけ長く伸びた部分があります。そこを他の尻尾の部分と揃えるように切り落としましょう。これで下処理は終わりです。
刺身以外の料理は筒切りにしよう
ヤガラに火を通す食べ方をする場合は、下処理のあと筒切りというさばき方をしましょう。筒切りはいたって簡単です。皮も骨も取らずにぶつ切りにするだけでOKです。鍋の具材や椀物、煮物にするときも筒状にぶつ切りで大丈夫です。ヤガラは骨や皮からも良い出汁が出ます。三枚におろす自信が無いという人でも簡単に美味しく料理できるさばき方です。
ヤガラを三枚におろして刺身にしよう
新鮮なヤガラを手に入れたら、やはり刺身で食べてみましょう。まずは三枚におろします。割いた腹の肛門部分から包丁をいれ、中骨に沿って包丁を入れていきます。背側は、背びれのラインに沿うように包丁を入れていきます。次に尻尾の方から包丁を入れ、中骨から身を外していきましょう。
反対側も、背びれのラインに沿って切れ目をいれ、骨に沿って包丁を滑らせるようにして切っていきます。腹側も中骨に沿うように包丁をいれ、同じように尻尾側から身を切り離します。三枚におろせたら、腹骨の部分に包丁を入れて薄くすき取ります。
次は皮を引きましょう。尾の付け根側の皮の部分を少しはがし、皮を少し引っ張るようにしながら、身と皮の間に包丁を入れます。少しずつ小刻みに、刃先を動かしながら皮を引いていきましょう。頭の方から皮を引いても良いようです。皮が引けたらあとはお好みの薄さに切り、刺身にしましょう。
ヤガラのさばき方を動画で見てみよう!
ヤガラのさばき方について詳しく紹介されている動画があります。文章で見てもよく分からないという人も、動画を見ればさばき方の雰囲気が掴めます。実際にさばいている様子を見て参考にしましょう。
ヤガラの美味しいおすすめの食べ方
ヤガラは刺身はもちろんですが、煮てよし焼いてよし、どんな食べ方をしても美味しいと評判の魚です。その中でも美味しいおすすめの食べ方を紹介していきます。上品でくせの無い味わいを試してみて下さい。
薄造りで味わうヤガラの刺身
ヤガラの上品な白身の旨味は、薄造りにすると更に美味しく味わえます。プリプリとした食感を堪能するには薄作りにする食べ方が一番という人もいます。シンプルにわさび醤油で食べても美味しいですが、ポン酢でさっぱりと食べるのもおすすめです。
刺身を洋風にアレンジしたカルパッチョ
クセの無い白身は、洋風にカルパッチョにする食べ方もおすすめです。薄造り用に切ったヤガラの身を皿に並べ、塩コショウ(少々)・レモン汁(大さじ1)をかけ冷蔵庫で冷やしておきます。ベビーリーフを水にさらし、シャキっとしたら取り出し水気をきります。ラディッシュを輪切りにし、ベビーリーフとあわせ、軽く塩をふります。ヤガラの身の上に野菜を盛り付け、エキストラバージンオリーブオイルを回しかけたら完成です。
プリっとした食感で美味しいヤガラの塩焼き
ヤガラの身に火を通すと身が引き締まり、プリっとした食感になります。ご飯のおかずはもちろん、お酒のツマミにも最高です。作り方は簡単です。筒切りにしたヤガラの身は酒をまぶし、塩をして数分待ちます。あとは魚焼きグリルに並べて火が通るまで焼けば出来上がりです。焼くと何故か甲殻類のような味わいになるという口コミもあり、とても気になる食べ方です。ぜひ試してみて下さい。
ヤガラの旨味を味わう水炊き
ヤガラの旨味を全て味わうには水炊きがおすすめです。身の食感もおいしいですが、骨や皮から出る出汁も格別に美味しいと評判です。材料は、ぶつ切りにしたヤガラの他に豆腐や、白菜・水菜・ネギ・春菊・長ネギ・エノキ茸などお好きな野菜やきのこ類を用意しましょう。作り方は、まず鍋に水とだし昆布をいれ20分ほど置いておきます。鍋を火にかけ、沸騰前に昆布を取り出しておきましょう。
日本酒を適量いれ、沸騰したらヤガラを入れます。アクが出てくるので丁寧にすくい取りましょう。あとは切った野菜ときのこ類、豆腐を入れて火が通れば出来上がりです。シンプルな食べ方は、白身の美味しさを際立たせます。柚子胡椒やかんずりなどを薬味にポン酢で食べるととても美味しいです。身も美味しいですが、ヤガラの出汁が出たスープも格別です。鍋のシメは雑炊などにして、旨味たっぷりなスープも残さず食べましょう。
余ったあらはお吸い物にしよう
三枚におろした後に出るアラは捨てずにお吸い物にしましょう。通はこの出汁が一番美味しいと言います。薄味で仕立ててシンプルに味わうのがおすすめです。作り方は、まず鍋に出汁昆布を入れしばらくおき、火にかけます。沸騰直前に昆布を取り出し、ヤガラのアラを入れます。アクをすくいながら出汁をとり、一度こします。
味付けは薄口醤油、酒、塩などで薄味に仕上げます。お好みでネギを切ったものを浮かべたり、しいたけを切って一緒に入れても良いでしょう。アラの部分に身が残っていたら、椀にアラも一切れ盛り付けても良いでしょう。とても良い出汁が出るのでぜひアラは捨てずに味わってみて下さい。高級料亭の味が家庭でも楽しめます。
ヤガラの味をぜひ堪能しよう
今回は、ヤガラという魚の種類や値段、さばき方や食べ方についても詳しく紹介して来ました。ヤガラは漁獲量も少なく市場に出回らないので、なかなか手に入らない高級魚ということが分かりました。また、見た目もとても奇妙な形をしていますが味は抜群という事も判明しました。美味しいと評判のヤガラを市場で見かけたら、是非購入して料理してみて下さい。上品な旨味のある白身と、プリプリと締まった食感を堪能しましょう。
さばき方も難しいように思われがちですが、意外と大丈夫です。ヤガラは長い体を持っているので、少しくらい失敗しても食べる部分はあまり減りません。温かい地方では岸から釣り上げることも出来るので、釣れたけれどさばき方に困ったというときも、この記事を参考にしてみて下さい。美味しいヤガラの魅力が伝われば嬉しいです。