あんぽ柿の栄養と食べ方とは?嬉しい美容効果や干し柿との違いも
あんぽ柿は、昔から渋柿を甘くして美味しく食べる方法として食べられてきました。最近では、優れた栄養成分とその効能から美容やダイエットにも効果があるとして注目を集めてきています。ではあんぽ柿は、どんな食べ方をすれば美味しく栄養が摂れるのでしょうか?今回はそんなあんぽ柿をついて、糖質やカロリー、栄養成分、美容やダイエットに効果のある効能、あんぽ柿の美味しい食べ方から相性抜群のおすすめレシピ、似ているようで実は違うあんぽ柿と干し柿の作り方や見た目・食感などの違いについて詳しく紹介してきます。
あんぽ柿の美容やダイエットに嬉しい効能
あんぽ柿とは?
あんぽ柿とは、渋柿を硫黄で燻製して乾燥させたもので、江戸時代に天日で乾燥させた干し柿を「あまほしがき」と呼んだことに由来しています。渋柿には主に、大粒でやわらかい蜂屋柿や小粒で甘みが強い平核無(ひらたねなし)などを使用します。あんぽ柿の発祥は福島県伊達市であり、伊達市の特産品となっています。あんぽ柿の生産は11月から2月頃が最盛期であり、味は半生のようでジューシーでやわらかい食感が特徴です。
ビタミンAの抗酸化作用
あんぽ柿には、ビタミンAの栄養素が豊富に含まれています。ビタミンAの栄養素は皮膚や粘膜を健康に保つ働きがあり、また眼精疲労やドライアイを防止する効能が期待されます。またビタミンAは活性酸素を除去する抗酸化作用の働きがあり、代謝がアップすることで免疫力を高めて、風邪予防やガン予防にも効果効能があるといわれています。
βカロテンは風邪予防に
あんぽ柿にはβカロテンの栄養素が豊富に含まれており、強力な抗酸化作用を持ち、必要量に応じてビタミンAに変換され、活性酸素を除去して老化予防や視力改善などの効果効能が期待できます。またβカロテンの栄養素は粘膜を丈夫にしたりウイルスの侵入を防いだりと、体の免疫力を高める働きがあり、風邪予防に効果効能があります。
食物繊維には便秘解消効果が
あんぽ柿には、ごぼうやグレープフルーツよりも食物繊維の栄養素が豊富に含まれています。食物繊維は腸内環境を整えて、体の老廃物を排出する作用があるので便秘解消の効果効能があります。また老廃物を排出することによって体に毒素が溜まらず、肌荒れの改善など美容に効果効能を発揮します。食物繊維は胃の中でゆっくり動いて腸まで届くので、食後の急な血糖値の上昇を防いで食欲を抑えるためダイエットにも効果的です。
生柿とあんぽ柿で栄養は変わる?
生柿には、ビタミンAやβカロテン、食物繊維、カリウムなど栄養素が豊富に含まれています。あんぽ柿にするとビタミンCの栄養素は失われてしまいますが、その代わりにビタミンAやβカロテンの量が2倍以上に増えます。ビタミンAの抗酸化作用で代謝を高めて免疫力を高める作用や風邪予防、美容やアンチエイジング効果を期待することができます。
柿は妊婦さんに危険って本当?
柿はビタミンCや食物繊維、βカロテンなど栄養素が豊富に含まれているので、妊婦さんの健康のためにもおすすめの食品です。しかし、柿に含まれているタンニンという栄養素は鉄分の吸収を妨げる作用があります。妊娠中は貧血になりがちなので、鉄分が吸収されなくなると貧血や体の冷えなどを引き起こす可能性があります。妊娠中は1日1個までならOKなので、食べ方に気を付けて食べ過ぎないよう注意が必要です。
あんぽ柿の美味しい食べ方
そのまま食べる
あんぽ柿そのものの美味しさを味わうなら、そのまま食べる食べ方が一番おすすめです。あんぽ柿の水分は生柿の50%ほど含まれており、半生の状態で水分をたっぷり含んでいます。ねっとりした食感で柿の甘さをしっかりと味わえる食べ方です。
あんぽ柿普通サイズのカロリーは126kcalほどです。生柿のカロリーは88kcalなので、あんぽ柿のほうがカロリーが高いですが、ケーキやチョコレートなどと比べると低カロリーで栄養も豊富なので、おやつや間食にぴったりの食べ方です。
冷やして食べる
あんぽ柿はを冷やして食べる食べ方では、ほのかな甘みとしっかりとした食感を楽しむことができます。あんぽ柿の特徴であるねっとりとした食感や濃い甘みが苦手な方には、冷やして食べる食べ方がおすすめです。
冷凍して食べる
あんぽ柿を冷凍する食べ方では、固く凍るので包丁で切って食べます。そのままシャリシャリとした食感を楽しめますが、少し常温で出しておいて溶けたところを食べるとシャーベットのように美味しく頂けます。甘いシャーベットになったあんぽ柿には、おしゃれにアイスクリームやヨーグルトを添える食べ方がおすすめです。
あんぽ柿の栄養を取り入れるおすすめレシピ
クリームチーズと相性抜群「あんぽ柿カナッペ」
あんぽ柿とクリームチーズはとても相性が良く、人気のある組み合わせで作り方も簡単なおすすめレシピです。そあんぽ柿とクリームチーズはそのまま和えても美味しい食べ方ですが、こちらのレシピのようにカナッペにする食べ方にするとおつまみやオードブルにもなり、おもてなし料理にも使える便利なレシピです。
- クラッカーまたはバゲット10枚
- あんぽ柿1個
- クリームチーズ50g
- プレーンヨーグルト150g
- 生ハム5枚
- バター少々
- ドライパセリや黒こしょうお好みで
- バゲットの場合は1cmにスライスし、薄くバターを塗ってトースターでカリカリに焼きます。
- 冷蔵庫で一晩水切りしたヨーグルトと、切ったあんぽ柿とクリームチーズを生ハムで巻いてクラッカーまたはバゲットにのせます。
- お好みでドライパセリや黒こしょうをかけたら出来上がりです。
おやつにぴったり「あんぽ柿のパウンドケーキ」
あんぽ柿と甘納豆を組み合わせた食べ方で、ふんわり和風に仕上げたパウンドケーキの作り方のおすすめレシピです。こちらのレシピでは柚子を使用して柚子の香りが漂い、梅干しの塩気と酸味を隠し味にして和の要素をふんだんに取り入れた食べ方になっています。材料はパウンド型4個分です。
- 小麦粉350g
- ベーキングパウダー5g
- 溶かしバター100g
- 卵6個
- 砂糖150g
- あんぽ柿180g
- ブランデー80cc
- 柚子1/2個
- 梅干し1個
- 牛乳大さじ2
- 甘納豆100g
- あんぽ柿と梅干しはそれぞれ包丁で細かく叩きます。
- 柚子は果汁を絞り、実は薄皮ごと細かく叩きます。外側の黄色い部分をそぎ取って細かく切ります。
- 色がついた部分の材料を混ぜ合わせます。
- ボウルに卵を割りほぐして、ミキサーで白くもったりするまで混ぜます。
- 砂糖を加えて1、2分混ぜ、溶かしバター、色がついた部分の材料を加えて混ぜます。
- 甘納豆を入れゴムベラで混ぜ、小麦粉とベーキングパウダーを加えて粉っぽくなくなるまで混ぜます。
- サラダ油を塗った型に流し入れ、オーブンで30分焼きます。
- 全体がふくらんで竹串をさしてついてこなければ出来上がりです。
あんぽ柿と干し柿の違いって何?
作り方の違い
干し柿の作り方は、渋柿をひもでつるして干して乾燥させるという簡単な作り方で、干すことでタンニンが変化し渋さがなくなります。カビが生えにくいよう一度熱湯で殺菌し、柿同士がくっつかないよう日当たりと風当たりがよいところに干します。10度以下が適しており、1週間ほどで皮が固くなったら何回かもみほぐし、2~3週間ほどで完成します。
一方あんぽ柿の作り方は、干してから殺菌、漂白のために硫黄で蒸します。その後は風当たりのよいところで干し続け、途中でもみほぐしながら1か月ほどで出来上がりです。干し柿の作り方では熱湯で殺菌しますが、あんぽ柿の作り方では硫黄で殺菌するという違いがあります。
水分量や見た目・食感の違い
あんぽ柿と干し柿には、見た目も食感もかなり違いがあります。あんぽ柿は水分量を50%で作るので、柔らかくてジューシーな食感で深い甘みがあるのが特徴です。見た目も綺麗なオレンジ色でぷっくりしています。一方干し柿は水分量を20~30%ほどになるまで乾燥させるので、外皮がしわしわに乾燥して黒く硬くなっていきます。さらに糖分が表面に出てきて乾燥するので、白い粉がついているように見えます。
日持ちするのはあんぽ柿?干し柿?
干し柿は干してあるので日持ちししそうなイメージですが、甘くてやわらかい干し柿になってしまうとあまり日持ちしません。常温保存で2~3日、冷蔵保存で1週間程度ですが、冷蔵庫に入れると固くなってしまうので常温保存がおすすめです。一方あんぽ柿は、水分量が多いので常温では保存できません。脱酵素剤を使用して冷蔵庫で14日程度の保存が可能です。食べ切れない場合は1個ずつラップして冷凍庫に入れましょう。
栄養に違いはあるの?
生柿をあんぽ柿にするとビタミンCの栄養素が失われ、ビタミンAとβカロテンの栄養素が増加する、と先ほど述べましたが、干し柿とあんぽ柿は殺菌や保存のための過程に違いがあるものの、どちらも生柿を干していることに変わりはないので、栄養に特に違いはありません。
カロリーの違い
干し柿1個(32g)の場合、カロリーは88kcalになります。1個50gのあんぽ柿のカロリーは、138kcalです。干し柿にすることで水分が乾燥しますが、水分量の多いあんぽ柿は1個あたりの重さが多く、カロリーも多くなります。ご飯茶碗1杯が235kcalなので、あんぽ柿を2個食べただけでご飯1杯分のカロリーを超えてしまいます。ダイエット中の方は食べ方に気を付けて、1日1個にするなどにしたほうがよさそうです。
糖質の違い
干し柿の糖質量は、100gあたり約57.3gと高糖質の食品です。1個あたりに換算すると約18gくらいになります。あんぽ柿の糖質量は、100gあたり63.8gと干し柿よりさらに糖質量が高くなります。1個あたりに換算すると31.9gになります。生柿の糖質量は14gほどなので、あんぽ柿や干し柿は生柿よりも高い糖質量となり、ダイエット中の方は注意が必要です。
あんぽ柿の栄養や食べ方を知って美味しく食べよう!
いかがでしたか?ねっとりと甘いあんぽ柿について、その栄養成分や体に良い効能から美味しく食べることができる食べ方、あんぽ柿の栄養を美味しく取り入れたおすすめシしピ、あんぽ柿と干し柿の違いについて詳しく紹介してきました。
あんぽ柿には、ビタミンAやβカロテンなど美容やダイエットにも良い効果をもたらす栄養成分が豊富で、そのまま食べる食べ方でも十分美味しいですが、冷やす食べ方や冷凍する食べ方、相性の良いクリームチーズと混ぜる食べ方など、いろいろな美味しい食べ方がありました。ぜひこちらの美味しいあんぽ柿の食べ方やレシピを参考にして、豊富な栄養素を摂り美容やダイエットに良い効果を手に入れましょう!