サバフグに毒はある?他との見分け方やさばき方・食べ方も解説!
釣りに行くと、たまに釣れてしまうあのフグっていったい何て言うふぐだろう?食べられるのだろうか?などと思いながらも、わからないし毒があるから怖いのでリリースするしかないと思ってた人に朗報です。サバフグの仲間のシロサバフグであれば毒がないため食べられるのです。しかし、見分け方を知らなければどうしようもありません。そこで、サバフグにはドクサバフグという毒を持っているものもいるので、見分け方とともにさばき方やサバフグのレシピも紹介します。
サバフグは、どんな魚?
サバフグには、シロサバフグ・クロサバフグ・ドクサバフグなどがおり、一般的にサバフグと呼ばれている日本で一番多く水揚げされているフグがシロサバフグです。シロサバフグには毒がありませんが、他のサバフグには毒を持つサバフグもいます。フグの毒は主に卵巣や肝にあります。
サバフグの容姿は、トラフグよりも小さく黄緑色なので判別がしやすいです。大きお腹を膨らませた時は、沢山の突起があり尖っています。サバフグの歯は、上下に二枚あり人間の指も噛み切ってしまうほど危険です。釣りに行った際にフグが釣れてしまった時は、毒を気にするよりも、この歯に注意してください。
サバフグは肉食性ですので、甲殻類やイカ、タコなどの軟体動物も食べれば、小魚も食べます。とても好奇心旺盛なので、安易に釣れます。また、体長は最大で30センチほどで、大きな頭に細い尻尾という流線形をしています。フグの仲間では珍しく身体の側面が白く光ります。これは大きな特徴でサバフグの見分け方に役立ちます。
日本全域に生息しているサバフグは、沢山の呼び名がありギンフグ、カナト、やウラバ、ギロなどと呼ばれています。食べ方も多様で、福井県若狭地方ではサバフグをぬか漬けにした、ふぐへしこという食べ方もあります。またふぐの本場下関では、ふぐをカレーにする食べ方があり、ご当地カレーとなっています。
サバフグには毒がある?
先に述べたように、一般的にサバフグと呼ばれているシロサバフグには毒はありません。しかし、シロサバフグの仲間でドクサバフグというサバフグには毒があるので、要注意です。他にも、クサフグ、ショウサイフグ、コモンフグ、ヒガンフグ、キタマクラなども毒を持っているので、素人が調理するのは絶対にやめましょう。
安易な食べ方をしていると、フグの強力な毒素であるテトロドトキシンによって、人の細胞や細胞膜のナトリウムイオンチャンネルに働きかけて、身体を麻痺させます。重篤な場合死に至るケースもあります。それから、ほとんどの毒に対しては解毒作用のある薬があるのですが、フグ毒のテトロドトキシンには解毒剤が無いそうです。
テトロドトキシンの構造が複雑である為に、解毒の解明がされておらず研究中のようです。フグ毒の治療では胃の洗浄などの処置をしていますが、処置が遅れると助かる確率も下がってしまいます。こういった実情を把握しておけば、安易な食べ方をする人も減り、美味しいからとフグを食べて中毒を起こすことも減るのではないでしょうか?
サバフグの毒の危険性は?
サバフグの中で猛毒を持つドクサバフグの特徴は、背中側が暗い褐色で、お腹側は銀白色をしています。肝や卵巣や皮膚だけでなく肉にも強毒があります。サバフグでも毒のあるドクサバフグの見分け方を知らなければ、肝や卵巣を警戒しない安易な食べ方をして中毒を起こす危険性があります。
サバフグの肝は食べられる?
通常フグの肝と卵巣は猛毒があり、食品衛生法で肝や卵巣を食べることを禁止されています。フグの調理師免許を持っている人でも、フグの肝や卵巣の提供は禁止されています。サバフグの肝は無毒ですが、サバフグの中にも毒を持ったフグがいて間違うこともあります。日本では厚生労働省がフグの肝等の提供は食品衛生法で禁止していますので、食べないようにしましょう。
フグによる中毒が起こる原因の多くが、自分で釣ったフグを自分で調理して食べることです。また、人が釣ったフグを貰って食べたり、釣ったり貰ったフグを飲食店のふぐの調理師資格のない人に調理してもらって食べ、中毒が起こったりしているそうです。ふぐの個体差によって毒の強さが違ったりします。絶対に食べないようにしましょう。
また、魚の肝はおいしいと人は知っているのでサバフグなら大丈夫と肝を食べたら、ドクサバフグだったということもあり得ます。適切な見分け方ができないなら、肝や卵巣は食べるべきではありません。たんぱくな味のフグの身に肝をからませた食べ方も、味を知っている人なら是非とも試したい食べ方ですが、危険を伴う食べ方はすべきではありません。
サバフグ類の見分け方を学ぼう
シロサバフグ・クロサバフグの特徴と見分け方のポイント
シロサバフグとクロサバフグの見分け方で、最も分かりやすいのが尾びれです。シロサバフグは尾びれの片端が白っぽく、クロサバフグの尾びれは両端が白いのが特徴です。シロサバフグは、クロサバフグに比べるとヒレの色が淡く明るいです。また頭部に小さなトゲがあるのも特徴です。
シロサバフグは、フグ毒のテトロドトキシンが含まれる餌を食べないので、無毒なのです。養殖のフグが毒を持っていないのも、毒性のある餌を食べさせていないからだそうです。
クロサバフグは沖合の中層、水深100メートルあたりに群れで生息しており、黒い体が特徴です。シロササバフグに比べてずんぐりと丸いことも見分け方のポイントです。日本近海のクロサバフグは毒を持っていませんが、南シナ海のクロサバフグは内蔵に強毒を持っています。ヒレ酒につかう乾燥させたヒレはクロサバフグのヒレで独特の風味があります。
猛毒注意!ドクサバフグの特徴と見分け方のポイント
猛毒があり、食用不可のドクサバフグの見分け方で最大の特徴は背中のトゲです。頭部の上のほうから続くトゲが背ビレにまで達しています。主な生息域は南シナ海、インド洋、南アフリカですが安心はできません。輸入のフグに混入して重大な中毒事故も起きています。また、鹿児島県、静岡県、長崎県、山口県、鳥取県でも見つかっているので、要注意です。
他にもドクサバフグの見分け方があります。尾びれはシロサバフグよりも切れ込みが深い傾向があります。また、ドクサバフグは体の色も暗い褐色の背中をしており、シロサバフグは黄緑がかっているので、見分けがつくと思います。
サバフグのさばき方を解説
サバフグのさばき方を調べてみると、実に様々なさばき方があります。毒のないサバフグですので、自分で釣ったサバフグを見よう見真似の捌き方をしているようです。フグの調理師資格を持っていない人のさばき方がインターネット上で掲載されていると推測されます。
また、後述しますがふぐ調理師免許以外に自治体によっては、届け出制のものでふぐの取り扱いを許可してもらえる、ふぐ加工製品取り扱い届け出済み票というものもあるので、そちらの届け出をして保健所の説明を受けている人によるさばき方だと、実技がないので人によってさばき方が大きく違ってくる可能性もあることを踏まえての説明となります。
特にサバフグはトラフグと違って、毒がないので素人の安易なさばき方が横行しています。自分で釣ったサバフグを自宅用に食べる為にさばくとしても、最低限の知識を勉強するために講習くらいは受けておくべきです。
サバフグの頭を切り落とす
ふぐをまな板の上において左右の胸鰭を結んだ辺りで、ふぐの頭をきりおとします。包丁の背にに空いた方の手をのせて、体重を乗せるようにして一気に力を入れると、骨が切れやすくなります。この時に包丁を振り下ろしたりして切ると、ケガをする可能性があるので、気を付けましょう。
サバフグの内蔵を取り出す
サバフグの頭を切り落としたら、内蔵を綺麗に取り除きます。血や内臓が残らないように水洗いしながら取り除きましょう。
サバフグの背中に切れ目を入れる
頭を取り、内蔵と血を綺麗に取り除いたサバフグの背ビレのところに切れ目を入れます。身を切らないように、皮だけ切るように包丁を軽く当ててスライドさせましょう。
サバフグの皮を剝ぐ
サバフグの背中に入れた切れ目のところの皮をしっかりと掴んで、尻尾の方へ向かって引っ張って、皮を剝ぎ取ります。
素手では滑って掴みにくい場合は軍手をはめて作業すると、力のない人でも比較的簡単にサバフグの皮を剝ぐことができます。
料理方法によって切る
鍋用や唐揚げ用なら、そのままぶつ切りにして使います。鮮度が良く刺身にしたい場合は、ここから三枚おろしにしてから、刺身にします。
三枚おろしまでのさばき方をマスターできれば、刺身だけでなくサバフグのみりん干しなど様々な調理が出来るようになります。どの魚も一通りのさばき方を覚えておくと、どんな料理も出来るようになり、メニューの幅も広がりますので是非覚えてみてください。
サバフグをさばくときは免許が必要?
ふぐの調理師免許は、国家試験ではないようです。各都道府県ごとに定められた試験内容で取得することとなります。自治体ごとで難易度や試験内容が異なり、講習を受けるだけで取り扱い許可が貰える地域もあります。また、試験が必要な地域では、受験に合格した場合のみ免許の交付を受けられますが、講習のみの地域は免許でなく登録証や受講済証の交付を受けます。
例えば東京都の場合、東京都福祉保健局によって試験が行われますので、ふぐ調理師免許の交付を受けられます。東京都でふぐを扱うもう一つの方法として、ふぐ加工製品取り扱い届け出済票というものがあります。平成24年10月1日より食品流通の変化に伴い、ふぐの加工品が様々な形態で流通できるように改正が実施されました。
一定の条件を満たすことで、ふぐ調理師免許を持たない人でも取り扱いができるものです。届け出制で、保健所の説明を受け、保健所で交付された届出済票を店舗の見やすい場所に掲示し、仕入れ先と仕入年月日の記録を仕入れた日から一年間保管することや、営業者または食品衛生責任者が店舗ごとの責任をもって、ふぐの加工製品の管理を行うことが条件となります。
サバフグの美味しい食べ方を紹介
サバフグの唐揚げ
サバフグのさばき方で、おろしたサバフグをお好みでぶつ切にするか、三枚おろしにしてから食べやすい大きさに切ります。切ったサバフグをボールに入れて、塩コショウとすりおろした生姜少々と酒少々を加えてよく混ぜます。片栗粉をまぶし余分な粉を落としてから、160度に熱した油で揚げ、最後の20秒くらい強火にしてカリっとさせたら出来上がりです。
新鮮なサバフグの唐揚げは素材の味を生かす塩で食べてもいいですし、お好みでポン酢や薬味を添えて食べても美味しくいただけます。
サバフグの刺身
サバフグのさばき方で三枚おろしにしたら、出来るだけ薄く削ぎ切りしていきます。一枚ずつ丁寧に皿に盛り付けて薬味を添えたら出来上がりです。サバフグの刺身はポン酢で食べることをお勧めします。また薬味はもみじおろしや薬味ねぎの刻んだものが合うでしょう。醤油は繊細な味のサバフグには、あまり合いません。
サバフグの磯部揚げ
さばいたサバフグを食べやすい大きさに切り、水気を切っておきます。てんぷら粉と青のりと水をさっくり混ぜ合わせます。この衣に氷をひとかけら入れておくと、天ぷらの衣がサクサクに揚がります。天ぷら油を160度に熱して、衣にくぐらせたサバフグを揚げます。軽く色づいてきたら火を強火にして20秒したら出来上がりです。
サバフグのムニエル
サバフグメニューで簡単だけど、ちょっと見栄えのする食べ方ムニエルの作り方を紹介します。サバフグは白身なので、淡泊な味ですからソースはコクのあるバター醤油にしました。まず、捌いたサバフグの両面に塩コショウをして小麦粉を薄くまぶします。中火にかけたフライパンにバターを入れて溶かします。
サバフグの片面をパリっとするまで焼いたら、反対側も焼いて一旦お皿に取り出しておきます。そのままのフライパンで付け合せの野菜(ブロッコリーやインゲンなど季節の野菜)をさっと炒めます。そこへ更にバターを追加してバターが溶けたら水を入れて煮立てます。お皿に盛ったサバフグと一緒に付け合せの野菜を添えて、フライパンのソースをかけたら完成です。
サバフグの香草焼き
サバフグは食べやすい大きさに切っておきます。玉ねぎとパプリカも食べやすい大きさに切ります。ブロッコリーを固めに茹でて、水気を切っておきます。サバフグとカットした野菜をそれぞれ炒めてニンニクのみじん切りと黒胡椒を入れます。軽く塩をしたら耐熱皿に移して、上からピザ用チーズをのせて250度のオーブンで焦げ目を付け完成です。
カリっとした食感が欲しい場合は、オーブンに入れる前に、パン粉を散らします。また香草は魚に合うものなら自分の好きな香りのものを入れてもオリジナリティがあり、おもてなし料理にもぴったりです。おもてなしの時は大きめの耐熱皿で焼き上げて豪華にしてみましょう。
サバフグの見分け方とさばき方を覚えて美味しく食べよう!
サバフグには毒のある種類もいることや、サバフグの見分け方とさばき方や、サバフグの料理のレシピも紹介してみました。改めてフグ毒の怖さを知っていただけたと思いますので、適切な知識を持ち、適切な見分け方、さばき方、食べ方や肝や卵巣は食べない方が良いことなどを理解していただけたでしょうか?
禁止されると余計に食べたくなる人の心理もわかりますが、命をかけるほどサバフグの肝などを食べる意味はあるのでしょうか?美味しい魚の肝は他の魚でも味わうことが出来ます。サバフグを安全に美味しく食べて、ふぐの身本来の旨味を味わいましょう。