2019年02月25日公開
2024年09月05日更新
あくまきは鹿児島の郷土菓子!おすすめの食べ方8選や切り方も
あくまきを知っていますか?あくまきはちまきに似た鹿児島の郷土菓子です。少し独特な味のあくまきの美味しい食べ方や保存方法・賞味期限などについて紹介します。また、包丁では切りにくいあくまきの上手な切り方も説明します。あくまきは気になるけど九州は遠くて買いに行けないという方に、自宅での作り方も紹介します。意外と簡単に作れますので気になった方はぜひこれを読んで作ってみてください。
あくまきとはどんなお菓子?
あくまきを知っていますか?あくまきは九州の郷土菓子です。あくまきについて、美味しい食べ方や切り方・保存方法・賞味期限などについて紹介します。また、「あくまきがどのようなものか気になるけど九州は遠くて買いに行けない」という方に、あくまきの作り方も紹介します。
九州の鹿児島県を中心とした郷土菓子
あくまきとは、鹿児島県で作られている、ちまきに似た郷土菓子です。他には宮崎県や熊本県など主に南九州で食べられています。あくまきは一説には江戸時代から鹿児島で作られ、西郷隆盛が保存食として西南戦争に持参し、宮崎や熊本に広まったと言われています。また、山形や新潟でもあくまきと似たような食べ物があり、薩摩藩から商人の貿易船で伝えられたという説があります。
ちまきとも呼ばれるあくまきの由来
あくまきはもち米を使うので作り方や食感はもちもちしていてちまきに似ています。あくまきの「あく」は、「灰汁」と書きます。あくまきは、一晩灰汁に漬けたもち米を竹の皮で包み灰汁で煮て作るためあくまきと呼ばれています。昔は囲炉裏の灰などを使ってそれぞれの家庭であくまきが作られていました。一説には江戸時代に秀吉の朝鮮出兵の際に日持ちする食料(兵糧)として作ったのが始まりと言われています。
他に、農家の田植えの時の保存食という説や、たまたま焚き火に落としたおにぎりが腐らなかったので灰の雑菌繫殖の抑制効果が発見され保存食として作られるようになったという説もあります。あくまきは、冷蔵庫が普及した現在では保存食というよりは郷土菓子として鹿児島を中心とした九州で食べられるようになりました。鹿児島ではちまきというとあくまきのことを指します。
あくまきのシーズンは?
あくまきは鹿児島を中心とする南九州で1年中食べられているわけではなく、シーズンがあります。あくまきはちまきと同じように端午の節句に食べられています。そのため、鹿児島のスーパーなどでは節句の時期には灰汁の瓶詰めや竹の皮などが売られています。九州では郷土菓子として愛されているあくまきですが、端午の節句に食べられる季節菓子であることや若干好みが分かれるくせのある味から土産としては普及していませんでした。
近年九州新幹線の開通により、南九州を観光しやすくなったことから独自性のある郷土菓子として注目されることになりました。また、合成添加物を使用していないスローフードとしても注目され、真空パックされたものが販売されるようになりました。自治体のアンテナショップやインターネット通販でも販売されるようになり、鹿児島県内では通年販売するようになった店もあります。
あくまきのおすすめの食べ方8選
あくまきはちまきと似ていますが砂糖などは使用してないため、そのままではあまり味はしません。また、灰汁で煮ているためアルカリ性が強く、灰汁のエグミという独特の風味があり好みが分かれるところがあります。少々くせのあるあくまきを美味しく食べられるおすすめの食べ方を紹介します。
①きな粉で食べる
あくまきの食べ方で1番ポピュラーなのはきな粉をかけることです。あくまきはもち米を煮たもので食感はちまきのような感じですのできな粉とはよく合います。きな粉に好みの量の砂糖とひとつまみの塩を入れて食べてみてください。きな粉の香りで灰汁のエグミが抑えられ、美味しく食べることができます。
②黒砂糖で食べる
あくまきのもう一つのポピュラーな食べ方は黒砂糖をかけて食べることです。あくまきはちまきやもちに似た食感ですので黒砂糖が合うことは想像に難くないことでしょう。あくまきの独特の味わいが黒砂糖のコクのある風味との相乗効果で美味しく食べることができます。
③黒みつで食べる
あくまきは黒みつをかけて食べるのもおすすめです。黒みつは黒砂糖に水を加えて煮詰めたものですので味は同じですが、粒の残った粉末の黒砂糖とはまた違ったまろやかな食感を楽しむことができます。ぜひあくまきに黒みつをしみ込ませて食べてみてください。
④砂糖醬油で食べる
あくまきに砂糖醬油をつける食べ方は餅と同じような感覚で食べることができます。醬油の香りであくまきのエグミが気にならない組み合わせです。好みで黒砂糖を使うとコクが増します。磯部餅のように海苔を巻いて砂糖醬油をつけても美味しいです。
⑤汁物に入れてすいとんのように食べる
あくまきを豚汁やけんちん汁などに入れて、すいとんのような感覚で食べるのもおすすめです。豚汁などの味噌味にもお雑煮などの出汁醬油味にも合います。鍋の〆として入れるのもよいでしょう。きな粉味などに飽きたらぜひ試してみてください。
⑥わさび醬油で食べる
甘いものが苦手な方にはあくまきをわさび醬油につける食べ方がおすすめです。ちまきのような食感のあくまきとわさび醬油との組み合わせは意外に思う方もいるかもしれませんが、あっさりとして地元の方には定番の食べ方です。お酒のおつまみにも合いますので、お酒が好きな方はぜひ試してみてください。
⑦大根おろしをかけて食べる
あくまきに大根おろしをかけて食べるのもおすすめです。大根おろしとポン酢や醬油などをかけるとさっぱりとして美味しく食べることができます。甘いものが苦手な方はぜひ試してみてください。
⑧揚げ出し餅のように油で揚げて食べる
あくまきは揚げ出し餅のように衣をつけて油で揚げても美味しく食べられます。もちもちした食感のあくまきを揚げて出汁醬油やポン酢などをかけるとお酒のつまみにもなる大満足の一品になります。揚げるとあくまきが柔らかくなるため日にちが経って硬くなった場合にもおすすめです。
あくまきの上手な切り方や保存方法
あくまきは切って食べるものですが、柔らかくもちもちしているので包丁にくっついてなかなかきれいに切ることができません。あくまきの上手な切り方について説明します。また、あくまきの保存方法・賞味期限についても紹介します。
上手に切るコツ
包丁ではきれいに切れないあくまきの切り方にはコツがあります。あくまきは包丁ではなく、包んでいる竹の皮をしばっている細い紐状の皮を使って切ります。切り方は、細い竹の皮をあくまきに一周巻き両端を引っ張ります。この切り方だと上手に切ることができます。また、皮がない場合はタコ糸などを使って同じ切り方をしてみてください。
保存方法
あくまきはアルカリ性の灰汁で雑菌繫殖が抑制され、長時間煮るという作り方で滅菌効果もあり、竹の皮にも抗菌作用があり、保存食として優秀な食品です。では、あくまきの保存方法はどうしたらいいのでしょうか?冷蔵庫のない時代から保存食として作られていたあくまきは常温で保存することができます。ですがもち米で作られているため常温で長期間置いておくと硬くなってきます。
賞味期限内に食べきれない場合、最後まで柔らかい状態で食べるためには冷凍保存しましょう。あくまきは竹の皮から外し、切り分けて一切れずつラップで包みジップ付きの保存袋に入れます。冷凍保存した場合は常温で2~3時間で自然解凍できます。そのまま食べるか電子レンジで少し温めても美味しく食べることができます。
冷凍庫に入りきらない場合は賞味期限内に食べられるときは冷蔵庫に保存してもいいのですが、でんぷんが硬化してあくまきが硬くなってしまいます。その場合はレンジで少し温めると柔らかくなります。皮で包んだまま冷蔵すると皮がくっついて外れにくくなりますので、冷蔵する場合も皮は外して一切れずつラップで包みましょう。
賞味期限
あくまきの賞味期限はどれくらいなのでしょうか?あくまきは江戸時代から保存食として食べられていたという説もあるように保存性が高い食品ですので、賞味期限はある程度長いのではないかと予想されます。あくまきの賞味期限は常温保存で製造から1週間程度、冷凍保存の場合は目安として1ヶ月程度になります。あくまきは常温でも保存性の高い食品ですが、暖かい季節には早めに食べた方がよいでしょう。
あくまきのおいしい作り方
あくまきを売っている店が近くにないという場合はインターネットで通信販売もされていますが、あくまきの作り方は意外と簡単ですので手作りしてみてはいかがでしょうか?あくまきの美味しい作り方を紹介します。
用意する材料
あくまき作りに必要な材料は以下のものになります。もち米1升で12本程度のあくまきができますので、あくまきを煮る大きめの鍋が必要です。
- 竹の皮(15枚程度)
- もち米(1升)
- 木の灰(もしくはあくまき用の灰汁1升)
作り方
前日にあく汁を作ります。鹿児島県内にはそのまま使える液状のあく汁が売られていますが、ない場合は木灰に熱湯をかけて濾して作ります。なめてピリピリする程度に調節します。ボウルに木灰を入れ熱湯を注ぎ、プラスチックのざるに布を敷き下に鍋などを置いて濾します(濾した汁の方を使うので注意してください)。金属のざるは使わないでください。あく汁を常温まで冷ます必要があるので午前中か前々日に作っておきます。
もち米を洗って水切りした後冷ましたあく汁に1晩つけておきます。竹の皮も柔らかくするために水につけておきます。もち米をつけたあく汁は煮るときも使いますので捨てないようにしてください。
- 1晩あく汁につけたもち米茶碗1杯程度を竹の皮の中央に載せます。
- 竹の皮の両端を1/3程度折り曲げて包みます。竹の皮を細く裂いたもので結びます。もち米は膨らむので余裕を持たせて結びましょう。
- 鍋に竹の皮に包んだもち米を敷き詰め、全体が浸かるまでお湯か水を入れます。コップ1杯程度のあく汁も加え3時間ほど煮ます。
- 時々見てお湯が減ったらさし水をします。あく汁を足してもいいのですが入れすぎると苦味が強くなるので気を付けましょう。
1つ開けてみて、飴色になっていてもち米の粒感がなくなっていたら出来上がりです。煮込むのに時間がかかるので地元では庭がある場合は薪で煮る家庭が多いようです。寒い季節ならストーブの上で煮るのもよいでしょう。
あくまきは鹿児島のおみやげにおすすめ!
鹿児島の郷土菓子あくまきの食べ方・保存方法・作り方などについて紹介しましたがいかがでしたか?あくまきは少しクセがありますが好きな方はやみつきになる美味しさです。鹿児島に行ったときはぜひおみやげに購入してみてください。