ホエイ(乳清)にはどんな栄養が含まれている?ホエイの作り方と活用法

ホエイは乳清と呼ばれる食品ですが、昔は栄養成分などの良さについて知られることがなく、捨てられることが多かったのですが、医学や栄養学の研究調査を重ねた結果、栄養価が高いことが解りました。特に注目を浴びているのがホエイに含まれているタンパク質で、ホエイ由来のホエイプロテインが作られるほどです。ホエイにはどんな栄養があるのか、作り方や家庭での活用法など紹介します。

ホエイ(乳清)にはどんな栄養が含まれている?ホエイの作り方と活用法のイメージ

目次

  1. 1ホエイやホエイプロテインが栄養補給に便利
  2. 2ホエイの原料と栄養
  3. 3ホエイの作り方と活用法
  4. 4ホエイプロテイン(乳清タンパク質)とは?
  5. 5ホエイの栄養を上手に活用

ホエイやホエイプロテインが栄養補給に便利

ホエイは乳清とも呼ばれ、近年栄養価が高いと注目されている食品です。また、ホエイから作られるプロテインも栄養たっぷりで体作りに欠かせないものになっています。では、ホエイとは一体どのようなものなのでしょうか?ホエイやホエイプロテインの原料や栄養について調査しました。

ホエイの原料と栄養

ホエイは乳清とも呼ばれ、ヨーグルトの上に溜まる水分のことです。また、牛乳でチーズを作るときに凝固したものがチーズで、分離した水分がホエイ(乳清)です。昔は捨てられたり、家畜のエサに混ぜられたりして使用されるくらいでしたが、近年は、栄養価の高さが認められ、栄養の補給には最適な食材です。

原料

ヨーグルトもチーズも牛乳から出来ているので、原料は牛乳になります。昔はほとんどの乳清が廃棄されてきました。その後、研究によってホエイには栄養があることが分かり、さらに加工技術の向上で、新鮮な乳清を粉末化することが出来るようになり、新しい活用法が出来ました。

栄養

ホエイの栄養は、主な栄養素だけで12種類あります。上の表にある、ビタミンC、ビタミンB、タンパク質、炭水化物、リン、鉄、亜鉛、銅、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムです。

特に注目を集めているのがタンパク質で、中でもホエイタンパク質を構成するアミノ酸の含有量は卵にも負けないほどで、人体に必要な必須アミノ酸すべて含んでます。必須アミノ酸食べ物からしか摂取ができないので不足すると細胞の再生や修復に影響し免疫力低下の原因の一つになります。

様々な食品に配合される

栄養価に優れたホエイは、サプリなど健康食品はもちろん、さまざまな食品に配合され製品化されています。栄養価の高さだけでなく、吸収が速いことも評価されています。

また、高齢者はタンパク質をたくさん摂取することが必要です。健康寿命を伸ばすことからも筋肉を減らさない様にしようと言う取り組みがされています。ホエイを使った食品は、タンパク質の合成を促すため高齢者に有効な食品なのです。

ホエイの作り方と活用法

うまみ成分であるグルタミン酸を含んでいて、料理をおいしく仕上げることができます。ペットボトルに入れて冷蔵庫で約2週間保存できるので作り置きして活用してみてください。

作り方

色々な栄養素が詰まったホエイですが、ベーキングパウダーに反応しパンケーキの膨らみが強くなり、ふんわりとしたパンケーキが作れたり、はちみつやレモン汁、牛乳でヨーグルトドリンクを作って美味しく頂けます。そんなホエイの作り方と活用法を紹介しましょう。

水切りヨーグルトで作る

  • ヨーグルト400ml
 
  1. ボウルの上ににふきんや厚手のクッキングペーパーを敷いたざるを用意する。
  2. ヨーグルトをのせるとヨーグルトから水分が出ます。
  3. ざるの上にはチーズのように固まった水切りヨーグルトと、ボールには滴り落ちた白濁した液体が出来ますが、それがホエイです。

置く時間によって水切りヨーグルトの硬さが変わります。一晩水切りすると、しっかりと水切りヨーグルトになります。水切りヨーグルト約200g、ホエイ約200mlと半分づつになり、ざるの上のヨーグルトもチーズの様な硬さになります。

カッテージチーズで作る

  • 牛乳(成分無調整)200ml
  • レモン汁大さじ1
 
  1. 鍋に牛乳を弱火~中火にかけ、60度まで温めます。温度計がない場合、60度の目安は、鍋肌から気泡がたくさん出てきたタイミングです。
  2. 牛乳が60度になったらに火を止め、レモン汁を全体に回し入れます。木ベらなどでゆっくり静かにかき混ぜます。牛乳が分離して、濁りの少ないきれいなホエイが出てくるので、そのまま冷まします。
  3. ボウルの上にふきんまたは厚手のクッキングペーパーを敷いたザルをおき、流し込んで漉すと、ざるの上にバラバラのカッテージチーズとボールの中にホエイが出来ます。
  4. 最後に上から軽く押すようにして水分を絞るとカッテージチーズの完成です。絞りすぎるとパサパサした食感になるので気をつけましょう。

牛乳は低脂肪や無脂肪タイプだと、出来上がりの量が少なかったり食感や味わいもおちるので、成分無調整のものをおすすめします。また、レモンの代わりにお酢でも作れますが、匂いにクセがなくレモン汁よりも硬めの仕上がる米酢がおすすめです。レモンで作るときめ細やかな仕上がりになります。

料理に利用

自宅で栄養価の高いホエイが作れるので、料理に利用してみましょう。簡単なところでは、ジュースに入れて飲むことでしょう。スムージーに入れるときは、水の代わりにホエイを使います。 ホエイ臭さが気になる人は、カレーやシチュー、スープや煮込みに入れてみましょう。

パンやパンケーキの生地作りの時に牛乳や水代わりにホエイを使うと、重曹やベーキングパウダーに反応しふわふわの出来上がりになります。肉料理をする時30分ほど漬けておけば、タンパク質分解酵素と反応して、肉を柔らかくすることが出来ます。ただし、漬け込みすぎると肉本来の弾力がなくなってしまうので注意しましょう。

ご飯を炊くときに加えると、カルシウムの含有量が通常のごはんの約10倍にアップするので、育ち盛りの子供や骨が弱くなるお年寄りに嬉しいご飯になります。米1合に対してホエイ100mlの目安で炊飯器の釜に入れ、基準の目盛りまで足りない分の水を加えて炊いてください。

ホエイプロテイン(乳清タンパク質)とは?


プロテインとは代表的な栄養素であるタンパク質を表しています。ホエイプロテインは、ホエイは乳清なので、別名乳清タンパク質という事です。アスリートやボディービルをやっている人がプロテインを飲んでいるのを見て、筋肉を作ったり強くするイメージをもつ人が多いと思いますが、実は体調を整えたり、美容やダイエットにも効果があります。

プロテインにはホエイプロテインの他に、カゼインプロテインと、ソイプロテインの大きく分けて3種類があります。

特徴

良質なタンパク質やカルシウムなどが豊富に含まれていて、体に吸収されやすく、栄養の補給には最適な食材です。高タンパクなのに低カロリーで、栄養価が高いのに低脂肪、乳酸菌がたっぷりで理想のタンパク質とか最強のタンパク質と呼ばれています。

過剰摂取すると、肝臓や腎臓に負担がかかり、逆に疲れやすい体になってしまうこともあるので注意して下さい。食事で不足している分を補うようにしたり、3食の中の1食を変えるくらいが良いでしょう。

効果・効能

ホエイプロテインは、体内で作り出すことのできない必須アミノ酸を多く含んでいて、その必須アミノ酸は、人間の筋肉を構成したり修復するタンパク質を生成する、重要な成分です。

ホエイプロテインを摂取した後に運動すると、脂肪や体重が減少し、体力および筋肉が増強される効果もわかっています。他にも、運動時のスタミナ源となったり、筋肉の疲労回復に働きかける効果や骨の健康を保つ効果、サルモネラ菌などの感染症の予防効果、免疫力を高める効果があります。

トレーニング後のタンパク質補給

ホエイプロテインは体内に吸収されるのがとても早く、1~2時間ほどで血中に取り込まれます。その為、運動直後に摂取するのが最高のタイミングとされ、筋肉量の増加や筋肉層の強化に効果を発揮します。運動後の45分間は、通常時の3倍のアミノ酸の量が筋肉に送られるので、その時にホエイプロテインを摂取すれば効率よく筋肉を付けらます。

運動後の疲労した筋肉を効率良く回復させるので疲労回復にも良い食品です。大豆たんぱくよりも風味が良く飲みやすいという特徴もあります。

健康促進

乳酸菌は腸の活動を活発にする働きがあるので、便秘改善・ダイエットにも効果的で、美肌効果にもつながります。さらに、タンパク質以外にカルシウムが多く含まれています。女性ホルモンは閉経後に減っていき、骨量も減少するので骨粗鬆症のリスクが増えます。

しかし、一度に大量に摂取すると、エネルギーが脂肪に変換しやすくなるため、ダイエットに向かなくなります。また、牛乳アレルギーの方はまれに吐き気や疲労、頭痛などを引き起こす場合があるので摂取を控えた方が良い場合もあります。

製法による違い

メリットは、体内への吸収が早い事で、吸収が早ければ体の組織を造る材料になりやすく、筋力トレーニングをしたときに、筋肉が早く付きやすくなります。デメリットは、他のカゼインやソイのプロテインと比べると価格が比較的高いことです。プロテイン含有量を控えめにしたり、ソイと併用した商品など、価格帯を下げているものもあります。

ホエイプロテインは製法で3種類に分けられ、様々な特徴があります。それぞれの紹介をしますので、自分にあった製法のプロテインを取り込んでください。

WPC製法

WPC(Whey Protein Concentrate・ホエイプロテインコンセントレート)濃縮乳清たんぱく質、濃縮膜処理法とも呼ばれます。ホエイの中で最も定番で、初心者におすすめできる種類です。

原料の乳清をフィルターろ過し、さらに濃縮する製法で、タンパク質だけじゃなくビタミンやミネラルなどの栄養素も取ることができます。たんぱく質含有率が80%と低め乳糖が残りやすく、牛乳でお腹を壊す原因となる場合があるので注意が必要です。

WPI製法

WPI(Whey Protein Isolate・ホエイプロテインアイソレート)分離乳清タンパク質、イオン交換法とも呼ばれます。WPCで出来上がったタンパク質をさらに細かな膜に通しイオン交換して作られています

WPI製法のホエイプロテインはたんぱく質含有率が約90%と多い分、乳糖の含有率が非常に低いので、お腹がゆるくなりやすい乳糖不耐症の方に適した製法だからです。

WPH製法

WPH(Whey Protein Hydrolysate・ホエイプロテインハイドロライズド)加水分解乳清タンパク質、加水分解ペプチドとも呼ばれます。WPCを、微生物に含まれる酵素などで、より微細なペプチドとアミノ酸に分解したものです。最も分解されたタイプのプロテインです。

通常たんぱく質はたくさんのアミノ酸がくっついていて、この分解は体内で内臓酵素の力で行われている為、分解・吸収に時間がかかります。WPHは予めタンパク質を分解しているため、圧倒的な速さで吸収します。

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ホエイの栄養を上手に活用

ホエイは摂取したら体重が増えるイメージがありましたが、実は栄養価が高く、体調を整えたりダイエットにも効果があるというのが本当の情報です。製品化されているホエイプロテインも魅力ありますが、家庭でもホエイを捨てずに有効活用しましょう。

本来のホエイプロテインはバニラやココア、チョコレート・ストロベリーなど味の付いたものも種類が豊富です。自分のお気に入りの味を探してみてください。健康のために、ホエイの栄養を上手に利用してみましょう。

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