イチゴを水耕栽培で育てる方法!必要な道具や設備は?注意点も

イチゴを水耕栽培で育てる方法をまとめました。ペットボトルやパイプを材料に、自作キットを使って行うイチゴの水耕栽培を徹底解説!室内で種から育てる方法や、便利なLED設備の詳細、イチゴ農家も実践している根腐れを防ぐ方法についても紹介しています。

イチゴを水耕栽培で育てる方法!必要な道具や設備は?注意点ものイメージ

目次

  1. 1イチゴを水耕栽培で育てたい!
  2. 2イチゴの水耕栽培をするための基礎知識
  3. 3イチゴの水耕栽培を市販のキットで行う場合
  4. 4イチゴの水耕栽培を自作キットを使って行う場合
  5. 5イチゴの水耕栽培を種から行うには
  6. 6イチゴの水耕栽培をするときの注意点
  7. 7イチゴを水耕栽培で収穫するまでのポイント
  8. 8イチゴの水耕栽培まとめ

イチゴを水耕栽培で育てたい!

近年、家庭菜園としてのイチゴの水耕栽培を楽しむ人が増えています。土を使わないで作物を育てる水耕栽培は、多くのイチゴ農家で採用されている栽培方法です。水耕栽培なら室内のような小さなスペースでも、気楽にイチゴを育てることができ、親子で楽しむ初めての家庭菜園にもおすすめです。

水耕栽培は、根腐れや害虫に気をつければ、特別な設備がなくとも取り組むことができます。本記事ではペットボトルやパイプなど身近な材料を使って作る自作の水耕栽培キットの作り方や、LEDを使った栽培方法などイチゴの水耕栽培の方法についてまとめました。

イチゴの水耕栽培をするための基礎知識

近年は農家でも積極的に採用されているイチゴの水耕栽培ですが、特別な設備がなくとも家庭でも取り組むことができます。土を使わないことから室内でも取り入れやすく、品種を選べば季節を問わず収穫できます。

本項ではイチゴを水耕栽培するメリットのほか、家庭でするならどの品種を選べばいいか、また、栽培を始めるのに適した季節等について解説していきます。

イチゴを水耕栽培するメリット

農家のような特別な設備がなくとも、家庭で気軽に楽しめるのがイチゴの水耕栽培です。土を使わないことから、室内のような小さなスペースでも栽培場所をとることができます。また、水で栽培するため草刈りの必要はなく、初心者でも簡単にイチゴを育てることができます。

イチゴを水耕栽培することはほかにも、土耕栽培に比べて成長するスピードが速い農薬を使わないで済む収穫量が多いなどのメリットがあります。

イチゴの種類

全国の農家で育てられているイチゴにはさまざまな品種があります。私たちが一般にスーパーで見かける、「とよのか」や「とちおとめ」といったイチゴの品種は一季なりイチゴと呼ばれる種類です。一季なりイチゴは、一年に一度だけ収穫できる品種です。

家庭菜園向きなのは四季なりイチゴ

自宅の室内で水耕栽培するなら、四季なりイチゴを育てるのがおすすめです。四季なりイチゴは一季なりイチゴと違い、1年に2回のサイクルで収穫できます。また、季節に関係なく1年中栽培できることから家庭菜園向きと言えます。四季なりイチゴの味の特徴は、一季なりイチゴに比べると個性的でやや酸味が強いのが特徴です。

イチゴの栽培に適した時期

イチゴの栽培季節は一般的な農家が育てている一季なりイチゴの場合、10月~11月半ばに植え付けを行い、5月~6月の収穫を目指します。四季なりイチゴであれば真夏と真冬以外はいつでも種まきをすることができますが、もっとも種まきに適しているのは4月~6月、9月~10月です。苗から育てるなら10月頃に購入して育てます。

イチゴの苗の選び方

イチゴの種をまいて発芽させるところから育てるのは、大変手間がかかるものです。一般にイチゴを水耕栽培で育てる際には、種ではなくすでに発芽させている苗を農家から購入して育て始めます。イチゴの苗は園芸店でも購入できますが、より美味しいイチゴを収穫したい場合は、専門的に苗を育成、販売している育苗農家から買うのがおすすめです。

苗を選ぶときのポイントは、茎がしっかりとしていて葉と茎の色が鮮やかであること、全体的につやがあるものを選びましょう。また、変色していないものを選ばないように注意するのもコツです。

水耕栽培のための下準備

イチゴの苗を購入してきたら、水耕栽培のための下準備を行いましょう。苗を支えるための土台となるスポンジや、発泡スチロールなどを用意します。便利な市販の水耕栽培キットを購入しても良いですし、ペットボトルやパイプなど、身近に手に入る材料を使って自作の水耕栽培キットを作るのも良いでしょう。

イチゴの水耕栽培を市販のキットで行う場合

イチゴの水耕栽培に初めてチャレンジするなら、市販のキットを使うのがおすすめです。市販キットなら始めから必要な道具が揃っています。室内でできるだけ気楽に栽培したいという人にも、設備を自作する手間がかからないので良いでしょう。

必要な道具と設備

一般にイチゴの水耕栽培を室内で始めるには、次のような設備と道具が必要です。苗を育てるための容器、支えるための土台、エアポンプやエアホース、液肥やアルミシートなどです。また、必要に応じてLEDの設備も用意します。これらの道具があれば自作で環境を整えることが可能ですが、より簡単に始めるならキットを使うのがおすすめです。

市販キットの購入方法・価格帯

室内でイチゴの水耕栽培を始めるための市販キットは、園芸店やホームセンター、インターネットの専門ショップ等で購入することができます。市販キットの価格帯は安くて1万円弱からあり、2~3万円くらいが相場です。より多くの種類のなかから自分に合ったキットを購入したい人は、インターネットの専門店での購入なら種類が多いので良いでしょう。

市販キットで水耕栽培する方法

市販のキットは、イチゴの根の部分に養液を浸すことでイチゴを育てます。土を使わないため水の中に養分を含ませ、それを根に吸い上げさせるというしくみです。水耕栽培に必要なLEDがあらかじめセットされているキットも多く、ハイポニカのように根腐れを防止するために水の流動性を高めているキットもあります。

イチゴの水耕栽培を自作キットを使って行う場合

本項では、イチゴの水耕栽培の設備を自分で作る方法について解説していきます。ペットボトルやパイプを利用して自作キットづくりに挑戦してみましょう。根腐れしないように気をつけさえすれば、自作キットでも簡単にイチゴを育てることができます。便利なLED設備に関する情報も紹介しています。

ペットボトルの自作キットに必要な道具と設備

ペットボトルを使った自作キットは、市販のキットのようにお金がかからず、身近な材料から作ることができます。自作キットに必要な材料は、ペットボトル、養液の吸収を促すためのマイクロファイバー、根を支えるための土台となるスポンジのほか、苗全体を支えるパーミライト、遮光用のアルミシートなどです。

他にも根腐れ防止のため、養液に酸素を送り込むための酸素放出錠剤太陽光代わりのLED設備もあるとよいでしょう。酸素放出錠剤はエアーポンプの設備を用意しないときに便利です。

ペットボトルの自作キットで室内で水耕栽培する方法

ペットボトルを使った自作キットのしくみはシンプルです。まず、ペットボトル上部の1/3をカットし、切り口をビニールテープでカバーします。次に、マイクロファイバーと根をスポンジに挟んだ苗を、逆さにしたペットボトルの口に挿し込みます。マイクロファイバーは養液の吸収を良くするために使います。

ペットボトルの下部には根が浸かる程度の養液を入れ、苗の入ったペットボトル上部を重ねます。苗を支えるため、通気性のよいパーミライトを入れておくとより良いでしょう。また、養液の入った下部に藻が映えないようにアルミシートで覆います。遮光性を高めることで藻の発生を抑え、清潔な栽培環境になり、結果として根腐れの予防にもなります。

室内での水耕栽培に便利なLEDの種類や選び方

太陽光が十分に当たらない室内では、LED照明の設備があると便利です。LEDは必ず用意しなくてはいけない道具ではありませんが、ペットボトルなどで作った自作キットにもLEDを用意することで、本格的な栽培を始られます。

植物の生育には太陽光のおよそ1000~1500ルクスの光量が必要と言われています。LEDなら太陽光の代わりにすることができます。赤色は植物の光合成を促し、青色は実や葉を大きくする働きがあると言われています。プランターや鉢植えに合わせて作られた、市販の野菜育成用のLEDが扱いやすくおすすめです。

パイプを使ったイチゴの水耕栽培は可能?

イチゴの水耕栽培のやり方について検索していると、パイプを使った栽培方法にチャレンジしている人がいることが分かります。ホームセンターなどで販売されている塩ビ製のパイプを使う方法で、パイプの中に養液を流し、開けた穴にイチゴ苗を入れて育てます

ペットボトルと異なり、容器が透明ではないため外から根の様子が分かりにくく、根腐れには十分注意が必要です。また、給排水の加工がやや複雑なため、イチゴの水耕栽培の中では難易度が高い方法です。

多段式や縦型などパイプの組み方はさまざま

塩ビパイプを使ってパイプのプランターを作る方法は、さまざまな形状があります。農家のハウス栽培などで取り入れられている縦型(垂直タワー型)や、段を2段以上組んで作る多段式などがあります。自宅でも本格的にイチゴを栽培したいという人は、チャレンジしてみてはいかがでしょう。

イチゴの水耕栽培を種から行うには

イチゴを種から育てるにはどういった工程が必要なのか解説していきます。一般に農家では種からではなく、毎年親株からランナーを取って翌年のイチゴを栽培します。種からまいて育てるのは大変手間がかかりますが、ブランド品種のイチゴを育てたい人は本項を参考にチャレンジしてみてください。

イチゴ農家は種ではなくランナーから育てている

ブランド品種を扱っている農家では、毎年種から育てることはしません。ランナーと呼ばれる収穫後の親株から出るつるのようなものを取って株分けし、それを育てて増やしていくのです。

手順①市販の種を購入・イチゴの実から種を取る

種から育てたい場合は、市販の種を購入するか、あるいは実から種を採取する必要があります。品種改良されたイチゴが多いため、種から育てても同じ種類のイチゴが育つとは限りませんが、ブランド品種のイチゴを育ててみたい時には自分で種を採取する方法にトライしてみましょう。

種の採取方法は、まず、種の付いている実を薄く取ってそのまま乾燥させます。次にしっかり乾燥したら実の部分から種をより分けて取り出せばOKです。
 

手順②種をまいて発芽させる

種が採取できたら、次は発芽させてみましょう。卵パックの容器などに種まき培養土を入れ湿らせ、そこに種をまきます。湿らせたスポンジや、キッチンペーパーを利用する方法もあります。発芽には20度前後の室温、日当たりの良さ、適度な湿度が必要です。発芽期間は2週間から1ヶ月程度と言われています。

手順③育苗ポットに仮植え付けする

種が無事に発芽して双葉になったら、育苗ポットに仮植え付けを行いましょう。弱酸性土壌の培養土を育苗ポットに入れ、苗がしっかりと根付くまで育てます。苗を育てている最中は葉の色に気をつけながら、液体肥料を適宜与えていきます。

イチゴの水耕栽培をするときの注意点

家庭でイチゴの水耕栽培をする時には、どんな点に注意すれば良いかについて解説していきます。水の流れが滞ることや、室温、湿度によって起こる根腐れは、特に気をつけなくてはいけません。また、害虫や病気の被害からイチゴを守るために工夫したい点をまとめましたのでチェックしてみましょう。

注意点①根腐れ

水耕栽培が失敗するもっともよくある原因は、根腐れです。ペットボトルなど自作キットでは、特に根腐れしやすいので注意が必要です。根の部分は常に水に浸けられており、与える液肥の濃度が濃すぎると根が腐ってしまいます

根腐れした根の様子は、黒くなっていることで分かります。水耕栽培に液体肥料は必要不可欠なものですが、濃度については十分に配慮して与える必要があります。

注意点②病気・害虫

水耕栽培をベランダなど外気に触れる場所で始める場合、害虫の被害には気をつけましょう。特にアブラムシがわくことが多いので注しましょう。一方、室内で育てる場合、害虫の被害は少ないですがうどん粉病など病気には注意が必要です。

うどん粉病はカビの一種で、こまめに水を替えることで予防することができます。病気にかかり葉が白っぽくなってしまった場合には、全滅を防ぐため薬剤の使用が必要です。

イチゴを室内で水耕栽培をする際は、病害虫に注意しましょう。湿気が多く、暗い場所ではハダニやアブラムシが発生しやすくなります。また、肥料の上げ過ぎにも注意が必要です。害虫をみつけたら野菜用の殺虫剤を散布して、病気にかかった部分があればすぐに切り取って処分しましょう。

イチゴを水耕栽培で収穫するまでのポイント

本項ではイチゴの水耕栽培で、実を収穫するまでのポイントについて解説していきます。人工授粉の方法や、美味しいイチゴが成るためのちょっとした工夫について紹介しています。

ポイント①人工授粉

イチゴの水耕栽培でイチゴを収穫するためには、人工授粉を行うことが大切です。イチゴの花が開花したら、綿棒や綿付きの耳かきなどを使って授粉させましょう。花の芽一つ一つ、丁寧に授粉をすることで形の良いイチゴを実らせることができます。

ポイント②葉・脇芽・花を摘む方法

葉が多く茂ってくると栄養分が葉に行き過ぎてしまい、イチゴの実になる茎の部分に栄養が行き渡りません。風通しを良くするためにも、枯れた葉や傷んだ葉から取り除き、葉の枚数を適度に保つようにしましょう。また、根元部分に脇芽が出来た場合も、茎が増えすぎて傷みやすくなるため取り除いてください。

厳寒期に咲いた花を摘むことで、その後の生育を促す方法があります。花を摘むことで茎が太くなり、収穫量を増やすことができます。季節が暖かくなってくると、花は次々と咲くので心配要りません。

ポイント③実を収穫する方法

イチゴの実が成って色づいたらいよいよ収穫です。実を引っ張らずに指で茎を挟み、その状態で直角に曲げて茎を折るような感じで摘み取りましょう。実や茎を傷つけることなく収穫することができます。

イチゴの水耕栽培まとめ

イチゴの水耕栽培は、農家も行っている本格的な栽培方法ですが、家庭でも市販のキットを使えば手軽に始めることができます。また、ペットボトルやパイプを使って作る自作キットでも栽培が可能です。

室内で栽培する場合は、LEDを用意して十分な光量を確保したり、根腐れに注意しながら行うと良いでしょう。意外と簡単に始められるイチゴの水耕栽培に、ぜひ一度チャレンジしてみましょう。

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