昆布の食べ過ぎで体調不良に!?どれくらいの量なら食べても大丈夫?
昆布を食べ過ぎるとなぜ体調不良を引き起こすのか詳しく解説します。食べ過ぎることで起こる体調不良の原因は昆布に含まれているヨウ素という成分が、甲状腺に関係していることにあるとされています。その他の体調不良の症状や適切な摂取量も紹介ていきます。
昆布の食べ過ぎは体に良くない!?
昆布には様々な種類があります。ダシを取るためのそのままの昆布や、おやつとして食べられる昆布まで日常の中に昆布は使用されています。そんな昆布は、食べ過ぎることで体調不良になることを知っていますか?どんな食品でも食べ過ぎるのは良くないと聞きますが、昆布もその中の一つとして知られています。
昆布を食べ過ぎることは頻繁にあるわけではないですが、食べ過ぎた際には体調不良に要注意です。本記事ではそんな昆布を食べ過ぎることで巻き起こる体調不良の理由や症状、一日の適切な摂取量まで紹介をしていきます。参考にして適量を摂取するようにしましょう。
昆布の食べ過ぎで体調不良になる理由
昆布の食べ過ぎで体調不良を起こす原因は、昆布に含まれている成分にあります。どのように関係をしてくるのか、詳しく解説していきましょう。
理由①昆布に含まれるヨウ素が原因
ヨウ素(ヨード)は、主に昆布・わかめ・のりなどに含まれている体になくてはならないミネラルです。そこで、ヨウ素の入った食品は体に良いとされて、健康食品の中に大量に入っていたりします。
ヨウ素は人体に欠かすことのできない成分として知られています。ヨウ素が多く含まれている食材の中には昆布も入っており、健康食品として知られています。適量のヨウ素の摂取は生きていく上で必要になり、昆布も健康に良い食品と聞いたことがある方もいることでしょう。
ヨウ素は健康に良いといわれていますが、摂取量はわずかでも効果的です。そのため、ヨウ素が豊富に含まれている昆布の摂取量は少量でも十分にヨウ素を摂取することができます。ヨウ素が豊富に含まれているのは昆布はもちろんのこと、とろろ昆布にも豊富に含まれています。
昆布やとろろ昆布のようにヨウ素が多く含まれている食品は、食べ過ぎに注意が必要です。ヨウ素を多量摂取した場合には、健康被害に繋がるといわれています。
理由②ヨウ素の過剰摂取は甲状腺に悪影響を及ぼす
ヨウ素は甲状腺ホルモンの主原料です。甲状腺の中にヨウ素が取り込まれ、甲状腺ホルモンを合成します。甲状腺ホルモンは、新陳代謝を促し、子どもの場合では成長ホルモンとともに成長を促進する働きをするため、ヨウ素が足りないとこれらの機能が低下します。
ヨウ素は甲状腺ホルモンと直接的に関係のある成分です。甲状腺はのど仏の少し下に位置しており、正常な状態では触っても確認できません。とても柔らかい臓器になり、人体に欠かすことができないといわれています。甲状腺は喉にあることは知っていても、どのような役割をしているのか知らない方も多いことでしょう。
甲状腺とは骨や精神状態に関係してくる臓器になり、甲状腺ホルモンが欠落すると健康状態が思わしくない状態へと変化します。そのため、甲状腺ホルモンを作り出す主原料でもあるヨウ素が、人体には欠かせないといわれています。
甲状腺の中に取り込まれるヨウ素で甲状腺ホルモンが作り出されるので、ヨウ素を取り込まないと甲状腺ホルモンも作り出せません。
ですが、昆布のようにヨウ素が多く含まれている食品を食べ過ぎてしまうことで、ヨウ素の過剰摂取に値してしまいます。ヨウ素が多く取り入れられると必要以上のホルモンが作られます。ホルモンが必要以上に作られると機能が低下して、体調不良の原因に繋がります。
理由③甲状腺ダメージによる症状
甲状腺ホルモンが必要以上に作り出されてしまうことで、様々な健康被害が出てきます。甲状腺ダメージは甲状腺機能障害と呼ばれることが多く、症状は人それぞれです。甲状腺機能障害などの甲状腺の病気は女性に多い病気とされており、近年の調査によると女性の5~10人に1人は持っているといわれています。
それに比較して男性で発症する方は少ないようです。甲状腺ホルモンが過剰に分泌されてしまうことで、新陳代謝が活発になります。その理由により、多量の発汗やイライラ、動機、だるさといった生活にも支障の出る症状が出てきます。
その他にも生活に支障の出る症状として物忘れ、集中力が続かない、うつと似た症状が確認できています。女性特有の更年期と似ている症状が多いので、甲状腺の病気ではなく更年期と思って過ごしている方も少なくありません。生活に支障が出るレベルの症状が続く場合には、甲状腺の検査を受けてみるのが良いでしょう。
昆布の食べ過ぎにはこんな症状も!?
昆布を食べ過ぎると、甲状腺の症状のみならず他にも様々な症状が起こることが予想されます。それらの症状を挙げていきましょう。
昆布の食べ過ぎの症状①吐き気を起こす
昆布には食物繊維が豊富に含まれていますが、消化が悪い食べ物でもあります。そのため、食べ過ぎによる消化不良を引き起こす可能性が高いとされています。昆布の食べ過ぎにより、胃痛や胃もたれが原因で嘔吐に繋がるでしょう。
また、食べ過ぎや飲み過ぎによる胃の不調を感じているときに昆布を食べ過ぎてしまうと、更に胃の調子を狂わすことになるので食べないようにするのが賢明です。その他にも、胃腸の不調としてストレスによるものも考えられます。
胃腸の不調を感じるときには、消化の悪い昆布の摂取は避けるようにしてください。昆布のみならず消化に悪いものはいくつもあります。胃腸に違和感を感じている場合にはそれらの食材は避けて、胃腸に優しい食材を食べるようにするのがおすすめです。
昆布を食べ過ぎて吐き気を感じた場合には、出し切ってしまうのも良いとされています。ですが、無理に吐き出すのは喉の粘膜を傷つけてしまうので注意が必要です。
昆布の食べ過ぎの症状②下痢や腹痛を起こす
昆布が嘔吐の原因になるとされている理由と併せて懸念視されるのが、下痢と腹痛です。食物繊維が含まれているので、便秘に効果的と思われがちですが、食物繊維の過剰摂取は下痢や腹痛を伴います。中でも体調が優れないときや胃腸の調子が悪いときに昆布を摂取すると、食べ過ぎではなくとも下痢や腹痛の症状が現れる可能性があります。
昆布に含まれている食物繊維は不溶性です。不溶性の食物繊維は腸を活発にする効果が期待できて、排便を促します。ですが、食べ過ぎることにより腸を通常よりも活発化させてしまいます。
故に腸が活発化しすぎたことで胃腸の調子に狂いが出てくるのです。吐き気を伴うと共に、下痢や腹痛まで引き起こすので、胃腸に配慮をしながら適切な量を摂取するようにしましょう。
昆布の食べ過ぎの症状③便秘になる可能性も
昆布を食べ過ぎると便秘になる方は少ないですが、場合によっては便秘を引き起こす要因になりかねません。昆布を食べ過ぎることで下痢や腹痛を引き起こすと紹介しましたが、中には消化が悪いという理由から便秘になる方もいるでしょう。昆布に含まれている不溶性の食物繊維は、腸内の水分を吸収します。
そのため水分が吸収され過ぎてしまって、結果便が硬くなってしまうことで便秘に繋がります。昆布を食べて便秘が予想されるのは、胃腸の弱い方が多いといいます。そのため、胃腸が元々弱い方は昆布を食べる際に、水分も同時に摂取しながら食べ進めるのが好ましいでしょう。
昆布の食べ過ぎにならない摂取量
成人の場合
成人の場合の昆布の適切な摂取量を見ていきましょう。まず昆布に含まれているヨウ素の平均量を元に、昆布の摂取量が決まってくるとされています。ヨウ素は男女の成人共に1日の平均摂取量は130µgとされています。上限は3,000µgとされています。この量が多いのか少ないのか分からないという方も多いでしょう。
例として昆布を使用した昆布だしでヨウ素の含有量を見ていきます。3gの少量の昆布を使用した昆布だしであっても100gあたりのヨウ素の含有量は5,400µgも含まれます。昆布だしは昆布に含まれているヨウ素が約90%出るとされており、その量は1日の平均摂取量に対して何杯もの量となります。
昆布だしを使用する主な料理として、和食が挙げられます。味噌汁に使用する方も多い昆布は、毎日摂取することで基準値を軽く超えてしまいます。近年の調査によると毎日昆布だしでヨウ素を過剰摂取した方が、甲状腺の病気を発症したという報告も挙げられています。
このように、昆布を過剰摂取していない気でいても無意識に摂取量が増えてしまっていることもあります。日常の食生活では昆布を使用した調味料などにも注意が必要といえるでしょう。
こどもの場合
年齢 | ヨウ素の摂取量 |
---|---|
0~2歳 | 250μg |
3~5歳 | 350μg |
6~11歳 | 500μg |
12~14歳 | 1200μg |
15~17歳 | 2000μg |
子どもの場合には成人よりも、よりヨウ素の摂取には注意視することが必要です。昆布は無意識に過剰摂取しがちです。ヨウ素は目に見えるものではないので、大人が子どもの食事に対して配慮する必要があります。
この規定量は毎日摂取する場合を示していますので、たまにこの基準値以上のヨウ素を摂取するのであれば大きな問題はありません。ですが、甲状腺に何かしらの問題を抱えている子どもの場合は、悪化する可能性もあるので注意しましょう。
昆布の食べ過ぎには注意しよう
昆布には体調不良を引き起こすヨウ素が豊富に含まれている食品です。そのため、食べ過ぎには注意が必要であると断言できるでしょう。
特に甲状腺の症状を起こしやすい女性は、ヨウ素の量を計算した上で食事の摂取を心がけたいものです。料理、おやつとして身近な存在でもある昆布ですが、食べ過ぎないように適切な量を摂取するようにしてください。