2022年11月07日公開
2024年05月26日更新
毛ガニの解凍方法は?注意点やおすすめレシピ・殻の活用法も紹介
毛ガニの正しい解凍方法を知っていますか。この記事では、毛ガニの正しい解凍方法や解凍する際の注意事項、毛ガニを使ったレシピの紹介をします。高級食材の毛ガニを美味しく食べられるよう、ぜひ上手な毛ガニの解凍方法を理解して実践できるようになりましょう。
毛ガニの解凍が上手にできず悩んでいる人はいませんか。
水揚げされた毛ガニは、活ガニのほか冷凍やボイルされて全国へ出荷されます。急速冷凍され真空状態を保つグレーズ処理をされた毛ガニは、正しい手順で解凍すると、活ガニにも負けない風味が味わえます。
この記事を読めば、毛ガニの旨味や美味しさを失わない上手な解凍の方法やポイントについて理解することができます。また、身を食べ終わった後の毛ガニの殻を活用した美味しい出汁の取り方や、肥料としても活用できることなども知ることができるでしょう。
1年を通して北海道各地で水揚げされる新鮮な毛ガニの美味しさを、そのまま味わえる冷凍毛ガニを上手に解凍し、そのジューシーな味わいを堪能してください。
冷凍毛ガニの解凍方法
冷凍毛ガニは食べる前に解凍する必要があります。しかし、正しくない手順や方法で急ぎ解凍すると、毛ガニの旨味や美味しさが失われてしまいます。冷凍毛ガニを美味しくいただくには、どのような方法で解凍すれば良いのでしょうか。
代表的な解凍方法とそれぞれのメリットデメリットなどを見ていきましょう。
冷蔵庫で時間をかけて自然解凍する場合
冷凍のボイル毛ガニを冷蔵庫で時間をかけてゆっくり自然解凍すると、ドリップの流出を抑え美味しく食べられます。ドリップには食品の栄養分などが含まれ、ドリップ量が多いと品質に影響が出てしまうのです。
冷凍毛ガニが乾燥しないようキッチンペーパーなどで包み、解凍途中で毛ガニが水に浸らないようザルや水切りバットの上に乗せて、ビニール袋に入れて冷蔵庫で解凍しましょう。
氷水で解凍する場合
氷水を使って解凍すれば、冷蔵庫での自然解凍より短時間で解凍できます。まず、冷凍毛ガニをビニール袋に入れて密閉し、次に密閉した冷凍毛ガニが入る大きさの容器に氷水を作ります。水10に対し氷が3割程度の割合にしましょう。
あとは、冷凍毛ガニを氷水に入れて待つだけですが、時々様子を見て毛ガニを密閉した袋に溜まる水を取り除きながら丁寧に解凍していきましょう。
流水で解凍する場合
急いで解凍したい場合、流水で解凍することもできます。手順は氷水での解凍と同じです。毛ガニを密閉して、氷水の代わりに流水にさらし解凍してください。
熱伝導率は、気体・液体・固体の順に大きくなり、流水にさらせば冷蔵庫での自然解凍より短時間で解凍できるのです。
毛ガニに水が直接触れないよう密閉することと、溶け出した水にカニが浸らないようにこまめに取り除くことを忘れないでください。
冷凍毛ガニを解凍する時の注意点
高級食材である毛ガニは、上手に解凍にして最高においしい状態でいただきたいものです。しかし、正しい知識をもたないまま間違った方法で解凍してしまい、せっかくの毛ガニの美味しさが半減、といった失敗の経験を聞くこともあります。
ここからは、冷凍毛ガニの解凍時の注意点について解説します。
常温で自然解凍しない
常温で解凍すると、手間もかからず短時間で解凍できますが、旨味がなくなりパサパサの食感になってしまいます。常温で解凍すると冷凍毛ガニと外気との温度差が大きく、ドリップが流出しやすくなるためです。常温での解凍はできる限り避けましょう。
凍ったまま加熱調理しない
冷凍毛ガニを解凍しないでそのまま蒸したり、茹でたりして調理することも避けましょう。旨味が流出し、美味しさが失われます。
冷凍毛ガニは単に低温で急速冷凍させただけでなく、グレーズ処理という毛ガニを薄い氷で被膜する、真空状態に保つための特殊な処理がされています。
解凍せずに熱を加えて調理した場合、グレーズ処理による氷の膜が溶け、臭みの原因になることも知っておきましょう。
電子レンジは使用しない
電子レンジでの解凍は冷凍毛ガニへの急激な加熱となり、細胞を破壊し旨味成分が失われます。さらに、水分の蒸発によって食感の低下を招き、部分的な加熱ムラなどが起こりやすくなります。
電子レンジには多くの機種に生もの解凍メニューが搭載されていますが、冷凍毛ガニの電子レンジでの解凍はあまりお薦めできません。
再度冷凍しない
専用の機械を使ってマイナス30~40度程度の超低温で急速冷凍させた毛ガニは、急速冷凍によって細胞の破壊と品質の低下を防いでいます。
しかし、一度解凍した冷凍毛ガニを再び冷凍すると細胞が壊れてしまいます。また、家庭用の冷凍庫で冷凍する場合の温度はマイナス18度程度であり、味や風味が落ちてしまうのです。
本来の風味を大きく損ない、雑菌の発生も心配な「再度の冷凍」はやめておきましょう。
解凍した後の毛ガニの賞味期限は?
解凍した冷凍毛ガニの賞味期限は、冷蔵庫で保存した場合で2日程度となります。
冷蔵保存中も時間経過に従い品質が劣化していくので、できるだけ早く食べることを心がけましょう。
残ってしまった場合などは、他の料理にアレンジして利用するなどの工夫をして、せっかくの高級食材を無駄にしないようにしましょう。
毛ガニを使ったおすすめのレシピ
そのまま食べることができ、蒸す、茹でる、焼くなどあらゆる調理法にも適した毛ガニは、鍋をはじめとした和食、イタリアン、中華といった料理のジャンルも選ばない大変すぐれた食材です。
ここからは、毛ガニを使ったレシピをいくつか紹介しましょう。
蟹の旨味をしっかり味わう蟹ごはん
いろんな食べ方で楽しめるのですが今日の蟹ごはんも
秀逸の味でした。
蟹の身をフライパンで炒めてしっかりと蟹の味を凝縮させて
温かいご飯の上に乗せて醤油を回しかけて食べる
ごくシンプルなものでございます。・・・が好きなんです
毛ガニの身には旨味がギュッと詰まっていて、余計な味付けや調理はいらないともいわれます。そんな毛ガニの美味しさを堪能することができるシンプルな料理は、やはり蟹ごはんでしょう。
ほぼ蟹だけグラタン
カニといえばグラタン、グラタンといえばカニ、というほど、この2つの相性は抜群です。
カニグラタンはカニ缶で作ることもできますが、毛ガニの身が余った時は、ぜひカニグラタン作りにチャレンジしてみましょう。
カニ缶では出すことのできない風味と旨味が楽しめる、贅沢なグラタンとの出会いが待っています。
蟹と三つ葉の和風パスタ
カニとパスタは、パスタの贅沢レシピとして定番の組み合わせです。カニの身が入ったパスタはクリームソース、トマトソース、その他のソースやペペロンチーノなど、どのようなアレンジでも甲乙つけられない美味しさが楽しめます。
食べた後の毛ガニの殻の再利用方法
食べ終わったあとの毛ガニの殻は、良質な出汁を取ったり農作物を育てる肥料として活用したりすることもできます。
高級食材である毛ガニを美味しくいただいた後は殻まで有効に活用して、その価値を最大限に使い切りましょう。
出汁を取る
食べ終わった後に残った毛ガニの殻からは、濃厚で良質な出汁が取れます。出汁を冷凍保存しておけば様々な料理に利用できます。出汁を取る時は風味が強いかつお節は使わず、昆布を加えるのがおすすめです。
出汁の取り方は次の手順で行なってください。
1.殻を小さくカットする
2.殻を焼く(魚焼きグリルか、オーブントースター)
3.酒と水を加え沸騰させ、弱火で30分~1時間程度煮込む
4.人肌に冷ましてからこす
5.製氷皿に移して冷凍する
6.完全に凍ったらフリーザーバックに移す(出汁の風味が失われないためと、他の食品に匂いがうつるのを防ぐため)
肥料にする
カニの殻には、窒素、リン酸、マグネシウムなど、豊富な肥料成分やミネラルが含まれています。畑にカニ殻を撒くと肥料効果が得られ、土壌改良や連作によって起こる病害を回避する効果が期待できるとして、近年人気が高まっています。
冷凍毛ガニの解凍方法を知ろう
毛ガニの魅力は、濃厚なカニ味噌とあっさりとした味わいの身です。毛ガニは新鮮な状態で急速冷凍して販売されるため、獲れたてにひけをとらない鮮度を保っています。
しかし、正しい手順と方法で解凍しないと毛ガニ本来の風味や旨味が失われ、高級食材である毛ガニを美味しく食べられなくなってしまうのです。
急速冷凍された毛ガニでも、活毛ガニに近い美味しさを引き出すことができるよう、上手な解凍方法を知っておきましょう。