求肥とは?餅との違いは?求肥の作り方とおすすめレシピも解説

求肥は大福などの和菓子やアイスのような、常温から低温のお菓子に使われる餅とそっくりの食材です。ですが求肥と餅ではその作り方のレシピにはっきりとした違いがあるのです。そのため求肥は餅よりも硬くなりにくく、和菓子だけでなくさまざまなお菓子に使われています。そんな求肥と餅の違いから、求肥そのものの作り方のレシピ、そして求肥を使ったおすすめレシピから代表的な和菓子まで、たっぷりと紹介していきます。

求肥とは?餅との違いは?求肥の作り方とおすすめレシピも解説のイメージ

目次

  1. 1求肥とは?
  2. 2求肥の特徴
  3. 3求肥と餅の違い
  4. 4求肥の作り方
  5. 5求肥のおすすめレシピ
  6. 6求肥を使ったお菓子
  7. 7求肥の特徴や餅との違いを知っておこう

求肥とは?

求肥というと餅のような食感と柔らかさを持った、和菓子の材料のひとつです。ですが求肥と持ちはとても良く似ていて、その違いを知らない人のほうが多いのではないでしょうか?

求肥は硬くなりにくいため、和菓子だけでなくアイスなどのお菓子でも使われています。もちろん通常の大福やあんみつなどの和菓子でも、餅のようでいて実は求肥ということは珍しくありません。そんな餅とそっくりでその実違う求肥について紹介していきます。

求肥の特徴

求肥は餅にそっくりですが、そもそもこの求肥とはどんな食材なのでしょうか?求肥はあまりにも餅とそっくりなため、混同している人のほうが多いことでしょう。そんな求肥がどんな食材なのか、まずは基本的なことから紹介していきます。

求肥は和菓子に使われる

求肥はさまざまな和菓子に使われています。普段私たちが何気に口にしている和菓子の多くは、この求肥を使っているお菓子が多いのです。求肥には餅と違って時間が経っても硬くならない特徴があります。そのため多くの和菓子にこの求肥が使われているのです。

名前の由来

求肥は中国から伝わった「牛皮」が原型といわれています。名前の由来は「牛のなめし皮のように白いことから」とも「当時は黒砂糖を多く使っていたために牛の皮に似ていたことから」といった説があります。

ですが当時の日本では牛を食べる習慣がなかったこともあり、この「牛皮」という漢字を忌み嫌って「求肥」という漢字を当てたといわれているのです。

求肥の製法

求肥は白玉粉あるいは餅粉に、砂糖や水飴を加えて練り上げて作ります。求肥は材料は同じですが、作り方には3通りあるのです。それぞれの求肥の作り方にはどんな違いがあるのでしょうか?

「水練り」と呼ばれる求肥の作り方は、白玉粉や餅粉に水を加えて練り上げたら、そこに砂糖または水飴を足して、加熱をしながらさらに練っていく作り方をします。しっかりと練り上げるため食感が滑らかになり、牛皮特有の柔らかさが際立つ作り方です。

「茹で練り」と呼ばれる求肥の作り方は、白玉粉や餅粉を一度しっかりと練ってから茹でて、その後に砂糖や水飴を加えてしっかりと練る作り方です。

「蒸し練り」と呼ばれる求肥の作り方は、白玉粉や餅粉を先に一度蒸してから、砂糖を加えてしっかりと練る作り方です。蒸し練りの強みは水練りに比べて日持ちしやすい特徴があることです。

求肥と餅の違い

求肥と餅にはその作り方をみてもわかるように、はっきりとした違いがあります。求肥と餅の違いを改めて整理してまとめてみました。

作り方の違い

は蒸したもち米を杵などでついて作ります。それに対して求肥は餅米を先について粉末にした餅粉に、水や砂糖、水飴を加えて練り上げて作ります。求肥は餅と違い作る過程で砂糖や水あめといった糖類を加えるため、餅と違い甘さがあることから、そのままでも美味しく食べることができるのです。

味の違い

先にも紹介したように、餅が餅米の味そのままなのに対して、求肥は作る過程で砂糖や水飴などの糖分を加えるため、甘味があるのが特徴です。そのため餅は素材と合わせた美味しさを楽しむのに適しています。一方の求肥は甘味を足してあるためそのままでも食べやすく、生菓子に良く使われます。

硬さの違い

餅はつけばつくほど柔らかくなりますが、通常はすぐに硬くなってしまう特徴があります。それに対して求肥は砂糖や水飴を足してあるため、餅と違い一週間ほど日持ちするだけでなく柔らかいままです。

さらに餅は冷えれば冷えるほど硬くなりやすく、割れてしまうこともあります。ですが求肥は砂糖の保水性によって、冷めても冷えても柔らかいままという特徴があります。そのため求肥は和菓子はもちろん、さまざまなお菓子にも使われ、アイス菓子にも使われているのです。

求肥の作り方

求肥は和菓子だけでなくさまざまなお菓子にも使われていますが、家庭でも簡単に作ることができるお菓子でもあります。そんな求肥の基本的で作りやすい蒸し練りのレシピと、レンジを使った作り方のレシピの2つを紹介します。

基本の作り方

  • 餅粉150g
  • 砂糖150g
  • 水200g
  • コーンスターチ(片栗粉でも可)適量
 
  1. 蒸し器をふかしておきます。蒸し器がない場合は大きめの鍋に水を入れ、鍋にちょうど入る大きさのふるいを逆さにして火にかけます。
  2. 餅粉と砂糖を良く混ぜ合わせた後に、水を2回~3回に分けて加えて、ダマがなくなるまで混ぜ合わせます。
  3. 蒸し器に布巾などを広げて、生地を流し込みます。蓋をしてから15分間蒸します
  4. 半透明に固まったら、蒸し器から取り出します。
  5. コーンスターチを広げたバットに生地を広げたら、手に付かないようにコーンスターチを振りかけつつ生地を伸ばして完成です。好きな大きさに切り分けてそのまま食べても、他のお菓子に使っても美味しいです。

レンジを使った作り方

  • 白玉粉50g
  • 水90ml
  • 上白糖90g
  • 片栗粉適量
 
  1. 耐熱ボウルに白玉粉を入れて、水を少量ずつ加えていきます。水を加えるごとにゴムベラでダマを潰すようにして混ぜ合わせます。
  2. ダマがなくなったところで残っている水と上白糖を加えて混ぜ合わせ、ラップをしてから600Wに電子レンジを設定して2分間加熱します。
  3. 電子レンジから取り出したらゴムベラで混ぜなおし、再びラップをしてから1分間加熱します。
  4. また電子レンジから取り出してゴムベラで混ぜなおしたら、もう1度ラップをしなおして、今度は30秒間加熱します。
  5. 取り出して混ぜなおすときに、表面につやが出てぼてっと重い感じになるまで「混ぜなおしたら電子レンジで30秒間加熱する」を火傷に注意しながら繰り返します。
  6. 出来上がった生地を片栗粉を広げておいたバットに取り出して、上にも片栗粉をかけてから生地を好みの厚さまで伸ばします。表面にふんわりとラップをかけて乾燥を防ぎつつ、粗熱をとったら完成です。

求肥のおすすめレシピ

求肥は簡単なレシピで作れるお菓子のため、簡単に自作できるだけでなく、さまざまなお菓子レシピに使うこともできます。そんな求肥を使ったおすすめのお菓子レシピをいくつか紹介していきます。普段買うだけのお菓子を、自宅でも作って楽しんでみてください。

豆腐入り求肥いちご大福

  • 餅粉250g
  • 豆腐250g
  • 砂糖50g
  • 水240g
  • いちご15個
  • あんこ適量
  • 片栗粉適量
 
  1. 耐熱ボウルに餅粉、砂糖、豆腐を入れて、豆腐の塊がなくなるまで良く混ぜ合わせます。混ざり合ったら水を加えてさらに混ぜ合わせます。
  2. 600Wのレンジで1を2分間加熱します。
  3. 様子を見ながら加熱しては混ぜるを繰り返して、餅っぽくなるまで繰り返して、求肥を作ります。
  4. 片栗粉を広げた台の上に求肥を出して15等分に切り分けます。粗熱をとっている間にいちごをあんこで包みます。
  5. 求肥の粗熱がとれたら、餡子で包んだいちごを求肥で包んで完成です。

ココアクレープ・ムース生チョコ&求肥

  • 強力粉110g
  • 砂糖(クレープ生地用)30g
  • ココア10g
  • 卵1個
  • 牛乳300cc
  • 白玉粉50g
  • 砂糖(求肥用)10g
  • 水90cc
  • 片栗粉適量
  • 生クリーム(生チョコ用)50g
  • チョコレート(生チョコ用)100g
  • 生クリーム(チョコホイップ用)100g
  • チョコレート(チョコホイップ用)60g
  • クリームチーズ100g
  • 砂糖(チーズムース用)20g
  • A・卵白1個分
  • A・砂糖30g
  • B・卵黄1個分
  • B・砂糖30g
  • B・牛乳80cc
  • ゼラチン5g
  • 水(ゼラチン用)25cc
  • 生クリーム(チーズムース用)50g
 
  1. チーズムースから作り始めます生クリームは8分立てにしておきます。ゼラチンも水でふやかしておきます。
  2. フライパンにお湯を張り火をつけたまま、ボウルに入れたBを湯銭にかけて熱を通しながら殺菌した後、8分立てのメレンゲを作ります。
  3. 鍋にAを入れてよく混ぜ合わせます。このとき牛乳は2回に分けて入れるようにします。混ぜ合わせたら火をつけて、沸騰直前まで温めてふやかしたゼラチンも加えて混ぜ合わせます。
  4. ボウルでクリームチーズを柔らかく練ってから砂糖を加えて混ぜ合わせます。そこに3を少しずつ加えながら混ぜ合わせていきます。よく混ざったら氷水につけて粗熱をとります。
  5. 4の粗熱が取れたところで8分立てしておいた生クリームを2回に分けて混ぜ合わせますメレンゲも同様に混ぜ合わせて、ムース生地は完成です。
  6. 完成したムース生地を型に流して冷凍しておきます。
  7. 生チョコを作ります。耐熱ボウルに刻んだチョコレートと生クリームを入れて、600Wのレンジ30秒から沸騰直前まで温め、少しおいてから混ぜ合わせます。
  8. チョコレートを型に流して冷やして固めます。
  9. チョコホイップを作ります。チョコレートを湯銭で溶かして、生クリームを入れて混ぜ合わせます。チョコが溶けて混ざったら氷水にあてて冷やして、8分立てにします。絞り袋に入れておくと、後の作業が楽になります。
  10. 求肥を作ります。耐熱ボウルに白玉粉と砂糖を入れて混ぜ合わせ、水を少しずつ入れてよく混ぜ合わせます。
  11. ラップをせず600Wのレンジ1分間加熱します。レンジから取り出してゴムベラで混ぜなおし、再び1分間加熱したら、片栗粉を振ったバットに移します。
  12. 温かいうちに麺棒などで伸ばして粗熱をとります。粗熱が取れたら8等分に切っておきます。
  13. クレープ生地を作ります。ボウルに強力粉、ココア、砂糖を入れて混ぜ合わせ、卵と牛乳半分を入れて混ぜ合わせます。しっかり混ざったところで残りの牛乳を入れて混ぜ合わせて生地の種の完成です。
  14. 熱したフライパンで弱火~中火で焼いていきます。お玉で1杯弱を流し入れたら、お玉の背でくるくると広げるときれいに伸びます。
  15. うっすら焼き色が付いたところで縁をフライ返しなどで剥がし、後は火傷に注意しながら手で剥がして裏返します。裏面は20秒ほど焼けば十分です。
  16. 焼けた生地から重ねていって、粗熱が取れるまでおいておきます。
  17. 6と8を冷蔵庫から取り出しておきます。クレープ生地にチョコホイップ、チーズムース、生チョコ、求肥を乗せます。
  18. 生地の左右を折りたたみ、さらに上下を折りたたんだら完成です。

アイス大福

  • 白玉粉60g
  • 砂糖12g
  • アイスクリーム適量
  • 片栗粉適量
  • 水100cc
 
  1. 白玉粉、水をヘラで混ぜ合わせ、滑らかになったら砂糖を加えます。
  2. ボウルにラップをかけて、500Wのレンジ2分間加熱します。
  3. よく混ぜなおしてもう2分間、さらに混ぜなおしてもう2分間レンジで加熱します。
  4. 器に片栗粉を敷いて、求肥全体にまぶします。
  5. 求肥が人肌くらいに冷めたら平たく伸ばして、好みのアイスを包んで完成です。薄く伸ばしすぎると求肥が切れることがあるので、始めは厚めに巻くほうがおすすめです。

求肥を使ったお菓子

求肥を使ったレシピは古くからあるため、さまざまな和菓子レシピが存在します。おやつとして、お茶請けとして、そんな求肥を使った和菓子の中から代表的なものをいくつか紹介していきます。

羽二重餅

羽二重餅は福井県の銘菓として有名な、求肥を使った和菓子です。福井県の名産である羽二重織りにちなんで、求肥で作った和菓子にも羽二重の名を冠して羽二重餅と呼ぶようになったといいます。作り方は求肥そのもののため、なんら変わりません。

大福

大福も長く柔らかいままの求肥で包んだものが増えています。包むのはあんこだけでなく、アイスクリームやいちごなどのフルーツなど、さまざまな種類の大福があります。塩で味付けした黒大豆を練りこんだ求肥で包んだ豆大福も、人気の大福のひとつです。

すあま

すあまは「寿甘」の字を当てたり、紅白のすあまを詰め合わせたりする地域もある、縁起物としても知られている和菓子です。このすあまも求肥でできている和菓子のひとつで、自宅で作る時には食紅などで着色してから、お寿司のようにまきすで巻くとお馴染みの形にすることができます。

丸くしたすあまは、鶴の卵に見立てて「つるのこ(鶴の子)」とも呼ばれる縁起物の和菓子として、中にあんこを入れて作ることもあります。自宅でも試してみてはいかがでしょうか?

練り切り

練り切りは白あんに求肥などのつなぎを加えた練り切りあんを主原料とする生菓子で、中心となる白あんに色付けした後、四季折々の植物や風物詩をかたどった細工を施した和菓子です。祝儀や茶席で使う上生菓子が多いですが、日常的に楽しむ並物もあり、美しい和菓子としても人気です。

あんみつ

あんみつの具としても求肥は欠かせない素材のひとつです。あんこや黒蜜との相性も良く、アイスクリームとの相性も良い求肥は、どんな素材と合わせても美味しいお菓子です。そのためあんみつでも欠かせない具のひとつとして、普通に入っていて当たり前の具材となっているのです。

求肥の特徴や餅との違いを知っておこう

求肥には餅にはない特徴があり、餅と似ていながらはっきりとした違いのある素材です。求肥と餅の違いを知っていれば、和菓子の見方も大きく変わってくることでしょう。求肥と餅の違いを理解して、自宅での和菓子作りにもぜひ活かしてみてください!

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