バナナを食べ過ぎると病気になる危険性がある?1日の適切な摂取量は?

バナナの食べ過ぎが高カリウム血症、尿路結石、糖尿病などの病気を招く危険性について解説します。1日何本までなら食べてよいのか、バナナを食べ過ぎなければ得られる健康へのメリットについても併せて紹介します。

バナナを食べ過ぎると病気になる危険性がある?1日の適切な摂取量は?のイメージ

目次

  1. 1バナナを食べ過ぎると病気になる?
  2. 2バナナの栄養成分
  3. 3バナナの食べ過ぎでかかる病気
  4. 4バナナの健康効果
  5. 5バナナの食べ過ぎに注意しよう!

バナナを食べ過ぎると病気になる?

バナナは、手頃な値段でどこでも売っていて、おいしくて腹持ちもいいフルーツです。簡単に皮を剥いて、食べることができます。健康面でのメリットもあるため、メディアでも多く取り上げられ、注目が集まっているフルーツです。

バナナは身体に良くて、気軽に食べられるため、つい食べ過ぎてしまうことがあります。食べやすさも相まって、食べ過ぎやすいフルーツともいえます。しかし、バナナは食べ過ぎると、健康を害することがあります。本記事では、バナナの食べ過ぎにより引き起こされる病気について、解説します。

バナナの栄養成分

数本のバナナが皿に乗っている

バナナの栄養素(1本100gあたり)
栄養素 含有量
エネルギー 86kcal
たんぱく質 1.1g
脂質 0.2g
炭水化物 22.5g
  -単糖当量 19.4g
  -食物繊維 1.1g
βカロテン 42μg
ビタミンC 16mg
ビタミンB6 0.38mg
葉酸 26μg
カリウム 360mg
シュウ酸(青く未熟なバナナの場合) 500mg
塩分相当量 0g

バナナの食べ過ぎで起こる病気は、バナナに含まれる栄養素の過剰摂取に原因があります。バナナには食物繊維や葉酸、ビタミンやミネラルも豊富なことが、表からわかります。栄養豊富で健康へのメリットが大きいフルーツです。では、どの栄養素が原因で、食べ過ぎによる病気は、引き起こされるのでしょうか?

その栄養素とは、カリウム、シュウ酸、単糖類です。カリウムの過剰摂取は高カリウム血症、シュウ酸の過剰摂取は尿路結石、単糖類の過剰摂取は糖尿病の原因に、なることがあります。これらは、バナナに豊富に含まれている栄養素です。

バナナは、健康にとって多くのメリットがあるフルーツです。しかし、食べ過ぎると、病気の原因になる成分を過剰摂取してしまいます。

バナナの食べ過ぎでかかる病気

高カリウム血症

かじりかけのバナナ

カリウムは、身体の神経細胞や筋細胞の機能に欠かせない物質です。しかし、肝機能や腎機能に問題が起こると、本来、尿から排出されるはずのカリウムが、うまく排出できなくなります。このため、血中カリウム濃度が上昇し、高カリウム血症を引き起こします。また、カリウムを多く含む食品の食べ過ぎも、高カリウム血症の原因になります。

成人1日のカリウム摂取量目安は、男性3,000mg、女性2,600mgとされています。カリウムは、バナナ1本に約360mg含まれます。バナナを食べ過ぎると、本数によっては、1日のカリウム摂取目安量の半分以上に到達することがあります。

また、カリウムは、みかん、にら、イモ類、肉や魚などにも多く含まれます。1日の食事の中で、このような食品も摂取すると、あっという間に目標摂取量を超えてしまいます。

主な症状

高カリウム血症の症状として、嘔吐などの胃腸症状、体のしびれ、知覚過敏、脱力感、不整脈や頻脈があります。このような症状を放置すると、致死性不整脈からの心停止、最悪の場合は死亡に至る可能性があります。症状を認めたときは、速やかに病院に相談しましょう。
 

尿管結石

青い皿にのせられたバナナ


尿管結石は、カルシウム、マグネシウム、尿酸などが腎臓で結石になり、結石が腎臓から尿管へ下降した際に、痛みを伴う病気です。シュウ酸が原因成分といわれています。シュウ酸は、ほうれん草やショウガ、タケノコなどにも多く含まれる苦み成分です。

尿路結石の原因となるシュウ酸は、食事由来のものがほとんどです。シュウ酸を含む食品は、食べ過ぎないようにするか、工夫して摂取する必要があります。

野菜に含まれるシュウ酸は、ゆでることで溶け出します。そのため、含有量を全て摂取することは少ないです。しかし、バナナは加熱せず、そのまま食べることが多いため、含まれるシュウ酸を全て摂取してしまうことになります。

シュウ酸の摂取目安量は、特に定められていません。しかし、バナナに含まれるシュウ酸は、約500mgと多いです。1日にバナナを食べ過ぎると、シュウ酸を過剰摂取しやすく、尿管結石になる可能性があります。

 

主な症状

尿管結石の症状として、わき腹から下腹部にかけての激しい痛み、残尿や頻尿、血尿、吐き気、発熱などが認められます。

糖尿病

バナナがたくさん集められている

糖尿病は、インスリンが十分に機能しないことで、血中ブドウ糖が増加する病気です。遺伝や肥満など原因は様々ですが、血糖値を上げやすい食品の食べ過ぎも、原因のひとつです。バナナにも含まれる炭水化物のうち、食物繊維は、血糖値を下げる働きをします。しかし、単糖類は、血糖値を上げるため、食べ過ぎると、糖尿病のリスクが上がります。

また、GI値が高い食品も、糖尿病を引き起こしやすいです。GI値は、血糖値の上昇スピードを表します。GI値が低いと、血糖値の急激な上昇を抑えられ、インスリンの分泌が緩やかになります。しかし、GI値が高いと、血糖値の上昇スピードが速くなり、インスリンの分泌も急激に増えます。

バナナは単糖類を19.4g含んでおり、GI値も高いです。バナナを食べ過ぎると、単糖類の過剰摂取を招き、血糖値を上げやすくなり、糖尿病になる可能性があります。

主な症状

糖尿病の症状として、疲労感、皮膚の乾燥、感染症にかかりやすくなる、手足の感覚低下やチクチクとした痛み、強い空腹感、のどの渇き、傷が治りにくくなる、尿量が増える、などがあります。

バナナの健康効果

バナナを1日に食べ過ぎると、様々な病気の危険性を高める可能性があります。しかし、食べ過ぎなければ、健康に多くのメリットをもたらしてくれるフルーツでもあります。

便秘予防

黄色い背景の剥いたバナナの写真

便秘解消に良いといわれる栄養素が、食物繊維です。食物繊維は、腸内環境を整えたいときに効果的です。バナナにも、食物繊維が1.1g含まれており、水溶性と不溶性との2種類に分かれています。この2つの異なる食物繊維の働きにより、高い整腸効果を得ることができます。

また、他の果物の食物繊維量は、ブドウが0.5g、梨が0.9g程度といわれています。バナナの食物繊維量は、他の果物に比べても多いです。バナナを食べることで、整腸作用が得られ、便秘予防や下痢予防が期待できます。しかし、食べ過ぎると、整腸作用が過剰に働き、下痢の原因になることもあります。食べ過ぎには注意が必要です。
 

むくみ解消

バナナジュースとバナナが並んでいる

バナナを食べ過ぎると、カリウムの過剰摂取により、高カリウム血症になりかねません。しかし、カリウムは、適切な量を摂取していれば、むくみ予防に役立つ栄養素です。カリウムは、余分な水分を体外に排出するために、必要な栄養素です。余分な水分を適切に排出することで、むくみ予防につながります。

コレステロール値の抑制

バナナとバナナチップスが並べてある

バナナには、ペクチンという栄養素も含まれます。ペクチンは、コレステロール値を抑制させる働きがあります。血糖値上昇の予防や疲労回復にも、効果的です。バナナの食べ過ぎは、血糖値上昇を招き、糖尿病の原因になります。しかし、食べ過ぎなければ、コレステロール値の抑制や、血糖値上昇の予防が期待できます。

高血圧予防

バナナには、ビタミンB6が0.38mg含まれています。ビタミンB6は、血圧を下げる働きがあります。また、カリウムも血圧の安定に効果的です。バナナを適切量食べることで、高血圧予防も期待できますが、コーヒー1杯を一緒に取ることで、より効果的になります。

バナナの食べ過ぎに注意しよう!

バナナの食べ過ぎで起こる病気と適切量を食べた場合に得られるメリットについて、解説しました。バナナは、1日に1~2本食べる程度が健康的だといえます。バナナの食べ過ぎは、高カリウム血症や尿管結石、糖尿病などを引き起こしかねません。

しかし、食べ過ぎなければ、健康に多くのメリットがあるフルーツです。健康へのメリットを生かすためにも、食べ過ぎには注意しましょう。
 

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