ココナッツオイルの賞味期限は？期限切れの上手な使い道・活用方法

料理やお菓子作りなど、さまざまな場面で活躍するココナッツオイルは、中鎖脂肪酸を多く含む健康に良いオイルです。抗酸化作用や内臓脂肪減少効果が期待できるため、美容のために取り入れている方も多いでしょう。しかし、賞味期限が切れて劣化したオイルの使用には注意が必要です。

そこで本記事では、劣化したココナッツオイルの見分け方と正しい保存方法について解説します。賞味期限が切れたココナッツオイルの使い道も紹介しますので、最後まで無駄なく使い切るための参考にしてください。

ココナッツオイルの賞味期限を知る前に、賞味期限の定義について知っておきましょう。食品には一部を除き、賞味期限か消費期限の記載が義務付けられています。消費期限は製造から5日程しか日持ちがしない食品に付けられるのに対し、賞味期限は品質の劣化が緩やかな食品に表示されています。

品質の劣化が緩やかですので、賞味期限が切れてもすぐに食べられなくなるというわけではありません。あくまでも美味しく食べられる期間ですので、品質に問題がない場合は自己責任で食べることができます。

しかし、賞味期限は正しい保存方法で未開封の場合に適用される期間です。保存方法によっては賞味期限内でも、品質が劣化してしまうので注意が必要です。

ココナッツオイルの賞味期限は、未開封であれば製造後1年半〜2年程度です。きちんと保管しておけば比較的長期保存が可能な食品です。開封後のココナッツオイルは、保存状態がよければ1年ほど使用出来るといわれています。しかしメーカーによっては開封後は、1〜3ヶ月で使い切るよう推奨しています。

飽和脂肪酸で構成されているため、ココナッツオイルは酸化しにくいといわれていますが、安全に美味しく食べるためにも開封後は早めに食べきるのが良いでしょう。

ココナッツオイルは中鎖脂肪酸を豊富に含み、抗酸化作用が高く、免疫力向上効果や内臓脂肪減少効果が期待できます。通常の油より健康的ということで、食生活に取り入れている方も多いでしょう。しかし、保存状態が悪く劣化したココナッツオイルは、健康に悪影響をもたらします。

空気に触れることで酸化した油は体内の活性酸素を増加させ、生活習慣病や老化の原因になってしまいます。さらに下痢や嘔吐、腹痛など、食中毒症状を起こす可能性もあるため、劣化したココナッツオイルは食べないようにしてください。

他の油より酸化しにくいとはいえ、保存状態が悪かったり時間が経ってしまったココナッツオイルを使用するのは控えた方が良いでしょう。

油は光、熱、空気などの影響で時間が経つほど酸化して、劣化してしまいます。ココナッツオイルは飽和脂肪酸で構成された油で、他の植物油に比べると圧倒的に酸化しにくい油です。しかし、時間の経過とともに少しずつ劣化して、味や風味、栄養成分が落ちてしまいます。

腐ったり劣化しても油ですので見た目には変化がわかりずらいかもしれません。食べた時に酸味を感じたり、風味が落ちている場合は劣化しているので使用は控えた方が良いでしょう。さらに長期間放置しておくとココナッツオイルにカビが発生する可能性もあります。

カビの発生で商品回収した事例も過去にあったように、製造過程でカビが発生することもあるため間違えて食べてしまわないよう注意してください。カビとは別に、時々ココナッツオイルの中に沈殿物が入っていることがあります。カビと間違えやすいですが、これはココナッツの表皮や薄皮が沈殿したもので特に問題ありません。

さらにココナッツオイルが固化する過程で、白い沈殿物が浮遊することがあります。液化したオイルが固化する時に白い粒が発生した場合はカビではありません。カビと見分けがつかない場合は一度溶かし、きれいに溶けた場合はカビではないので安心して使ってください。

ココナッツオイルは他の油と同じように、常温保存が可能です。通常の油と同じように冷暗所で保管しましょう。光や熱で劣化しやすくなるため、直射日光の当たる場所や、ガスコンロの近くに置くのは控えてください。

洗面所やお風呂で使う場合はカビが生えやすくなるため、水分の混入に注意が必要です。必ず清潔な手やスプーンを使用し、水分が入らないように注意しましょう。蓋を開けっ放しにしておくと異物が混入しやすくなるため、使うたびにきちんと蓋を閉めることも大切です。

大きい瓶の場合、使い切る前にカビが生えてしまうことがあります。小さな容器を用意して入れ替えて使うと、カビが発生するリスクを減らすことができます。

ココナッツオイルは常温で保存するのが基本ですが、冷蔵庫で保存することも可能です。冷蔵庫の中は温度が低く直射日光が当たらないため、長期間使わない場合は冷蔵庫に入れておいても良いでしょう。しかし、ココナッツオイルは20℃〜25℃以下の温度で固化します。そのため、冷蔵庫に入れておくと固まって扱いづらくなってしまいます。

使う分は小分けにして常温保存、しばらく使わない分だけ冷蔵保存と分けて保存すると良いでしょう。冷蔵庫に保存しておくとカビが発生しないイメージですが、冷蔵庫内でもカビは発生してしまいます。そのため、冷蔵保存する場合も清潔なスプーンを使い、なるべく早く食べきるようにしましょう。

賞味期限が切れて劣化したココナッツオイルは、正しい方法で処理しなければなりません。ココナッツオイルに限らず、油は排水溝に直接捨てることはやめましょう。ココナッツオイルは低い温度で固まってしまうため、そのまま流してしまうと排水管の詰まりの原因になります。環境保全のためにも、必ず正しい方法で処理しましょう。

ココナッツオイルが固形の場合はそのままビニール袋に入れて捨てることができます。漏れないよう袋を二重にし、しっかり口を閉じて捨てましょう。液体の場合は牛乳パックに流し込み、ガムテープできっちり封をして漏れないようビニール袋に入れます。

牛乳パックの中に新聞紙やボロ布を詰めて流し込んでも良いでしょう。油が染み込んだ布や紙は自然発火する可能性があるため、少量の水を入れて出来るだけ早く捨てるようにしてください。

ココナッツオイルはインドのアーユルヴェーダにも使用されていて、肌や髪の潤いを保つ効果があります。固形のオイルも手に乗せるとさらっとした液体に変化しますので、髪や肌に直接なじませましょう。適量を手にとって毛先になじませたり、頭皮のマッサージに使えます。

ココナッツオイルは伸びが良いので、肌に直接塗ってマッサージや保湿に使うこともできます。しっとりした触り心地と、ココナッツの甘い香りに癒されるでしょう。しかし、カビが生えたり劣化したオイルの使用はおすすめできません。肌に合わなかったりかぶれる可能性もあるので、肌に合うかテストしてから使用しましょう。

ココナッツオイルと市販の石鹸を組み合わせることで、簡単にオリジナル石鹸が作れます。まず、無添加石鹸1個と賞味期限が切れたココナッツオイル10mlを用意します。石鹸をおろし金やナイフで細かく削り、ポリ袋に入れます。鍋に湯を沸かしたら石鹸が入った袋を湯煎しましょう。

石鹸が溶けたらココナッツオイルを加え、袋の上からよくもんで滑らかにします。全体が混ざったらお好みの型に入れて固めてください。ココナッツの甘い香りが漂う、南国気分になれる石鹸が出来上がります。手軽に手に入る材料で作れますので、ぜひ試してみてください。

賞味期限が切れたココナッツオイルの使用に抵抗がある場合は、キャンドルを作ってみてはいかがでしょうか？キャンドルも市販の材料を使って簡単に作れるので、ココナッツオイルの使い道に迷った時はおすすめです。

材料は市販のろうそく100g、ココナッツオイル50g、紙コップ、竹串だけです。ろうそくを湯せんで溶かし、ココナッツオイルを加えてかき混ぜます。竹串に芯を固定し、紙コップにろうそくを注ぎ、ろうが固まったら完成です。賞味期限が切れたココナッツオイルも無駄なく使い切れますので、ぜひ作ってみてください。

未開封のココナッツオイルの賞味期限は1年半〜2年ほどですが、開封後は出来るだけ早く使い切ったほうがよいでしょう。開封後は1年ほどであれば使えますが、メーカーによっては早めに使い切るよう推奨しているものもあります。カビが生えたり酸化するので、賞味期限内であっても開封後は出来るだけ早めに使い切りましょう。

賞味期限が切れてしまったココナッツオイルはさまざまな使い道があります。カビが生えたり劣化していなければ、食べる以外の使い道で最後まで無駄なく活用してみてください。