バッター液で揚げ物がサクサクに!簡単な作り方と美味しいレシピも紹介
自分で天ぷらを揚げるとメチャッとして上手く揚がらない!揚げ物をするとレンジの周りがベタベタしたり汚れてしまう!そんなことから、ついつい揚げ物をするのを敬遠したり、苦手意識を持っている人が少なくありません。ところが、お惣菜屋さんのようにサクサクした美味しいトンカツや天ぷらを簡単に揚げる方法があったんです。バッター液を使った揚げ方です。そのバッター液の作り方、バッター液を使った美味しい揚げ物のレシピをまとめました。卵アレルギーのある方にも安心して食べられるバッター液の作り方も紹介しています。
目次
バッター液って?
もともとのバッター液
バッター(batter)液って小麦粉やコーン粉などに水や牛乳を混ぜ合わせた流動性のあるものでホットケーキやアメリカンドックの生地になっています。日本では総菜屋のコロッケやカツフライなどの衣に、この生地が広く使われていましたが、バッター液を取り上げとして使い方を広めたのはケンタロウさん「男子ごはん」(東京テレビ)のようです。最近ではNHKの「ためしてガッテン」で紹介されています。
簡単で便利なバッター液を使った揚げ物
フライを揚げるとき小麦粉、卵の順に別々につけて次にパン粉をからめて揚げていませんか?バッター液を使うと、ひと手間省略でき簡単に揚げ物ができます。バッター液に浸けて直ぐにパン粉をからめて揚げられるからです。しかも衣がしっかりと付きカリカリに揚がるのです。以前から、お総菜屋やスーパーでは、このバッター液を使っていました。今、家庭でも、このバッター液を使った簡単な揚げ物の作り方が注目されています。
簡単なバッター液の作り方
バッター液は小麦粉を溶かしたものですが、揚げる対象と揚げ方によってバッター液の作り方は違ってきます。揚げ方が天麩羅なのか、フライなのか、揚げる対象が野菜なのか、肉や魚なのかによってバッター液として小麦粉に何を混合するのか、どのくらいの濃さにするのかも変わってきます。その違いを紹介しましょう。いずれにしても簡単に揚げられ、出来上がりはサクサクです。
美味しいバッター液の条件
フライ向きのバッター液
同じフライ用のバッター液でも小麦粉と卵と水の分量はさまざまです。ここでは広く紹介されているバッター液の作り方を紹介します。4人前の揚げ物に対して卵(Ⅼサイズ)1個に薄力粉大さじ7と水1/4カップの分量です。卵はよく溶き混ぜます。それに薄力粉を混ぜ、さらに水を加えて滑らかになるまで軽く混ぜれば簡単にサクサク揚がるバッター液の完成です。水の代わりに牛乳を入れると食感がよくなります。
天ぷら向きのバッター液
天ぷら用のバッター液づくりのコツは普通の水ではなく氷水を使うことです。これによってサクサクの揚げたての食感が味わえます。おおよそ2人前の材料に対してのバッター液です。先ず卵を溶きカップ入れて氷水を入れて1カップにしたもの器に移し替えておきます。そこに薄力粉1カップを加えて軽く混ぜてバッター液のできあがりです。
バッター液で揚げるメリット
サクサク揚がるバッター液
バッター液に浸してからパン粉を付けると、揚げる材料にまんべんなく液が付いて軽くパン粉にまぶしただけで必要最小限の量のパン粉が簡単にきちんと、ほどよく付いてくれます。従来の小麦粉を付けて卵だと、どうしてもムラが出て必要なパン粉が付かなかったり、ひどい時はギュッと押し付けて肉汁までだしてパン粉をつける始末です。こうなると、うま味やジューシーさが、なくなりサクサク感もなくなります。
ジューシーに揚がるバッター液
揚げてジューシーさが無くなるのは、豚肉やエビなどの揚げるものに含まれている、うま味や水分が揚げることで外に出てしまうためです。バッター液は小麦粉と卵と水分がクリーミーな状態になって包み込み、さらにパン粉をしっかり、まとわせてくれるので、このうま味や水分を閉じ込める役割を果たしてくれます。ちょっとひと手間加えるならバッター液に小さじ1杯分の油を混ぜてあげればベストです。
レンジを汚さないバッター液
油はねを少なくして、小麦粉つけて卵をつけての工程を減らして粉を落としたり、卵の滴を垂らしたり、手が粉と卵まみれで、その手で触るとあっちこっちを汚してしまいます。その汚れてしまうのが揚げ物から遠ざかる原因の一つとなっています。バッター液は、そんな汚れを少なくでき、すっきり感で作業もはかどります。やはりレンジでチンするだけの揚げものと違う美味しさが味わえます。
天麩羅には卵の代わりにマヨネーズを使ったバッター液
バッター液は小麦を主体に何を加えるかで食感がだいぶ変わってきます。天麩羅の場合は衣が直接に食感となりますから一工夫で大切です。卵の代わりにマヨネーズを使うのもその一つです。天ぷらを揚げて油っこくなるのは衣に水分が残っているからです。それを解決するのがマヨネーズの乳化された植物油です。これが衣の中に全体に分散して揚げることで衣の中の水分を蒸発させてサクサクにしてくれるのです。
アトピーなど卵アレルギーでも安心なバッター液
アトピー性皮膚炎などアレルギー体質の人が多くなっています。卵アレルギーの人には小麦粉に卵は入れられません。卵に替えてヨーグルトを使ってバッター液を作ります。薄力粉50グラムにヨーグルト100グラムを加えてかき混ぜます、水30グラムを少しずつ加えて、だまにならないように混ぜ合わせてバッター液のでき上がりです。食感もよくパン粉もつけやすく揚げたサクサク感は卵入りよりもいいかもしれません。
揚げる温度にも注意を!
野菜の天麩羅を揚げる温度
野菜は温度は150~160度ですが種類や切った厚さやによって大分時間は違ってきます。例えば大葉や獅子唐は40秒程度ですが硬いカボチャ(厚さ7~8ミリ)は2分ほど、サツマイモ(7~8ミリ)は3分ほどです。せっかくのバッター液を使っても適温で時間もある程度タイミングを見ないと硬すぎたり焦げたりして美味しくありません。
エビの天ぷらを揚げる温度
揚げ物に使うエビは、しっかりと加熱すれば全く問題はありません。加熱不足による食中毒の心配がないように170~180℃で2~3分はきちんと守りましょう。揚がると衣の表面が薄茶色になり尾も赤くなります。音は入れた直後の大きな音からピチピチと高温になります。勢いよく出ていた泡が小さくなり浮き上がってきます。
トンカツを揚げる温度
厚さ1センチ位のトンカツを揚げる場合、170~180度で片面1~2分、裏返して3~4分程度です。半生肉にならないようにきちんと加熱する必要があります。揚がってくると沈んだトンカツが浮き上がってきて、カツ全体がキツネ色になってきます。油に入れた直後のボコボコという音が揚がってくるとチリチリという音に変わります。二度揚げしてください。
コロッケ・メンチカツを揚げる温度
コロッケは中身の野菜類は一度火が通ているので170~180度の油で2~3分でキツネ色に揚がれば十分です。メンチカツは作り方によりますが野菜類を一度炒め、粗熱をとって混ぜた場合は170~180度と5~6分程度、上に浮いてきて泡が小さくなって、音もピチピチと小さくなり、全体がこげ茶色になったら揚がりです。
二度揚げでカリッと!
バッター液を使うことでサクサクした揚げ方が簡単にできるようになりました。でも、もう一工夫することで、もっとサクサク感が増すことができます。それは二度揚げです。上記で紹介した温度と時間をもとに、その揚がる少し前の淡いキツネ色の段階で一旦パッドにあげ3分ほど余熱で火を通します。その後、火を強めてこんがりキツネ色になるように揚げることで一層サクサクします。
バッター液でジューシーなメンチカツ
バッター液を使った美味しいレシピ1
材料は4人分です。合挽肉300グラム、玉ねぎ1/2個、キャベツ2~3枚・約120グラム、ピーマン1個、サラダ油大さじ1、塩小さじ1/2、ウスターソース小さじ1を用意します。これにバッター液として溶き卵1個、薄力粉大さじ7、水1/4カップを混ぜておきます。その他、揚げるためのパン粉、揚げ油は適量準備します。揚げ上がったメンチカツにかけるソースはウスターソースとケチャップは好みで合わせておきます。
作り方は、玉ねぎをみじん切りにしてサラダ油で透き通るまで炒めて冷まします。みじん切りにしたキャベツとピーマン、肉、塩、ウスターソースを加えて粘りが出るまでかき混ぜます。8等分して小判型に成形して真ん中を少し凹ませます。これをバッター液に浸してからパン粉をタップリ付けて170度の油で揚げます。衣がしっかりしてきたらひっくり返してキツネ色になるまでじっくり揚げ、最後に少し強火にしてカラッと揚げます。
バッター液でサクサクなヒレカツにタルタルソース
バッター液を使った美味しいレシピ2
4人分の材料です。豚ヒレブロック約400グラム、塩コショウ適量とバッター液として卵1個と薄力粉大さじ3、水30CCを混ぜたもの、パン粉や揚げ油を用意します。タルタルソースには固ゆで卵2個、玉ねぎ1/8個、パセリのみじん切り適量、マヨネーズ大さじ5、レモン汁小さじ1、塩とコショウを少々です。
豚ヒレブロックを繊維を断ち切る方向で厚さ1.5センチに輪切りして包丁の裏で叩いて塩・コショウをふっておきます。これをバッター液に浸けてパン粉をまんべんなく付けて180℃の油で揚げます。タルタルソースは玉ねぎをみじん切りにして水に30分ほど浸けておきます。卵をみじん切りにした中に水を切った玉ねぎ、パセリを入れてマヨネーズと塩・コショウ、レモン汁で味付けします。
バッター液でカリッとしたアジフライ
バッター液を使った美味しいレシピ3
材料は2人分です。アジは開きで骨なしのもの4尾分に塩コショウを少々振りかけ10分ほど置きます。バッター液は溶き卵1個に薄力粉大さじ6を混ぜたものを用意します。無糖のコーンフレーク1カップをビニール袋に入れ少し粗目にもみ砕いておきます。アジはキッチンタオルで水分をふき取り、バッター液に浸してから砕いたコーンフレークで包みます。170~180度の油で約4分、キツネ色になるまで揚げます。
バッター液で天麩羅の盛り合わせ
バッター液を使った美味しいレシピ4
4人分の材料です。エビ(中)を12尾、サツマイモ1本を1センチに輪切りに、なす2個はヘタをとって長さを半分にして縦四つ割り、獅子唐辛子12本は揚げた時に破裂しないよう穴をあけ、大葉4枚を用意します。衣用のバッター液は卵1個に薄力粉1カップと氷水カップ1、マヨネーズ大さじ1です。天つゆとしてダシ汁1カップ、醤油、みりん各1/4カップです。大根は多めに下ろしましょう。季節の旬な野菜をお使いください。
作り方です。天つゆ材料を鍋で煮たてて作っておきます。エビは尾を残して殻をむき背ワタを取り除き、尾に溜まった水分を拭いておきましょう。揚げた時に真っすぐになるよう腹側に浅く切り込みを入れておきます。次に衣用のバッター液を作ります。ボウルで卵をほぐし、氷水を1カップ入れて薄力粉を振り入れ、マヨネーズを小さじ1を加えて箸でざっくり混ぜます。油を160度にしてそれぞれバッター液にくぐらせてから揚げます。
衣がしっかりしたら一度、箸で持ち上げ空気に触れさせるとカリッと揚がります。エビは揚げ油を170~180度に上げて衣をつけて揚げ、他と同様に衣がしっかりしたら一度箸で持ち上げ空気に触れさせながら揚げるのがコツです。揚げたものはトレイにキッチンペーパーを敷いた上に置いてよく油を切ってください。皿に盛って大根おろしもお忘れなく。
バッター液を使って子どもたちが大好きなコーンかき揚げ
バッター液を使った美味しいレシピ5
2人分です。トウモロコシを2本を削ぎ取ります。バッター液は天ぷら用よりも少し硬め気味にします。卵1個溶いた中に薄力粉を1カップ入れ、トウモロコシを入れてかき混ぜながら、水は半カップを加えます。揚げ油を170~180度にしてトウモロコシを大さじ2杯分をお玉に入れて油に流すように入れます。カラリとしたらでき上がりです。油を切って皿に盛り塩をパラっとかけます。
バッター液でアレルギーの人も安心で美味しい一串カツ
バッター液を使った美味しいレシピ6
卵アレルギーの人も安心して美味しく食べられる卵なしのバッター液を使った一串カツです。バッター液の作り方は【6.アトピーなど卵アレルギーでも大丈夫なバッター液】で説明した通りです。これまで紹介したレシピのバッター液を卵からヨーグルトに替えるだけで大丈夫です。それぞれの具材に串を刺してヨーグルトを使ったバッター液にくぐらせパン粉でくるんで揚げてください。
揚げ物につきものの野菜
フライにマッチするキャベツ
とんかつ屋さんに行くと、揚がったばかりのトンカツに添えられているのが山盛りのキャベツです。この定番的な組み合わせを最初に思いついたのはポークカツレツを出した銀座の洋食屋の煉瓦亭だったのです。油っぽさがキャベツを食べることさっぱりし、キャベツの成分のキャベジンが揚げ物を食べた後の胸やけや胃のもたれを防いでくれる効果もあります。レタスやトマトも添えてみてもいいです。
天ぷらにマッチする大根おろし
天ぷらや揚げ出し豆腐、焼き魚に添えられているのが大根おろしです。それには理由があるのです。油は酸化しやすく、酸化が進むとアルデヒド類を発生し、細胞を傷つけたり病気の原因になるといわれています。この油の酸化を防ぎ、酸化した油を元に戻す働きがビタミンCで、大根おろしに多く含まれているのです。食文化や先人たちの食習慣の知恵は大したものです。最近はフライにも大根おろしとポン酢が付いてきます。
まとめ:あなたらしいオリジナルなバッター液で美味しい揚げ物
オリジナルなバッター液づくり
バッター液を使うことで揚げ物がとても簡単に、美味しく揚がることを、いろいろな面から紹介してきました。今回、詳しくお伝えできていないマヨネーズを利用したバッター液、小麦アレルギーの人向けの米粉を使ったバッター液、カレーやゴマを入れた味付きバッター液、塩麹を使ったバッター液とまだまだいろいろなバッター液の可能性があります。あなたのオリジナルなバッター液を作って揚げ物の幅を広げてみてください。
サクサクな揚げものを味わうために
バッター液は便利で、簡単にサクサクとジューシーに揚げることができます。でもそれに加えて大切なのは揚げたてを食べることです。何よりもサクサク感が味わえて、美味しい揚げ物を食べることができます。