そら豆の保存方法は冷凍がおすすめ?上手な保管方法や賞味期限も調査
春から初夏にかけて旬を迎える、栄養価の高いマメ科の野菜であるそら豆を、好きな方も多いと思います。好きの程度が大きすぎて、大量に買い込んでしまうという人ももしかしたらいるかもしれません。そんなとき、深く考えずに冷蔵庫に放り込んでおくだけでは、思っているより早く痛んで食べられなくなってしまう可能性があります。冷蔵庫で保存する場合の正しい保存方法を知ることで、長くそら豆を楽しめるようになります。豆が破裂したり茹ですぎたりすることのない解凍の仕方も伝えます。
目次
保存がききにくいそら豆
4月から6月にかけての初夏の季節に旬になるそら豆ですが、そのままで保存すると収穫してから2,3日しか美味しさがもたないという欠点があります。全国のスーパーに並ぶのに1日かかるとすると、1日か2日しかもちません。その日のうちに食べるのがベストですが、多く買ってしまい結局腐らせてしまっては損ですから、正しい保存方法を知っておきましょう。
そら豆の保存には冷凍保存がベター
生のままだと2~3日しかもたないそら豆ですが、その日のうちに食べられなかった場合は冷凍保存がベターです。冷凍することで、そのまま保存するのに比べてそら豆の賞味期限を格段に伸ばすことができます。さやから出すと劣化が進み風味も落ちるので生のままで冷凍しましょう。そら豆は茹でてから冷凍してしまうと解凍するときに水っぽくなってしまいます。
冷凍の仕方としては、解凍するときに料理に使いやすい点から茹でてからの冷凍をおススメしていることもあります。その際はさやから出して実を冷凍します。冷凍した状態のそら豆が実の状態でジップロックなどに入っていれば、料理の分量に合わせて好きな量だけ使えるので便利です。
そら豆は切り込みを入れてしまうと劣化が進み賞味期限が短くなってしまうので、なるべくそのままの状態で保存するといいでしょう。とはいえ、解凍のときに薄皮に切れ目を入れておかないと解凍の仕方によっては豆が破裂してしまう可能性もあるので注意が必要です。
そら豆の保存方法その1:生のまま冷凍
冷蔵庫で冷凍保存するには中が見えて密閉もできる便利なジップロックを活用しましょう。そら豆が空気に触れるのを防ぐことができます。またそら豆が解凍時に破裂せず水っぽくならないようにする方法にはいくつか注意点があります。以下で説明します。
まず生のまま冷凍する場合です。生のまま、さやが付いた状態でジップロックに入れ、なるべく空気を抜いたうえでジッパーをしっかり閉め冷蔵庫の冷凍室などで冷凍保存しましょう。
この保存方法の場合そら豆のさやが付いた状態のままの方がより風味を残すことができます。風味を残すならさやをつけておいた方がいいですが、手軽さと便利さを重視するなら次のさやを取った方の保存方法が望ましいかもしれません。
そら豆の保存方法その2:茹でてから冷凍
次に、茹でて保存する場合です。まず茹でる前にさやから出し、薄皮に切れ目を入れて茹でます。切れ目をいれたら劣化が進みますが、この場合は茹でるので大丈夫です。
そら豆の薄皮に切れ目をいれることで冷蔵庫から出し色々な方法で解凍するときに薄皮が爆発するのを防ぐことができます。
そうして切れ目を入れたそら豆を、塩を一つまみいれて沸騰したたっぷりのお湯で1分から1分半くらい茹でます。水を切り冷ましてジップロックに入れ、空気に触れないようできるだけ空気を抜いて冷蔵庫で冷凍しましょう。
この時点では調理するときより短い時間だけ茹でることで、調理するときに火を通しすぎず、そら豆の水っぽさを軽減することができます。
生のまま冷凍の場合も茹でてから冷凍の場合も、そら豆の保存期間は1から2か月に伸びます。2~3日しか保存できなかったのに比べると大幅に保存期間を延ばすことができました。
冷凍保存したそら豆の解凍方法その1:茹でて解凍
冷凍して保存したそら豆を解凍するときにも、ポイントがあります。自分の生活にあった解凍方法で美味しくそら豆を食べられるように解凍の仕方説明します。
まず、茹でて解凍する方法があります。冷蔵庫の冷凍室から出したら、そのまま凍った状態で茹でてしまっていいようです。他にも凍ったまま焼く方法もあるようです。さやのまま焼く場合、さやが蒸し器の役割を果たし豆が蒸し焼きのようになり美味しくなるらしいのですが、さやに少し切り込みを入れておくとよいそうです。切り込みを入れる位置は黒い、お歯黒と呼ばれる部分がいいそうです。
さやがついた冷凍の状態のままのそら豆を冷蔵庫から出して電子レンジで加熱し、さやをむいて薄皮が付いた状態で凍ったまま塩で茹でるといいそうです。
冷凍保存したそら豆の解凍方法その2:自然解凍
自然解凍も、冷凍保存したそら豆の解凍方法としてはお勧めです。特に具体的な方法が示されていないので、容器に入れて放置するという一般的な自然解凍の方法でいいのでしょう。
冷凍保存したそら豆の解凍方法その3:電子レンジで解凍
薄皮がついた状態での電子レンジでの解凍はあまりお勧めできないようです。そら豆が水っぽくなってしまうことがあるようなので、自然解凍か茹でての解凍をお勧めします。
自家栽培したそら豆の保存方法
市販のさやが青いそら豆は、乾燥での保存に適していません。完熟してさやが黒くなった状態で乾燥による保存ができるのですが、さやが黒くなるまで枝に豆がついたままにする必要があるためそういったそら豆は市場に流通せず、乾燥保存は自家栽培でそら豆を育てている家庭向けとなります。
さやが黒い完熟したそら豆は、まずさやのまま新聞社や笊の上に置きます。次に、さやがカラカラになるまで天日干しします。
保存する時は、さやから豆を取り出して瓶などの密閉容器に乾燥剤と一緒に入れ常温保存するか、フリーザーバッグに入れて冷凍保存をするといいようです。
あまりお勧めできないそら豆の冷蔵保存
密封できる袋に入れて冷蔵室でも保存できますが、保存期限が2,3日しかもたないのであまりお勧めできません。ただ、3日以内にそら豆を確実に消費できる場合は冷蔵保存でもいいでしょう。
冷凍保存したそら豆のおススメ料理法
レシピサイトでそら豆のおいしそうなレシピがあったので紹介します。まずはそら豆と海老のマヨネーズ焼きです。
まずそら豆を塩ゆで(1Lの水に塩大さじ1と1/2沸騰したら3分)して皮を剥きます。
次にアルミホイルのカップにそら豆をいれ海老を乗せます。味付けは塩コショウとマヨネーズです。
最後に、オーブントースターでマヨネーズに焦げ目がつくまで焼きます。投稿主さんのオーブントースターで7分くらいだったそうです。
スープのレシピ
次にそら豆のスープを紹介します。さやから取り出したそら豆を3分ほど塩ゆでし、薄皮を取ります。茹でて冷凍保存している場合は1~1分半すでに茹でているので、ここで茹でる時間は1分半~2分でよさそうです。玉ねぎとにんにくを薄切りにしておきます。
次に、鍋にバター、オリーブ油、にんにくを入れて中火で炒めます。にんにくが焦げないように注意しながら、香りがでるまで炒めます。
そら豆と玉ねぎを加え、玉ねぎがしんなりするまで炒めます。そこに砂糖、ブイヨン、水を加え、沸騰したら弱火にして3~5分煮ます。時間がたったら、火を止め牛乳を入れて混ぜます。そしてミキサーにいれ攪拌します。
鍋に戻して火にかけ温めながら、塩で味を調整します。器に注ぎ、お好みでコショウをかけたら完成です。
そら豆の旬は4~6月と説明しましたが、その3ヶ月の間に多少風味の変化があるそうです。4月のそら豆は「走り」と言われ、皮が薄くみずみずしいのでシンプルに味わうのがいいそうです。6月のは「名残」と言われ、皮が厚くなり水分も減りますが豆特有のほっこりとして食感が特徴的になるそうです。
そら豆と一緒に食べるといい食品は、野菜だとジャガイモや玉ねぎ、野菜以外だと海老などの魚介類やヒジキだそうです。和食に使われる食材によく合います。
そら豆の豆知識
そら豆はマメ科の野菜で、地中海や西南アジアが原産地と推測されるそうです。古代エジプトでも食べられており、歴史のある野菜の一つです。日本へは8世紀ごろに伝わりました。
古代エジプト、ローマなどでは、そら豆の花弁の黒点が死を連想させるとして不吉な野菜とされることもあったそうです。葬儀に使われることもありました。
そら豆は同じマメ科の野菜の大豆のアレルギーを回避するための代用食品にされることもあるらしいです。同じマメ科の野菜である大豆は、原産地が東アジアで、ヨーロッパやアメリカに伝わったのは意外に最近の18世紀~19世紀だそうです。縄文時代(紀元前4世紀ごろまで)に日本にはあったらしく、西洋から伝わったそら豆とは対照的です。
脂質や糖質の代謝を促進!【今が旬!】「そら豆」の栄養素と痩せレシピ6選 https://t.co/lJItAkG72u pic.twitter.com/jH5OGpoR6f
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大豆は野菜のなかでは食用肉に匹敵するたんぱく質をもっていることから「畑の肉」などといわれていますが、そら豆も同様にたんぱく質を豊富に含むようです。ただ特筆すべきはビタミンB群で、糖質を分解しエネルギーに変える栄養素です。よく運動する人などが摂るといい野菜であるようです。
そら豆、焼くと内側のワタの部分が甘い。知らなかった。 pic.twitter.com/gWQ7OCDh1k
— あずさ回数券(3月15日まで) (@bleu_et_rouge) April 29, 2018
そら豆のさやの内側についているワタは、実を寒さや乾燥から守る役割があるそうです。また、そら豆に栄養が届くまでの一時的な栄養の保管庫のような役割も果たしているということですが、これは知らない人も多い豆知識でしょう。
グルコース-6-リン酸脱水素酵素欠損症という病気を持っている者がそら豆を食べたときに、発熱・倦怠感・黄疸、貧血などを起こすことがあり、それをそら豆中毒というらしいです。ただ、グルコース-6-リン酸脱水素酵素欠損症は遺伝病の可能性があるらしく、地中海周辺の男性のもつある遺伝子の欠陥が要因だという考えがあります。そら豆を多食する地域に多いらしいですが、いずれにせよ、日本人にはあまり報告がないようなので、不必要に心配する必要なないでしょう。
そら豆中毒に関しては、中世ヨーロッパの騎士団が有害な食べ物として食用を禁じたこともあったようです。また、数学者のピタゴラスが政敵にそら豆畑に追い詰められて殺害されたという伝承は、そら豆の呪術的な側面を隠喩している説のほか、そら豆中毒の可能性も指摘されているそうです。
中身取り出したそら豆の薄皮は食物繊維豊富だから捨てずに食べようね
— 滝山 (@takiyama24) June 2, 2019
揚げても美味しいよ pic.twitter.com/HrcxPOnGzR
そら豆の名前の由来は、さやを天に向けて実らせるからだそうです。また薄皮の食感が嫌いな人もいるかもしれませんが、食物繊維を多く含む部位なのでできるだけ食べた方が栄養的にはいいらしいです。
大豆は乾燥した大豆ならカビなどが生えていない限り年単位で長い間に渡り食べられます。つまり、賞味期限がとても長いです。同じマメ科の野菜のそら豆が長くとも月単位でしか保存できないのは、乾燥させて保存する方法が確立されていないからでしょう。乾燥した豆で古いものが食べられるかどうか試したい場合は、水につけてみてふやけてくるかそどうかで見分けられるそうです。ふやけてこない乾燥豆は食べない方がいいそうです。
そら豆の保存方法と解凍方法、保存期限のまとめ
そら豆はそのままだと収穫から2~3日しかもたず、全国の小売店で売られるまでの時間も考えると1~2日しか保存期限がありません。その保存期限を1~2か月に伸ばすには、冷蔵庫で冷凍保存するといいようです。
冷凍保存
まず生のまま冷凍する方法としては、さやがついたままの方が風味が損なわれずに済むのでおススメです。さやがついたままジップロックに入れ、空気をなるべく抜いて冷蔵庫の冷凍室にいれて冷凍保存します。
次に、茹でて冷凍する場合、さやをとり薄皮に切れ目を入れ、たっぷりの沸騰したお湯に塩を一つまみいれて1~1分半茹でます。その後同じくジップロックに入れ、空気を抜いて冷蔵庫で冷凍します。このとき、薄皮に切れ目をいれることで解凍するときに豆が爆発することを防ぐことができます。茹でる時間は、料理に使うときに比べて少なめに茹でることで加熱のしすぎを防ぐことができます。
既に述べましたが、冷凍保存だと保存期限が1~2か月に大幅に伸びます。旬ぎりぎりの6月に買っても、7月の夏盛りに食べることができます。
冷蔵保存
加熱して冷蔵庫で冷蔵保存することもできますが、賞味期限が2~3日しかないので長期保存には向きません。生のまま保存するのと、賞味期限はあまり変わらないともいえそうです。
乾燥保存
さやが黒くなり完熟したそら豆は、笊に乗せて十分に天日干ししたあと瓶などにさやから豆をとって保管するといいようです。しかし完熟したそら豆はあまり流通しないので、これは自家栽培している人向けの保存方法です。
解凍方法
凍った状態のまま、茹でたり焼いたりして解凍していいようです。さやがついたまま冷凍した場合は、電子レンジで少し加熱してさやをとり、薄皮がついた実を茹でて解凍しましょう。
自然解凍もおススメですが、薄皮がついた状態の実を電子レンジで解凍すると、水っぽくなってしまうのでお勧めできません。
そら豆は冷凍保存で保存すると、生のままでは2~3日しか持たなかった賞味期限が1~2か月に伸びることがわかりました。料理法などにあった方法で保存や解凍をすれば、おいしくて栄養豊富なそら豆を長く楽しめそうです。また、そら豆は大豆に負けず劣らずな高たんぱく食品であり、エネルギー吸収に関連するビタミンB群が豊富であることもわかりました。魅力的な野菜であるそら豆を食卓に乗せたらきっと食卓も華やぎます。