2018年12月25日公開
2024年08月25日更新
すももの食べ方と栄養・効能を解説!保存方法は?皮ごと食べる?
すももは知名度のわりに食べたことのある方は少ないと思われる果物の1つです。皆さんはすももの旬や保存方法、含まれている栄養や効能をご存知ですか?また、すももを食べるという方はどのような食べ方をしていますか?皮ごと食べたり、塩を振ったり、冷凍したりと様々な食べ方があり、食べ方によって表れる効果も異なります。すもものことをよく知ることですももに興味を持っていただけるかと思われます。こちらの記事では、すももにまつわる様々な情報をまとめました!
すももの食べ方について詳しく知りたい!
皆さんはすももを食べたことがありますか?スーパーではプラムという果物がよく売られていますが、プラムとはすももを英訳したもので、同じ果物です。すももは「李」または「酸桃」と表記されますが、桃がバラ科モモ属なのに対し、すももはバラ科サクラ属です。分類的には、すももは桃よりさくらんぼに近い果物です。
そんなすももですが、皆さんは食べ方をご存知でしょうか?スーパーで売られているので、食べたことのない方には是非買って食べてみていただきたいものですが、せっかくすももを買うのなら美味しく食べたいかと思われます。食べ方や保存方法、含まれる栄養など、すももに興味を持ち食べたくなるような情報を見ていきましょう。
すももの食べ方は?
すももは見た目は桃に似ており、分類上はさくらんぼに似ていますが、どんな食べ方をすれば良いのでしょうか?また、旬の時期はいつで、いつの時期ならスーパーに売られているのでしょうか?食べたことがないと食べ方で悩んでしまいますが、実はすももは様々な食べ方で食べることのできる果物です。まずはすももの食べ方を知り、実際に食べるのに備えましょう。
すももは皮ごと食べても大丈夫
桃を食べる時、多くの方が皮を剥いて食べるので、すももも皮を剥いて食べるのかと思われがちですが、すももの皮は薄いので、剥かずに食べることができます。そもそも、桃は皮が剥きやすいのに対し、すももは表面がツルツルしており、実も小さいので、皮がかなり剥きにくいです。また、多くの果物がそうであるように、すももの栄養も皮に沢山詰まっています。皮の食感が気にならなければ、なるべく皮ごと食べるようにしましょう。
すももの旬の時期は?
すももは「秋姫」「大石早生」「サンタ・ローザ」など、多くの品種が日本で栽培されており、皮が赤いものや黄色いもの、果肉が赤いものや黄色いものなど、特徴も様々です。日本のすももの大部分は山梨県、長野県、和歌山県で栽培されています。山梨県では桃、長野県ではりんご、和歌山県では梅が多く栽培されているので、特徴の似ているすももが多く栽培されているのも納得です。
すももは初春に花が咲き、6月下旬から8月中旬に収穫されるので6月下旬から8月中旬がすももの旬ということになりますが、旬の時期は品種によってばらつきがあるようです。「大石早生」は名前の通りすももの中でも最も早い時期に収穫が始まり、多くの種類は8月中旬までに収穫されます。ですが例外もあり、「秋姫」は9月、「峰満イエロー」にいたっては10月が旬と言われています。
すももの皮の剥き方と種の取り方
すももは皮ごと食べられますが、皮特有の食感が気になるという方も多いでしょう。ですがすももの皮は薄く、実にピッタリとくっ付いており、そのままではなかなか剥けません。皮を剥いて食べたいのでしたら、湯剥きをおすすめします。すももの薄くて実にピッタリ付いている皮は、包丁で切れ目を入れてお湯に10秒つけ、水で冷やしたら簡単に剥けるようになります。10秒程度でしたらお湯につけても食感は変わりません。
すももは桃や梅と似たような種を持っています。すももの種も桃や梅と同じように実にしっかりとくっ付いており、なかなか簡単には取れません。
- 実に入っている筋に合わせて包丁を入れ、種に到達したら包丁をぐるっと一周させます。
- 二つに切れ目を入れて分けた実を両手で持ち、互い違いに捻って実の片方を種から外します。
- これで実の半分に種がまだ付いている状態になりますので、もう一度包丁を入れます。
- 種が残っている実の縦真ん中に、種に到達するまで包丁を入れ、先ほどと同じように互い違いに捻って実の片方を種から外します。
- この段階で種はくっ付いている実からはみ出ている状態になりますので、あとは手で実から種を外します。なかなか外れなかったら包丁を使いましょう。
すももを美味しく食べる方法
すももは甘酸っぱい味が特徴で、品種によって皮に酸味があったり甘味があったりするようです。すももは果実酒やジャムに加工して売られているところをよく見かけますが、生のすももの実を買ったりもらったりした場合、どのように食べたら美味しく食べられるのでしょうか?ここからはすもものおすすめの食べ方です。
丸ごと冷やして食べる
熟したすももはそのまま食べるのが一番おすすめの食べ方です。冷蔵庫で冷やしてから食べると酸味がより爽やかに感じられます。また、冷やして食べた方が皮の食感も気になりません。切ってから冷やすと切り口が茶色く変色してしまいますので、切って食べたい場合は丸ごと冷やし、食べる直前に切りましょう。
塩を振ったり塩漬けにすると甘さが増す
果物の酸味が苦手だという方だと、すもももそのまま食べると酸味が気になってしまうかと思われます。酸味が苦手な方には、塩を使った食べ方をおすすめします。スイカに塩を振ると甘味が増しておいしくなるように、すももも塩を使うことで甘味が引き立てられ、酸味が気にならなくなります。完熟したすももでも酸味が気になるのであれば塩を振って食べてみましょう。
完熟する前のすももは塩漬けにするのもおすすめです。塩に漬けて中まで塩を染み込ませれば、表面だけでなく中も甘くなります。塩漬けの作り方はとても簡単で、沸騰して冷ました塩水とよく洗ったすももを容器に入れ、3日ほど置くだけです。完熟直前のすももは塩漬けにすることでより甘味が引き立ちます。また、まだ青いすももを塩漬けにすると瓜のような味になります。
冷凍してシャーベット状にしても美味しい
すももは果汁が多く含まれており、冷凍するとシャリシャリのシャーベット状になります。シャリシャリした食感と程よい酸味が味わえるので、夏にピッタリの食べ方です。程よい固さになるまで冷凍してそのまま食べるのも良いですが、冷凍したすももはアレンジすることで食べ方のバリエーションが豊かになります。
例えば、冷凍すももをそのまま、もしくは包丁が入るくらい溶かしてから種を取り除いて、氷の代わりにチューハイやソーダに入れるとすももの酸味が溶け出し、炭酸にマッチします。柔らかくなっていくすももをかじりながら飲むのも美味しいです。
また、あらかじめ種を取って、食べやすい大きさに切ってから冷凍すると、ドリンクやデザートにも使えます。すももを冷凍されたままバニラアイスやヨーグルトと一緒にミキサーにかけると、甘酸っぱさがクセになるシェイクやスムージーが簡単に出来上がります。また、冷凍すももをバニラアイスやヨーグルト、パンケーキなどの上に乗せて食べるのもおすすめです。
すももの栄養や効果効能
すももは酸味が強く、いかにも栄養がありそうな味ですが、実際にすももには多くの栄養が含まれています。実際、すももは実だけでなく種の中の核まで漢方に使われています。また、西洋すももの実を乾燥させて作るプルーンは薬局で販売され、妊婦さんが食べることを推奨されています。では、具体的にはどんな栄養を含んでおり、どのような効果効能が期待できるのでしょうか?
すももは疲労回復に効果的
すももが甘酸っぱいのは、すももに「酸」、特にクエン酸が多く含まれているからです。運動をしたりストレルを貯めたりすると疲労の原因である乳酸が体内で作られますが、クエン酸は乳酸を分解する効能を持っています。そのため、すももは疲労回復の効果があるといわれています。クエン酸は熱に強いので、生のすももでなくても、ジャムやコンポートなどの食べ方でも効果があります。
また、すももにはリンゴ酸という栄養も多く含まれています。リンゴ酸にはクエン酸を補助するという効能があり、クエン酸とリンゴ酸の両方を含んでいるすももは疲労回復にうってつけの果物といえます。クエン酸には血行促進の効能もあるため、疲労だけでなく、ケガも早く治るという効果があります。
すももの皮にはポリフェノールが豊富
すももには、体力的な疲労だけでなく眼精疲労を回復させる効果もあります。ポリフェノールの一種でありすももに含まれているアントシアニンは、目の毛細血管を保したり、目に映ったものを脳に伝える色素であるロドプシンを活性化させる効能を持っています。アントシアニンは色の濃い部分に多く含まれているので、目が疲れている時は皮ごと食べた方が効果が期待できます。
すももには食物繊維が多く便秘に効果的
すももに含まれているペクチンという栄養は、腸内の乳酸菌を活性化したり、腸のはたらきを促進したりする効能があります。そのため、ペクチンを含むすももには腸内の老廃物を排出し、便秘を解消する効果があるといわれています。また、ペクチンには老廃物だけでなく、体内の有害な物質を排出する効能もあるので、疲労回復や美肌にも効果があるようです。
他にも、すももには沢山の栄養が含まれています。たとえば、余分なナトリウムを排出して高血圧を予防する効能のあるカリウムや、細胞の発達や赤血球の生産を促す効能のある葉酸などです。また、妊婦さんは葉酸を摂ることでお腹の中の赤ちゃんに神経管閉鎖障害という先天性の障害ができるのを防ぐことができます。
すももの正しい保存方法
すももには多くの食べ方がありますが、沢山もらったり、安いからとまとめ買いしてしまうと、その日のうちに全部食べられないことがあります。また、入手した時点ではまだ完熟しておらず、何日か置いておかなければならないこともあります。すももは傷みやすいので、保存方法が間違っているとすぐに傷んでしまいます。ここからは、すももの正しい保存方法を紹介します。
そもそも、すももはとてもデリケートな果物で、保存方法だけでなく、元々の実の状態次第でどのくらいの期間置いておけるかが変わります。より多くの食べ方を楽しむためにも、すももをスーパーで買う場合は、より鮮度の良いものを選びましょう。
鮮度の良いすももは、皮の色にムラが無く、ハリがあります。手に持って重量感のあるものが美味しくて鮮度の良いすももです。また、すももの表面に白い粉のようなものが付いていることがあります。これはブルームと呼ばれ、果実から自然に分泌されるものです。ブルームは果実の蒸発を防いだり病気から果実を守るはたらきがあるため、ブルームの見られるすももの方が丈夫で新鮮といえます。
すももは熟してくると皮の色が濃くなり、香りが強くなってきます。特に「大石早生」という品種は、皮の色が黄緑から濃い赤色に変わるのでわかりやすいです。その日のうちに食べるために既に熟しているすももを買いたい場合は、皮の色が濃く、より香りの強いものを選びましょう。
すももは常温で追熟させよう
すももは熟していないと酸味が強く、特に子どもは食べづらいかと思われます。入手した時点でまだ完熟していないのであれば、何日か置いておき、追熟させることをおすすめします。すももを追熟させるのでしたら、保存方法は冷蔵庫ではなく常温を選びましょう。すももは乾燥と直射日光に弱いので、日光が当たらず風通しの良いところで保存し、熟すのを待ちましょう。
すももは熟すと香りが強くなり、押すと柔らかさが感じられます。また、皮にシワが見られるようになります。品種や入手した時の状態にもよりますが、4日から1週間程度で完熟の状態になります。果実が熟しすぎると表面が茶色く変色してきます。変色が見られる前に食べてしまうか、保存方法を変えましょう。
完熟したら冷蔵庫で保存しよう
すももは完熟すると、常温ではあっという間に熟し過ぎの状態になり傷み始めます。完熟したら保存方法を冷蔵保存に変えましょう。乾燥や冷蔵庫内の冷気から果実を守るため、新聞紙やキッチンペーパーでくるんで袋に入れ、野菜室で保存しましょう。完熟した状態だと、常温ではせいぜい3日しか保ちませんが、冷蔵庫で保存すると2週間ほど美味しい状態が保たれます。
すももが沢山あり、野菜室に入りきらなかったり2週間で食べきれそうにない場合は、冷凍保存をおすすめします。冷蔵保存と冷凍保存の2種類の保存方法を使い分ければ、すももを冷蔵庫に全て入れることができますし、そのまま食べるものとデザートにアレンジするものとに食べ方に応じて分けておくこともできます。
すももを丸ごと冷凍する場合は、洗って水気をよく切り、ラップで一つ一つくるんでからフリーザバッグに入れて保存しましょう。切ってから冷凍する場合も、水気はキッチンペーパーなどでよく吸い取りましょう。冷凍保存すれば1~2ヵ月ほど保ちます。解凍する時は自然解凍をしましょう。ただし、溶けきると水分が出てビシャビシャになるので、半解凍くらいの状態で食べましょう。
すももの美味しい食べ方を試してみよう!
すももには多くの食べ方があり、栄養も多く、あらゆる効果効能が期待できます。旬や保存方法を知ることで様々な食べ方を試し、すももをより美味しく食べることができます。市販のジャムやコンポート、果実酒も美味しいですが、生のすももを買って好みの食べ方を見つけてみましょう!