2019年06月03日公開
2024年09月16日更新
エディブルフラワーは食べられる花!種類別の特徴とレシピを紹介
エディブルフラワーは花を食べることを意味します。世界中に存在する食の文化で、日本でも古くから花を食べる文化が存在します。花には毒性があるというのが一般的認識ですが、食べられる花を食用として栽培している花を使いますので問題はありません。食べられる花は料理を華やかに彩るだけではなく、ケーキやサラダの材料として使うこともできます。エディブルフラワーを使ったレシピや70種類もあるといわれるエディブルフラワーの中で初心者でも使いやすい種類を紹介します。
エディブルフラワーとは?
エディブルフラワーとは、英語edible flowerと書きます。日本語に直訳すると「食べられる花」となり、食用の花のことです。花を食べるということになじみのない方も多いかもしれませんが、花を食べる文化は世界中に存在しているのです。
エディブルフラワーは食用花
エディブルフラワーは、食用の花です。日本でエディブルフラワー(食用花)という言葉を聞くのは最近の新しいことのように思う人もいるかもしれません。しかし、実は日本でも古くから菊の花や桜の花を食べる文化が存在します。
食用花を食べたことがない、と思う人もいるかもしれません。しかし、刺身に添えられている小菊や、桜餅やアンパンに使ってある塩漬けにした桜も食用花の一つです。刺身の添えられる菊は飾りというだけではなく食中毒予防といった役割もしていました。
また、ふきのとうや菜の花は季節の料理としてなじみ深いものになります。おめでたい席で出される桜茶も桜の花を塩漬けにしたものです。
このように、日本でも古来から花を食べるという食文化は存在していました。1980年代から増加し始めたイタリアンレストランでサラダなどに使われたことがきっかけとなり、エディブルフラワーという花を食べる文化に脚光が当たりました。そのため、最近流行りだしたもののように感じてしまうのかもしれません。
どんな味?
エディブルフラワーの味がどういった味なのでしょうか?気になる人もいることでしょう。エディブルフラワーは料理に彩を添える役目をしていますので、見た目に華やかです。味は決してメインの食材を邪魔しないくらいでほぼ味がしないものか、花によっては甘みがあるものなどになります。味や風味は、花によって違いがあるということになります。
日本でなじみ深い、ふきのとうや、菜の花のおひたしだと、少し苦みを感じる花もあります。また、生で食べたり、砂糖漬けや塩漬けにして食べたりすることもあります。
なぜ食べられる?観賞用との違い
エディブルフラワーは花を食べる食文化です。花には毒性のものが多いため花を食べる、ということに抵抗がある人もいるかもしれません。どうして花を食べることができるのか?観賞用の花と、食べることができる花にはどんな違いがあるのかをまとめました。
毒性がない
花には毒性をもっているものもあります。植物としての花の中で、毒性のないものが、食用花「エディブルフラワー」として認められています。エディブルフラワーとして認められている毒性のない花は現在では約70種類になります。
無農薬・低農薬で栽培されている
エディブルフラワーとして食べることができ、毒性がないと認められている花の種類であっても、食べるときには注意が必要です。一般的に観賞用に栽培されて販売されている花には農薬が使われています。農薬は毒になりますので、農薬を使っている観賞用の花は、食べることができる種類であっても食用には適していません。
食用花として使用する場合は、食用として無農薬もしくは低農薬で栽培されている花でないと食べることができません。食用花として使う場合は観賞用ではなく、食用として栽培されているものを使うようにしましょう。
エディブルフラワーの種類と特徴
エディブルフラワーとして食べることができる花は70種類ほどあります。主な種類と特徴、一年の中で、楽しめる期間などをまとめました。
キンギョソウ
楽しめる期間としては4月から7月と、10月から11月となります。1年の半分くらいの期間、楽しむことができる定番のエディブルフラワーです。
キンギョの尾びれを連想させる華やかな花の形をしています。スナップドラゴンという名前で呼ばれることもあり、肉厚の花びらが特徴的です。香りはとてもいいのですが、少し苦みを感じるかもしれません。料理に使うときはサラダに使われることが多く、レシピも豊富です。
ダリア
期間としては4月から11月で食べることができる長い間楽しめます。春菊やミョウガに似た味わいです。
花びらだけでも、一輪丸ごとでも食卓に彩と華やかさを添えてくれます。てんぷらなどの熱を加えた料理にも適しているところがうれしい食用花です。ケーキやお菓子に使うよりも、レシピは食事としての料理に彩を添るものが多くなります。
ナスタチウム
期間としては5月から11月に楽しめます。初夏から秋まで楽しむことができます。日本名では金蓮花(キンレンカ)として親しまれている花です。味としては少しわさびのような辛みがあります。スパイシーな香りが特徴となっています。花以外にも葉や茎も食べることができる植物です。
ナデシコ
期間は4月から10月にかけて楽しめる花で、日本ではなじみ深い花の一種です。洋名はダイアンサスといい、花びらがフリルのようになっているところが、観賞用の花としても人気となっています。
花の色は白、ピンク、赤が人気な色となっています。食べるとほんのりと甘みを感じるのが特徴です。使い方のレシピは食事系もスイーツ系もどちらも多いので使い勝手が良いと人気の食用花です。
パンジー
パンジーは、日本でも三色すみれの和名でもなじみが深い植物です。華やかな色合いから、料理の添え物として使われることが多くなっています。鮮やかで親しみのある花で、レタスのような味わいがあるので人気のエディブルフラワーです。
レシピとしては、パンジーを加工して使うというより生のまま料理の横に添えて彩を添えるものが多くなっています。
ローズ
エディブルフラワーとして楽しめる期間は5月から7月と10月から11月となります。世界中で愛されるばらの花は香水などばかりではなく、ジャムにしたり、ケーキやクッキーに使ったりと食用にも適しているので食材としても人気です。料理やスイーツに幅広く使えるのでレシピの量も大変多いのが特徴です。
スイートピー
スイートピーは、春咲き、夏咲き、冬咲きと3種類があるため、一年を通して楽しめます。フリルのような花びらが特徴のスイートピーはマメ科の植物です。甘い香りが特徴的な植物で鮮やかな彩で、ケーキなどの飾りに使われることが多い植物です
デンファレ
開花時期としては2月から5月なのですが、洋ランの一種であるデンファレは、室内栽培されることが多いため一年を通して楽しむことができます。本来の名前はデンドロビウム・ファレノプシスといい、略してデンファレと呼ばれるようになりました。観賞用と食用に分けて栽培されていて、観賞用の場合はデンドロビウム、エディブルフラワーとして食用の場合はデンファレと名前が変わります。
肉厚で鮮やかな色合いの特徴的な花です。料理のレシピとしてはパンケーキの飾りに使われることが多い花です。
マリーゴールド
出典: https://horti.jp
楽しめる期間は5月から11月となっています。黄色やオレンジの鮮やかな色の花です。肉厚な花びらを一枚づつ飾ったり、一輪花ごと飾ったりと料理を一層華やかにしてくれます。ドライフラワーにしても鮮やかな色が残るのが特徴です。味わいとしては菊に似ています。
ベゴニア
ベゴニアを楽しめる時期は3月から11月です。味わいとしては、酸味があり、爽やかさがあります。肉厚で、シャキっとした食感が特徴のため、生のまま食べることをおすすめするエディブルフラワーです。
キク
出典: https://tenki.jp
楽しめる時期は10月から11月です。日本でも昔から食用菊はなじみのあるエディブルフラワーです。刺身のツマに使われる小菊だけではなく、花びらだけを食用として楽しむ大輪の品種もあります。刺身のツマに使われるようになったのは、菊が持つ殺菌作用が生魚を食べる際の食中毒予防の意味もあり一緒に食べられていたのです。
エディブルフラワーの使い方
食べられる花としてのエディブルフラワーは、どのようにして使うのが良いのでしょうか。エディブルフラワーの使い方をまとめました。
サラダに添える
野菜だけでなく、エディブルフラワーを生のままサラダに添えることで、いつものサラダに彩が加わり、華やかなものになります。エディブルフラワーにもビタミンなどの栄養素が含まれているので美容のためにも良い効果が期待できます。
パスタのトッピングに
パスタのトッピングにエディブルフラワーを添えると、パッと華やかなパスタに早変わりです。鮮やかな色合いがいつものパスタをおしゃれに変身させてくれます。
デザートやケーキに
エディブルフラワーの使い方としては、デザートやケーキに使うことでエディブルフラワーの良さが引き出されます。そのまま飾りとして添えるだけではなく、クッキーに焼きこんだり、砂糖漬けにしたものをケーキのトッピングにしたりと、生で使うだけではなく、加工したものを使うということもあります。
エディブルフラワーのおすすめレシピ
エディブルフラワーを使った料理のおすすめレシピを紹介します。レシピを参考に、エディブルフラワーに挑戦してみませんか?
エディブルフラワーで花咲くサラダ
- ベビーリーフ 1袋
- パプリカ 1/3個
- トマト 1個
- エディブルフラワー 6輪くらい
- ベビーリーフは洗っておく
- パプリカは縦に薄切りにする
- トマトは3mmくらいの厚さで輪切りにする
- お皿にトマトを並べ、ベビーリーフとパプリカを混ぜてトマトの上に盛り付ける
- エディブルフラワーをバランスよく盛り付ける
- お好みのドレッシングをかけて完成
生野菜だけのサラダのレシピにエディブルフラワーを加えれば、彩も綺麗な華やかなサラダになります。ホームパーティーなどの一品に加えればテーブルがパッと華やかになります。
お花のバニラヨーグルトムース
- 粉ゼラチン 10g
- 冷水 50cc
- (A)白ワイン 200cc
- (A)水 200cc
- (A)砂糖 80g
- (A)レモンのしぼり汁 大さじ1
- エディブルフラワー 適量
- プレーンヨーグルト 250g
- レモンのしぼり汁 小さじ1
- バニラエッセンス 4滴
- 生クリーム 100g
- 砂糖 60g
- 粉ゼラチン 12g
- 冷水 60g
- 下準備として粉ゼラチンは、冷水に溶かしておく。使用する直前に電子レンジで加熱すること。生クリームに砂糖60gを加えて8分立てにしておくこと。
- 鍋に(A)の材料を入れて加熱し、300ccになるように煮詰め、粗熱を取る。
- 戻したゼラチンを型に流しいれ、エディブルフラワーをいれ、冷蔵庫で冷やし固める
- ボウルにプレーンヨーグルト、レモンのしぼり汁、バニラエッセンスをいれ、泡だて器でよく混ぜる
- 4に生クリーム、ゼラチンを加え混ぜる
- 冷蔵庫で冷やし固めておいた3の上に5で混ぜたものを流しいれ、冷蔵庫で60分以上冷やし固める
エディブルフラワーを使うことによって簡単に華やかなデザートが完成します。パーティーのデザートだけでなく、お土産やプレゼントとしても喜ばれるスイーツになります。
エディブルフラワーのクリームチーズオードブル
- クリームチーズ 200g
- ブラックペッパー ひとつまみ
- イタリアンパセリ 適量
- エディブルフラワー 適量
- 常温に戻したクリームチーズとブラックペッパーをボウルに入れてよく混ぜる
- 1個を15gくらいでまとめ、楕円状に丸める
- 2にイタリアンパセリ、エディブルフラワーをバランスよく張り付ける
簡単にできるオードブルです。クリームチーズにブラックペッパーを混ぜ、エディブルフラワーを張り付けるだけなので、ケーキやお菓子を作る感覚で子供と一緒に作ったりするのも楽しいでしょう。
エディブルフラワーでサラダケーキ
- ポテトサラダ 400g
- きゅうり 1/2本
- ミニトマト お好みの量
- コーン缶 1缶
- エディブルフラワー 適量
- きゅうりは縦に薄くスライスし、水気を切っておく
- ミニトマトは好みでカットしておく
- お皿にポテトサラダの半分の量をケーキのように丸く平たく盛り付ける
- 3の上にコーンを敷き詰める
- 残り半分のポテトサラダをのせる
- きゅうりをまわりに貼り付け、ミニトマトをショートケーキのイチゴのようにトッピングしていく
- エディブルフラワーをトッピングする
ポテトサラダをケーキのスポンジ部分に見立て、コーンが間のクリームの役割となります。ミニトマトがイチゴ代わりになります。エディブルフラワーが華やかさを添えてくれるので野菜嫌いのお子様でも喜んで食べてくれるでしょう。
エディブルフラワーで生春巻き
- ライスペーパー 2枚
- ゆでえび 4尾
- にんじん 40g
- 水菜 40g
- リーフレタス 2枚
- エディブルフラワー 適宜
- 和風ドレッシング
- ゆでえびは半分に切る
- リーフレタスは芯を取る
- エディブルフラワーは茎を取っておく
- ニンジンは千切りにし、水菜は5センチくらいの長さに切っておく
- 水にくぐらせたライスペーパーの上に具材をおき、最後にエディブルフラワーを置いて巻いていく
ライスペーパーから透けて見える華やかなエディブルフラワーが彩鮮やかでとてもきれいです。
エディブルフラワーで食卓を華やかにしよう!
食べられるお花、エディブルフラワーについて特徴や使い方をまとめました。今まで食用花として名前は聞いたことがあったり、実際にお店で目にする機会があっても、自分で使うには勇気が出ない、と思っていたかもしれません。
エディブルフラワーとして使用するのに気を付ける点は、花に毒性がなく食用花として認められていることです。観賞用として売られているものは食べられる花だとしても農薬などの毒をもっている場合があるので、食用として栽培されているものを使うことです。
この機会に、エディブルフラワーを使っていつもの食卓を、華やかな食卓に変身させてみませんか?