ブリとハマチとカンパチの違いとは?刺身で味の違いがあるのか調査!
ブリにハマチにカンパチは刺身や照り焼き等で食べる機会が多い魚ですが、ところで、ブリとハマチカとンパチの切り身を見て、見た目だけで違いがわかりますか?素人目に判別は難しいのではないでしょうか?見た目もそっくりなブリとハマチとカンパチ、刺身では同じ味なのでしょうか?そんなブリとハマチとカンパチの見分け方や、どんな魚なのか、刺身の味の違い、おすすめ料理を調べてみました。
ブリとハマチとカンパチって別の魚?
ブリとハマチとカンパチ、これらは全部違う魚でしょうか?魚の姿を見ても、切り身を見ても素人目には違いが分かりにくいところです。ブリはスズキ目のアジ科に分類され、主に日本海南部と北海道南部から九州の太平洋沿岸が生息域となっていて、通常は群れを作り季節によって生息域を変える回遊魚です。ブリは、旧暦の師走の時期に最も脂がのり美味しい魚ということから、「鰤」と漢字で表します。
そしてハマチは、ブリと同じ魚で成長過程の呼び名の違いになります。ブリやハマチとよく似ている魚の一つカンパチも出世魚です。全世界の温帯・熱帯域に生息し、日本近海では東北以南で広く見られ、季節的な回遊を行う回遊魚です。正面から見たときに目と目の間に、八の字のように見える線が入っていることが名前の由来になっています。漢字で書くと「間八」と表します。
ブリとハマチとカンパチはこういう魚
ブリとハマチとカンパチは出世魚ということですが、地域によっても大きさなどで変化する呼び名が違います。ブリとハマチとカンパチの身の違いや、それぞれの名前がどのように変化していくのかを紹介します。
ブリは成長とともに名前が変わる出世魚
出世魚のブリがどのように名前が変化していくのかを紹介します。関東では、15cmくらいまでを「ワカシ」と呼び、15cmから40cm前後を「イナダ」、40cmから60cm前後を「ワラサ」、70㎝から80㎝以上の成魚を「ブリ」と呼びます。これに対し関西では、「ワカナ」から「ツバス」、ツバスから「ハマチ」、ハマチから「メジロ」、メジロから「ブリ」という呼び名になり、地域によっても呼び名が異なります。
ブリもハマチも実は赤身魚
そんなブリとハマチは、赤身魚なのか白身魚なのか迷った経験はありませんか?実はブリ、ハマチは白身ではなく赤身魚なんです。では、赤身魚と白身魚はどこが違うのでしょうか?赤身魚は、一般的に回遊魚と呼ばれる回遊性を持つ魚です。
代表的な魚はマグロやカツオです。回遊魚は広範囲を泳ぎ続けているために、酸素を大量に必要とし効率よく消費しなくてはならず、そのためにヘモグロビンとミオグロビンの二つの色素タンパク質が多く含まれています。そのため身が赤色になります。色味が薄いピンク色をしているブリやハマチは刺身などで、白身として扱われることがありますが赤身魚になります。
白身魚は、一般的に近海の浅海に生息する沿岸魚や、岩礁や砂地に生息する底生魚といわれ、行動範囲が狭いものが多いようです。そのため、酸素の消費量が多く必要としないため、回遊魚と比べ使う筋肉量も少なく、そのため身が白色をしています。この使う筋肉量の違いが身の色の違いになります。代表的な魚はタイやヒラメやフグです。
カンパチも成長とともに名前が変わる出世魚
カンパチは正式な出世魚ではないですが、成長とともに名前が変わる魚です。その名前の変化について紹介します。地域によって呼び名が異なります。関東では幼魚のうちは「ショゴ」と呼び成魚になると「カンパチ」と呼びます。関西では60cmまでが「シオ」60cm以上になると「カンパチ」と呼びます。鹿児島ではネイゴ・アカバラと呼びます。カンパチはハマチと同様に、養殖が盛んで使用頻度が高いそうです。
ブリが養殖されるようになって変わったハマチの定義
ハマチがブリの成長過程における呼び名だと説明しましたが、実は回転ずしなどで見かけるハマチは成長過程の呼び名ではな、養殖のブリをさすことがほとんどだそうです。現在は養殖の技術も進化しており、天然と養殖では味の違いが歴然としていて、養殖のブリが好まれる傾向にあります。そして、昭和30年ごろから養殖が本格化したことにより、全国にハマチの名が広がりました。
出典: http://fpcj.jp
現在は天然ブリと区別するために、5kg以上のハマチを養殖ブリとして呼ぶようになったそうです。おもに、富山県、島根県、高知県、長崎県が天然ブリの産地で、養殖ブリの産地は関西から九州までのほぼ全域となっています。
ブリやハマチと良く間違われるヒラマサってどんな魚?
ヒラマサはスズキ目のアジ科で、アジ科の魚の中では体長1メートルに成長する最大級の魚です。名前の由来はブリより平たい体に、黄金色の直線状の縦帯(柾・まさ)が入っていることだそうです。ヒラマサは青森から九州まで幅広い範囲に棲息していてしていた、単独または群れで全国各地を回遊する回遊魚です。ヒラマサは夏が旬の魚で真夏に良く釣れ、ブリとの味の違いは、ブリ(ハマチ)に比べ、あっさりしているようです。
ブリやハマチと良く間違われるヒラマサの見た目の違いは?
ブリ(ハマチ)とヒラマサの違い、素人目には判断が難しいです。どちらの魚体の中央にも黄色いラインが入っています。ブリの黄色いラインが薄いのに対して、ヒラマサの黄色いラインは濃くはっきりしています。正面から見た顔は、ブリが丸顔なのに対し、ヒラマサの顔は面長に見えます。ブリの口元が角ばっているのに対して、ヒラマサは丸みのある形をしています。
胸ビレは、ブリが黄色いラインから離れているのに対し、ヒラマサの胸ビレは黄色いラインにかかっています。尾ビレは、ブリはカーブが丸いのに対して、ヒラマサは角ばっていて黄色みがあります。いくつか細かい点に違いがあるようです。一番簡単に見分けられるのは、胸ビレの位置で判断するのがいいようです。
ブリとハマチとカンパチの味の違いは?
ブリとハマチとカンパチの切り身を見比べてみよう
魚体が似ているブリとハマチとカンパチですがそれぞれの切り身の状態や、ブリとハマチとカンパチの切り身を見比べてみると、ブリが一番赤身が強く、ついで、ハマチ、カンパチの順の赤身の濃さになっています。血合いの部分もブリが一番が濃く多いです。
ブリとハマチとカンパチを刺身にして食べ比べてみた
ブリとハマチとカンパチ、見た目は似ているけど味の違いはあるのでしょうか?刺身で食べ比べたところ、ブリの身は柔らかいのに対してハマチはプリプリとした食感です。カンパチはコリコリとした身が硬めの歯ごたえのある食感です。皆さんも食べ比べの機会があれば試してみましょう!
ブリとハマチの味の違いの決め手は脂の量?
続いては、ブリとハマチはの味の違いについてです。ブリは成長している分脂が乗っており、こってりした味わいになります。これに対して、ハマチはあっさり、さっぱりとしています。脂の乗り方だけではなく、食感や、獲れる時期によってもも大きな違いがあるので、一概に脂の量だけでは決められないようです。
天然のブリと養殖のブリでも違いがある
ブリに天然と養殖があることはご紹介しましたが、さて、天然と養殖に違いはあるのでしょうか?価格や味の違いが気になりませんか?天然ブリは、時期によって価格に変動があり、水揚げの時期しか見かけないですが、養殖ブリは比較的安定した供給が可能なので、価格は変動がなく年間通してお店に並びます。
天然ブリと養殖ブリの切り身を見てみます。天然ブリと養殖のブリではよく見ると、天然ブリはハリがあり、繊維質が細かく入っていてはっきり目に見えます。養殖ブリは天然ブリと比べ、身の引き締まりが弱く繊維質も粗めといった違いがあります。養殖ものの場合、運動不足になりやすく、脂肪がつきやすいため、天然物に比べ白っぽくなりやすいそうです。この違いが食べたときの食感の違いになります。
天然ブリと養殖ブリはどちらが美味しい?
同じブリでも天然と養殖では身の質感や脂の乗りが違うようです。天然のブリは締まりやハリがある身で、脂はサラッとした特徴があります。旬の時期の11月から2月の「寒ブリ」は、身の締まりと脂の乗りが格別で高級魚としても知られています。養殖のブリは天然のブリに比べ、いけすの中にいるので運動量が少ない分、身の締まりは天然のブリに比べ劣ります。
天然のブリより運動量が少なく、栄養を蓄えるので脂分が多くなり、こってりとした味わいの特徴があります。天然のブリの旬の時期(12月から2月)の脂肪含有量は、10%、同じ時期の養殖のブリの脂肪含有量は25%前後というデータがあります。それぞれのブリの特徴が分かったところで、おすすめレシピを紹介します。
天然ブリのおすすめの料理レシピ
天然のブリを味わうなら脂とコクの旨味が感じられる、刺身が一番のようです。また、新鮮な刺身を使った「ブリのカルパッチョ」もおすすめです。材料は、刺身用の天然ブリ・1パック、付け合わせの青菜(好みでベビーリーフやかいわれなど)・適量、調味料は、オリーブオイル・大さじ1、白ワインビネガー・小さじ1、ハーブミックスソルト、ブラックペッパー・各適量になります。
作り方は、ブリを好みの暑さにスライスし、皿に並べます。調味料をそれぞれかけて青菜を散らせば出来上がりです。白ワインビネガーやミックスソルトがなければ、レモン汁や塩でも代用可です。簡単、シンプルでブリの味を損なわず味わえる1品です。皆んもぜひ作ってみてはいかがでしょうか?
続いておすすめ、天然ブリの定番といえば「ブリの照り焼き」です。シンプルな材料で簡単にできるレシピを紹介します。まず材料は、ブリ4切れ、調味料(醤油・大さじ3、酒・砂糖・みりん・各大さじ2、水・大さじ1)、油・適量になります。
作り方は、ブリに分量外の塩を振り10~20分ほど置いておきます。調味料を合わせておきます。時間が経過したら、ブリから水が出るのでふき取ります。フライパンに油をひき熱します。盛り付けの際に表にする方からブリを焼いていきます。7~8割火が通ったら合わせた調味料を入れ煮絡めていきます。煮詰めすぎると、塩辛く身もパサつくので火を通しすぎないように注意しましょう。
養殖ブリのおすすめ料理レシピ
養殖ブリのこってり脂を活かしたおすすめレシピは、「ブリしゃぶ」です。材料は、ブリ(刺身用)、白菜、人参、大根、水菜、椎茸、豆腐など好みの野菜や具材、昆布、水、酒、塩です。水に30分ほど昆布を入れだしを作り、時間が経過したら火にかけ酒と塩を入れます。煮立ったら野菜を入れ、野菜のだしが出てきたら、ブリをしゃぶしゃぶして、もみじおろしを入れたポン酢だれ等のお好みのたれで食べます。
続いては養殖ブリのおすすめ料理「ブリのマヨネーズ焼き」を紹介します。材料は、ブリ2切れにとろけるチーズ適量、調味料(マヨネーズ・大さじ1、コチュジャン小さじ1/4、酒、醤油、小麦粉、油・適量になります。
作り方は、ブリを酒と醤油(1:1)を合わせた調味料に20分浸けておきます。コチュジャン、マヨネーズをあわせておきます。ブリの水分を軽く拭き取って、小麦粉をまぶします。フライパンに油をひき熱し、ブリの両面を焼きます。火を弱め、コチュジャンとマヨネーズの合わせ調味料をブリに塗り、とろけるチーズをのせ蓋をします。チーズが溶けたら出来上がりです。
ハマチのおすすめ料理は?
続いて、ハマチのおすすめ料理「ハマチの漁師めし」をご紹介します。漁師めしなので簡単にできるのがポイントです。材料は、ハマチ(刺身用)・100gに、ねぎ・5cm、おろししょうが・小さじ1/2、醤油・大さじ1と1/2、刻みのり、わさび、大葉は適量になります。
作り方は、ハマチは5mm角に切り、ねぎはみじん切りにします。ボウルにおろししょうが醤油を合わせ、角切りにしたハマチとみじん切りにしたねぎを合わせます。丼にご飯を盛り、調味料を合わせたハマチを盛り付け、お好みで刻みのり、わさび、大葉を添えて出来上がりです。刺身で食べるハマチも美味しいですが、ひと手間加えて簡単にごちそうができるのが漁師めしのおすすめです。
カンパチのおすすめ料理
カンパチのおすすめ料理「カンパチの醤油バター焼き」を紹介します。材料は、カンパチ(刺身用)・1パック、ニンニク・1片、醤油・小さじ1、バター・小さじ1/2、葉物・適量になります。作り方は、カンパチを棒状にカットしニンニクをスライスします。フライパンにオリーブオイル、ニンニクを入れ熱しカンパチの両面を焼きます。バターと醤油を絡めて出来上がり、簡単にできるのがおすすめです。
ヒラマサのおすすめ料理
ヒラマサのおすすめレシピを紹介します。「ヒラマサのから揚げ」です。材料は、ヒラマサの切り身15切れ、醤油・大さじ3、みりん・大さじ1、生姜・適量、ニンニク・1片、豆板醤・小さじ1、リンゴジュース・大さじ1、片栗粉、小麦粉・適量、ネギ・1本です。
作り方は、生姜とニンニクはすりおろし、ねぎはみじん切りにし、これらの材料と片栗粉と小麦粉以外の調味料を合わせ、ヒラマサを1時間程漬け込みます。漬け込んだヒラマサの汁を切り、片栗粉と小麦粉を合わせたものをまぶします。160度くらいに熱した油で、焦がさないようにゆっくりと揚げ、カリッと仕上げるため高温の油で二度揚げします。盛り付けて完成です。
ブリとハマチとカンパチを上手に食べ分けよう
今回はブリとハマチとカンパチの違いと、刺身の味の違いについて紹介しました。ブリ、ハマチ、カンパチそれぞれ旬の時期が違い、それぞれに味の違いがあることがわかりました。天然か養殖かによっても味の違いがあることがわかりました。それぞれの特徴に合った料理を楽しんだり、食感や脂の乗り具合など好みの味を見つけるためにも、それぞれの味を食べ比べしてみてはいかがでしょうか?