アカヤガラは高級魚で美味しい!刺身のさばき方や食べ方を紹介!
アカヤガラという魚を知っていますか?細長い口と糸のような尻尾、細長いうろこのない体が特徴的な見た目の高級魚です。水揚げ量が少なく価格も高いのでスーパーなどで見かけることはあまりなく、高級な料亭や寿司屋などでたまに見かけるレアな魚です。体長は最大2m程になりますが、なんとその半分ほどしか食べれる部位がありません。そんなアカヤガラのさばき方や美味しい食べ方、どこで手に入れるのかなどを紹介します。もしも、手に入れる機会があったら活用してください。
目次
特徴ある魚アカヤガラ
少しお高い料亭や寿司屋などで刺身やお吸い物としてたまに出されるアカヤガラを知っていますか?そもそもアカヤガラという魚を食べたことがない、それどころか知らない、見たこともないという方も多いと思います。ですが、一度見れば忘れることはなさそうな見た目と、食べれば忘れられない味の高級魚なので、ぜひ知ってもらいたい魚の一つです。
出典: http://eco-le.jp
高級魚アカヤガラがどんな魚なのかや、価格と手に入れることができる場所や目利きの方法、さばき方と美味しい食べ方について詳しく解説していきます。もしも、運よくスーパーや魚屋で見つけて購入したり、釣りで釣り上げたりすることがあって、手に入れる機会があればぜひともこのさばき方や食べ方などを頭に入れておいて役立ててもらいたいです。
アカヤガラとはどんな魚?
アカヤガラの特徴的な見た目
体長はなんと最大2m程にもなるアカヤガラですが、その体の1/3は頭という奇妙な形の魚です。特徴的なその見た目はまず、長い長い口の部分。目から口にかけての長さがとても長く、そしてとても細長い体をしています。その後ろには糸のように細い尻尾が一本生えていて、体の色は赤・橙色で、腹部分は淡く白くなっています。
もう一つ大きな特徴があり、アカヤガラにはウロコがありません。ウロコの代わりに強烈なヌメリをまとっています。釣った直後など、空気に触れることによって強烈なヌメリが発生し、洗い流すのにとても苦労しますが、真水で洗うと不思議と簡単にヌメリが取れます。スーパーや魚屋などで購入するときにはヌメリが基本的にはありません。
ヤガラという名前の由来は、矢の棒の部分「矢柄」のように細長い体をしているからヤガラという名がついたそうです。また、長い口部分はワニの口のように大きく開閉するのではなく、先端部分が小さく開閉するだけです。まるで竜宮城の使いのような見た目のアカヤガラについてさらに掘り下げて詳しく紹介します。
アカヤガラの生息地は?
おもな産地は九州長崎県ですが、北海道から沖縄の沿岸部、沖合のサンゴ礁や岩礁域など砂地などがあるやや浅い海に生息しています。暖かい海を好む魚なので特に西日本の海が生息域の中心です。また、東シナ海をはじめとした世界中の海に生息しています。
アカヤガラは小魚などを狙う肉食魚で、その細長い口をスポイトのように使い、藻やサンゴの中に隠れている小さな魚や、時にはカニやエビなどを吸い込んで捕食しています。小さくて細長い口ですが、口を開く瞬間の口の大きさは閉じている時の数倍になります。この大きな口と吸引力で小さな獲物も逃さず食べているのです。
アカヤガラはいつが旬?
アカヤガラの産卵期は冬から春先にかけてです。なのでもっとも身がしまって美味しいのは夏から初冬にかけてだと思われます。ですが産地によっても変わってきますし、何より一年を通して大きな変化なく美味しく食べれる魚なので、見かけたら「旬じゃないかも」なんて迷わずに買ってみるのがおすすめです。
また、アカヤガラは大ぶりのものほど旨味が詰まっているとされていますので、なるべく大ぶりのものを選ぶのもおすすめです。
美味しく食べれる?
アカヤガラは刺身にして食べることが多いですが、その他にも煮つけや鍋、揚げ物やお吸い物など様々な美味しい食べ方があります。よく身のしまった透き通った身は、淡白なのですがその中に甘みと旨味が詰まっていて、熱を通すと歯当たりのいい程よい弾力を味わえるひじょうに美味な白身魚です。
アカヤガラの色違いのアオヤガラという魚もいます。アカヤガラよりも安い価格で販売され、市場に出回ることがめったにないレアな魚ですが、味や食感などはアカヤガラのほうが格段に上です。
アカヤガラの価格は?
実はアカヤガラはすごい高級魚!
変わった見た目で美味しいアカヤガラの気になる価格はいったいいくらくらいなのでしょうか?高級料亭などで食べるとかなりお高いイメージがありますが、それもそのはずです。体の半分以上が食べれない部位なので、歩留まりが非常に悪いからです。
狙って釣れる魚ではないため、水揚げ量が少ないというのも高い価格で販売される理由の一つになっています。また、その重量によっても価格が変わってきます。500g程のものだと比較的低価格ですが、1kgを超えると価格もあがり、高価格での取引になります。
ちなみに、例として挙げると1kg以上のアカヤガラだとキロ2000円を超えることもあります。1kg以下だと、1000円~1500円くらいのようです。ただし、販売されてる場所によっても価格が変わってくるので注意してください。先に書いたように、アカヤガラは大きい方が美味とされているので、多少高くてもせっかくだから美味しいアカヤガラを食べてみたいものです。
アカヤガラはどうやって手に入れる?
アカヤガラの入手方法①店で買う
なかなか手に入れることが難しいアカヤガラは、どうすれば手に入るのでしょうか。まずパッと思い浮かぶのはスーパーや鮮魚店ですね。しかし、アカヤガラが鮮魚店に並ぶ機会はあまり多くありません。見つけた時は、逃さず購入しなければ次いつ巡り合えるかわかりませんから目を光らせておきましょう!
九州ではスーパーや鮮魚店に並ぶことがよそに比べると比較的多いです。やはり産地というのもあって、全国で比較すれば水揚げ量が多いのが理由でしょう。ただ、店に並ぶ前に市場で料亭に行ってしまうことが多いようです。
アカヤガラの入手方法②釣る
自分の力でアカヤガラを釣ってみるというのもあります。ただ、狙って釣れる魚ではないので気長に根気強くアカヤガラに出会えるのを待つことになるかと思われます。釣るときは、サンゴや岩礁域があるところが望ましく、ジギングや船から泳がせて釣る方法が挙げられます。
狙っていたアカヤガラを自分の手で釣り上げて、さばいて食べればこれほど美味しいものはありません。ぜひ、アカヤガラ釣りにチャレンジしてみては?
アカヤガラのさばき方とは
細長くて口部分が長い、とても変わった見た目のアカヤガラのさばき方は少し独特です。家庭や初心者でもさばけるさばき方はあるのでしょうか?そのさばき方について動画と合わせて紹介します。ぜひこれを参考にアカヤガラをさばいて刺身や鍋などに使ってみてください。
アカヤガラの上手なさばき方
まずは、アカヤガラの一番の特徴である長い頭部を切り落とします。ついでに、頭のほうに軟骨が付いていて硬くて食べれない部分があるのでそこも一緒に落としましょう。こんなに長いのにそんなに切り落としてしまったらもったいない!と感じるかもしれませんが、長い頭部は硬くて食べれないので、アラとしてお吸い物の出汁などに使いましょう。
頭部を切り落としたら、腹を開いて肛門まで切れ目を入れて内臓を取り出します。腹がとても長いのもアカヤガラの特徴です。内臓を取り出したら次は、開いた腹の部分を流水で洗います。血合いのところは歯ブラシなどを使うとやりやすいです。そして、糸のような細い尻尾を切り落とします。
これで基本のさばき方はできました。ここからぶつ切りにして鍋にするもよし、三枚おろしにして刺身にするもよしです。用途に合わせて切り分けて美味しく食べましょう。詳しいさばき方は動画で詳しく解説しているのでぜひ参考にしてみてください。また、骨やアラからも良い出汁が出るので捨てずに活用しましょう。
細長い体なので意外と簡単にさばけることがわかりましたか?例え多少失敗しても、身が横に分厚いので魚さばきが苦手な方や初心者の方でもやりやすいかと思われます。ぜひぜひ、自宅でチャレンジしてみてください!
美味しいアカヤガラの選び方を紹介!
アカヤガラの目利きのポイントですが、まずは色鮮やかでみずみずしいものを選んだ方が新鮮でおいしいです。例え多少乾いていたとしても、くすんだ色のものよりも色鮮やかなものの方を選んだ方がいいのでしっかり見ましょう。また、目も要チェックです。乾いたものよりも澄んだ綺麗な目をしたものを選びましょう。
次に、エラの色と腹のかたさです。エラの内側が茶色だと刺身など生食には向かないので綺麗な赤色のものを探しましょう。腹のかたさですが、アカヤガラは鮮度が下がってくるとその長い腹が柔らかくなってきます。ブニブニしていて腹が破けそう、なんていうものは味もせっかくの食感も台無しになるので絶対選ばないようにしましょう。
やはり、美味しいアカヤガラを食べるうえで目利きは非常に重要な所になるので、もしもスーパーや鮮魚店で見かけたらアカヤガラひとつひとつを真剣に見比べて、新鮮でおいしいものを選びましょう。
美味しいアカヤガラを選んで、基本のさばき方でアカヤガラを使いやすい形にしたら、早速調理してみましょう!よく身がしまって程よい甘みのあるアカヤガラには、刺身からお吸い物や唐揚げなど、様々な幅広い美味しい食べ方があるのでその中からいくつかおすすめの食べ方を紹介します。
高級魚アカヤガラの食べ方:刺身
やはり一番多くて美味しい食べ方が刺身です。綺麗に盛り付ければアカヤガラの鮮やかな血合いの赤色と、透き通った白い身のコントラストがとても美しく映えることでしょう。刺身にするときは、身を三枚おろしにしてから尾の付け根部分の皮を少しはがし、その隙間から包丁を入れ、小刻みに動かしながら慎重に皮を引きます。上手に皮を引けたら好みの薄さに切っていきます。
アカヤガラの刺身は厚切りでも薄切りでもどちらでも食感が損なわれることなく、存分に歯切りのいいプリっとした食感を楽しむことができます。味は、こってりとしたしつこい甘みではない、爽やかな甘みが余韻を残し、ついつい箸が止まらなくなる上品な旨味のある刺身です。
食べ方は、ワサビ醤油でも美味しいのですが、さわやかな脂肪分とさっぱりとした甘みにはポン酢もよく合うのでおすすめです。新鮮なアカヤガラを手に入れることがあったら刺身は絶対外せない食べ方なのでぜひ、食べてみましょう。
高級魚アカヤガラの食べ方:揚げる・焼く
アカヤガラの唐揚げ
こちらも人気の食べ方です。皮付きのままぶつ切りにしたアカヤガラに片栗粉をまぶして、熱々の油でカリッと二度揚げすれば、美味しいアカヤガラの唐揚げの完成です。普通の魚の唐揚げと調理の仕方で大きく変わるところもありません。
アカヤガラのから揚げのお味はまたとても美味で、鶏肉のような弾力でふわっとした甘みのある味わいと、皮目からは独特の香りがしてそれがさらに食欲を誘います。
アカヤガラの塩焼き
シンプルですが、魚料理と言えばやはり焼き魚。アカヤガラの塩焼きは、皮目に独特の香りがあり、優しい甘みと旨味があります。焼くときは、頭の部分や尾の部分など少し小骨が多いところに塩を軽く振り焼きましょう。身離れがいいので意外に食べやすいです。
高級魚アカヤガラの食べ方:煮る・炊く
アカヤガラのお吸い物
椀物との相性がとても良いアカヤガラは、お吸い物にするとまさに絶品です。ついでにアラ等も活用できるので美味しくておすすめの食べ方です。ぶつ切りにしたアカヤガラと、さばいた時に出た頭部分や尾の部分などのアラを昆布でサッと炊いて塩で味をととのえれば、上品な味わいのお吸い物の完成です。
加熱してもアカヤガラ独特の柔らかい身はかたくなることなく、ふっくらとした甘みと柔らかさを楽しめます。また、火を通すと皮の赤い色が映えて、三つ葉なども加えれば彩も鮮やかです。
アカヤガラ鍋
冬の定番料理である鍋にかかせない白身魚。うろこが気にならない事や、程よい加減しまりある白身でしつこくない甘さがあり、皮や骨などから旨味たっぷりの出汁が出るという、鍋に入れる白身魚としてはパーフェクトな条件がそろっているのが、この高級魚アカヤガラ。鍋に入れるときは皮ごと大きめのぶつ切りにして贅沢に食べたいですね。
皮の色が鮮やかな赤なので、他にもねぎや白菜やしいたけなどたくさん野菜を入れれば彩とバランスのいい美味しい鍋の出来上がりです。アカヤガラ単体の味わいを楽しみたいのであれば、昆布だしや塩や酒といったシンプルな味付けとの相性が良いので簡単にシンプルに、上品に仕上げましょう。
高級魚アカヤガラを美味しく食べよう!
アカヤガラの生態についてや、見た目の特徴や、価格が高く歩留まりが悪いので高級魚であること、なかなか手に入りにくいですが、手に入れるチャンスがある入手方法、そして難しいイメージがある意外に簡単なさばき方、アカヤガラの旨味と甘みを最大限生かした美味しい食べ方などを紹介しました。ほかにも美味しい食べ方を模索するのも楽しそうですね。
また、漢方では煎じて飲むと腎臓や癌にいいなどとされており、古くから人々に愛されている歴史ある魚なので、これを機会にアカヤガラという魚に興味を持って知ってもらいたいです。ぜひ、高級魚アカヤガラを手に入れることがあったら、自宅でさばいて調理して美味しく食べてみてください。