2018年10月31日公開
2024年08月14日更新
ひよこ饅頭は東京土産?発祥は福岡?銘菓ひよ子のマル秘を徹底解説!
かわいいひよこの形をしたひよ子饅頭、お土産でいただくことも多いお菓子です。香ばしい皮に甘い白あんが包まれたひよこ饅頭は東京土産だと思っている人が多いようですが、実は発祥元は福岡で、東京と福岡で、どちらの土産物なのか?時々物議が醸し出されることがあります。本当は東京土産なのか?福岡土産なの?真相を探ってみました。そこで銘菓ひよ子のマル秘な話も徹底解説してみました。
ひよこは東京・福岡のどちらが発祥?
可愛らしいひよこの形をした銘菓ひよ子は全国的に有名なおみやげとして、きっと誰もが一度はお土産としていただき、口にしたことがあることでしょう。ではひよこ饅頭、どこのお土産なのかわかりますか?東京のお土産だと思っている人が多いのではないでしょうか?しかし、福岡のお土産だという説もあります。東京も福岡もどちらもひよこ饅頭は自分たちの土地のお土産だと譲りません。本当はどちらなのかを調査しました。
ひよこは東京土産として有名なお菓子
ひよこ饅頭は、全国的にいって、東京土産として広がり、有名になったお菓子の一つです。東京からのお土産としてひよこ饅頭をもらった事がある人も多い事でしょう。そういう背景もあり誰もがひよこは東京土産だと思うのも、当然のことといえるでしょう。
東京で買える銘菓ひよこ
ひよこ饅頭は、東京駅や空港でおみやげ物として販売されていて、東京から地方へ仕事や旅行へ出かける時はおみやげ物の定番となっています。東京限定商品などもあり、東京のおみやげ物として定着しています。
東京駅以外でも、東京都内に大丸東京店を始め、中野区に中野店、練馬区にIMA光が丘店とゆめりあフェンテ大泉学園店 、東京市田無町にASTA田無店、大田区に東急ストア蒲田店、江戸川区にシャポー小岩店、板橋区にハッピーロード大山店と8店舗あります。気軽に買うことができるところも、ちょっとした手土産として人気の理由の一つです。
発祥は東京ではないと度々議論に
ひよこ饅頭が東京土産だと定着しつつあるとき、ひよこは東京土産ではない!と意義を申し立てる地域の人々が出てきて、発祥は東京ではない、ということが度々議論されるようになりました。しかし、東京や近郊では東京土産として定着しているため、発祥も東京だという人もいるのです。
ひよこ饅頭が東京土産ということに対して異議を唱えているのは、福岡です。福岡がひよこ饅頭の発祥の地であり、ひよこ饅頭は福岡土産なのだと、主張しています。東京と福岡、どちらが本当なのでしょうか?
ひよこが東京の銘菓になるまでの歴史
ひよこ饅頭が東京の銘菓となるまでには歴史があります。ひよこ饅頭が生まれたのは大正元年のことです。ひよこ饅頭が生まれて東京銘菓になるまでには、ひよこ饅頭の生みの親ともいうべき人の思いや長い年月などの一口には言い表せない誕生秘話から東京の土産物として有名になるまでの歴史を紐解いてみます。
福岡県飯塚市で生まれたひよこ
ひよこ饅頭の製造販売メーカーは吉野堂です。吉野堂は福岡県飯塚市のお菓子メーカーで、吉野堂の2代目がひよこ饅頭の生みの親なのです。つまり、ひよこ饅頭が生まれたのは福岡県飯塚市ということになります。
吉野堂は明治30年に開業した飯塚の菓子店でした。吉野堂の2代目がもっと愛される饅頭づくりを試行錯誤しているときに夢の中に出てきたひよこを饅頭にすることを思いつき、可愛らしい形をした銘菓ひよ子が生まれたのです。可愛らしい形のひよこ饅頭は瞬く間に地元で人気となりました。
福岡県飯塚市の菓子店で生まれたひよこ饅頭は、それまで丸い形や四角形だった饅頭の形の常識を覆す立体的なフォルムとなりました。このフォルムを生み出すために試行錯誤の末、今のひよこ饅頭の形が成功しました。ひよこ饅頭の発案者の吉野堂2代目が苦労して作り上げた饅頭なので我が子と同様だという思いからひよこではなく「ひよ子」と名前を付けました。
戦時下の中休業を余儀なくされたこともありました。しかし、終戦後製造を再開し、吉野堂の2代目の奥さんがなんとしてもひよこを途絶えさせてはいけないという頑張りで地元では有名なお菓子となりました。
地元飯塚で菓子店として営業していた吉野堂でしたが、時代の流れとともに、炭鉱の町として栄えていた地元飯塚に陰りが見え始めました。このことをきっかけに、吉野堂のひよこは大きく変わっていったのでした。
吉野堂2代目没後、吉野堂の3代目がなんとかひよこ饅頭をもっと広めたいという思いから、福岡市の中心地となる天神、新天町横に店舗を構えたのです。昭和32年2月のことです。この福岡進出を機にひよこ饅頭の人気はさらに加速し、九州銘菓といわれるまでになりました。
可愛らしいフォルムのひよ子饅頭は、福岡でも大人気となり、ひよ子饅頭が焼きあがるそばから売れていくというくらいでした。
その当時は、店員さんが一つ一つひよ子饅頭を手で包装していました。毎日目が回るような忙しさでした。それくらいひよこは世間から注目を集めていたのです。
現在も、天神新天町横に、吉野堂の店舗はあります。今は大きなビルに建て替わり、1階はショップ、2階はカフェ、3階は個展が開けるようなギャラリーになっています。天神の一等地に今尚ビルを建て、店舗を構えている吉野堂です。福岡がひよこの原点ということです。
東京オリンピックの際に県外へ進出
東京オリンピックが行われた昭和39年には、ひよこ饅頭を九州だけではなく、全国的に有名にしたいという吉野堂三代目の熱い思いにより、昭和41年に東京駅八重洲地下街に東京第一号店を出店することになったのです。こうして吉野堂のひよこ饅頭は福岡という土地から飛び出して、県外の東京へと進出を果たしました。
東北新幹線開通で東京銘菓に
東北新幹線が開通すると、東京駅に店舗があることにより、ひよこは東京土産として東北地方へ持っていかれることが多くなり、東京土産として認識されるようになったのです。
現在ではすっかり東京銘菓として定着
東京駅八重洲地下街に出店後は、新宿の有名百貨店やキヨスクなどに出店することにより、お土産として手軽に買い求めることができるようになり、現在ではすっかり東京銘菓として定着するまでになったのです。
ひよこは東京と福岡博多で違いはある?
東京の銘菓なのか?福岡の銘菓なのか?ひよこ饅頭で時々繰り広げられる議論です。では、肝心の中身、ひよこ饅頭は東京と福岡では何か違いがあるのでしょうか?東京のひよこと福岡のひよこを比べてみました。
中身はほぼ同じもの
ひよこの顔やフォルムは同じものです。ひよこ饅頭だけ見たら、東京のひよこも福岡のひよこも違いが判りません。中の餡も、白餡で同じものです。中の餡に関しては期間限定ものや東京限定や福岡限定のものがありますので、限定ものに関しては地域色がよく出ているということになります。
パッケージには多少の違いがある
外側のパッケージを比べてみると、ぱっと見はわかりませんが、左側が東京、右側が福岡のひよこです。よく見ると、ひよ子の文字の上が東京のひよこは銘菓になっていて、福岡のひよこは博多銘菓と印字してあります。
包装の側面にも違いがあり、左側の東京のひよこはひよこ本舗吉野堂とあり、右側の福岡のひよこは博多と書いてあります。地名が書いてるのは博多です。
お菓子についての説明書きは明らかに違いがあります。左のものが東京ひよこの説明書きで、右側が博多ひよこです。説明書きは明らかに違いがあります。
明確に違うのは製造元のみ
福岡のひよこは包み紙に株式会社ひよ子Hとあり、現在本社がある福岡県福岡市南区の住所が印字してあります。現在、ひよこ饅頭の製造販売元吉野堂の本店は福岡県福岡市南区にあります。
東京のひよこには包み紙に株式会社東京ひよこSと書いてあり、住所は東京都台東区上野になっています。他の違いは、原材料名のところの還元水飴と麦芽糖の印字の順番が逆になっていることくらいです。
2012年に生まれて100年を迎えたひよこのCMです。このCMでは、はっきりと福岡生まれといっています。
ひよこが生まれて100年のCMに対して、東京ひよこのCMは、ひよこは東京土産と明言しています。ひよこはやはり東京土産としても宣伝されています。
ひよこは東京と福岡は細かく言えば製造方法もちょっとだけ違う
可愛らしい形と優しい甘さのひよこ饅頭は東京と福岡では細かく言うと製造方法が少し違うのです。まずは、ひよこ饅頭がどうやってできるのかを見てみましょう
製造過程はこのようになっていますが、やはり、東京と福岡では、気候や湿度の違うということが関係していこともあり、東京に出店する際に工場での製造にはかなり気を使っています。
本来、ひよ子は焼き上がってから三、四日後頃に、餡と皮がなじみ、味のバランスが一番よくなるように作るのですが、飯塚の高い湿度に比べ、関東の空っ風といわれる乾燥した風土の違いを味作りに、どう生かすか。ここが「工夫」のしどころでした。 新しい土地柄の中で、九州でも、東京でも品質には、変わりはないのですが肌合いのしっとりした感じと焼き色に、東京らしさを工夫しました。
このように、ひよこ饅頭を博多も東京も同じ味にするために、吉野堂は気候や湿度を考慮し、工場での製造方法は福岡の工場と東京の工場では違いがあります。原材料の表示の順番にその違いが出ているということです。
この製造違いが、東京のひよこと博多のひよこは、並べてみるとその違いが目で確認ができます。左側が博多ひよこで右側が東京ひよこです。皮の厚みや白餡のつまり具合に微妙な違いがあります。
東京ひよ子と博多ひよ子重さに違いはあるの?
皮の厚みや餡のつまり具合に微妙に差があるような感じがする東京ひよ子と博多ひよ子ですが、重さに違いがあるのかどうかを調べてみました。
東京ひよこの重さは36gでした。だいたいどれも同じ重さなので、東京ひよこは36gで決まっています。
博多ひよこは東京ひよこより2g重い38gでした。確かに見た目も微妙に博多ひよ子が大きい感じがします。
ひよこのおいしさの秘密はこだわりの素材
餡の元となる隠元豆は大きさや味などこだわったものを厳選しています。隠元豆から作った白雪餡に砂糖や卵黄を加えて練りこむことで美味しい黄身餡に仕上がるのです。ひよこの中の餡は白餡ではなく、黄身餡なのです。
ひよこのおいしさの秘密は皮の香ばしさにもあります。ひよこ専用の粉として製粉された小麦粉を使っています。ひよこ専用の粉に上白糖と卵などを混ぜ合わせることにより、香ばしい皮になるのです。この香ばしい皮はひよこだけのものです。
東京ひよこと福岡ひよこの工場
ひよこの東京工場は埼玉県草加市にあり、工場見学は出来ませんが、工場に併設された直売所で定価の10パーセント割引で商品を購入することができます。
福岡県飯塚市の工場では工場見学ができます。幼稚園や小学校等の団体での工場見学はもちろん、個人のでの申し込みで見学することもできます。水曜日、日曜日以外の9時30分からと10時30分からと1日2回行われています。所要時間は約40分。工場見学の際は予約が必要です。
工場見学ができるのは福岡県飯塚市の穂波工場です。工場見学は無料です。駐車場もあるので車で出かかても安心です。近くまでバスもあるので、交通機関で行く方にも便利です。
東京の工場も福岡の工場もそれぞれの地域にあったひよこを作っているということで、ひよこを愛する吉野堂の人たちの愛情は同じということです。
東京ひよこ博多ひよこの限定の種類
中身が白餡のひよこ饅頭は東京も福岡もほとんど違いがありません。しかし、東京ひよこも博多ひよこも地域色を出すために限定ひよこを出しています。それぞれ、東京、博多でしか購入できない商品となっています。
東京限定の塩ひよこです。塩小豆餡のひよこ饅頭で、地域限定でもあり、期間も限定されています。甘じょっぱい餡が大人にも子供にも人気となっています。販売期間は初春から夏にかけてです。
東京スカイツリー限定のひよことして紅茶ひよこが販売になりました。平成24年5月のことです。現在は通販でも購入できず、スカイツリータウン・ソラマチ・イーストヤード4階「空の小町」のみでの販売となっています。
福岡のひよこも地域限定のひよこがあります。こちらは博多あまおうを使った苺ひよこです。苺の中でも最高級品の博多あまおうをひよこに取り入れるところは、吉野堂の自由な発想が生きていると言えます。冬のみの期間限定商品です。
饅頭以外の商品もひよこの形
ひよこは饅頭以外にもひよこの形をしたお菓子があります。夏限定のひよこプチデザートです。ストロベリー、マンゴーなどのフルーツ味4種類のゼリーです。名水百選に選ばれた福岡県うきは市の清水湧水を使い水にもこだわっています。
ひよこのフルーツデザートです。ゼリーの中に梅、キンカン、ぶどうが入っています。こちたも夏季限定商品です。果物が丸ごと入っていて、人気商品の一つです。
ひよこの形をしたプリンです。黄色い色がひよこ色で可愛らしいと人気のプリンです。塩キャラメルソースも人気の秘密です。
東京ひよこは誕生して50年
東京のひよこ饅頭は東京ひよ子として会社形式になっています。ひよ子饅頭を全国に広めたかった吉野堂の3代目の想いが詰まった東京ひよ子ということです。東京ひよ子としては50年です。
ひよこは東京でも福岡でも美味しい!
ひよこが東京なのか福岡なのかで議論が度々あるので、ひよこの誕生秘話から東京進出に至るまでや違いを調べてみました。いかがでしたか?東京でも福岡でも、ひよこが銘菓だと言い張るほどひよこ饅頭は多くの人に愛されているということです。食べ比べてみてもひよこは東京でも福岡でもおいしいということに変わりはありません。これからもますます多くの人に愛され続けるひよこ饅頭となるでしょう。