2019年01月28日公開
2024年09月01日更新
てんさい糖は害がある?危険と言われる理由と安全性について紹介!
てんさい糖は、ひと昔前まで健康志向の人が安全な砂糖として使っていた甘味料です。今では、スーパーマーケットでも気軽に手に入り、少しでも健康的で安全なものをと考える主婦層にも支持されている砂糖です。そのてんさい糖に害があるのでは?実は危険?という噂が広がっています。ここでは、てんさい糖は本当に害のある危険な甘味料なのか?の疑惑から、てんさい糖の特徴を、上白糖や三温糖と比べながら調査します。また、てんさい糖に含まれている栄養や効果、国産のおすすめのてんさい糖までを一気に紹介していきます。
てんさい糖とは?
何から作られる?
てんさい糖は、甜菜(ビート)の根を原料に作られています。甜菜はサトウダイコンやビートとも呼ばれています。日本では主に北海道で栽培されている作物です。甜菜は食べると甘みがあり、見た目も大根のような形をしていることからサトウダイコンの別名がついていますが、実際には大根と同じアブラナ科ではなくほうれん草の仲間ヒユ科アカザ亜科の植物です。葉の部分は、ほうれん草とよく似ています。
てんさい糖の製造方法は、甜菜から糖分を抽出し、ろ過して煮詰めたものを遠心分離器にかけて結晶と糖蜜に分けます。結晶と糖蜜をそれぞれ乾燥させて、結晶の部分が上白糖やビートグラニュー糖に、糖蜜がてんさい糖になります。糖蜜で作られているてんさい糖は、やさしい甘さとコクが感じられる砂糖です。上白糖と比べてミネラル分も多く、てんさい糖にはオリゴ糖が含まれているのが特徴です。
世界的に使われている
甜菜は地中海沿岸原産で、てんさい糖は、ヨーロッパでも甘味料として使われています。因みに、甜菜の生産量世界第一位はロシアでフランス、ドイツ、アメリカと続きます。日本は生産量16位です。海外では、ヨーロッパや北米など寒冷地で栽培され、世界中で甘味料として料理に使われているとてもポピュラーな調味料です。
てんさい糖の害や危険性とその理由
体に良い安心安全な甘味料として健康志向の人たちの間で使われていたてんさい糖に、実は害や危険性があるという噂が波紋を広げています。てんさい糖に害があると指摘されている内容を検証していきましょう。
危険と言われるのは農薬?
てんさい糖に農薬が使われているという実態です。しかし、スーパーマーケットなどで市販されている国産のてんさい糖のパッケージを見ても、無農薬、無肥料、オーガニック、有機栽培などと表示されているものはどこにもありません。ということは、農薬を使って栽培された甜菜を使って、てんさい糖を製造していることは、少し考えれば分かることです。では、なぜここまで騒がれているのでしょうか?
その主な理由は2つあります。ひとつは、健康食品の店や、マクロビオティックで推奨している甘味料であることから安全なイメージが過大になりすぎている点です。もうひとつの理由は、甜菜はサトウダイコンと別名があるように甘い作物です。甘い作物には、虫が寄ってきます。
その虫を駆除するために農薬が使われるのですが、使う農薬がとても強い農薬であることや、あるてんさい糖を作っている農場の甜菜の栽培環境の酷い実態が告発されたことで一気にてんさい糖のイメージが崩れてしまいました。
危険と言われるのは遺伝子組み換え食品?
てんさい糖に害があるといわれている理由には、てんさい糖の原料になる甜菜が遺伝子組み換え作物ではないか?という指摘があります。実際に、遺伝子組み換えの甜菜を原料に製造されたてんさい糖は存在します。主に海外から輸入されているてんさい糖は遺伝子組み換え種の危険性が高いです。さらに、日本では海外から輸入したてんさい糖が遺伝子組み換え種を使用したものか使用していないものかの表示義務がありません。
では、遺伝子組み換えではないてんさい糖はどのようにして見分ければよいのでしょうか?日本では、遺伝子組み換え種での商用栽培は認可されていないため、国産のてんさい糖であれば遺伝子組み換えの危険性はありません。遺伝子組み換えでない安全なてんさい糖は国産のてんさい糖ですので、国産のてんさい糖を選ぶようにしましょう。
砂糖より健康効果があるのは本当?
色々と騒がれているてんさい糖ですが、ここではてんさい糖の健康効果についてみていきましょう。てんさい糖には、カリウムやカルシウムなどのミネラルやお腹の調子を整えてくれるオリゴ糖が含まれています。これは白く精製された上白糖やグラニュー糖には含まれていない栄養素です。
また、他の砂糖類と比べて、体を温める作用や血糖値の上昇が緩やかなのが特徴です。てんさい糖は、白く精製された砂糖と比べると健康効果が期待できる甘味料です。
てんさい糖の安全性やメリット
上白糖や三温糖との比較
ここでは、てんさい糖を上白糖や三温糖と比較してみていきます。上白糖と三温糖は、さとうきびや甜菜を原料に作られています。さとうきびや甜菜から糖分を抽出し、ろ過して煮詰めたものを遠心分離器にかけて結晶と糖蜜に分けます。分けられた結晶が上白糖や三温糖、糖蜜がてんさい糖になります。
三温糖は、上白糖やグラニュー糖が分離して残ったシロップを繰り返し煮詰めて作られた日本にしかない砂糖です。三温糖は、何度も繰り返し煮詰めるているので色が薄茶色をしているのが特徴です。基本的に、製造方法は上白糖と同じです。色が薄茶色をした三温糖は健康に良さそうと思いがちですが、三温糖は上白糖と同じ成分でミネラルなどは、ほぼ含まれていません。
てんさい糖と上白糖、三温糖を比べてみると、カロリーはほとんど同じですが、含まれているミネラル量に大きな違いがあります。上白糖、三温糖と比べるとてんさい糖に含まれているナトリウムの量は約50倍、カリウムは約17倍のミネラルがてんさい糖には含まれています。
茶色い理由
てんさい糖が茶色い色をしていうのは、蜜を含んだまま高温で乾燥させた天然の色です。ナトリウムやカリウム、カルシウム、リンなどのミネラル分を含んだ状態の自然の色です。茶色い砂糖はてんさい糖の他にも、黒砂糖やきび糖、ココナッツシュガーなどがあります。三温糖は、シロップを何度も煮詰めて作られているので加熱によって付いた色なので別ものです。
てんさい糖の特徴から見るメリット
旨味がある
てんさい糖は、クセのない優しい甘味が特徴です。上白糖と比べると甘味が弱く感じますが、未精製のてんさい糖には、ミネラルなど豊富な栄養素が含まれています。精製されていない自然な甘みや旨みがてんさい糖にはあります。
身体を温めてくれる効果
てんさい糖の原料である甜菜は、寒冷地で栽培されている作物です。一方、サトウキビは熱帯の地域で栽培されている作物です。寒い地域で作られた作物には、体を温める作用が、反対に暑い地域で作られた作物は体を冷やす作用があるといわれています。まさに、砂糖は体を冷やす食べ物の代表です。てんさい糖は、体を温める効果がある甘味料としてマクロビオティックでも推奨されている甘味料です。
天然オリゴ糖を含む
てんさい糖には、腸内環境を正常に整えてくれる天然のオリゴ糖が含まれているのが特徴です。オリゴ糖は、便秘改善に効果的な糖質です。これは、上白糖や三温糖には含まれていないてんさい糖にだけ含まれている栄養素です。
上白糖と同じ様に使える
てんさい糖は、味にクセがないので調味料として上白糖と同じように使うことが出来ます。さらに、てんさい糖は、上白糖や三温糖と比べてGI値が低い食品です。上白糖や三温糖のように血糖値が急激上がる危険もありません。ただ、低GIの食品ではないこと、カロリーは上白糖や三温糖を変わらないことを忘れずにお使いください。
てんさい糖を安心して使うには?
てんさい糖を安心して使うためには、まず遺伝子組み換えではない国産のものを選ぶということ、国産のものでもてんさい糖ができるまでの様子がきちんと分かる会社のものを選ぶのもポイントのひとつです。また、てんさい糖は、ミネラルやオリゴ糖が含まれていて健康効果も期待できる甘味料ですが、カロリーは上白糖とほぼ同じです。てんさい糖の摂りすぎには注意しましょう。
遺伝子組み換えされていない国産を選ぶ
てんさい糖を選ぶ時には、遺伝子組み換えではない国産のてんさい糖を購入するようにしましょう。近年では、海外から甜菜の輸入実績はないようですが、砂糖として入ってきている可能性があります。安全のため国産のてんさい糖を選ぶのが良いでしょう。
安心安全な栽培がされているか知る
てんさい糖を選ぶポイントは、遺伝子組み換えではない安全な国産のものを選ぶようにしましょう。また、国産のものでも、どのような栽培をしていているのか?害のない安心なものかをきちんと調べて、てんさい糖を購入することをおすすめします。
てんさい糖は安心安全な国産のものを選ぼう!
てんさい糖は害がある?危険と言われる理由と安全性について紹介!いかがでしたか?ここでは、てんさい糖についてさまざまな角度からてんさい糖の特徴やてんさい糖に含まれている栄養、てんさい糖が安全な甘味料から危険な甘味料といわれるようになった理由についても解説しました。
てんさい糖を通して、自分の口に入れる食べ物に関して、私達ひとりひとりが責任を持たなければいけない時代なんだと考える機会になりました。日本はまだ、遺伝子組み換え種を使用しての栽培は認可されていませんが、遺伝子組み換えの作物や商品は日本にたくさん入ってきています。そして、知らない間に口にしているのが現状です。自分の口に入れる物、家族の口に入る物が安心安全な物であるよう意識して過ごしていきましょう。