2019年03月19日公開
2024年09月08日更新
柏餅の葉っぱは食べる?食べない?柏の葉の裏表や包む意味を解説
柏餅の葉っぱを食べるのか食べないのか、疑問に思ったことはありませんか?口コミでは圧倒的に食べないという意見が多いものの、実際に柏餅の葉っぱは食べられるものなのか調査しました。すると、柏餅を包む柏の葉には保存に関わる意外な効能があることが分かりました。また、柏の葉の裏表どちらで巻くのかにも知られざる意味があったのです。柏の葉がないときの代用にできる葉っぱなど、柏餅の葉っぱについて紹介します。
柏餅の葉っぱは食べるべき?
5月の端午の節句に欠かせない食べ物と言えば柏餅ですが、その柏餅を食べるときに多くの人が悩むのが、お餅を包んでいる柏の葉っぱを食べるのか食べないのか、という問題ではないでしょうか?
例えば、同じように葉っぱに包まれているお餅と言えば桜餅があります。ところが桜餅の葉っぱは塩漬けされていますが、柏餅の葉っぱはほとんどの場合、特に味付けされていません。柏の葉っぱはお餅と一緒に食べるべきなのか、そもそも柏の葉っぱは食べられるものなのか、気になる柏餅の葉っぱについて調査しました。
柏餅の葉っぱについて
まずは柏餅を包んでいる柏の葉っぱについて紹介します。柏の葉っぱが使われるようになった所以は、柏の葉っぱがもつ意味にも理由がありました。
柏餅の葉っぱの起源
端午の節句に柏餅を食べる、という風習は江戸時代頃に始まったと言われています。実は、柏餅に使われている柏の葉とは正式には槲(かしわ)という漢字の木の葉っぱで、実際の柏の木の葉っぱとは異なります。柏の木は針葉樹で、その葉っぱはとてもお餅を包めるような形ではありません。
ところが年月を経るにあたって、柏餅は難しい槲という字から簡単な柏という字を使うようにかわっていったのではないかと言われています。
柏の葉は別の葉の代用品だった
さらに、柏の葉っぱはそもそもが代用品だったそうです。柏餅は元々、サルトリイバラという木の葉っぱで包んでいました。
サルトリイバラは主に西日本などに自生していますが、江戸時代の江戸にはそのサルトリイバラの木がほとんどありませんでした。そこで、代用として柏の葉っぱを使って餅を包み、次第にそのスタイルが広まっていったのではないかと言われています。
柏の葉に込められた意味
柏の葉っぱは、とても縁起がいいとされる理由があります。柏の葉っぱは、新芽が育つまで古い葉っぱが落ちません。そのことから、血筋が途絶えない、つまり子孫繁栄につながるとされています。
血筋の持続や子孫繁栄がことさら大切にされていた時代において、柏餅はとても縁起のいい食べ物として江戸時代を中心に民衆へ広まっていったと言われています。
柏餅の葉っぱは食べられる?
そもそも柏餅の葉っぱは食べられるものなのでしょうか?柏餅の葉っぱを食べると体になにか影響があるのか、実際に世間ではどれくらいの人が柏餅の葉っぱを食べるのか食べないのか、口コミも参考にしながら紹介します。
一般的には柏餅の葉っぱは食べない
柏餅の葉っぱは、基本的に食べるものとして処理されていません。例えば桜餅は、塩漬けするなどして食用として下処理された葉っぱで包まれていますが、柏餅の葉っぱは単にお餅を包むものとして使われています。そのため、一般的に柏餅の葉っぱは食べないものとされています。
葉っぱを食べたら体に悪い?
では実際にお餅と一緒に柏の葉っぱを食べると体によくないのでしょうか?その点は大丈夫です。柏餅の葉っぱはお餅と一緒に食べても体に害があるものではありません。そもそも口に入れるお餅を巻いているものですから、もちろんきれいに洗ってある葉っぱを使用しています。
また柏の葉っぱそのものにも有毒性は確認されていません。つまり柏の葉っぱは基本的に食べられる葉っぱであるとされています。ただし食べすぎはよくないという説もあります。ほどほどにした方がよいでしょう。
口コミは葉っぱを食べない派が多数!?
実際に世間では柏餅を食べるときに柏の葉っぱをどのようにしているのでしょうか?柏餅の葉っぱを食べるか食べないかは、口コミでも両方の意見があげられていました。しかし、結果として柏餅の葉っぱは食べないという口コミが圧倒的に多いということがわかりました。
柏の葉っぱは食べないという口コミでは、柏の葉っぱが苦い、あんこのの甘さよりも葉っぱのえぐみが勝ってしまい味が分からなくなる、という味覚の問題や、食べた時に葉っぱの葉脈が口に残り後味が悪いといった食感の問題などが目立っています。
一方、柏の葉っぱをお餅と一緒に食べるという口コミも少数ですがありました。わざわざ葉っぱを剥がすのが面倒くさいという口コミや、そもそも食べないといけないものだと思っていた、食べられるものを残してはいけないと教えられた、など手間や習慣によるところが大きいようです。
柏餅を葉っぱで包む理由
なぜ、食べられるものとは言えほとんどの人が食べないのに、柏餅は柏の葉っぱで包まれているのでしょうか?その理由を紹介します。
香りを楽しむため
柏餅を口に運んだとき、ふんわりと漂う香りがあります。それは柏の葉っぱでお餅を包んでから蒸しているからです。柏餅は葉っぱごと蒸すことで、柏の葉っぱの香りをお餅にうつしています。そうすることで柏餅を食べながら香りを楽しむことができるようになっています。
保存のための抗菌作用として
柏の葉っぱには、殺菌作用もあるとされています。柏の葉っぱに含まれるオイゲノールという成分は抗菌作用があるので、柏餅を保存するために有効です。柏餅は現代のように冷蔵技術が発展していなかった時代でも保存できるように考えれていた食べ物だということです。
お餅の乾燥対策として
柏の葉っぱはお餅の乾燥予防にも一役買っています。お餅をそのまま放置しておくと、外側が乾燥してしまい、どうしても硬くなってしまいます。ところが柏の葉っぱでお餅を巻くことで、お餅の乾燥を防いでお餅を柔らかい状態のまま保存することができます。柏の葉っぱは、江戸時代にはラップ代わりの保存ツールにもなっていたようです。
食べるときに手を汚さずに済む
お餅はそのまま手で持つと、べったりと指に付いてしまうことがあります。柏餅は、お餅を包んでいる葉っぱを持つことで手を汚さずに食べることができます。
柏餅の葉っぱの裏表の意味
柏餅を食べるときに、葉っぱの裏表はどちらが外側になっているものが正しいのか気になったことはありませんか?柏餅の葉っぱは、裏表のどちらが外側になっているものも存在しています。ここからは柏餅の葉っぱの裏表の意味について紹介します。
葉っぱの表と裏に意味はあるの?
柏餅の葉っぱは裏表のどちらで巻くのかに、れっきとした意味があります。実は、裏表どちらで巻くのかで、ある違いが分かるようになっているのです。自宅で柏餅を作るときなど、ぜひ葉っぱの裏表の意味も参考にしながら作ってみてください。
柏の葉っぱの表を外側にしている場合
柏の葉っぱの表側が見えるように巻いてある柏餅は、中に味噌あんが入っているという目印です。柏餅は大きく分けて小豆あんと味噌あんの2種類がありますが、お餅にしてしまうと中が分からなくなってしまうので、和菓子屋などでは柏の葉っぱの裏表で中身を見分けられるようにしているそうです。
柏の葉っぱの裏を外側にしている場合
一方、柏の葉っぱの裏側を外側にして巻いてある柏餅は、中に小豆あんが入っているという目印です。地域にもよりますが、最近は端午の節句に食べる柏餅は小豆あんのものが多いそうなので、柏の葉っぱの裏側が外側になっているものの方がよく見かけるかもしれません。
柏餅の葉っぱは代用できる?
自宅で柏餅を作るときに困ってしまうのが、柏餅の葉っぱの入手方法です。5月に入り端午の節句近くになっても、柏の葉っぱはあまりスーパーなどでも売られていません。そもそも柏の葉っぱはサルトリイバラの葉っぱの代用だったので、サルトリイバラの葉っぱを代用として使用することもできます。
ところがサルトリイバラの葉っぱもあまりスーパーなどでは販売されていないようです。インターネットでは柏の葉っぱや代用のサルトリイバラの葉っぱが販売されているので、柏餅手作り派の人はそれらを購入するとよいでしょう。ただインターネットで販売されている葉っぱは外国産のものが大半なので、安全面で躊躇してしまう人もいるようです。
その場合は、ビニール製の葉っぱも代用品として販売されています。乾燥を防いで保存することができ、葉っぱを使うよりも衛生的といった口コミもあり、あえてビニール製の葉っぱを選ぶ人もいるそうです。柏餅の葉っぱは、各家庭にあった葉っぱを使って代用することができるでしょう。
柏餅の葉っぱは食べない人が多い!
結論としては、柏餅の葉っぱは食べられる葉っぱであるものの、あえて食べないという人が多いということでした。柏餅の葉っぱは食べるために巻かれているのではなく、江戸時代から保存や抗菌といった理由で使われていました。
端午の節句近くになるとたくさん出回る柏餅ですが、ぜひ次に柏餅を食べる機会には柏餅の葉っぱの意味や裏表などを気にしながら楽しんで食べてみてください。