2022年01月24日公開
2024年11月17日更新
あさりの口が開かない理由と対処法は?冷凍の場合や防ぐポイントも
あさりの口が開かない理由や対処法を解説します。開かないあさりを開かせるため、砂抜き方法や茹でるお湯の温度などのポイントをまとめました。冷凍した場合の調理するコツも紹介しているので、ぜひチェックしてみてください。
目次
あさりの口が開かない原因が知りたい!
あさりを使った料理には、酒蒸しや味噌汁、ボンゴレビアンコなどがあります。調理する時に、開かないあさりがいくつもあるとがっかりしてしまいます。あさりの口が開かないのは、すでに死んでいるからという理由だけでしょうか?
本記事では、あさりが開かない理由や対処法について詳しく解説します。冷凍したあさりを調理するポイントや新鮮なあさりを選ぶコツも紹介しているので、ぜひチェックしてみてください。
あさりが砂抜きで開かない理由と対処法
あさりは、なぜ口を開くものと開かないものがあるのでしょうか?ここでは、口を開く仕組みや開かない時に考えられる理由をいくつか解説します。
あさりが開く仕組み
あさりの口が開閉するのは、貝柱と靭帯があるからです。貝柱は2枚の殻を閉じる役割をし、靭帯は殻を開く役割をします。貝柱はたんぱく質の成分でできているため、2枚の貝殻に張り付き閉じることができるのです。
しかし、加熱することによって、くっつく力が弱まり貝殻から離れ口が開きます。塩水で砂抜き中に口を開くのは、呼吸をし砂を吐き出すためです。
調理の際に加熱すると貝柱の粘着が弱まるため、靭帯の作用で口が開くのです。塩抜きや加熱調理などの際に、貝柱と靭帯によってあさりは口を開いたり閉じたりします。
開かない理由①貝柱や靭帯に原因がある
あさりの口が開かない理由として、開く働きをする靭帯が割れたり切れていることが考えられます。エイなどがあさりを食べたことで、靭帯が切れて少し身が残っていたり砂が詰まっていることが原因です。
靭帯が壊れていることで開かない場合も、食べないように気をつけましょう。靭帯が壊れている場合だけでなく、貝柱が太くて強い場合も開きにくいといわれています。
開かない理由②あさりが死んでいる
砂抜きしている時に、口を開かないものやすでに開いた状態のものは死んでいる可能性があります。口が開いたままになるのは、死後硬直が解けることで貝柱の力が弱まり口を開くためです。
死んでいる場合は、いつ死んだかわからないため食中毒の危険があります。砂抜きの時に、開いたままで中身が溶けたようになっている場合は、死んでいる可能性が高いので食べないようにしましょう。
砂抜きは時間がかかるので、口を開いているか確認することは難しいでしょう。そのため、加熱しても開かないものは、死んでいる可能性が高いので食べないように注意してください。
開かない理由③砂抜きの水の温度や塩分濃度
砂抜きをする際に塩分が多すぎたり少なすぎる場合や水の温度が高すぎたり低すぎても、あさりの口は開きにくいようです。砂抜きの際、最適な水温はおよそ20度、塩分濃度は3%といわれています。
スーパーなどで購入したものなら、冷暗所に1~3時間くらい置くようにしましょう。急いで砂抜きする場合は、50度のお湯に浸けると短時間でできます。
室温にしたあさりを50度のお湯に浸けると、出入水管が出てきて約5分ほどで砂抜きは完了します。50度のお湯の中で貝殻どうしを手でこすると、熱と刺激で素早く砂抜きがでるのです。
開かない理由④砂抜きするときの気温や場所
砂抜きをする際は、塩分や水温だけでなく気温や場所などの環境も気をつける必要があります。気温が高く明るい場所に放置すると、うまく砂抜きができず調理しても開かない可能性があるのです。
あさりは夜行性のため、砂抜き中は新聞紙をかぶせるなどして暗く静かな環境で放置するようにしましょう。冷暗所など暗くて静かな場所に置くと、安心できる環境となるため多く砂を吐き出します。
新聞紙などをかぶせる際は、密閉するとあさりが呼吸できなくなるので注意が必要です。水の量は多すぎると窒息してしまう可能性があるので、貝殻にかぶるくらいが最適でしょう。
冷凍あさりが開かない場合
大量のあさりを購入した時やもらった場合、食べきれなかったあさりを冷凍することもあるでしょう。冷凍したあさりを調理する時に、口がうまく開かない理由などについて紹介します。
開かない原因は自然解凍
砂抜きしたあとに冷凍したあさりが開かない原因は、自然解凍をしたためです。冷凍したあさりを自然解凍すると、開く働きをする靭帯が傷つく可能性があるからです。自然解凍だけでなく、加熱するときは熱湯になってから茹でることに注意しましょう。
フライパンなどで調理する場合も、あさりの口を開かせるために熱々にしてからいっきに加熱してください。しかし、むき身ならば、自然解凍でも問題なく調理することができます。
冷凍したあさりの口が開かない理由は、自然解凍をしたり死んでいるの2点である可能性が高いでしょう。
冷凍のまま調理する
冷凍したあさりは、凍ったまま高温のお湯や熱々のフライパンで調理するようにしましょう。低温から調理すると、貝柱の成分であるたんぱく質がうまく縮まず殻から離れないため口が開かなくなります。
冷凍したあさりの口を開かせるコツは、沸騰したお湯や熱々のフライパンに凍ったままいれることです。大量に投入すると、いっきに温度が下がってしまうので注意しましょう。
レンジなどで加熱する場合は、ワット数は一番強くして口が開くまで加熱しあさりの口が開いたらすぐにとめましょう。口が開いたらすぐ火をとめると身がかたくならないので、火を止めるタイミングにも気をつけてください。
開かないあさりは食べられる?
開かないあさりは、無理に開けて食べられるのでしょうか。ここでは、食べたら危険なあさりの原因や特徴を紹介します。
開かないあさりは危険
口が開かないあさりは、すでに死んでいる場合や塩抜きできていない、貝毒が含まれている可能性があり危険です。すでに死んでいる場合は、いつ死んだかわからないので腐敗している可能性もあります。
砂抜きできていない場合は、噛むと砂がじゃりっとしてしまうでしょう。下痢性貝毒や麻痺性貝毒の場合、加熱しても毒性は消えないので危険です。
無理に食べると貝毒により下痢や麻痺を起こす危険性があるので、食べないようにしましょう。いずれの場合も、無理やりこじ開けて食べることはしないほうが無難です。
危険なあさりの特徴
食べない方がいい危険なあさりは、すでに死んでいる場合や砂抜きできていない場合です。もっとも危険なのは、貝毒がある場合です。スーパーなどで販売されているものは、規制されているので貝毒の心配はほぼないといわれています。
食中毒の危険があるものは、ドブや磯のような異臭がすることや正しく加熱しても口が開かないなどの特徴があります。
砂抜きの際、水管を出さず口を閉じたままであったり開いていても身がとろっとしているものは死んでいる可能性が高いでしょう。
あさりが開かないのを防ぐポイント
あさりを購入して調理する時、口が開かないものがいくつもあるとがっかりすることもあるでしょう。ここでは、新鮮なあさりを選ぶポイントや調理する時のコツも解説します。
ポイント①新鮮なあさりかチェックする
できるだけ口が開かないあさりを出さないためには、新鮮なものを購入することです。新鮮であるポイント1つ目は、あさりが入っている水が濁っておらず澄んでいるかを見ます。ポイントの2つ目は、口は閉じているかどうかです。
ポイント3つ目は、もし開いていたらゆすったりつついてみると閉じるかどうか見ましょう。基本的には、口が閉じているものがいいとされています。
しかし、海水入りのものだと口が少し開いていて外套膜がわずかに出ているのが望ましいようです。新鮮であるかどうかのポイントとしては、異臭がしないかも確認できるといいでしょう。
ポイント②高温のお湯で茹でる
お味噌汁などを作る際に、あさりは沸騰してからお湯の中に入れるようにしましょう。水から茹でると、貝柱が貝殻から離れずに開きにくくなるためです。
そのため、身を食べる場合は、水からではなく熱いお湯になってから入れるようにしましょう。開かせずに出汁をとる場合は、水から茹でるとあさりのいい出汁が出るのでおすすめです。
開かないあさりがあるのは普通
新鮮なあさりを選んで購入したとしても、その中には少なからず開かないあさりはあります。開かないあさりがあることを前提に、調理しましょう。正しく砂抜きや調理をしたとしても、貝柱や靭帯が破損しているなどの理由で開かないことがあります。
すでに死んでいるものも含まれるため、開かない場合は諦めて処分しましょう。半開きの場合は、冷蔵庫で冷やされ過ぎて仮死状態であることも考えられます。
20度ほどの塩水に1時間浸けたり、殻をこすり合わせると仮死状態から目覚めて口を閉じるので試してみてください。時間をかけて対処しても開かないものは、すでに死んでいる場合がほとんどなので食べないようにしましょう。
あさりの口が開かないときは無理に食べないようにしよう
本記事では、あさりの口が開かない理由や対処法を解説しました。口が開かないあさりは、砂抜きができていなかったりすでに死んでいる、毒性を含んでいる可能性があります。
そのため、もったいないからと無理に食べようとせず捨てるようにしましょう。本記事を参考にできるだけ口が開かないあさりを減らし、酒蒸しや味噌汁、パスタなどさまざまな料理に活用してみてください。