2019年02月19日公開
2024年09月04日更新
羅漢果(ラカンカ)とは?天然甘味料だが危険な果実の成分や効能!
羅漢果という乾燥させた茶色い果実を見たことがありますか?この羅漢果という果実は、砂糖よりも甘いだけでなくカロリーも低いことから、ダイエットや糖尿病の人に有効な、砂糖の代用甘味料として注目を集めていると言います。しかもこの羅漢果という果実は、甘いだけでなく美容にも良い成分も含むなど、さまざまな効果があると言うのです。一方でこの羅漢果は危険な果実でもあると言います。そんな羅漢果について、さまざまな角度から調査してみました。
羅漢果とは?
羅漢果という名の、直径5cmほどの果実を知っていますか?羅漢果は中国南部の広西チワン族自治区を原産地とする、ウリ科ラカンカ属の多年生つる植物です。この羅漢果という果実はとても甘いだけでなくカロリーも低いため、甘味料の代用品としても注目を集めているというのです。そんな羅漢果がどんな果実なのか、基本的なことからみていきましょう。
甘味料に代用できる
羅漢果は5cmほどの果実でありながら、とても甘い果実です。最近はカロリー0のお菓子や飲料水が増えてきていますが、そのほとんどは人口甘味料を使ったものです。そんな中で天然の代用甘味料として注目を集めているのがこの羅漢果なのです。そんな羅漢果は限られた地域でしか育ちません。一大生産地は中国桂林西南部に位置する永福県・融安県・臨桂県で、羅漢果の育成条件を満たしているこの3県で世界の約9割を生産しています。
砂糖より300倍も甘い?
羅漢果は中国政府の方針により、日本で入手できるのは乾燥果実かエキスに加工されたものかのどちらかになります。そんな羅漢果にはブドウ糖と果糖のほかに、モグロシドという強い甘味成分が含まれているのです。そのため羅漢果のエキスは、砂糖より50倍も甘いと言われています。さらにこのエキスから不純物を取り除き、濃縮・生成した高純度羅漢果エキスは、砂糖より300倍も甘いと言うのですから驚きです。
カロリー
羅漢果自体はブドウ糖や果糖も含むので、完全に0kcalではありません。ですが甘味成分のモグロシドはトリテルペン配糖体やテルペングリコシド配糖体と言われる甘味成分に分類されるもので、人がエネルギーとして利用できない性質があります。そのためモグロシドを抽出したエキスであれば、砂糖より甘い甘味料でありながらカロリーは0ということになります。実際羅漢果は、血糖値が上がらずインスリンも分泌されない果実なのです。
羅漢果とラカントは違う?
羅漢果の写真を見て、「ラカントという商品のパッケージに似たようなのを見たことがある」と思った人もいるのではないでしょうか?ですが羅漢果とラカントでは別物です。正確には羅漢果の濃縮エキスを糖アルコール「エリスリトール」に配合して作られた、サラヤ株式会社が販売している甘味料の正式な商品名がラカントSなのです。
このラカントという商品は、羅漢果の成分を使っていることを前面に押し出し、他の砂糖の代用品として売られている商品と比べても砂糖と比べて十分に甘いこと、天然由来の成分100%であることなどから、非常に優秀な甘味料と言われています。ですがこのラカントは、羅漢果の成分を使っていることを前面に押し出してはいるものの、羅漢果の成分は1%しか含まれていないため、羅漢果とは効果効能も味も別物なのです。
羅漢果の成分と効果6選!
羅漢果は砂糖の代用品として優秀なだけではありません。中国政府が国策として国家保護植物として、生の羅漢果の輸出を禁じるなど厳しい規制を設けているのは、羅漢果が「神果」と呼ばれるほどに優れた効果効能があるからなのです。美容やダイエットにとどまらない、羅漢果の健康効果を紹介します。
抗酸化作用が強く美容効果も
羅漢果は元々南中国の亜熱帯地域に自生していた植物です。原産地は雨が多く、日照時間は短いものの昼夜の気温差が大きく、日中の紫外線量も多い地域です。そのため羅漢果は大量に発生する活性酸素に対抗するべく、高い抗酸化作用を持つように進化したのです。その結果、羅漢果は食品としても活性酸素の抑制効果が高く、活性酸素を原因とするさまざまな病気の予防効果が期待されています。
羅漢果の抗酸化作用は、肝機能障害の予防効果が期待されているだけでなく、高血圧や心筋梗塞といった成人病の予防効果も期待されています。女性の美容効果にも期待がされていて、肌のシミやシワといった老化を軽減し、美肌へと導くことが期待されています。このほかにもアトピー炎を含むアレルギーに対しての改善効果も期待されていて、アレルギーに悩む女性にとって炎症予防効果による美容効果も期待されています。
糖尿病予防に
羅漢果は砂糖の代わりに代用することで糖尿病の予防効果を期待できるだけでなく、すでに糖尿病になってしまった人が砂糖の代わりに代用するのにも向いています。ほとんど人体に吸収されることがなく、エネルギーとして利用できないカロリーを気にしなくても良い甘味であること、血糖値を上げないこともあり、ダイエットにも効果が期待できます。羅漢果は女性の美容のためにも使いやすい甘味料なのです。
ボケ防止に
羅漢果の甘味成分であるモグロシドが、脳関門を通過することができることを、動物実験で確認したことを山形大学の研究所が発表しました。このことにより、羅漢果の高い抗酸化作用が脳内で活性酸素を除去し、ボケや脳梗塞、脳血栓といった、脳で起こる機能障害の予防に期待がかかっています。
整腸作用効果
羅漢果には腸内の善玉菌を増やすことで、腸の環境を整える効果があると言われています。また羅漢果は食物繊維も豊富で、腸内の掃除もしてくれます。腸内の環境が整えば、女性にとっては嬉しい美容効果がいくつもあります。便通が良くなり便秘が治れば、ダイエット効果も得られるだけでなく、老廃物の排出にもつながり美肌効果も期待できるのです。
咳止めの効果
羅漢果は古くから経験則として喉や肺を潤す効果があるとされ、咳を鎮める効果があることが知られていました。そのため日本でも羅漢果のエキスが、のど飴などに利用されているのです。昔から中国で咳止めとして使われてきたことに着目した岡山大学の研究チームの研究で、脳内の活性酸素が除去されることが報告され、この抗酸化作用により、身体の酸化予防だけでなく炎症も抑えると報告しているのです。
ダイエット効果
羅漢果は先にも紹介したように、ほとんどカロリー0の甘味料です。血糖値も上がらないので、ダイエットにも効果的です。活性酸素の除去能力も高く美容にも良く、腸内環境を整えることでもダイエットに貢献してくれます。砂糖に匹敵する甘さを持ちながらほぼカロリー0の羅漢果に替えるだけで、ダイエット中のカロリーダウンに大きく貢献してくれるのです。
羅漢果は危険な果実?
羅漢果の健康効果について紹介してきましたが、一方で羅漢果は危険な果実とも言われています。全ての食材には一長一短があるものですが、羅漢果の場合はどんな危険性があると言うのでしょうか?羅漢果の持つ危険性について調べてみました。
カロリーゼロでも太る
羅漢果自身がカロリー0でも、甘いものを食べたときには脳からドーパミンが分泌されます。ドーパミンが分泌されることに慣れてしまうと、今までの量では満足できなくなってしまい、過食につながってしまうこともあります。いくら羅漢果がカロリー0で甘いと言っても、食べ続けているうちに癖になってしまう危険性があるのです。
依存性が強い
羅漢果を使った甘味を食べたとき、先にも紹介したように脳からドーパミンが分泌されます。ドーパミンは「脳内麻薬」とも称される習慣性があり、甘いものを摂り続け脳のドーパミン分泌が習慣付いてしまうと、先に紹介した過食症「甘い物依存症」となる危険性があります。ほどほどの摂取を心がける必要があるのです。
低血糖の恐れ
羅漢果を使った製品でも、通常エキスは液体のため顆粒に加工するのに混ぜ物をしています。この顆粒に加工された羅漢果製品を使った場合や、羅漢果と他の食品との食べ合わせによっては、血糖値の上昇が低いのにインシュリンが分泌されてしまうことがあります。その結果インシュリンの働きにより低血糖になる危険性があるだけでなく、常にインシュリンが体内にあることによって太ってしまう危険性もあるのです。
アレルギーが出ることも
羅漢果はとても強い抗酸化作用を持っています。その効果で一気に代謝が進む代わりに、稀に発疹や体温の上昇、血圧上昇や血糖値の上昇といった、アレルギーと良く似た症状が出ることがあります。もしこのような症状がでたときには羅漢果の摂取量を減らし、しばらく様子を見ても改善が見られない場合には摂取をやめて医師の診断を受けるようにしましょう。
食べ過ぎは下痢の原因に
羅漢果は大量の食物繊維を含むだけでなく、善玉菌を増やし腸内環境を一気に改善してくれます。その効果の高さから大量摂取した場合には反動も出やすく、逆に胃もたれや下痢などの消化器の不調を招くこともあるのです。いくらカロリー0で健康に良いからといって、大量摂取は逆効果になるので注意しましょう。
羅漢果の食べ方
羅漢果は先にも紹介したように、中国の国策のために乾燥させた果実かエキスなどの加工品でしか入手できません。顆粒に加工されたものなどが通販を始め、数多く出回っているのを見かけます。顆粒は混ぜ物の可能性が高いため、羅漢果の果実を買って煮出すのが、一番確実に羅漢果を摂取する方法と言えそうです。そんな羅漢果の食べ方をいくつか紹介します。
食べ物にかける
羅漢果はそれだけでかなり甘いため、プレーンヨーグルトなどに混ぜても砂糖以上に甘くなります。甘くしたい食べ物にシロップ代わりにかけて、低カロリーな甘味料として使うと良いでしょう。ただし羅漢果100%のエキスの場合は甘すぎることも多いので、使う前に薄めて甘さを調節するのがおすすめです。
飲み物に入れる
羅漢果の甘さを利用して、コーヒーや紅茶にガムシロップや砂糖の代わりに、羅漢果を入れるのがおすすめです。牛乳や豆乳に甘味をつけたい時にも、羅漢果ならば安心して入れることができますが、摂取過剰にならないよう飲みすぎには注意しましょう。
肉や魚の下処理に使う
羅漢果は肉や魚の下味用の調味料に、砂糖の代わりに使うこともできます。もちろん仕上げ用の味付けに使うこともできます。糖尿病で砂糖や味醂といった糖質の摂取を制限されている人には、肉料理や魚料理にも使える、とても使い勝手の良い調味料でもあるのです。
ジュースにして飲む
羅漢果を煮出したエキスをそのまま好みの甘さに薄めて、ジュースとして飲んでもおすすめです。ダイエット中のどうしても甘いものが欲しいときに、羅漢果のジュースで一息つくと良いでしょう。血糖値の上昇もないので、習慣付かない程度に抑えて楽しむのがコツです。
羅漢果は摂取しすぎに注意しよう!
羅漢果はとても健康に良い果実ですが、一方で過剰摂取は依存症を引き起こしかねない危険性もはらんだ果実です。羅漢果を適度な量で生活に取り入れて、砂糖の摂取量を減らし、健康な生活に役立ててください!