遺伝子組み換え食品はデメリットが多い?メリットや安全性も解説!

皆さんは遺伝子組み換え食品とはいったいどういうものなのか知っていますか?遺伝子組み換え食品という名前を聞いたことはあっても、実際にそれがどのように作られたものなのかはわからない、と言いう方が多いのではないでしょうか。また、遺伝子組み換え食品には、いろいろとデメリットがあるとされていますが、実際のところはどうなのでしょうか?今回は、遺伝子組み換え食品に関する情報やそのメリットやデメリットについて紹介していきます。

遺伝子組み換え食品はデメリットが多い?メリットや安全性も解説!のイメージ

目次

  1. 1遺伝子組み換え食品について知りたい!
  2. 2遺伝子組み換え食品とは?
  3. 3遺伝子組み換え食品は日本にある?
  4. 4遺伝子組み換え食品の危険性を理解して食品を選ぼう!

遺伝子組み換え食品について知りたい!

皆さんは、遺伝子組み換え食品とはどのようなものか知っていますか?健康への影響など気になるところが多い、遺伝子組み換え食品。そのメリットやデメリット、日本で気を付けるポイントについて紹介していきます。

遺伝子組み換え食品とは?

遺伝子組み換えとは?

遺伝子組み換え食品とは何か、名前は聞いたことがあるけどよくわからない、という方は多いと思います。遺伝子組み換え食品とは何かについて説明するにあたり、まずは遺伝子組み換えがどういうものなのか、というのが大切なポイントです。遺伝子組み換えというのは、具体的にはどのような処理が行われているのでしょうか。

生物の遺伝情報は、DNAと呼ばれるらせん状のひもによって伝達されます。このDNAのうち、ある特定の働きをするもののことを遺伝子と呼びます。この特定の働きとは、主に特定のたんぱく質を生成することです。その中で、人間にとって有益な働きを持つ遺伝子を取り出し、別の生物のDNAに組み込むことを遺伝子組み換えと呼んできました。遺伝子組み換え食品は英語の頭文字から、GMと呼ばれることが多いです。

人間は、優れた作物を作り出すために、いろいろな品種を交配させることを古くから行ってきました。この通常の交配では、イネとイネのように同じ種や近い種のもの同士でないと掛け合わせることができませんでした。しかし、遺伝子組み換えにおいては、植物の遺伝子を動物に組み込んだり、動物の遺伝子を植物に組み込むことが可能になっています。

遺伝子組み換えとは、最終的に自然な交配を行わせる通常交配よりも、人為的な作用がかかわったものです。というよりも、人間の手によって無理やり遺伝子を組み込むという作業になります。このことから、遺伝子組み換えによって作り出された魚のことを、人工的に作られた怪物のフランケンシュタインになぞらえて、フランケンフィッシュと呼んだりもします。

遺伝子組み換えによって、作物に持たせる効果として最も多いのが除草剤耐性です。その字の通り、除草剤をかけても枯れない品種を作ることができます。このような作物を作れば、畑にまとめて除草剤をかけても、雑草のみが枯れ、その作物は生き残るので除草の手間を大幅に省いたり、人件費などのコストを削減することができます。

また、ほかにもよく持たせられる性質が殺虫性です。この性質を持たせておくと、その作物を食べることによって害虫が死んでしまうようになります。この性質を持たせれば、殺虫剤の使用量を減らすことができるとされています。

遺伝子組み換え食品のメリット

遺伝子組み換え食品とは何か、少しわかっていただけましたか?その安全性について心配する声がよく聞かれる遺伝子組み換え食品ですが、それらが使用されるようになった理由、遺伝子組み換え食品のメリットはどのようなものがあるのでしょうか?

まず、先ほども述べたように、遺伝子組み換えによって、作物に害虫や除草剤に対する耐性を持たせることが可能になります。それによって、栽培時には肥料や除草剤、殺虫剤などの薬の使用量を少なくすることが可能です。これによって、栽培にかかるコストを削減することができ、作物の大量栽培が可能になります。日常的に食品が品薄となることを避けられるのです。

遺伝子組み換え食品は、人間にとってよりよいものを作ることが可能であり、味が良く、腐敗しにくい食品を作れるようになります。それらを飼料として食べて育った家畜なども、味が良くなるのだそうです。また、栄養成分を向上させたりアレルギー物質を減らしたりなど、一見すると人間にメリットの多いものを作り出すことのできる、素晴らしい技術のように感じられます。

遺伝子組み換え食品のデメリット

先ほどの章で、遺伝子組み換え食品にもいくつかのメリットがあることがわかりました。続いては、人体への安全性はどうなのかなど、遺伝子組み換え食品のデメリットについて紹介していきます。

遺伝子組み換え食品と聞いて一番不安に感じるのが、安全性についてではないでしょうか。遺伝子組み換え食品に影響が出るのは、組み替えた遺伝子の部分のみだと考えられていましたが、実際はほかの遺伝子にも影響を及ぼすことが近年確認されています。遺伝子組み換えによって及ぼされる健康被害としては、内臓への悪影響、発がん性などがあります。詳しくは次の、遺伝子組み換え食品の安全性についてで述べたいと思います。

実は遺伝子組み換え食品とは、人体だけでなく環境にも悪影響を及ぼすものです。これは、殺虫剤や除草剤に対する耐性を持った害虫や雑草が増加し、より効果の強い薬を使用する必要が出てきたために、周辺の土壌や水域が汚染されているという問題です。遺伝子組み換えにより、農薬を自由に使えるようになったことが引き起こした問題であるといえます。

遺伝子組み換え食品の安全性は?

遺伝子組み換え食品のデメリットについて、健康への悪影響があると書きましたが、具体的にはどのような被害が出るのでしょうか?これまで、遺伝子組み換え食品の安全性に関する研究が行われたり、実際に遺伝子組み換え食品による健康被害が確認されています。それらの事例について紹介していきます。

遺伝子組み換え食品による健康被害を明らかにするために、マウスを使った実験が多く行われてきました。これらの結果、遺伝子組み換え作物を飼料として食べたマウスは、農薬散布の有無にかかわらず、主要発生や内臓障害のリスクがかなり高くなることが明らかになっています。また、このような健康リスクが高まることから、平均寿命も大幅に短くなることがわかってきています。

実際の健康被害としては、アメリカで、睡眠障害などに効果があるとして販売されていたサプリメントに、遺伝子組み換えによる成分、L-トリプトファンが含まれていました。このトリプトファンの摂取により、EMSという病気にかかる人が急増したことがあるのです。このEMSという病気は、動けないほどひどい筋肉痛が全身を襲う病気で、1500人が発症し、38人もの死者を出す結果となりました。

のちの調査により、この健康被害はトリプトファンを生成するときに生じた不純物の影響であることが明らかとなりました。このように遺伝子組み換えを行うと、目的の物質とは別の不純物を生成してしまうため、それらを取り除く徹底した管理が必要であることがわかります。

アルゼンチンにおいては除草剤による耐性を持つ遺伝子組み換え作物が増加したことを受けて、飛行機を使った農薬散布が行われるようになりました。このような散布方法は、手間が省ける一方で、周辺地域にも農薬を散布してしまうというデメリットがあります。周辺に存在する飲み水はこの農薬の影響を受け、人間に害のある状態で存在しており、生まれつき臓器や体に障害をもって生まれる子供などが増加しています。

遺伝子組み換え食品は日本にある?

日本における遺伝子組み換え作物の規制

日本において、遺伝子組み換え作物の栽培には特に規制がなされていませんが、これまで地元の農家の人々の反対によって栽培は行われてきませんでした。ですが、食料自給率の低い日本では、食料品の需要を海外からの輸入に頼っているため、国内で流通する多くの食品に、海外で栽培された遺伝子組み換え作物が含まれています。

日本で許可されている遺伝子組み換え作物

日本が海外から輸入を許可している遺伝子組み換え作物は、トウモロコシ・菜種・大豆・綿実・ジャガイモ・てんさい・アルファルファ・パパイヤの8品目のみで、良く流通しているのは、トウモロコシ・菜種・大豆・綿実の4つです。日本国内では、特に遺伝子組み換え作物の栽培は禁止されているわけではありませんが、商業的な栽培は行われていません。ただ、大学や企業による実験的な栽培は行われています。

遺伝子組み換え作物が使用されていたも表示義務がないもの

よく遺伝子組み換えでないと表示された食品をよく見かけます。しかしこれらの製品に全く遺伝子組み換え食品が使われていないとは言い切れません。実際は、組み替えられたDNAやたんぱく質が検査によって検出されないような加工食品の場合、遺伝子組み換え食品という表示をする必要はないのです。ほかにも、遺伝子組み換え作物を飼料として食べた牛や豚などに、遺伝子組み換え作物を食べたという表示をする義務はありません。

遺伝子組み換えの表示義務がある農産物や加工食品

遺伝子組み換えの表示義務のある作物は、日本においては、輸入許可がされているトウモロコシや大豆などの8品目です。さらに、2001年から始まった現行の制度においては、原料のうちそれら8品目の占める量が上位3位以内で5%以上の、加工食品にも表示義務が課されています。豆腐やスナック菓子などがこれにあたっています。

遺伝子組み換え食品から食卓を守るポイント

日本では、大豆やトウモロコシを多く輸入していることを考えると、表示はされていなくとも遺伝子組み換え食品が多く流通していることがわかります。表示がないからと言って、安全だと考えてはいけないようです。

遺伝子組み換え食品の危険性を理解して食品を選ぼう!

今回は遺伝子組み換え食品とはどのようなものか、その安全性ついてまとめましたが、いかがだったでしょうか?日本では遺伝子組み換え食品はそんなに流通していないと思っていましたが、表記されていないだけで実際は多く存在していることに驚きます。メリットもあるものですが、徹底した管理がなければやはりデメリットが大きいのではないか、と感じますし、扱い方には注意が必要だと感じます。

関連するまとめ

新着一覧

最近公開されたまとめ