かつおのだしの取り方は?簡単な作り方やだしがらの使い方も!

日本料理の基本とも言われるかつおだしは、私たちの食生活を豊かにしてくれます。おいしいかつおだしがあるだけでいつもの料理がワンランクアップするので、かつおだしの取り方を知っておくと便利です。そこで今回は家庭できるかつおだしの取り方や、レンジなどを使った時短かつおだしの取り方、余っただしがらの有効活用レシピまでかつおだしの情報をとことん調査しました!毎日料理を作る方、必見です!

かつおのだしの取り方は?簡単な作り方やだしがらの使い方も!のイメージ

目次

  1. 1かつおだしは和食の基本
  2. 2かつおだしの取り方と種類を覚えよう!
  3. 3かつおだしの簡単な取り方
  4. 4かつおのだしがらを活用した簡単レシピを紹介
  5. 5かつおだしの保存方法と賞味期限は?
  6. 6かつおだしの栄養と健康効果
  7. 7かつおだしの取り方をマスターしてワンランク上の味を楽しもう!

かつおだしは和食の基本

みそ汁や煮物に欠かせないかつおのだしは、和食の基本です。風味豊かなかつおだしを使えば、素材の味を引き出してくれるだけでなく、味も香りも豊かになり、いつもの料理をワンランクアップさせてくれます。粉末だしなどではなく、丁寧な取り方で取られただしを使ったお料理は、しみじみと美味しく、思わず日本人で良かった!と思ってしまう力を持っています。しかも、かつおだしを取ることで、さまざまなメリットがあります。

かつおだしは旨みがたっぷり詰まっているので、食材本来の味をいかすことができ、塩やしょうゆ、砂糖などの調味料が少なくてもじゅうぶんに美味しい料理が作れます。丁寧な取り方のとられただしの旨みを生かした味噌汁や煮物は本当に美味しいです。調味料を使う量がすくなく済むことで、自然と減塩につながり、高血圧などの生活習慣病の予防にもなります。また余分な調味料を使わない分、家計にもやさしいのも魅力です。

かつおだしは、家庭料理の基本です。外食よりも、しっかりとした取り方で取っただしで作った料理の方が美味しく、添加物等の心配もないため、体にも安心です。たまの外食は息抜きでよいですが、毎日の料理はかつおだしを使って作りたいものです。

また、かつお節に含まれる旨味成成分のイノシン酸は基礎代謝を良くしたり、必須アミノ酸が元気な体を作る元になったりと、栄養分がたっぷりとれます。そのため、サプリなどを飲む必要がなく、栄養を補うことができます。かつおだしを使うと、赤ちゃんの味覚を育むメリットもあります。基本のかつおだしを使った食事の取り方で、おいしいものを美味しいと感じる自然な味覚が育ちます。

逆に、濃い味付けや添加物ばかりの食事を取っていると、味覚が育ちにくいと言われています。赤ちゃんの味覚は大人の2倍以上とも言われているので、少し手間暇をかけて小さなうちから美味しいかつおだしで味覚を育ててあげましょう。忙しいママには簡単に取れるだしの取り方も後ほど紹介します。かつおだしをとった後のだしがらも、ふりかけや佃煮など有効活用でき、美味しく食べることができることもメリットです。

しかも、だしがらまでまるごと食べることで、栄養を余すことなく摂取することができるのです。かつおだしのだしがらには他にもいろんなレシピがあるので、チェックしてみてください。かつおだしにはほんとうに色々なメリットがあることがわかりました。ここからはかつおだしの取り方や、だしがらを使った簡単レシピなどを説明していきます。

かつおだしの取り方と種類を覚えよう!

かつおだしには種類があることを知っていますか?基本的にかつお節を使った作り方のかつおだしは、一番だし、二番だし、合わせだしがあり、それぞれ風味や香りに特徴があるので、料理によって使い分けることが大切です。かつおだしの使い分けをマスターできれば、料理上手への近道です。早速それぞれのだしのとり方を見ていきましょう!

かつおだしの一番だしの取り方

多くの人がイメージする黄金色に輝くかつおだしが、一番だしです。かつおだしで一番最初にとれる一番だしは、味も香りも一番強く、にごりのない澄んだ上品な色合いが特徴です。素材そのものの色を活かしたい吸い物やすまし汁、かつおだしの味を最大限味わえるそばつゆや、うどんつゆ、茶碗蒸しなどに使うのが適しています。

かつおだしの一番だしの上手な作り方ですが、鍋に水1ℓを入れ沸騰したら火を止めます。次に削り節を10g鍋に投入したら、かつお節が鍋底に沈むまで1~2分置いておきます。かつお節を入れたら、魚くささを閉じ込めないためフタをしめてはいけません。布かキッチンペーパーを敷いたざるで、静かに削りぶしをこしたら、一番だしの出来上がりです。

上記の量だと、かつおだしが約800ml出来る計算になります。吸い物を作る場合は4杯分の量になるので、覚えておくと便利です。一番だしに使うかつお節の量は、水に対して1%が適切です。2Lの水でだしを取りたい時は、かつおぶしは20g用意すると良いです。かつおだしに使うかつおは、手に入りやすく、値段も比較的安価な本枯れ節の薄削りがおすすめです。

また、かつお節をこすための道具ですが、目の細かいざるを使用しましょう。一般的には、ざるの上にキッチンペーパーまたは布をしいてかつおだしをこすと丁寧にこすことができます。下に大きいザル、真ん中にキッチンペーパー、その上から小さなザルを使ってキッチンペーパーを挟んであげると、途中でキッチンペーパーがだしを吸って縮こまりきれいにこせないことがなくなるためおすすめです

簡単にかつおだしをこしたい場合は、茶こしや万能こし器をつかってこすのもよいでしょう。味噌汁1杯分などでかつおだしを少量とる場合は、マグカップなどの上にちゃこしを乗せて、かつおだしをとると簡単です。万能茶こしはいろんなタイプが売っていて、料理全般に使えるので、だし取り用にひとつ買っておくのも手です。こし器は手動のコーヒーメーカーでも簡単に代用出来るので、家にある方はそちらを使うのもおすすめです。

かつおだしの二番だしの取り方

かつおの二番だしは、一番出汁に比べ香りは弱くなりますが、旨みが強くなるのが特徴です。一番だしで使用しただしがらを使って、再度だしをとることから二番だしと呼ばれます。一番だしで取りきれなかった旨みを抽出して無駄なく使うので、とても経済的で家庭料理にぴったりです。旨みが強いため、しっかりと味をつけたい煮物や、味噌汁、炊き込みご飯、鍋物などに使うのがおすすめです。

かつおの二番だしは、一番出汁に比べ香りは弱くなりますが、旨みが強くなるのが特徴です。一番だしで使用しただしがらを使って、再度だしをとることから二番だしと呼ばれます。一番だしで取りきれなかった旨みを抽出して無駄なく使うので、とても経済的で家庭料理にぴったりです。旨みが強いため、しっかりと味をつけたい煮物や、味噌汁、炊き込みご飯、鍋物などに使うのがおすすめです。

かつおと昆布の合わせだしの取り方

合わせだしはその名前のとおり、かつおと昆布を組み合わせて作るだしです。動物性のかつおと、植物性の昆布、ふたつの素材の香りと旨みが合わさって、相乗効果で旨みが何倍にも引き出されます。合わせだしはどんな料理にも合うので、煮物や鍋物、炊き込みご飯などに幅広く使えます。かつおの二番だしは一度一番だしを取っただしがらを使うため、家庭でだしを取る場合は、かつおと昆布の合わせだしの方が使い勝手が良いと言えます。

かつおと昆布の合わせだしの作り方ですが、鍋に水1Lと切り込みを入れた昆布を10gを入れ、30分~1時間置いておきます。鍋を加熱し、底からふつふつと小さな気泡がでてきたら火を止め昆布を取り出します。昆布を取り出したら、再度火にかけ沸騰したら火を止めます。そこへかつおの削り節20gを入れ2分間置きます。布かキッチンペーパーを敷いたざるで、静かに削りぶしをこしたら、合わせだしの出来上がりです。

注意ポントとしては、昆布を火にかけた時、沸騰させてしまうと昆布独特の粘りが出て、だしの旨みを損なうので、ぐらぐらと煮立てないように気をつけてください。昆布にもさまざまな種類がありますが、上品な味わいの真昆布や、コクの強い羅臼昆布がおすすめです。スーパーでも手に入りやすいので、おいしい合わせだしを作る際は素材にもこだわって選んでみましょう。

厚削りのかつおだしの取り方

かつおだしよりも時間をかけてじっくり煮出す荒削りのかつおだしは、旨みが最も強い濃厚なだしに仕上がります。色もかつおだしよりも濃くなるため、麺類のつゆ、煮物、おでん、鍋物など濃い味付けをする料理に適しています。

荒削りのかつおだしの作り方は、鍋に水1ℓとかつおの荒削りを30g入れ、強火で沸騰させます。沸騰したら弱火にして、こまめにアクを取りながら、8分ほど煮出し火を止めます。布かキッチンペーパーを敷いたざるで、かつおの荒削りをこしたら完成です。こちらの量で、約800ml~850mlのだしを作ることができます。

かつおだしを取るときのポイント

かつおだしを最後にザルなどでこす時は、かつおを絞るのはNGです。かつお節にもだしを含んでいるため、つい箸などでぎゅっと絞り切りたくなりますが、しっかり絞ってしまうとかつおのえぐみや、濁りも一緒に出てくるのでかつおだしが台無しになってしまいます。布かキッチンペーパーを敷いたざるにかつおだしを流し入れたら、軽く箸で押さえる程度で引き上げるようにしましょう。

かつおだしをおいしく取りたい場合は、かつお節の量をたっぷりめに使うとよいです。前述したかつおだしのとり方で使うかつおの量は、水に対し1%のかつお節を使用しましたが、それよりももっと多く使うと旨みがより抽出されます。料亭などではかつおを片手いっぱいに掴んで入れる所もあります。日々の献立では贅沢な使い方ですが、ハレの日など特別な日の料理に使いたいときは、たっぷりめにかつお節を使うのがおすすめです。

美味しいかつおだしが取りたければ、美味しいかつお節を選んで使いましょう。かつおだしの材料はかつお節1種類なので、選ぶかつお節によって風味や旨みが異なってきます。一般的になスーパーで手に入るかつお節でおすすめは、本枯れ節の荒削り、または、花かつおです。

花かつおは大きな袋にたっぷり入って売られていることが多く、値段も比較的安中ので、家庭料理にも使いやすいです。もっとこだわりたい方は、かつお節を購入し、使う直前にカンナで削ったかつお節で作る方法があります。削りたてのかつお節で作ったかつおだしの美味しさは格別です。

かつおだしの簡単な取り方

丁寧に取ることが基本のかつおだしですが、毎日の食事でその時間を取るのはむずかしいものがあります。そこでかつおだしを簡単に取れる方法をご紹介します!だしを使いたいと思ったときに簡単にできる方法なので、時間がない時や、朝ごはんの準備などに便利です。

かつおだしの簡単な取り方:ティーポットや急須を使う

ティーポットまたは急須にかつお節4gを入れたら、沸騰したお湯を200ml注ぎ入れます。蓋をしたら3分置き、箸で一度全体をかき混ぜたあと、キッチンペーパーをしいたザルでこします。この作り方で、180mlのかつおだしが出来上がります。洗い物も出ず、とても簡単な作り方で美味しいだしが取れます。粉末だしに頼る前に、簡単にだしがとれるこちらの方法を試してみてください!

かつおだしの簡単な取り方:電子レンジを使う

かつおだしを煮出す時間がない場合は、電子レンジを使うと時短で簡単にかつおだしを取ることができます。作り方は、耐熱ボウルに水500ccに、かつお節10gを入れたら、ラップをして電子レンジで7分加熱します。1分間置いたら、キッチンペーパーを敷いたザルでこして完成です。電子レンジでだしを作れるこし網とカップがセットになったお手軽キットも売っているので、利用してみるのも手です。

かつおだしの簡単な取り方:お茶パックを使う

煮物にかつおだしを使いたい場合は、お茶パックにかつお節を入れ、一緒に煮込めばだしの香る煮物が簡単に出来上がります。お茶パック1袋に対し、かつおだし10gが適量になります。時間に余裕があるときに、お茶パックにだしを仕込んだものを作っておけば、いざという時鍋にぽんと入れるだけで使えて便利です。

かつおだしの簡単な取り方:ボウルに熱湯をそそぐだけ

かつおだしの究極に簡単な作り方です。急須やティーポットを使って作る時よりも大量にかつおだしを取りたい時におすすめの方法です。料理の片手間に簡単にできるので分量を覚えておくとささっと作れます。作り方は、耐熱ボウルにかつお節10gを入れたら、熱湯3カップを注ぎ入れます。そのまま2分ほど置いて旨みを引き出します。キッチンペーパーを敷いたザルでこしたら完成です。

かつおのだしがらを活用した簡単レシピを紹介

かつおだしを取るときに必ず出るだしがら。そのまま捨ててしまうのはもったいないと思いませんか?実はかつおのだしがらは、アレンジすることで有効活用できます。かつおのだしがらは1回分の量だと少ないので、だしを取るたびフリーザーバッグなどに冷凍しておき、数回分まとめて使うことをおすすめします!かつおのだしがらを活用したエコでおいしい作り方レシピをご紹介します。

かつおのだしがらの活用レシピ:ふりかけ

作り方はかつおのだしがら100gを解凍して水気を絞ったら、大きなザルに広げ風通しの良いところに数日おいて乾燥させます。乾燥してパラパラになったらフライパンでカラ入りして、水分を飛ばします。かつお節が粉々になったら、しょうゆ大さじ4、みりん大さじ2、酒大さじ2、砂糖大さじ1と1/2を加え、中火にかけます。なべ底を混ぜながら4~5分煮詰めて水分を飛ばしたら完成です。仕上げにごまを混ぜてもおいしくできます。

かつおのだしがらの活用レシピ:佃煮

作り方は、かつおのだしがら20gは絞ってから刻んでおきます。フライパンにかつおのだしがらを入れ、醤油大さじ1と1/2、みりん大さじ1、砂糖小さじ1を入れて混ぜたら中火にかけます。絶えず混ぜながら水分が飛んで照りが出るまで炒ったら完成です。ほかほかご飯との相性が抜群で、何倍でもごはんが食べられる美味しいレシピです。ぜひお試しください!

かつおのだしがらの活用レシピ:だしがらのマヨネーズ和え

かつおのだしがらを活用した、お酒のつまみにもぴったりの一品です。作り方はかつおのだしがらの水分をよく絞ったら、マヨネーズ、明太子を混ぜるだけで完成です。ほかにも、マヨネーズ&からしや、梅干、納豆などと混ぜても美味しく出来ます。

かつおのだしがらの活用レシピ:だしがら冷奴

かつおのだしがらをサラダにアレンジしたおすすめレシピです。作り方は、スライスした玉ねぎ1個は水にさらしてザルにあげ、しそ10枚を細切りしたものを加えて冷蔵庫で冷やしておきます。玉ねぎとししを器に盛り、冷奴を乗せたら上からだしがらを散らし、ポン酢を回しかけたら完成です。冷奴の代わりにレタスを使えばサラダに、鮭の缶詰やホタテの缶詰を使えば立派なおかずに早変わりします。

かつおのだしがらの活用レシピ:だしがらでんぶのくずし豆腐

かつおのだしがらを使ったくずし豆腐は、だしがらの旨みが淡白な豆腐と合わさっていくらでも食べられそうな美味しさです。作り方は、かつおのだしがら大さじ1の水分をぎゅっと絞っておきます。そこにしょうゆ小さじ1と、みりん小さじ1/2を加えて混ぜます。

器に木綿豆腐一丁をスプーンですくい盛り付けた上に、味付けしたかつおのだしがらと、オリーブオイル大さじ3を回しかけます。冬は温めるとじんわりと体がポカポカになりますし、夏は冷たく冷やしても美味しくいただけます。作り方もとても簡単で、献立の一品に重宝します!

かつおのだしがらの活用レシピ: だしたがらとキャベツの梅和え

かつおのだしがらの旨みがきいた甘いキャベツはとても美味しいので、モリモリ食べられます!野菜不足の解消にもおすすめのメニューです!作り方は、キャベツ1/4個はざく切りにして、塩小さじ1/5と酒おおさじ1を入れたお湯でさっと湯がきます。火が通ったら水気を切っておきます。

梅干一個は種を取り除き、包丁でたたいておきます。ボウルに水気を絞ったキャベツ、梅干、かつおのだしがら一掴み分、しょうゆ小さじ1を加えてよく和えたら完成です。お好みで昆布や、ごま、大葉などを入れても美味しいです。冷蔵庫にある残り物で簡単にできるので、おかずに困ったときの一品として作ってみてはいかがでしょうか?

かつおのだしがらの活用レシピ:さば缶そぼろ

かつおのだしがらと、さば缶を合わせたおすすめレシピです。ごはんお供にはもちろん、おにぎりの具や、お茶漬けにしても美味しくいただけます。かつおとさば缶という最強タッグで栄養もばっちりです。作り方は、ごぼう30gはみじん切り、だしがら一掴みは刻みます。鍋に鯖缶1缶を汁ごと入れほぐします。

火にかけたらごぼう、だしがらをいれます。みりん少々、しょうゆ少々を加え水分を飛ばし、汁気が飛んだら白ごま大さじ1を加えたら完成です。鯖缶とだしがらが染み出した何とも言えない旨みのあるそぼろです。ほかほかご飯にのせて食べると箸が止まらない美味しさです!ぜひお試しください。

かつおのだしがらの活用レシピ: だしがらの和風パスタ

かつおのだしがらを活用してパスタはいかがでしょうか?ヘルシーな材料のみを使っているので、ダイエット中の方にもおすすめです。作り方は、パスタ70gは多めの塩を入れたお湯で茹でていきます。青じそ5枚は千切りにしておきます。パスタが茹で上がる3分前にオリーブオイルをひいたフライパンで、大根の千切り10cmを強火で炒めます。

大根の周りが少し透き通ったら、かつおのだしがら大さじ1とにんにくのすりおろし小さじ1/2を加え炒めます。にんにくから良い香りが出たら、パスタと、パスタのゆで汁大さじ2を入れて炒め合わせ、鍋はだから鍋肌かしょうゆ小さじ1を回し入れ、大葉の1/2の量を加えて炒めます。塩コショウで味を整えたら、お皿に盛り付けます。残った大葉の1/2と、ごま適量、七味をかけたら完成です!

かつおだしの保存方法と賞味期限は?

かつおだしを冷蔵保存する

料理に使うために取ったかつおだしが余ってしまったら、冷蔵庫で保存が可能です。すぐに使いたい時のために、あらかじめ多めにかつおだしを取っておきたい時にも便利です。ただし、自宅で取ったかつおだしは市販品のように添加物が入らないので、傷みやすくなります。冷蔵保存の場合は3日以内に使い切るようにしましょう。冷ましたかつおだしを清潔なピッチャーやタッパーなど密封できる保存容器に入れて冷蔵庫で保存します。

かつおだしを冷凍保存する

かつおだしは冷凍保存もできます。冷蔵庫よりも長期保存できるため、作りおきにも最適です。冷蔵保存と同様に、よく冷ましたかつおだしをフリーザーバッグ、タッパー、ペットボトルなどに入れ、凍らせて保存してくださいい。また、製氷機にかつおだしを入れキューブ状に冷凍しておくのもおすすめです。料理に使いたい時に、使いたい分だけを選んで使えるのでとても便利です。少量だけの離乳食作りにもおすすめの方法です。

製氷機で凍らせたかつおだしは、固まったら、フリーザーバッグに移し替え冷凍保存します。冷凍保存したかつおだしの日持ちは3週間程度になりますが、冷蔵庫の匂いがうつったり、風味が落ちることがあるので、なるべく早めに使い切るようにしましょう。冷凍したかつおだしを使いたい場合は、前日に冷蔵庫に移動させ、ひと晩置けば解凍されているのですぐに使えるようになります。

かつおだしの栄養と健康効果

かつおだしは旨みがあって美味しいのはもちろん、私たちの健康にも効果がある理想的な栄養がたくさん詰まっています。かつおだしは魚のカツオから取ったただしです。生ではなく一度かつお節にしてから削ったかつお節でだしを取ることで、栄養も風味も増すのです。古くから日本で食事に理想されてきたかつおだしは、日本人の理に叶った調理法と言えます。ここからはかつおだしの更なる魅力をお伝えしていきます。

かつおだしの栄養

製造工程で、かつおの栄養を閉じ込めたかつお節は、かつお本来が持つ栄養素に加え製造工程で生成された栄養素を持っています。まず、かつお節に含まれる栄養素として、タンパク質、ビタミンB、ビタミンD、ビタミンE、カルシウム、リン、鉄、マグネシウム、カリウム、亜鉛などが挙げられます。生のかつおよりも栄養価はなかり高くなっていて、人間の体内で作ることができない必須アミノ酸を全て含んでいるという優秀な食材です。

アミノ酸は生命の源を作る栄養素で、体のさまざまは機能を担っています。アミノ酸が不足すると、成長障害や、生命に影響を与えることになりかねません。通常の食事をしている限り、アミノ酸が不足する、ということはありませんが、スポーツをする人や、極端なダイエット中の人、高齢者はアミノ酸が不足しがちということが伝えれています。

体に必要な必須アミノ酸は、血中の窒素バランスを整え筋肉の生成に効果のあるバリン、ストレス緩和効果のあるロイシン、疲労回復効果のあるイソロイシン、成長や免疫を向上するリジン、肝臓への脂肪蓄積を防ぐスレオニン、アレルギーの原因である血中ヒスタミンを排出するメニオニン、ドーパミンなど興奮性の神経伝達物質を作るフェニルアラニン、幼児の成長に欠かせないヒスチジン、神経安定効果のトリプトファンの9種類です。

これらのアミノ酸は体内で生成する事ができないので、食事から取る必要があります。かつお節には9種類全ての必須アミノ酸を含んでおり、体を作るのに欠かせない良質のタンパク源となります。

かつおだしの健康効果:こどもの成長促進

かつおだしに含まれる必須アミノ酸のひとつであるヒスチジンは、大人は体内で作ることができるのですが、子供はヒスチジンを作ることができないことがわかっています。成長の促進や、神経機能のサポートなど、子供が発育するのに欠かせない栄養素なので、子供にとって摂取が必須なアミノ酸と言えます。かつおだしで取ったお味噌汁や煮物は、子供が健康に育つためにも毎日積極的に食べさせたい料理です。

かつおだしの健康効果:ダイエット効果

ヒスチジンはダイエットにも効果的です。脳内の満腹中枢を刺激し、食欲を抑制する食欲抑制効果と、脂肪を分解することでヒスタミンを発生させ、脂肪の燃焼を助ける脂肪燃焼効果があることがわかっています。食べ物をよく噛むことでヒスタミンが発生しやすくなるので、食事の際はよく噛むことを心がけるとよりダイエットに効果があります。かつおだしを使う和食はカロリーも控えめなので、よりダイエット向きの食材と言えます。

かつおだしの健康効果:集中力UP

かつおだしを摂取することにより、気分や感情の状態が良好になることが近年の研究結果でわかってきました。ある調査で、かつおだしを飲むグループと、そうでないグループに分けたところ、かつおだしを飲むグループに集中力のスコアが初期値から増加したという結果が出ました。

かつおだしには、緊張や不安を改善し、集中力がUPする効果があります。また、かつおだしには緊張や不安を和らげる効果があるとも言われています。子供、特に受験生のいる家庭では、毎朝かつおだしのお味噌汁を飲んでから学校に行くのがおすすめです!

かつおだしの健康効果:疲労回復効果

かつおには、アンセリンというタンパク質が分解される過程で得られるペプチドという成分が豊富に含まれています。アンセリンには、疲労回復効果、抗酸化作用、運動能力の向上などの作用があるため、疲れたときや、運動の前後にかつおだしを使った料理を取ると効果的です。生のかつおよりも、かつおだしにした方がよりアンセリンを効果的に摂取できるそうです。家族の健康をあずかるお母さんはぜひ覚えておいてください。

かつおだしの健康効果:認知症予防

かつおだしに含まれるビタミンB郡のナイアシンという成分には、アルツハイマー病や認知症を防ぐ効果があるとの研究結果が出ています。ナイアシンには、血流をよくする作用があり、脳内の血流や脳神経の働きをよくする作用があります。

そのため、食品からのナイアシンの摂取量が多ければ多いほど、アルツハイマー病や認知症にかかるリスクが低減されることが指摘されています。そのほかにも脳梗塞や、高血圧など循環器系の病気を予防改善する効果もあります。

かつおだしの旨み成分

かつおだしが旨みが凝縮されて美味しいのには理由があります。旨み成分のもとになるのは、かつおに含まれるイノシン酸、昆布に含まれるグルタミン酸、しいたけに含まれるグアニル酸の3大成分です。かつおだしの旨味成分であるイノシン酸は、赤身の魚に特に多く含まれているのですが、鰹だしのもとになるかつお節を作る過程で良質のカビをくり返し付けることにより、より成分が凝縮されます。

そのため、かつお節を使ったかつおだしは旨味成分が強いのです。特に動物性と植物性の旨味成分が合わさると、最強の旨味成分が引き出されるので、かつおとこんぶのコンビネーションは抜群と言えます。ある実験では、かつおと昆布による旨みの相乗効果により、それぞれの食材を個別に味わった時よりも7~8倍もの旨みが得られることがわかりました。合わせだしは旨みを引き出す最強の調味料です。

かつおだしの取り方をマスターしてワンランク上の味を楽しもう!

かつおだしのとり方を中心に、かつおだしにまつわる情報を紹介してきましたが、参考になりましたか?和食の基本とも言えるかつお節の旨みがたっぷりと溶け込んだだしがあるだけで、いつもの料理がワンランクアップするだけでなく、必須アミノ酸やタンパク質など驚くほどたくさんの栄養が取れたり、集中力UPや疲労回復、ダイエット促進など体に嬉しい効果があり、かつおだしのパワーには目を見張るものがありました。

和食が無形文化遺産に登録され話題を呼びましたが、和食のキモとなるかつおだしのうま味は、世界のどこを探してもない日本ならではの伝統の食文化です。わたしたち日本人の食生活において欠かせないかつおだしは、日本人として知ってきたい基本となります。かつおだしの取り方は、意外ときちんと知られていないので、これを機会に正しいだしのとり方を覚えておくと、これからの料理作りが美味しくなるに違いありません。

また、だしがらを使ったレシピもご紹介しました。だしをとったあとのだしがらは今まで捨てていた、という方はぜひチェックしてみてください。捨てられるはずのだしがらを使ったふりかけや佃煮、和物、パスタなどは強い旨みが味わえ、とても美味しい一品に早変わりします。とって美味しく、最後の最後まで使い切ることのできるかつおだしと上手に付き合って、毎日の食卓を充実させていただければ幸いです。

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