2022年07月25日公開
2024年05月25日更新
パイナップルのカビってどんなもの?見分け方と原因・保存方法も紹介
パイナップルの表皮、葉、茎や底についている白い粉はカビなのでしょうか。この記事では、パイナップルに白いカビが生えたと思った時の見分け方や、カビが生えないように保存する方法について紹介しています。パイナップルを正しい方法で保存して、最後まで美味しく食べましょう。
目次
お店で売っているパイナップルの表面に、白い粉のようなものが付いていることがありますよね。
「これってカビじゃないの?」
「なぜ白い粉がついている状態で売っているのだろう?」
と、気になったことはありませんか?
本記事では、パイナップルの外側についている白い粉のようなものは何なのか、カビが生えてしまった時の見分け方や、カビが生えたパイナップルは食べることができるかについて解説します。
また、美味しいパイナップルの選び方や、どのくらい日持ちするのか、カビを生えさせずに保存する方法についてもご紹介しています。
この記事を読むことで、パイナップルについている白い粉のようなものが、カビなのかそうでないかの判断ができ、カビを生やすことなく良い状態で保存することで、美味しいパイナップルを食べることができるようになるでしょう。
甘くて美味しいパイナップルを食べたい人は、ぜひチェックしてみてください。
パイナップルのカビの見分け方
スーパーなどで売られているパイナップルが、表皮や葉の部分に白く粉っぽいものをまとっているのを見たことはありませんか?
それが何であるかを知らなければ、パッと見てカビが生えていると判断し、購入することを控えてしまうこともあるでしょう。
見た目にも美味しそうに見える、香りのよいパイナップルを見つけられても、白く粉っぽいものの判断がつかなかったら、せっかく見つけた美味しいパイナップルを手に入れるチャンスを逃す可能性もあります。
表皮の厚いパイナップルは、中の果実の状態がひと目では分かりづらいので、外から見て判断できるポイントはひとつでも多く欲しいところ。
ここでは、パイナップルの果肉や表皮、葉などについている白いものの正体がカビなのかどうか、その確認方法や判断の仕方について解説していきます。
パイナップルの果肉の中に白い部分がある場合
カットしたパイナップルを見た時、果肉のところどころに白い斑点がある場合があります。これらは傷んでいるのか、カビなのか、判断がつかないと感じることもあるでしょう。
一見カビのようにも見えますが、これは生のパイナップルの果実や葉茎に含まれるブロメラインというタンパク質分解酵素の一つが固まったものです。
パイナップルを食べ過ぎたときに舌の上がチクチクしてくることがあると思いますが、これはブロメラインが舌の上のたんぱく質に作用している証拠です。
ブロメラインのようなたんぱく質分解酵素は、キウイやイチジク、パパイヤなどにも含まれています。
また、ブロメラインにはお腹の調子を整える作用があると言われており、体に良い影響を及ぼすので食べても特に害はありません。
舌がチクチクするのがイヤな場合や、白い斑点がカビのように見えて気になるならば、ヨーグルトなどに混ぜるなどひと手間加えてみるのもよいでしょう。
白い粉がパイナップルの葉や底に付いている場合
パイナップルを丸ごと1個購入するとき、葉や底に白い粉がついている事がありますが、これはカビなのでしょうか。
パイナップルの葉や底が白くて粉っぽい場合、それはブルームと呼ばれる物質であり、カビとは異なります。
ブルームは蝋状の物質で、新鮮な果実によくみられます。ブドウなど表面が滑らかな果実で目にしたこともあるでしょう。
パイナップルの場合は、葉、皮、底の部分などにできるので、もし表面に白くて粉っぽい物質がついているものを見かけたら、それは新鮮なパイナップルであるという証拠です。
また、ブルームはパイナップルから自然に分泌されている天然の物質であるため、万が一口に入ったとしても体には害がありません。
また、ブルームの役割として、果実の水分が蒸発することを防ぎ、植物特有の病気などから守ることなども挙げられます。
したがって、白くて粉っぽい物質がついているパイナップルは、購入しても問題ないと言えます。
ふわふわした白や緑のものが付いている場合
もし、パイナップルに綿毛のようにふわふわしたものがついていた場合には、これはカビであると考えられます。
パイナップルのカビには白カビと緑カビの2種類あり、表皮や底に多く生えてきます。また、葉や茎にも生えてくることもあります。
表皮や葉などには白カビが生えやすいため、ブルームと勘違いする場合もあります。ブルームとの違いを見分けるためには、においを嗅いでみましょう。もし、腐敗臭がするならば、それはカビであると分かります。
パイナップルは表皮が厚いのでそう簡単には腐らなさそうですが、湿気に弱いため常温にそのまま置いておくとカビが生えやすくなります。
カビが生えていると気がついたら、表皮を触ってみたり、押してみたりましょう。柔らかくなっている場合や、ぬめりがある場合には腐っている可能性があります。
底の部分は緑カビが生えることも多いです。もし、白カビとブルームとの区別がつきにくかったら、表皮と同様ににおいを嗅いでみて判断しましょう。
パイナップルのカビは取り除けば食べられる?
パイナップルの表皮や葉、茎、底などにカビが生えてしまった場合でも、食べることは可能なのでしょうか。
パイナップルの表皮は固く分厚いので、表面にうっすらカビが生えた程度なら中までカビが生えていないこともあります。まずはカットしてみて、果肉まで傷んでいないかをチェックしましょう。
もし、果肉が傷んでいないようだったら、カビが生えている部分の皮を厚めに切り取ってしまえば、果肉を食べることは可能です。
食べる時には、果肉に傷んでいるところが残っていないか、においに異変がないかなど、しっかりチェックしてから食べるようにします。
また、カットしたパイナップルの果肉にカビが生えてしまった場合には、食べると体調不良を起こす可能性があり危険ですし、食べても美味しくないので破棄しましょう。
パイナップルの日持ち期間は?
パイナップルは、丸ごとの状態なのかカットしたものなのか、またどのように保存するのかにより日持ちする期間が異なります。
丸ごとのパイナップルを常温で保存した場合、購入したパイナップルの完熟状態により2~3日から1週間程度、冷蔵で保存した場合は1週間程度日持ちします。
カットしたパイナップルは、冷蔵で保存した場合で2~3日しか持ちませんが、冷凍することで1ヶ月ほど日持ちさせることが可能になります。
もし、丸ごとのパイナップルを買って食べきれなかった場合には、一口大にカットしてから冷凍して保存すれば、後日冷凍パインとして食べたり、冷たい飲み物に入れたりと、色んな楽しみ方ができますね。
保存に失敗してカビが生えてしまい廃棄することのないよう、日持ちする期間をしっかり把握して、美味しい状態で食べきりましょう。
パイナップルのカビを防ぐ保存方法は?
パイナップルを丸ごと1個買ってきても、一度に全部食べきる事ができないということも多いでしょう。カットした状態で冷蔵庫に保管しておいた場合でも、カビを生やすことなく長く美味しい状態をキープできればいいですよね。
なお、パイナップルはバナナやメロンのように収穫後に一定期間を置くことで甘くなるということがないフルーツなので、買ってきたときが食べごろの状態です。
なので、買ってきてそのまま置いていても酸味は減りますが熟すことはなく、腐敗が進んでしまいカビが生えてしまうのです。
では、カビを生やさずにできるだけ長持ちするように気をつけたいところですが、どのように保存するのがベストなのでしょうか。
ここでは、パイナップルを丸ごと保存する場合とカットして保存する場合のコツを解説します。できるだけ美味しい状態をキープするためにはそれぞれ方法が異なりますので、しっかりポイントを押さえていきましょう。
丸ごと保存する場合
パイナップルを丸ごと保存する場合、基本的には常温で保存する事が可能です。
ただし、高温多湿に弱いので、そのような環境だとカビも生えやすくなります。湿度の高い場所での保存は避けるようにし、梅雨の時期や夏場には冷蔵庫内で保存してカビが発生しないようにしましょう。
また、皮がついている状態で保存する場合、保存に適した温度は8℃~10℃ほどとなりますので、冷蔵室より温度設定が高めの野菜室で保存するのが良いでしょう。
なお、冷蔵庫内で保存する場合には、葉を1cmほど残した状態でカットし、新聞紙でパイナップルを包んだら、横向きに寝かせて保存します。
パイナップルは葉を上にした状態で立てておくと、甘味が底の方に溜まっていきますが、横に寝かせることで全体に甘味が広がり、全体をまんべんなく甘くする効果が期待できるのでオススメです。
冷蔵庫のスペースの都合で横に倒すことができない場合は、葉の部分を下にした状態で保存しても良いでしょう。
カットして保存する場合
半分にカットするなど、大きめにカットしたパイナップルは、切り口にしっかりラップをかけて冷蔵庫で保存します。
既にカットされたパイナップルを購入した場合、日持ちもあまりしませんし、カビも生えやすいため、出来るだけ早めに食べた方が良いですが、もし保存する場合には冷蔵庫か冷凍庫で保存しましょう。
におい移りや乾燥を防ぐために、フタつきの容器やジップ付きの袋が保存に向いています。もし、フタのない容器に入れる場合にはしっかりとラップをかけて保存しましょう。
また、カットしたパイナップルは、大きくカットしても小さくカットしても2~3日以内に食べきるようにします。
もし、保存したカットパインの色が黄色から透明に変わってきた場合には、傷み始めていてカビも生えそうな目印なので、無理に食べずに破棄するようにしましょう。
また、カットしたパイナップルは冷凍して保存することもオススメです。ただし、食べる時には凍ったまま、または半解凍の状態で食べましょう。解凍し過ぎてしまうと、水分が流れ出てしまい美味しくなくなってしまいます。
パイナップルにカビが生える原因
パイナップルは表皮が厚く、他のフルーツよりは腐りにくいイメージがありますが、カビが生えたという経験は意外とあるのではないでしょうか。
パイナップルにカビが生えてしまうのは、大きく分けて2つ原因があります。
ひとつは湿気です。パイナップルは南国のフルーツですが、湿気にとても弱いため、湿気の多い場所に置いておくと、葉や底の部分、表皮にカビが生えてきてしまいます。
カビが生えた葉を取り除いても、茎のあたりにカビが残ることもあるため、よく確認しましょう。
もう一つは、完熟のピークを越えてしまった場合もカビが生える原因となります。
パイナップルを立てて保存していると、甘味は底の方に溜まっていきますので、甘みの強い底の方から傷み始めていきます。それに伴い、カビも生えやすくなっていくのです。
また、カットしたパイナップルは、さらに傷みやすくカビも生えやすいので、買ってきたらなるべく早く食べきるようにしましょう。
美味しいパイナップルの見分け方
丸ごと1個のパイナップルを購入する際、厚い表皮にくるまれた中身はどんな状態なのか、パッと見ただけでは分かりづらいですよね。出来るだけ美味しいパイナップルを手に入れるために、正しく選ぶコツをご紹介いたします。
新鮮なパイナップルは、葉の色が濃い緑色で元気がありますが、葉の先が丸まり始めているものは、新鮮さのピークが過ぎたものです。
表皮の色は黄みを帯びているものを選び、青みが強いものは未熟なので避けます。また、茶色く変色したものは痛んでいるのでやめましょう。
また、持ってみたときにずっしりと重みがあり、美味しそうな甘い香りがするものならば、食べごろを迎えています。
なお、パイナップルは収穫後に一定期間置いても熟すことはありません。青みの強いパイナップルを買って時間の経過とともに甘くなるのを期待しても、それ以上甘味や旨味が増すことはないので、美味しさのピークを迎えているものを選ぶようにしましょう。
きちんと保存して美味しいパイナップルを食べよう
パイナップルの表皮、葉、底などに白い粉っぽいものがついている場合、そのほとんどはブルームというパイナップルから自然に分泌される物質です。
白い綿のような状態のものは白カビ、白い粉のような状態のものはブルーム、ということを覚えておくだけで、パイナップルがどのような状態であるかを判断できるようになります。
もし、パイナップルに白カビや緑カビが発生してしまった場合には、カットして中の様子を確認し、傷んでいないことを確認してから皮を厚くむいて食べられるところだけを食べるようにましょう。
丸ごとなのか、カットしたものかで適した保存方法が異なります。丸ごとのパイナップルは新聞紙に包み、野菜室で横に寝かせるか逆さまにして立てておくと全体が甘くなります。カットしたものは冷凍保存すると1ヶ月ほど保存が可能です。
今後パイナップルを購入するときの参考にし、美味しいパイナップルを食べましょう。