クサフグはさわっても平気か調査!その食べ方と毒性について!

フグといえば、刺身などの食べ方が人気の高級食材です。そんなフグの種類の一種・『クサフグ』をご存知でしょうか?あまり聞き馴染みがないクサフグですが、生息範囲が広いため釣り場にもよく現れますが、さわっても平気なのでしょうか?そこで今回は、クサフグをさわっても平気かを調査するとともに、刺身などのフグ定番の食べ方ができるのか、クサフグが持つ毒性について調査してみました。

クサフグはさわっても平気か調査!その食べ方と毒性について!のイメージ

目次

  1. 1クサフグってどんな魚?
  2. 2クサフグの毒性について
  3. 3クサフグは触っても大丈夫?
  4. 4クサフグは食べることができる?
  5. 5クサフグは触っても大丈夫だが取り扱いは注意

クサフグってどんな魚?

高級料理として人々に愛されているフグ。食べ方として最もメジャーなのは、フグの刺身です。刺身は魚のうまさを最大限に引き出してくれる食べ方です。そのため、フグの刺身はフグのぷりっぷり食感や独特なお味がしたを虜にし、思わず食べ過ぎてしまうほど絶品です。食用として親しまれているフグといえば、『トラフグ』や『マフグ』などが有名です。

そんなフグは非常に絶品なのですが、多くのフグは内臓や皮膚・血液・筋肉の全部または一部に毒性のある『テトロドトキシン』を持っています。また、食用可能な部位はフグの種類や漁獲場所によって異なるため、素人によるフグの取扱いや調理は危険とされています。

実際、日本の食中毒による死亡事故の原因のほとんどがキノコとフグの素人料理とされているほどです。そのため、フグを食べるということは専門店で資格を持つ方に調理してもらったものを食べるのが原則ですから、なかなか日常的に食べることができない食材とされています。

そんな憧れ食材・フグですが、一口に「フグ」と言っても実はおよそ120種の魚がフグ科に分類されているほど、フグは非常に種類が多いです。そんな種類多いフグの中の一種・『クサフグ』という魚をあなたはご存知でしょうか?「聞いたことない…」「聞いたことはあるけどどんな種類かわからない…」という方も多いと思いますので、まずは『クサフグ』について学んでみましょう!

『クサフグ』とは…

『クサフグ』とは、フグ目フグ科に属する魚を指します。『クサフグ』という名前の由来は、背面が緑色っぽい(緑色=草)ためだとされています。砂に潜る習性があることから、『スナフグ(砂河豚)』とも呼ばれます。そんなクサフグの体長は10cm〜25cm程度と、ちょうど手のひらに収まるくらいの大きさです。

クサフグの皮膚は、背中は暗緑褐色で丸い小白点がいくつもあり、腹面は白く、ひれは黄色がかっています。クサフグの見た目の特徴は、胸鰭上部と背鰭の付け根に大きな黒色の斑点があることや背面と腹面に小さな棘があることです。クサフグの分布は、北海道道南から沖縄までの沿岸や朝鮮半島南部・中国大陸南部などと幅広く生息しています。主に、浅い岩礁・砂地・汽水域に多く生息しています。

幅広い範囲に生息しているクサフグですが、時には河川下流域にも出現します。泳ぎが得意とはいえないクサフグですが、ほぼ塩分濃度のない真水の河川中流域まで遡上する事もあり、アユの友釣りに掛かることもあります。一体なぜ、泳ぎが得意ではないクサフグがわざわざ川を遡るのか…その理由が気になるところです。

泳ぎが得意ではないクサフグがわざわざ川を遡る理由とは?

実は、この理由は未だによく分かっていないそうですが、一説では身体に付いた寄生虫や細菌を淡水で落とすためではないかと言われています。フグは怒ると体を膨らませるのですが、この、体を膨らませる為にフグは固い鱗を持たない皮膚になっているのですが、ほかの魚の様な頑丈な鱗が無く柔らかい皮膚であるフグたちにとってはどうしても寄生虫や細菌が付きやすくなってしまいます。

そのため、クサフグたちは他の魚たちのように自力で寄生虫や細菌を弱らせるのが困難なため、淡水の浸透圧を利用して寄生虫を弱らせたり、皮膚から新しい粘膜が出てきくることで古い粘膜と細菌を一緒に剥がすという手段を行っていると考えられています。このようにして、クサフグは寄生虫たちを命がけで剥がしているそうです。

クサフグの産卵は?

クサフグの産卵は、5月〜8月の新月や満月の日に大群で押し寄せ岸で産卵します。クサフグの産卵はとても特徴的であり、数百~数千匹ものクサフグの大群が波打ち際に押し寄せ、砂浜や砂利の上に上がり、メスが産卵したところにオスたちが一斉に放精します。これによって、波打ち際が白くにごる程になります。

クサフグの産卵は約一時間ほど続きます。卵は 0.5 mm程とされ、干潮時の乾燥に耐えられるように殻は丈夫に出来ています。なぜ、押し寄せ岸で産卵するのかというと、大潮の日は水面がいつもより高くなっており、普段は水面から出ている砂浜や砂利の上で産卵すると、卵が他の魚達に狙われる危険性が低くなるためです。
 

クサフグの毒性について

前述した通り、多くのフグは内臓や皮膚・血液・筋肉の全部または一部に毒性のある『テトロドトキシン』を持っています。クサフグも他のフグと同様に『テトロドトキシン』という毒が含まれています。では、クサフグに含まれる毒とは一体どのような部分なのでしょうか?お次は、クサフグの持つ毒や毒が含まれる部分について学んでみましょう。

クサフグのもつ毒と含まれる部位は?

クサフグにも、他のフグと同様に、『テトロドトキシン』という猛毒を持ちます。この『テトロドトキシン』の毒性は、非常に強いものであり、300℃以上で加熱したとしても分解されない強力なものです。また、フグに含まれている『テトロドトキシン』は、青酸カリの850倍もの毒性を持つため、摂取した場合は死に至る危険性があります。

これほど強力な毒を持つフグですから、もしも毒に当たったらどうしよう…」と不安になられることでしょう。しかし、残念ながらテトロドトキシンの有効な治療法や解毒剤は存在しません。そのため、本来では猛毒を持つフグは食べないのが最も安全です。クサフグが持つ『テトロドトキシン』は、内臓や皮、特に肝臓・腸・卵巣は毒性が強い部位とされています。筋肉部分の毒性は比較的弱いと言われています。

クサフグの毒にあたった場合の症状

クサフグの毒にあたった場合の症状としてあげられるのは、麻痺やしびれ・嘔吐・頭痛、知覚障害・運動障害・言語障害・呼吸困難・血圧低下などの症状です。クサフグの毒にあたるとまず指先が痺れを感じる麻痺が現れ、その後は唇や舌の先など体の末端部分から麻痺が広がっていきます。クサフグを食べてから食後5時間以内、平均では2時間前後で毒にあたった症状が出てくるとされています。

クサフグは素人の調理は危険!

非常に強力な毒を持つクサフグをはじめとするフグ。強力な猛毒を持つフグだからこそ、食べる際には『捌き方』というものが重要になってきます。では、どのような捌き方をすればいいのかということですが、フグを裁くには調理師免許が必要になります。資格を持ったプロが必要であることのを考えると、クサフグを素人が調理するのは危険だということがわかるのではないでしょうか。

捌き方を知っていればクサフグをさばいても良い?

釣り場でもよく見かけるクサフグ。どうしてもフグといえば高級品だというイメージがあるからか、クサフグを釣った時に「食べてみたい!」という好奇心が現れる方もいらっしゃるようです。一般的には資格を持つ調理師しかフグは調理できませんが、幸か不幸か、今ではネットで検索すると、多くのサイトでふぐの捌き方が動画やテキストで紹介されています。

では、資格がない素人でも捌き方を知っていればクサフグを捌いても良いのでしょうか…?その答えは、「NO」です。ネットやフグの調理資格取得者から、いくらフグの捌き方を学んでいたとしても、資格を持たない素人がクサフグを捌くことはできません。

たしかにネットで検索すると、ふぐの捌き方なども動画やテキストがわかりやすく紹介されていますが、素人のクサフグ調理は非常に危険です。実際に、過去にクサフグによる事故も起きているほどです。日本の食中毒による死亡事故の原因でもトップとなるフグの素人調理ですから、どれだけ捌き方の知識を身につけても資格を持っていない素人がクサフグを裁く事は出来ないという事を忘れないでください。

クサフグは触っても大丈夫?

強力な毒を持つというクサフグ。また、クサフグは生息範囲が広いため、釣り場にも現れます。そこで気になるのが、「クサフグはさわっても平気か」という事です。ふぐの中でもそれほど知名度が高いとは言えないクサフグですから、釣りをしていた方がクサフグと知らずにさわってしまうというケースも少なくないと思います。

青酸カリの850倍もの毒性を持つというほど、強力な毒を持つクサフグですから誤ってさわってしまうと危険な気もしますが、さわっても平気かどうか…釣りをする方などは知識を身につけておく事が非常に重要だと思います。お次は、クサフグはさわっても平気かどうかについて学んでみましょう。

クサフグは手で触ったとしても大丈夫?

クサフグを手でさわっても平気かどうかという事ですが、簡潔に言ってしまえば、手でさわっても平気かと言われています。クサフグの毒は体内に取り込まない限り、素手で触った程度では症状が出ることはないのであまり神経質になることはないようです。確かに、手で触っただけで影響が出るのなら、いくら資格を持っていたとしても調理師たちも毒フグ調理などできませんよね。

クサフグ気を付けるべきは「歯」

クサフグを手でさわっても平気かどうかは分かりましたが、クサフグを触る場合、「歯」にも注意する必要があります。クサフグをはじめとする多くのフグたちはクチバシ状の強力な歯を持ち、貝類などを砕けるほど強力な歯ですから、うっかりフグの口に指を入れてしまうと大怪我を負ってしまう可能性がありますので注意しましょう。

 

クサフグは食べることができる?

高級料理として愛されているフグの刺身。魚の美味しさを引き立ててくれる食べ方は多くありますが、そんな中でもフグ本来の味を堪能できる刺身は、人気の食べ方です。フグの刺身はフグ独特の食感や味が最大限に感じられるため、是非ともクサフグの刺身を食べてみたいと思う方もいらっしゃると思います。

そこで気になるのが、「クサフグは食べることができるの?」という点です。クサフグも他のフグと同様、『テトロドトキシン』という猛毒を含んでいますが、 人気の食べ方・刺身をはじめとするフグ料理を楽しむことができるのでしょうか…?お次は、クサフグを刺身などの食べ方でいただくことが出来るのか、調査してみましょう。

調理師の資格は必要だが食べることはできる

一般的に可食可と言われているフグの種類は、内臓や皮・血という毒が含まれると言われる部位をしっかりと取り除きさえすれば、フグの身自体は資格を持つ調理師がしっかり捌いたものであれば安心して食べる事ができます。しかし、クサフグは内臓や皮、特に肝臓・腸・卵巣は毒性が強い部位とされています。そして、比較的弱いとは言われるものの、筋肉部分にも猛毒が含まれています。

つまり、クサフグの場合は内臓を取り除いても身の部分にも毒があるフグです。そうすると、「身にも毒を持つクサフグって食べることができないんじゃないの?」と、多くの方が思われることでしょう。結論からお話しさせていただくと、クサフグを食べることはできます。

しかし、身にも毒を持つクサフグが食べられるのは、身に含まれている『テトロドトキシン』が小量だから少しなら食べても致死量に至らないという理由からです。少しなら致死量に至らないと言われていますが、言い方を変えて考えてみましょう。大量に食べてしまうとどうなるか…想像つきません?大量に食べてしまうと、致死量に至る可能性があるという事です。

刺身や汁物・味噌汁の具としてなど、食べ方は一般的なフグと変わりません。一般的なフグと同じ食べ方がクサフグもできると聞くと、「食べてみようかな」と思う方もいるそうです。ネット社会である現代、検索すればフグの捌き方は動画などでもたくさん見つけられます。しかし、どれだけ捌き方を学んだところで、免許を持っていない方はただの素人です。

「河豚は食いたし命は惜しし」ということわざが昔から言われているように、クサフグを食べる際には絶対に自分で調理せずに免許を持つ調理師に捌いてもらうようにしましょう。トラフグやマフグなどのようにクサフグも食べることは可能ですが、かなり強力な猛毒を持つふぐですから、食べないにこしたことはないでしょう。
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ふぐは高級食材として知られていますし、その美味しさは多くの人に認められています。しかし、猛毒が含まれるクサフグの食べる量を多くしてしまうと、致死量に至る可能性もあるという事です。もっと安全で美味しく食べられる魚はたくさんあります。だったら、危険を感じながらクサフグを食べるよりも安全に美味しく食べられる他の魚を食べる方が賢いと言えるのではないでしょうか。

クサフグは触っても大丈夫だが取り扱いは注意

クサフグはさわっても平気か、食べ方や毒性・素人の捌き方などについてのご紹介まとめはどうでしたか?クサフグも他のフグたちと同じく、猛毒を持つフグです。また、釣り場にも現れるクサフグだからこそ、さわっても平気かどうか…しっかり知識をつけておくことが大事です。クサフグを素手でさわっても平気かと言われていますが、クサフグを触る際には歯に気をつけましょう。

また、クサフグをさわっても平気かと言われていますが、捌くことは禁止されています。どれだけクサフグの捌き方の知識を知っていたとしても、資格を持たない素人はクサフグを裁くことができませんので注意しましょう。危険と隣り合わせであるクサフグですから、危険を感じながら食べるよりももっと美味しくて安全な魚を食べることをお勧めします。

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