2019年04月30日公開
2024年09月13日更新
バルサミコソースの作り方!料理の味を格上げするレシピもご紹介
バルサミコソースというと、お洒落なレストランでステーキなどの肉料理に、上品に模様を描いて添えられているイメージをもっている人も多いのではないでしょうか?ですが普段使うソースとしては手が出しにくいソースでもあります。そんなバルサミコソースですが、自宅でも簡単に作れる作り方があるのです。バルサミコソースの作り方がわかれば、今まで手を出しにくかった人でも手軽にステーキなどの料理の味を、プロの味に近づけることができます。そんなバルサミコソースの作り方のレシピを、料理レシピとともに紹介します。
バルサミコソースとは?
バルサミコソースというと、普段使いするにはちょっと気後れがする高級ソースという印象が強いのではないでしょうか?バルサミコソースのイメージというと、ちょっと高級なレストランで、ステーキをはじめとしたお料理に、お洒落に模様を描いて添えられているソースといった感じかもしれません。
ですがそんなバルサミコソースとはそもそも一体どんなソースなのでしょうか?実際詳しくは知らない人も多いのではないでしょうか?そんなバルサミコソースについて紹介します。
バルサミコ酢で作る
バルサミコソースというだけあって、その材料としてバルサミコ酢を使って作ります。バルサミコ酢とはイタリア特産の果実酢の一種で、ぶどうの濃縮液を原料として作ります。イタリア語で「バルサミコ(バルサーミコ)」とは「芳香がある」という意味で、その名前の通りに独特な芳香をもった酢です。
バルサミコソースはそんなバルサミコ酢を使って作ったソースのことを指していいます。つまりバルサミコ酢があれば、作り方のレシピを知っているだけで自宅でもバルサミコソースは作れるのです。
味は?
バルサミコソースは原料となるバルサミコ酢の芳醇な香りだけでなく、果実酢らしいバルサミコ酢ならではの甘味もあります。そのためバルサミコソースには深い甘味と酸味がバランスよく含まれ、本場イタリアではアイスやフルーツといったデザートにかけて食べるのも一般的なのです。
肉料理と相性がいい
バルサミコソースはサラダやデザートにもかけますが、やはり相性が良いのはステーキなどの肉料理です。牛肉のステーキはもちろん、豚肉や鶏肉とも相性が良いため、バルサミコソースはさまざまな場面で使える万能ソースといえます。肉料理を作るときには、ぜひとも用意したいソースのひとつなのです。
バルサミコソースに使うバルサミコ酢の選び方
バルサミコソースの味の決め手は、やはりどんなバルサミコ酢を選ぶかです。バルサミコ酢はスーパーでもさまざまな種類が売られ入手自体は簡単ですが、その味や香りにはやはり差があるのは事実です。かといって高いバルサミコ酢には手が出しにくいものです。
バルサミコソースに適したバルサミコ酢とはどんなバルサミコ酢なのでしょうか?やはり高いものを選ぶのが一番なのでしょうか?バルサミコソースに適したバルサミコ酢の選び方を紹介します。
原材料がぶどう果汁のみのもの
バルサミコ酢は先にも紹介したようにぶどうを使った果実酢です。そのため原材料にはぶどう果汁のみのものを選ぶようにします。値段が安いに越したことはありませんが、値段の安いバルサミコ酢はその製法だけでなく、「ワインビネガー」や「カラメル(着色料)」、「香料」といった添加物が加えられているものも多いのです。
イタリアではこれらの商品の中には、バルサミコ酢を名乗れない商品も混ざっていますが、日本では全てバルサミコ酢なのです。そのため美味しいバルサミコソースを作るためにも、バルサミコ酢の原料はなるべくぶどう果汁のみ、なければぶどう果汁とワインビネガーのみのものがおすすめです。
製法や熟成年数
バルサミコ酢は、「熟成年数○年もの」と表記されて売られていることもありますが、実際には熟成年数よりも、その製法が伝統に則したものか、原材料に使われているものは何かを確認するほうが、より確実に正統派のバルサミコ酢を入手できる方法です。
原材料は先ほど紹介したようにぶどう果汁か、ぶどう果汁とワインビネガーのみのものがおすすめですが、バルサミコ酢の伝統製法とはどのようなものなのでしょうか?
バルサミコ酢の伝統製法とは、ぶどうの濃縮果汁を酢酸発酵させたら、樽で長期間熟成させて作ります。その間に樽を交換するなど独特な方法もありますが、こういった伝統製法によってあの独特な酸味や甘味、芳香が生まれるのです。
ちなみに高価なバルサミコ酢は、限定品種のぶどう果汁のみを使って伝統製法で作り、さらに12年以上熟成したものもあります。プロの料理人が使うのはこのタイプですが、当然のことながら普段使いには向かないお値段になります。
産地やメーカー
バルサミコ酢の主要な生産地は、イタリアのエミリア・ロマーニャ州のモデナまたはレッジョ・エミリアです。日本ではモデナ産のバルサミコ酢が有名ですが、メーカー以上にバルサミコ酢の格付けを覚えておくと間違いがありません。
バルサミコ酢の中でも最も格が高いのは、「アチェート・バルサミコ・トラディツィオナーレ」で、先に紹介したモデナかレッジョ・エミリアで法律で細かく定められた原料と製法、熟成年数で作られたバルサミコ酢です。プロ仕様のバルサミコ酢のため、価格も相応にします。
その次のランクは原料と製造方法はほとんど変わらないものの、熟成年数だけが12年未満というトラディツィオナーレに準ずる製品です。表記は「トラディツィオナーレ」を伴わない「アチェート・バルサミコ」となっていますが、価格はトラディツィオナーレの半額以下にまで下がります。
バルサミコソースの作り方
バルサミコソースの原料であるバルサミコ酢が決まったら、早速バルサミコソースの作り方を試してみましょう。バルサミコソースの作り方はさまざまなレシピがありますが、簡単で基本的な作り方から2つのレシピを紹介します。
煮詰めるタイプ
バルサミコソースの中でも、まずは最も一般的な煮詰めて作るタイプのバルサミコソースを紹介します。材料もシンプルでありながら、煮詰めることで酢や余分な水分が蒸発して、甘味の増したとろみの強いソースになります。
材料と作り方
- バルサミコ酢200g
- はちみつ(黒糖)25g
- バルサミコ酢とはちみつを鍋に入れ、半分ほどになるまで煮詰めたら完成です。はちみつで作ったバルサミコソースは甘めに、黒糖だとコクのあるソースになります。
ポイント
バルサミコソースは出来立てのときはサラサラですが、冷えるに従ってとろみが出ます。煮詰めすぎると飴そっくりになってしまって、ソースとしての使い方ができなくなってしまいます。煮詰めすぎたときにはまた温めなおしてからバルサミコ酢を入れて、ソースの硬さまで伸ばしてください。
バルサミコソース作りに使う鍋は、ステンレス製のものを使いましょう。アルミ製の鍋は酢と反応してしまうため避けるようにします。またバルサミコ酢に糖分を足しているため、焦げやすくなっています。煮詰めるときは弱火にするようにしましょう。
またガスを使って煮詰めるときは、鍋よりも火が大きいと周りから焦げてしまいます。火の大きさの調節も忘れないようにしましょう。
バルサミコソースにバルサミコ酢の香りを残したい場合は、沸騰しないように気をつけながら弱火か湯銭で煮詰めると香りが残りやすくなります。特に湯銭の場合は沸騰直前で抑えることができるため、時間はかかりますがおすすめの作り方になります。
用途
加熱して作ったバルサミコソースは、ステーキなどの肉料理と良く合います。またレストランで良く見るように、バルサミコソースできれいなラインを引くときには、加熱したバルサミコソースの粘度が活きます。またアイスクリームのようにデザートにかけるときには、この加熱したバルサミコソースがおすすめです。
加熱しないタイプ
バルサミコソースはただ材料を混ぜ合わせるだけでもできます。時短レシピとしても使えますが、使い方次第でとてもお洒落なソースになります。
材料と作り方
- バルサミコ酢大さじ1
- バルサミコクリーム大さじ1.5
- オリーブオイル大さじ1
- バルサミコクリームにバルサミコ酢を少しずつ加えて均等に混ぜ合わせます。
- 1にオリーブオイルを一気に加えたら、軽くサッと混ぜ合わせて完成です。混ぜ終わったときに、オリーブオイルが上に残っているくらいがおすすめです。
ポイント
バルサミコソースを作るときに、オリーブオイルと混ぜすぎないことで、より味にアクセントが付きます。用途に合わせてクリームの量を増やしたり、バルサミコ酢を増やしたりして、微調整すると味の幅が広がります。
用途
加熱していないバルサミコソースは、オリーブオイルと分離しているため、それぞれの味が良い形で主張しあうだけでなく、酸味も飛んでいないため、葉物のサラダや焼いたきのこ類に良く合うおすすめのソースです。
またバルサミコソースで盛り付けのときにスプーンでドットを描くようにソースを落としていくと、オイルの中にバルサミコ酢が模様となって浮き出るので、自然とデザイン性のある飾りとなります。
バルサミコソースで料理の味を格上げするレシピ
バルサミコソースの作り方の次は、バルサミコソースを使ったレシピの作り方を見ていきましょう。せっかくバルサミコソースを作ったのなら、バルサミコソースに合うステーキを始めとしたレシピも楽しみたいものです。バルサミコソースに合うおすすめレシピをいくつか紹介します。
まぐろのバルサミコソースサラダ
- まぐろ(刺身用)1ブロック
- 葉野菜適量
- A・バルサミコ酢大さじ2
- A・赤ワイン大さじ1
- A・砂糖小さじ1
- A・醤油小さじ1
- まぐろを油を引いていないフライパンで、表面の色が変わる程度で全面を加熱します。
- 赤ワインを火にかけてアルコールを飛ばします。残りのAを全て加えてバルサミコソースを作ります。
- まぐろを1cm幅ぐらいに切って、葉野菜と一緒に器に盛り付けます。バルサミコソースを回しかけて完成です。
牛ヒレステーキのバルサミコソース
- 牛ヒレ肉(180g程度)2枚
- 赤ワイン(下味用)大さじ2
- 黒コショウ(下味用)少々
- トリュフ塩(下味用)少々
- にんにく1片
- オリーブオイル大さじ1
- A・赤ワイン大さじ2
- A・味醂大さじ1
- A・バルサミコ酢大さじ1/2
- A・バター5g
- A・塩ひとつまみ
- 牛ヒレ肉は、赤ワインと黒コショウ、トリュフ塩で下味を付け、1時間ほどおいて常温に戻します。黒コショウは表面にだけ振ります。焼く前にキッチンペーパーでドリップを吸い取っておきます。
- フライパンを火にかけてオリーブオイルをひいて、にんにくを炒めます。香りが立ってきたら肉の表面を下にして入れて、中火で3分間焼きます。にんにくは焦げないように肉の上に上げておきます。
- 肉を裏返して2分間焼きます。このときもにんにくは肉の上に上げます。
- バルサミコソースを作る間、焼いた肉をアルミホイルで包み、余熱で火を通します。1分ほどしたらホイルを開きます。滲み出た肉汁は後でソースに混ぜます。
- フライパンにAを入れて、フライ返しでこびりついたエキスをこそぎ落としながら、弱火で煮詰めます。
- 1分ほど煮詰めたら4の肉汁を加えて、さらに30秒ほど煮詰めたらバルサミコソースの完成です。
- 肉を食べやすい大きさに切ったら、器に付け合せ(分量外)と一緒に盛り合わせて、バルサミコソースをかけて完成です。
鮭の白子ソテー バルサミコソース
- 鮭の白子200g
- 塩大さじ1
- 牛乳適量
- 薄力粉大さじ1
- オリーブオイル大さじ1
- ミニトマト2個
- A・バルサミコ酢
- A・醤油大さじ1
- A・みりん少々
- 白子に塩をまぶして、水洗いしてぬめりを取ります。4cm幅に切ったら牛乳に1時間から一晩浸します。
- 白子を取り出してキッチンペーパーで優しく拭いて、薄力粉を薄くまぶします。
- フライパンにオリーブオイルをひいて熱し、白子の両面をカリッと焼きます。Aを加えて絡めたら器に盛って、ミニトマトを添えて完成です。
ポークステーキ・バルサミコソース
- 豚ロース(ステーキ用)200g×2枚
- オリーブオイル大さじ2
- にんにく大1片
- 塩コショウ適量
- A・バルサミコ酢大さじ3
- A・はちみつ大さじ1
- A・醤油大さじ1
- 付け合せの野菜適量
- 肉を筋きりしてから塩コショウで下味を付けます。にんにくは3mmくらいの厚さに薄切りにしておきます。
- フライパンにオリーブオイルとにんにくを入れて中火にかけて、にんにくがキツネ色になったら取り出します。
- 肉を2のフライパンに入れて、両面を色よく焼き上げます。
- フライパンから焼きあがった肉を取り出して、Aを全て入れたら強火にし、煮立ったら火を弱めて好みの濃さまで煮詰めます。
- 皿に付け合わせとともにステーキを盛り付け、ステーキの上に取り出したにんにくとソースをかけて完成です。
牛の切り落としでステーキ丼風バルサミコソース
- 牛切り落とし肉50g
- ご飯1膳
- バター5g
- A・バルサミコ酢大さじ1
- A・醤油大さじ1
- A・砂糖大さじ1
- にんにく1片
- 油小さじ1
- 塩コショウ適量
- ラディッシュ1/2個
- ベビーリーフ適量
- にんにくの半分は薄くスライスして、もう半分はみじん切りにします。
- 温かいご飯にバターを混ぜて、溶けたらお皿に盛ります。
- フライパンに油をひいて、薄切りにしたにんにくが茶色く色づくまで炒めたら、取り出しておきます。
- 3のフライパンで肉を焼いて、軽く塩コショウして火が通ったら、ご飯の上に重ねます。
- 同じフライパンにAとみじん切りにしたにんにくを入れて、軽く煮立てたら4の上にかけます。
- 3のにんにくとベビーリーフ、スライスしたラディッシュを飾って完成です。
バルサミコソースを使えば料理がプロ級に!
バルサミコソースは自宅でちょっとしたステーキなどの肉料理のレシピを楽しむときにはもちろん、サラダなどのさっぱりしたレシピにも良く合うソースです。バルサミコソースはバルサミコ酢を使って簡単に作れるため、バルサミコソースが必要になればすぐに作ることもできます。
バルサミコソースを自作して、ステーキなどの肉料理はもちろん、サラダやデザートまでプロの味わいにしてみませんか?