2019年06月06日公開
2024年10月15日更新
もち麦の栄養価と効能|玄米との違いやレシピもあわせて紹介
もち麦はどんな食材かご存知でしょうか。本記事では、もち麦の栄養価やその効能、もち麦はダイエットに効果があるのかについてご紹介します。もち麦のカロリーや、もち麦を使ったおすすめのレシピを知りたい方は、ぜひこの記事をチェックしてみてください。
目次
「もち麦ってどんな栄養がある食材なの?」
「もち麦のおいしい食べ方はある?」
「もち麦を使ったおすすめのレシピはあるのかな?」
このように、もち麦を食生活に取り入れてみたい方の中には多くの不安や疑問があるのではないでしょうか。
本記事では、もち麦の栄養価と効能について紹介しています。また、もち麦と白米の栄養価の比較も知っておくと良いでしょう。
この記事を読むことで、もち麦の栄養価と効能や、玄米との違いなどを知ることができるでしょう。もち麦を取り入れる上での摂取量の目安や美味しい食べ方など、もち麦に関することをマスターできます。
もち麦を食生活に取り入れたい方や、もち麦レシピを知りたい方は、ぜひこの記事を読んでみてください。
もち麦ってどんな食材?
もち麦は、健康によくダイエット効果も期待できる食品として注目されています。白米と合わせて炊いて食べることが多く、日常的に取り入れやすい食材でもあります。
もち麦を含む大麦の主な種類
もち麦は大麦の一種です。お米に「うるち米」と「もち米」があるように、大麦にも「うるち性」と「もち性」に分けることができます。
うるち性の大麦は押し麦で、もち性の大麦はもち麦です。押し麦と同じ大麦ですが、押し麦は平たく加工されていて、もち麦は丸い粒状で販売されているため丸麦とも呼ばれます。
玄米との違い
玄米は白米に精米する前の状態なので、もち麦とはそもそも米か麦かの点で大きく違います。栄養価が高いお米として玄米も注目されていますので、もち麦と食べ比べしてみるのもおすすめです。
もち麦の栄養価と効能
もち麦には豊富な栄養素が含まれていて、毎日食べることで健康な身体づくりに効果があります。また、美容や美肌、ダイエットにも効果が期待できる栄養もあります。
もち麦の栄養価と効能にご興味がある方は、参考にしてみてください。
出典・参照:食品詳細 |食品成分データベース
栄養素 | 含有量(100gあたり) |
---|---|
カリウム | 170mg |
たんぱく質 | 7.0g |
ビタミン | 3.48g |
βグルカン | 6.0g |
不溶性食物繊維 | 2.7g |
ミネラル | 356.78mg |
カリウム
カリウムは水に溶けやすい栄養素なので、生食か水分も蓄えるもち麦がおすすめです。
カリウムの働きは、体内にある余分なナトリウムを体外へ排出する働きをする栄養です。カリウムもナトリウムも、身体の中の血圧や水分量を調整するために必要な栄養です。
塩分の多い食事をするとナトリウムの値が上昇します。体内の塩分濃度が高くなると、薄めるために水分を貯めこむように体の中が働きますのでむくみが発生します。
アルコールを飲むと利尿作用で水分が大量に排出され、塩分濃度は高くなります。そのため、体内にある水分をそれ以上使わないように溜め込み、顔がむくんでしまいます。
カリウムを積極的に摂ることで体内の塩分バランスを整え、むくみを予防する効果があります。
出典・参照:カリウム(かりうむ)|e-ヘルスネット
たんぱく質
もち麦には、白米の約2倍、ゆで卵よりも多いタンパク質が含まれています。
タンパク質は筋肉をつけたい人だけに必要な栄養ではありません。内臓も筋肉でできていて、血液を作るにもタンパク質は必要です。毎日の食事にもち麦を加えるだけで、タンパク質も摂り入れることができ身体づくりに役立ちます。
出典・参照:たんぱく質(たんぱくしつ)|e-ヘルスネット
ビタミン
もち麦に微量ながら含まれるビタミンB1は、皮膚の炎症を抑える効果があります。また、鉄分は貧血予防にもなり血液の巡りをよくします。こうしたことで肌トラブルを予防することに効果的と言えるでしょう。
出典・参照:ビタミン(びたみん)|e-ヘルスネット
βグルカン
注目されている栄養成分がβグルカンです。βグルカンは水溶性の食物繊維で、白米や玄米の数倍ももち麦には多く含まれています。不足しがちな食物繊維を摂り入れることで、健康にも嬉しい効果が期待できるでしょう。
βグルカンはコレステロールを正常にする働きがあり、増えすぎたものは胆汁により分解・排泄を促し、再び吸収されることを抑えます。それに加えて肝臓でコレステロールが合成するのを抑制するのです。
また、βグルカンの効果には、血糖値の上昇を緩やかにする働きがあります。普段の食事の栄養で糖分が体内に一気に入ると、インスリンが働き血糖値を下げようとします。
βグルカンの栄養が入ることで、血糖値は一気に上がらずに緩やかに上昇するためインスリンの分泌を抑えられるでしょう。
こうした食事を続けることで、インスリンが過剰に働く糖尿病の予防が期待でき、また、セカンドミール効果という特徴がβグルカンにはあります。セカンドミール効果とは朝食で摂り入れて次の昼食までの時間、血糖値を上がりにくくする働きのことです。
朝と昼にβグルカンを摂ることで、日中全体の血糖値上昇を抑える効果が期待できます。
出典・参照:栄養士の食物紹介:オートミール|中嶋医院
不溶性食物繊維
βグルカンは水溶性の食物繊維ですが、もち麦には不溶性食物繊維も含まれています。不溶性の食物繊維は、イモ類や野菜に多く含まれていて便のカサを増やします。
便通が正常化すると腸内環境が正常化され、身体全体が健康になり美容やダイエットにもつながるでしょう。
もち麦に含まれる2種類の食物繊維の栄養により腸内環境が正常化すると、さまざまな栄養や水分が吸収されやすくなります。そうした状況が維持できると、腸の免疫力を高めることにつながるでしょう。
免疫力が高くなると、大腸がんを予防するのにも役立ちます。また、βグルカンにも免疫力を高める働きがあるため、がん予防の効果もあると言われています。
出典・参照:食物繊維(しょくもつせんい)|e-ヘルスネット
ミネラル
ミネラルは、体内で生成できないためもち麦などの食べ物から摂取する必要があります。
ミネラルは不足しても取りすぎても、どちらも体に悪影響を及ぼします。適量を摂取するように心がけましょう。
出典・参照:ミネラル(みねらる)|e-ヘルスネット
もち麦と白米の栄養価の比較
もち麦と白米の栄養価の比較をしてみましょう。
もち麦を詳しくみていくと、炭水化物55.66gのうち糖質が53.35g、たんぱく質が4.4g、脂質が0.73g含まれていることがわかります。
それに対して白米は、炭水化物59.36gのうち糖質が58.88gです。その他、たんぱく質が4g・脂質が0.48gです。
出典・参照:麦ご飯|カロリーSlism
出典・参照:ご飯|カロリーSlism
もち麦の1日の摂取量の目安
食物繊維の量から考えると、成人が1日に必要な食物繊維の量は18g以上とされています。現代の日本人は平均して3~4gの食物繊維が不足していると言われます。
この分を補うためにはもち麦50gを食べることです。50gの量は0.5合なので、白米とあわせて炊けば1~2食の食事で補うことができます。
βグルカンの栄養を活かしたいのであれば、もち麦60gで約3gを摂り入れると効果が期待できます。もち麦の割合を高くしたご飯にすることで無理なく摂り入れることができます。ただし、もち麦を食べ過ぎないように注意しましょう。
もち麦のおいしい食べ方
ぷちぷち食感を活かした、もち麦のおいしい食べ方をご紹介します。もち麦を毎日の食生活に気軽に取り入れてみてはいかがでしょうか。
もち麦ご飯にする場合
もち麦はスープやサラダに加える料理もありますが、手軽で毎日食べ続けやすいのは白米と混ぜて炊く方法です。白米1に対してもち麦1と同割りで炊く方法もありますが、慣れるまでは白米5にもち麦1といった好みの割合で炊飯が可能です。
炊飯する時には、もち麦1合なら水は2合と2倍の量を準備しましょう。一度の炊飯で2~3食分を炊いている場合であれば、1合の白米にもち麦0.5合(50g)を加え、水加減は通常の1合に100ccの水を加えます。そうするとモチモチとした食感もしっかりと感じられるご飯が炊飯できます。
においが気になる場合は、塩昆布やゆかりといったものを混ぜておにぎりにするのもおすすめです。朝もち麦入りのご飯を炊飯し、朝食で1膳食べて昼食にはもち麦入りのおにぎりを食べて栄養補給もするという方法もあります。
もち麦だけを蒸す(茹でる)場合
もち麦だけを2倍の量の水で炊飯することもできます。こうしたものをサラダやスープなどに加えることでも継続して食べられるようになります。
また、もち麦だけを蒸す場合は、事前に水に浸しておくのがおすすめです。
もち麦ご飯のカロリー
もち麦ご飯のカロリーは、100gあたり159kcalです。白米は100gあたり、168kcalなので、もち麦のほうが低カロリーであることがわかります。
もち麦を使ったおすすめのレシピ3選
栄養豊富なもち麦を使ったおすすめのレシピを紹介します。いつものご飯にもち麦を加えたり、もち麦だけに置き換えたりと毎日の食生活に取り入れてみましょう。
1:えのきと豆腐ともち麦のスープ
もち麦はスープに加えると1品で食べごたえのあるおかずが出来上がります。
朝ごはんや軽くすませたい日のお昼ごはんにもぴったりのもち麦スープは、腹持ちも良いためおすすめです。
2:手羽元と大根のホロホロ参鶏湯
骨付きのお肉はコトコト煮ると
鶏の旨みがたっぷり染み出て
とっても美味しいスープができます✨ 手羽元は柔らかさを重視して
焼き色は付けずに煮ました🐓 お肉がホロホロ柔らかい仕上がりです🥘.*˚
生姜も効いていてぽかぽか暖まる
スープは疲れた体にも染み渡りますよᵕ̈🍲
お腹いっぱい食べたい日におすすめなのが、参鶏湯にもち麦を入れるレシピです。
もち麦のあっさりとした味は、鶏の出汁がしっかりと出た参鶏湯との相性抜群です。寒い日のおかずに取り入れてみてはいかがでしょうか。
3:もち麦入りオイスターパエリア
魚介の旨味が染み込んだパエリアは、フライパンともち麦で再現できます。
魚介にもち麦を合わせることで、より栄養バランスの良い食事が出来上がります。白米ともち麦を混ぜることで、お米の食感の違いも楽しめるのでおすすめです。
もち麦はダイエットに効果がある?
前述したように、もち麦は白米に比べてカロリーが低く、食物繊維が豊富なので腸活ダイエットにもおすすめです。
ダイエットのためには食事を短時間で済ませずに、ゆっくりと時間をかけてよく噛んで食べることも大切です。噛むことで脳の満腹中枢が刺激されます。そこにもち麦が加わることで、βグルカンの満腹感を持続するメリットも加えることができるでしょう。
そのため、食事の食べ過ぎを防ぎ、ダイエットに効果的な食事になります。βグルカンを含んだ食事の後も消化に時間がかかることで、間食を減らすことにもなります。
出典・参照:食物繊維の摂取不足| 渋谷セントラルクリニック
出典・参照:麦ご飯 (麦ごはん/麦飯/むぎめし)|カロリーSlism
もち麦を選ぶ際のポイント
もち麦を選ぶ際のポイントを紹介していきます。
もち麦を手軽に取り入れたいときは、吸水時間がなくても食べられるものや、レンジ加熱ですぐに食べられるものなどを選ぶと良いでしょう。
もち麦は丸麦でぷちぷちとした食感が特徴です。食感を変えたいときは、押し麦などを加えてみるなどの工夫をしてみるのもおすすめです。
もち麦の上手な保存方法
もち麦は茹でてから保存することができます。
密閉できるジッパー袋に平らに入れ、冷凍保存すると良いでしょう。あとから少量ずつ使いたいときは、小分けに入れると便利です。まとめて茹でて、冷凍保存するといつでも食べられるのでおすすめです。
栄養豊富なもち麦を上手に食事に取り入れよう
もち麦には、健康な体のために欠かせない栄養素がたっぷりと含まれています。特に2種類の食物繊維が含まれていることで、腸内環境を整え美肌やダイエットにも効果が期待できるでしょう。
さらに、注目の栄養成分であるβグルカンの働きによって、糖尿病予防やコレステロール値を正常化する働きがあります。
白米と合わせて炊飯することで、無理なく毎日の食事に摂り入れることができるのも特徴です。健康な身体づくりのために、もち麦を摂り入れてみてください。