ウツボ料理・レシピ集!正しいさばき方と骨抜き方法をご紹介!

ウツボ料理の美味しさを知っていますか?海のギャングと呼ばれるウツボは鋭い歯と、蛇のような体をしていて獰猛なイメージがありますが、見かけによらず、実は繊細な味わいをしています。全身が筋肉質で骨も多いウツボは、料理をするのも大変そうですが、一度やり方を覚えてしまえば意外と簡単に調理出来ます。今回はそんなウツボの、美味しいウツボ料理やレシピ集、正しい捌き方について紹介します。

ウツボ料理・レシピ集!正しいさばき方と骨抜き方法をご紹介!のイメージ

目次

  1. 1うつぼも美味しい料理になる
  2. 2うつぼの正しいさばき方
  3. 3うつぼの基本的な調理方法
  4. 4美味しいおすすめのうつぼ料理
  5. 5うつぼを上手にさばいて美味しく食べよう

うつぼも美味しい料理になる

どこにでもあるわけでは無いウツボ料理ですが、ウツボは刺身でも煮物でも、いろんな料理方法があり非常に美味しいものばかりです。スーパーでも頻繁にみられるわけでは無いですが、海の近くや新鮮な魚が売られている魚屋などでは一匹丸ごとの姿で売られていることもあります。

ウツボは、ウツボ目ウツボ科の蛇のような身体をした魚類です。温暖な地域の浅い海や、岩礁域に多く生息している、鋭い歯と大きな口を持った大型肉食魚です。巣穴からあまり動かず獲物を待ち構えていて、魚類、甲殻類、などの小動物を狙うため、エビ、カニ、貝や小魚、タコを主に捕食します。ウツボはテトラポッドや、岩礁の食物連鎖の頂点に存在する、非常に力の強い肉食魚です。

1m前後のウツボが主流ですが、全長40cm~4mまで幅広い大きさが存在します。口が大きく目の後方まで広がっていて鋭い歯があるのが特徴です。また、胸びれ、腹びれが無く、全身はぬるぬるとした体液に包まれています。生命力が強く、餌を求めて陸に上がることもあるぐらいで、体の表面が濡れていれば30分ぐらいは生きていられます。

主に食べられる地域は、高知県、五島列島、和歌山県などの南の地域で、地域により美味しい料理があります。皮の部分が特にコラーゲンが含まれていて美味しいウツボは、たたき、湯引きなどの生に近い料理や、煮つけ、から揚げなどもあります。また、干物や、細かく切った尻尾の部分をカリカリに揚げた魚のおつまみのような料理まで食べ方は様々です。

うつぼの正しいさばき方

うつぼの下処理

ウツボを捌く際に下処理をします。まず気を付けなければいけないのは、死んでいるウツボでも鋭い歯はまだあるので、顔のあたりを触る時は気を付けましょう。鋭くて長い歯は貝殻を砕くぐらいの硬さと鋭さがあるので、かなりの深手を負うことになりかねます。

次に、ウツボを覆っているヌメリを洗い落とします。ヌメリはかなり強いので、ゴム手袋をして作業をすることをおすすめします。ヌメリは、たわしでゴシゴシと洗い落とします。たわしで力強くこすると身がつぶれてしまうと思うかもしれませんが、ウツボの皮は暑くて丈夫な為、革帯としても使われるぐらいなので心配無いので、できるだけきれいに洗い落としてください。

うつぼの開き方

ウツボの捌き方に、ウナギのように目打ちをして背開きや、腹開きをして、最後に頭を落とす方法もありますが、なかなか家庭で目打ちをするの難しいので、今回は頭を落としてからの捌き方を紹介します。

まず、ヌメリを取ったウツボの頭を包丁で落とします。真ん中の骨は硬いのとゼラチン質の身は非常に切りずらいので気を付けてください。ゴム手袋、もしくは軍手をして作業をすると滑りが抑えられて調理がしやすいです。

次に、お腹を割きます。落とした頭の方から包丁を入れていき、尻尾の方に包丁を進めていきますが、皮が固いのでなかなか包丁は進みません。それに加え、身がブヨブヨとしているので慣れるまでは難しいです。お腹を割く際は、内臓に傷を付けないよう様に、包丁の腹をうまく使って割いてください。内臓を割いてしまうと臭みの原因となるので、慎重に作業します。

続いて、背びれを取ります。アナゴやウナギのように、開いた後からヒレを取る捌き方だとヒレの付け根の骨を取るのが大変難しくなるので、開く前に切り取ってしまいます。まず、背びれの片側を頭の方から包丁を入れて付け根の骨に沿って尻尾まで捌きます。片側が終われば、背びれの反対側から包丁を入れて背びれと付け根の骨を取ります。

これで、ウツボの中骨以外は全て切り取られている状態で、魚でいうと二枚におろす直前の状態です。ウツボは中骨の形状が魚とは異なり、中骨は丸くなく、出っ張りがあるため魚のように包丁をまっすぐに入れて中骨と半身を切り離す捌き方ができません。中骨の形状に沿いながら、すこしづつ包丁を入れて半身を切り取ります。中骨周辺は骨も硬いので捌き方に気を付けましょう。

最後に、中骨がついた側の半身から中骨を取れば終わりです。中骨が見えるようにウツボの皮がまな板側を向くように置いて、頭から尻尾まで中骨の周りに包丁を入れて最後に中骨と半身の間に包丁を入れて切り取る捌き方が簡単です。身がブヨブヨしていて捌き方が上手く行かないと食感が変わってしまうので、よく切れる包丁を使うのがおすすめです。

うつぼの骨抜き方法

ウツボの下半身は非常に骨が多いので、骨抜きが必要です。特に、刺身やたたきにして食べる場合は骨抜きをしていないと非常に食べづらいので、美味しいウツボを食べるために時間がかかってもしっかりと骨抜きをします。

目に見える骨は、肉の表面に包丁を入れて、骨に当たったら薄くそいでスライドさせながら骨抜きをしていきます。上半身には見えない骨も多くあるので、中骨のあった場所から包丁を入れて、骨の上側の肉をはぐようにして、小骨を見えるようにしてから骨周辺の肉ごと薄く削ぎ取る方法で小骨を多く取り除くことが出来ます。

ピンセットのような骨抜きを使う事も出来ます。目に見える大きな骨はピンセットのような骨抜きを使って抜くことが可能です。その場合は、軍手などをしてウツボが滑らないようにして骨抜きをしてください。ウツボの骨は、真ん中にある中骨と、厚い皮と肉の間にぴったりとくっついた小骨があります。この小骨は上半身の背中部分と、下半身の背中とお腹の部分にあり、一本一本骨抜きで骨を抜くのは非常に大変です。

2cmぐらいの小さな骨が100本以上も並んでいて、しかも曲がっているので、骨抜きを使って骨を抜くことよりも包丁を使って骨と骨の周りの身を削ぎ取った方が良いです。

うつぼの小骨の処理方法

ウツボの下半身は特に小骨が多いので、捨ててしまう人がいるぐらいですが、料理の方法によって食べ方はいろいろとあるので、是非小骨の処理をしましょう。

ウツボの小骨は、ウツボの骨格が分かったとしても、骨が曲がっていることや、骨の小ささ、ウツボのブヨブヨとした肉質等によりきれいに小骨を取り除くことは難しいです。そのため、鱧のように骨切りをすることも効果的な方法です。

職人のように同じ間隔で皮一枚を残して骨切りをすることは非常に難しいので、皮を下にして包丁で切れた、ザクッとした感覚があれば小骨は切れているので、繰り返していきます。きれいに等間隔に出来なくても、小骨が噛み切れるように細かくなればいいだけなので、神経質にならずに調理しましょう。

うつぼの基本的な調理方法

うつぼの身の焼き方

ウツボの身の美味しい焼き方を紹介します。家でも簡単に焼ける方法はかば焼きが一番です。まず、中骨を取る捌き方で捌いたウツボの上半身を骨抜きします。その後、ウナギを焼くように串を打ちます。串うちをする場合は、皮が非常に硬く串を通すのが難しいので、先に、アイスピックなどで下穴をあけておく方が楽に串を通すことが出来ます。

串を打った後、皮を上にして、魚を焼くグリルに入れます。ウツボは、火を通すと半透明な身から白色に変わります。ブヨブヨとしていた感触も、引き締まった鶏肉のようになります。火が通って色が変わってきたら、かば焼き用のたれを酒、みりん、しょうゆで作っておいて、ハケでトントンと馴染ませます。

再びグリルの中に入れて、焼いて、味付けを数回繰り返します。皮がパリっとして香ばしくなってきたら、ウツボをひっくり返して皮を下にします。その後、かば焼き用のたれを馴染ませながら数回に分けて焼き、身に軽く焦げ目ができるぐらいしっかり焼けば、家庭の魚用のグリルで簡単にウツボのかば焼きが作れます。

ウツボの身は、脂が良くのっているので、煙が良く出ます。家庭で焼く場合はある程度覚悟してください。皮をパリっと焼くと、非常に食感が良いので、火が直接当たる方向から先に身の方を焼いておいて、十分に火が通ってから皮目を焼くようにしてください。皮目は比較的早く焼きあがりやすいので慎重に焼く方が、美味しい料理が出来上がります。

うつぼの骨の焼き方

ウツボの骨を焼く時は脂を多めに使って、フライパンで揚げ焼きにするのが一般的です。どれだけきれいな捌き方と骨抜きをしてもウツボの下半身部分の骨は取り除ききれないので、カリッと揚げ焼きにするのが良いです。

下半身の骨の部分をハサミで3mmぐらいに細く切っていきます。包丁よりも力が入りやすいので、骨の部分はハサミで料理を進めることをおすすめします。次に、フライパンに多めの油を入れておき、炒めていきます。味付けは、しょうゆ、砂糖、味の素で、しょうゆは少なめが美味しいです。

骨を焼く際は、骨の方を先に焼いておいてから皮目の方を焼くようにして下さい。骨の方にはなかなか火が通りづらいですが、骨の周りは脂が少なく、皮目がすぐに焦げ付いてしまいます。骨の方は焼き過ぎたとしても、骨がサクッと食べられるのでちょっと焦げ始めたぐらいの方が美味しく食べられます。

美味しいおすすめのうつぼ料理

うつぼのたたき

代表的なウツボ料理と言えばウツボのたたきです。新鮮なウツボでしか作ることが出来ませんが、独特の食感と魚類とは思えないほどの脂がお酒のおつまみによく合います。

たたきを作る際は、ウツボの上半身の骨が少ない部分を使う方が手間が少なく美味しく作れます。切り分けた上半身の半身に塩を振ります。塩は多めに振った方が美味しいです。次に直火であぶりますが、家庭であぶる時は、バーナーを使ってあぶると簡単にできます。

まず、皮の方からあぶっていきますが、かなりしっかりと焼く方が美味しいたたきが作れます。皮は硬くてしっかりしているので、表面の全体に焦げ目が付いて、パリっとするまであぶって下さい。皮と皮の下に含まれているコラーゲンが溶け出して食感が良くなります。

次に身の方もバーナーであぶります。たたきと言えばあまり焼きすぎない方が美味しいイメージがありますが、ウツボのたたきは良くあぶることで香ばしさが出てより一層美味しくなります。カツオのたたきとは違い、氷水などで絞めてしまうと旨味が流れ出てしまうので、常温で冷やし、薄く切るために冷凍庫に入れ冷凍します。

凍ったウツボを取り出し、できるだけ薄くスライスし、玉ねぎのスライスやネギの細切りと一緒にポン酢で食べると、美味しいです。とにかく骨の処理をしっかりしておくことがポイントです。ウツボの上半身は脂ののりが良いので、しっかりとした味がポン酢とよく合う料理です。

うつぼの煮付け

ウツボの白身は、煮ると柔らかくなり、コラーゲンも豊富で味も染み込みやすいので煮つけによく似あう料理です。

煮つけもウツボの上半身の方が脂ものっていて骨も少ないので食べやすいですが、煮つけで身が少し縮んだ時に骨を見つけやすいので、下半身の尻尾の方でも美味しく食べられます。3枚に捌く捌き方でウツボを捌いた後、食べやすいように一口大に切り分けます。スーパーなどで煮つけ用の切り身があればある程度骨抜きもされているので下処理が簡単です。

ウツボの切り身400gに対して鍋に醤油1/4カップ、みりん1/4カップ、ショウガ1片、酒1カップを入れて煮立たせます。煮立ってきたらウツボの切り身を入れて15分程度煮ていきます。すぐに縮んでしまうためあまり煮ない方が柔らかさが残って美味しいです。煮終わったら、火を止めて完全に冷まして、食べる時にもう一度温めた方が味が染み込んで美味しいウツボの煮つけ料理になります。

うつぼのから揚げ

ウツボのから揚げは、身はふっくらとして美味しく、尻尾に近い骨の部分も骨ごとバリバリ食べられるので子供にも人気の料理です。飲食店や居酒屋などでも見られる一番ポピュラーな料理で、ウツボの味を楽しめます。

捌いたウツボを3~4cmぐらいのぶつ切りにしていきます。そのまま塩をかけてシンプルな旨味のウツボのから揚げも美味しいですが、漬け汁に漬けて、味を染み込ませるから揚げのつくり方を紹介します。

漬け汁は醤油大さじ3、みりん大さじ3、酒大さじ2、ニンニク小さじ1、ショウガ小さじ1を混ぜて作っておきます。漬け汁の中にぶつ切りにしたウツボを入れて20分ぐらい漬け込んでおきます。漬け汁から取り出したウツボに片栗粉をまぶして180℃の油でカラッと揚げます。身の部分は高温で素早く上げた方が脂でべちゃべちゃにならずに美味しく出来上がります。

骨の多い部分は低温でじっくりと火を通して、骨までバリバリ食べられるぐらい揚げた方がおすすめです。骨の部分はできるだけ細く切れるように捌き方に注意しておくと、冷めても美味しい骨せんべいのように出来上がります。ウツボのから揚げは、ウツボの旨味が非常にわかりやすい料理です。ホクホクとした食感はお肉のようにも感じられるほどです。

うつぼを上手にさばいて美味しく食べよう

ウツボの料理、レシピ、捌き方について紹介してきました。見かけが怖いので料理からも遠ざけられがちなウツボですが、エビや貝を餌にしているだけあって繊細な味をしています。上手に捌いて、上質な白身の美味しさを是非味わってみて下さい。

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