天ぷらの名店「みかわ是山居」はミシュランに認められた店!予約は出来る?

天ぷらは、日本人だけではなく外国人にも人気の日本料理の1つです。天ぷらは家庭料理としても馴染みがありますが、最近では高級料理として専門店も多く登場しています。「てんぷら みかわ」は江戸前天ぷらとして人気のある天ぷら屋の1つです。中でも門前仲町にある「みかわ 是山居」はミシュランで星を獲得したこともある予約必至の名店です。「みかわ」は是山居の他に、茅場町と六本木に各1店舗、秋田市内に1店舗、店を構えています。今回はみかわ各店舗の特徴や魅力について紹介していきます。

天ぷらの名店「みかわ是山居」はミシュランに認められた店!予約は出来る?のイメージ

目次

  1. 1天ぷらの名店「みかわ」について徹底調査!
  2. 2門前仲町「みかわ是山居」はミシュランが認めたグルメ店
  3. 3天ぷら「みかわ」の他の店舗が知りたい!
  4. 4ミシュランも見とめた名店みかわの天ぷらを味わおう

天ぷらの名店「みかわ」について徹底調査!

天ぷらとは、小麦粉と冷水、卵で作った衣に、小麦粉をまぶした野菜や魚介類をくぐらせて油で揚げた料理です。江戸時代には蕎麦、寿司と合わせて「江戸の三味」と呼ばれていました。江戸時代前期に書かれたとされる料理本「料理献立抄」には、現在の天ぷらとほぼ同じ調理法が記載されていると言われています。

この頃の天ぷらは屋台で食べるものでしたが、幕末頃からは店舗として天ぷら屋が構えられるようになってきました。最近では、天ぷらは店舗で食べることが当たり前になってきています。そして、今ではフランスのミシュラン社が発行しているガイドブックである「ミシュランガイド」で星を獲得し、予約を取ることも困難な名店も存在します。

「てんぷら みかわ」は1976年、茅場町から始まった江戸前の天ぷら専門店です。創業者の早乙女(そうとめ)哲哉氏は「天ぷらの神様」とも呼ばれ、テレビや雑誌で数多く取り上げられています。早乙女少年はもともと寿司屋に弟子入りする予定だったところが、縁あって天ぷら屋に弟子入りすることになったと言われています。そして独立後、茅場町店をオープンすることとなりました。

みかわは現在都内に、茅場町店の他にも江東区門前仲町にあり、2011年にミシュランで星を獲得したこともある「是山居(ぜざんきょ)」や港区六本木にある「六本木ヒルズ店」、また秋田市内には是山居から唯一暖簾分けを許された「秋田てんぷらみかわ」もあります。どれも予約必至の名店です。

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門前仲町「みかわ是山居」はミシュランが認めたグルメ店

ミシュランで星を獲得した経験のある「みかわ是山居」が門前仲町にオープンしたのは2009年4月、初代店舗である茅場町店がオープンした33年後のことです。「是山居」の「山居」は、鎌倉時代初期の曹洞宗の開祖である道元禅師と呼ばれる僧侶が残した、修行に対する思想を表した言葉と言われています。

門前仲町は、富岡八幡宮など著名な仏閣を有する富岡に隣接した門前町として栄えた町です。是山居は、都営大江戸線の門前仲町駅、東京メトロ東西線の門前仲町駅から徒歩10分程度、「御成街道」沿いの閑静な住宅地にあります。御成街道とは、かつて将軍が通るために整備されていた江戸のメインストリートのことです。

早乙女氏は何十年も前からこの門前仲町で天ぷら店を開くと決めていたといいます。座席数は1階カウンター席が10、2階掘りごたつ個室と通常の個室合わせて20の計30席となっています。

「みかわ是山居」天ぷらへのこだわり

みかわでは、東京湾で獲れた魚を使った江戸前の天ぷらを味わうことができます。東京湾は波が穏やかだったり、河川から流れ込む植物プランクトンが豊富だったりと、天ぷらに適した魚の生息地となっています。

「天ぷらを科学する」は、早乙女氏の有名な言葉です。早乙女氏の天ぷらは、論理的かつ科学的な考えのもと作られています。早乙女氏は天ぷらを揚げるとき、まず最終形態をイメージするといいます。そして、その最終形態に向かってどのように調理をしていけばいいのか、を考えます。まさに科学の世界といえます。

早乙女氏は長年の経験から、油に脱水作用があることに気づいたそうです。「天ぷらは食材を油で揚げる料理ではなく、衣や食材が持つ水分で食材を蒸し、水分が抜けたところへ油が入り込んで食材を焼く料理なのだ」は、早乙女氏は多くのテレビや雑誌の取材、著書で語っています。

そのため、食材の水分量に合わせて衣の付け方や揚げ方を変える必要があります。初代店舗である茅場町店には、早乙女氏が天ぷらの調理法を書き記した巻物が残されています。そこには、各食材が一番美味しいと感じられる温度や加熱時間など天ぷらに関する技術が記されています。

みかわの天ぷらは、衣や揚げ油にもこだわっています。基本的な天ぷらの衣は、小麦粉と水と卵で作られますが、みかわの天ぷらの衣は、粉と水と空気は1:1:1の割合になるように作られています。混ぜる時もただぐるぐるとかき混ぜるのではなく、グルテンができないように繊細に仕上げていきます。

揚げ油も毎日一緒というわけではありません。みかわで使われている揚げ油は、サラダ油とごま油をブレンドしたものですが、夏の暑い日はサラダ油を多め、冬の寒い日はごま油を多めなど日によって微妙に変えられています。こうすることで、その日にベストの天ぷらを提供することができます。

「みかわ是山居」のメニューや値段は?

ミシュランで星を獲得した門前仲町のみかわ是山居で食べられるのは天ぷらのコース料理です。お昼は「御昼食コース」か「おまかせコース」、夜は「おまかせコース」のみとなっています。

みかわ是山居の「御昼食コース」は、付出しとして通常3点盛りが出されます。次に車えび2本、車えびの兜2つ、きす、季節のいかとして夏場は煽りいか、冬場は墨いかが提供されます。

お吸い物を挟み、口直しの野菜、目ごち、穴子、野菜2品と続きます。こちらの野菜は、好みのものを選ぶことができます。〆の食事は、小天丼か天茶を選ぶことができます。小天丼の場合は蜆の椀物がつきます。香の物とデザートも付いています。値段は12,420円です。

「おまかせコース」は、付出し、車えび2本、車えびの兜2つ、きす、季節のいか、お吸い物の後に、うにの大葉巻きが提供されます。口直しの野菜の後、旬の魚が提供され、目ごち、穴子、好みの野菜2品と続き、蜆椀付き小天丼か天茶、香の物、デザートが出されます。値段は19,440円です。会計はカードを利用することができます。

みかわ是山居で提供される飲み物の種類はあまり多くありません。ビール、日本酒、ワイン、ソフトドリンクです。ビールは、瓶ビールのみとなっています。日本酒は燗用と冷用の1種類ずつ、ワインも赤、白、シャンパン合わせて数種類のみとなっています。

「みかわ是山居」で食べたいおすすめメニュー

ミシュランで星を獲得した経験のある門前仲町のみかわ是山居で提供されるどの天ぷらも、食材や揚げ方にこだわりがあり、唯一無二とも評されることが多いのですが、特におすすめのメニューを5品紹介します。

まずおすすめ1品目は、各コースで最初に出される車えびです。車えびは、生長と共に呼び名が変わります。30g以下のものは、小さいものから「小巻」「才巻」、30g以上のものは「車」「大車」と呼ばれます、是山居では才巻えびが使われています。

車えびは、胴体部分と兜部分で全く異なる調理法で揚げられます。早乙女氏の長年の経験から、えびの甘味を最大限に引き出せる温度は45〜47℃であることがわかっています。そのため中心温度がその温度になるように、胴体部分の揚げ時間はわずか20秒程度で、身は完全に火が通っておらずレアな状態で提供されます。

一方、兜部分は甘味ではなく香ばしさを引き出すため、胴体部分の倍ほどの時間をかけて揚げられます。

おすすめ2品目は、きすです。天ぷらの美味しさは、食材の水分量を上手にコントロールできるかで決まります。きすは、身の部分と皮の部分で水分量が異なるので、身と皮、どちらを食べても一番美味しいと感じるように、身の部分だけに生粉が打たれています。

また、きすは水分が多く、その水分がきすの美味しさを邪魔しています。きすの水分でしっかり食材を蒸した後は、時間をかけてじっくりじっくり揚げることで水分を抜いていきます。

おすすめ3品目は、コース終盤で出される穴子です。皿からはみ出さんばかりの大きさの穴子に驚くことでしょう。穴子の皮にはぬめりがついており、これをどのように処理するかで美味しさが決まります。同じ魚でも、きすは生粉を打ちましたが、穴子は打ちません。

身はある一定の水分を保ったふっくらとした食感に、皮は香ばしく焼ける頃合いを見計らって揚げていきます。皿に乗せられた穴子は、目の前で早乙女氏によって真ん中に箸を入れられます。箸を入れた瞬間に身に詰まった水分が湯気となって立ち上る様子は圧巻です。

おすすめ4品目は、アスパラガスです。アスパラガスは上と下で繊維の硬さや香りが違います。上の部分は柔らかく香りが強いので短めに、一方、下の部分は固く甘味があるのでじっくり揚げて甘味を引き出します。コースの野菜は好みのものを選ぶことができるので、是非選んでください。

最後のおすすめ5品目は〆の天丼などで出される貝柱のかき揚げです。早乙女氏は、このかき揚げを揚げることが最も難しいと言っています。かき揚げの衣には火を通し、貝柱には余熱で火を通す程度でレアな仕上がりになるように、衣の分量や揚げ時間を見極めます。まさに熟練のわざと言えます。

「みかわ是山居」は予約できる?

門前仲町のみかわ是山居は完全予約制のお店です。ミシュランで星を獲得した経験もあることから、予約を取ることがなかなか難しくなっています。電話で予約する他にもネットで予約することも可能です。ネット予約は是山居の公式ホームページからできます。

是山居では、2日前から食材の仕込みが行われるため、前日の場合は5,000円、当日の場合は10,000円のキャンセル料が発生しますので、注意が必要です。

営業時間は、昼の部は11時半から14時半で1時間半完全入れ替え制、夜の部は17時から21時で2時間完全入れ替え制となっています。オーダーストップは、各回終了時刻の30分前です。定休日は水曜日です。

「みかわ是山居」は芸術も楽しめる

門前仲町のみかわ是山居を訪れたお客さんは、「是山居では芸術も楽しめる」と口にします。まずは外観、ビルの外壁に木で作られた壮大なアートがあります。店の入り口には、店名が書かれた大きな看板があります。この看板は、人間国宝である染色工芸家、芹沢銈介氏によってかかれたものです。

店内に入ると、その時々の美術品が出迎えてくれます。1階のカウンター席の天井には、早乙女氏のトレードマークであるボルサリーノの帽子の形をした換気扇が取り付けられています。

2階の個室には、様々なアーティストによるこだわりの襖や表具が使われています。また3階には、美術品を展示したサロンになっておりお茶室も併設されているため、待ち合わせや食後の休憩などにも利用できるようになっています。お店で使われている食器類も、様々なアーティストによって作られた作品です。

他にも早乙女氏自身によって水墨画で描かれた魚の絵付きのお品書きや、明治時代の早稲田大学の修了証明書で作られたロールカーテン、焼き物で作られた石のオブジェなどが飾られています。是山居はまさに建物全体が美術館といえ、ミシュランで星を獲得するのにふさわしい店といえます。

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天ぷら「みかわ」の他の店舗が知りたい!

「てんぷら みかわ」の店舗はミシュランで星を獲得した門前仲町の是山居以外にも3店舗あります。ここからは、それらの店舗について紹介していきます。

全てはここから始まった「てんぷらみかわ茅場町店」

栃木出身の早乙女少年は、中学卒業後に寿司職人になるために上京してきました。当時は、会社勤めをするより、職人になった方が給料が良かったそうです。上京し、寿司屋に面接に行く前に天ぷら店「天庄」で食事をとったところ天ぷら屋で修行してもいいかということになり、天庄にそのまま弟子入りすることになったそうです。

15歳から弟子入りした早乙女少年は、17歳くらいから揚げ場に立ち、自分で天ぷらを揚げていたといいます。負けず嫌いの性格もあり、1日も仕事を休んだことはないといいます。修行してから14年余り、1976年に独立してオープンさせたのが、茅場町店です。茅場町店は東京メトロ東西線の茅場町駅、または日比谷線の茅場町駅から徒歩3分のひっそりとした路地裏にあります。

茅場町は昔から商人の街として栄えており、現在もビジネス街として知られています。厨房を囲むような8人掛けのL字のカウンター席と4人掛けのテーブル席が3つの小さなお店です。内装は、是山居のようなアーティスティックなものではなく、純和風の昔懐かしい天ぷら店です。

初代店主の早乙女氏は、33年店主を務めた後、2009年に門前仲町に是山居をオープンさせたのに合わせて店主を息子の早乙女具視(ともみ)氏に譲りました。

早乙女氏は修行時代、休みになると東京芸術大学へ遊びに行っていたそうです。そして数多くの芸術家と交流した経験から、17歳の頃には「自分の好きなアーティストに店をつくってもらって、その中で自分もアーティストとして天ぷらを揚げる」という夢を持っていたそうです。門前仲町の是山居は、早乙女氏の長年の夢が詰まった店舗なのです。

茅場町店でも、是山居と同様、おまかせコースをいただけます。ランチはリーズナブルな「ランチ天ぷら定食」と「ランチ天丼」がいただけます。どちらも税込1,200円です。長い歴史があり、ミシュランで星を獲得した経験のあるお店の天ぷらをこの価格で食べられるのはお得です。ただし、ランチの数には限りがあります。

夜は予約をした方が良いですが、昼であれば予約なしでふらっと行っても運良く入ることができます。茅場町の近くに行くことがあれば、是非立ち寄ってみてください。 定休日は水曜日で、営業時間は、ランチは11時半から13時半、ディナーは17時から21時半です。日曜日と祝日の場合は、ランチは12時から13時半、ディナーは17時から21時です。

高級感ある贅沢な店「てんぷらみかわ六本木ヒルズ店」

2店舗目は、六本木ヒルズの3階にお店を構える「みかわ六本木ヒルズ店」です。六本木ヒルズの真ん中に「けやき坂通り」という通りが通っていることから「けやき坂通り店」とも呼ばれています。座席数は22席と茅場町店に比べたら少し広いですが、行く日が決まっているのであれば予約をした方が良いです。

店内は、「現代の琳派(りんぱ)」と呼ばれる13名のアーティストによる芸術品で彩られています。一般的に絵画の世界は、「◯◯派」と呼ばれる家元制で代々引き継がれています。一方、琳派は家元制ではなく、ある人を心の師として尊敬し、模範することによって学び、後世へと伝えられていった派です。

六本木ヒルズ店も、門前仲町の是山居に負けず劣らずのアーティスティックな空間となっています。まず雀が行き交う黄金の壁が出迎えてくれます。看板やメニュー表が無いため、お店とは思えない外観です。内装も個性的なデザインになっており、食事を楽しむだけではない空間が出来上がっています。

六本木ヒルズ店のランチには、2,000円のリーズナブルなものから3,000円の天丼、5,000円から7,000円の定食、10,000円のおまかせコースがあります。リーズナブルなものは早めになくなってしまうこともあります。ディナーはおまかせコースのみです。

六本木ヒルズ店の営業時間は、ランチは11時半から14時、ディナーは17時半から21時半です。定休日は水曜日です。六本木ヒルズ店は、未就学児の入店が不可となっていますので、注意が必要です。

地物から江戸前まで全て美味しい「秋田てんぷらみかわ」

3店舗目は、秋田市内にある「秋田てんぷらみかわ」です。ミシュランで星を獲得した是山居から唯一暖簾分けを許された店舗で、2015年にオープンしました。秋田駅から徒歩15分ほどの歓楽街から少し離れた閑静な土地に店が構えられています。地物から江戸前までなんでも美味しいと評判のお店です。

秋田てんぷらみかわの店主は北嶋大地氏、秋田出身の天ぷら職人です。北嶋氏は16歳の頃から天ぷら店で修行を重ねていましたが、25歳の時に早乙女氏の著書に感銘を受けて上京し、早乙女氏の元で4年半、修行を重ねました。

秋田てんぷらは、天ぷら鍋を囲むような9人掛けのL字型のカウンター席と、4人掛けの座敷が2つの小さなお店です。照明には伊勢神宮などの寺社でも用いられている伊勢和紙を使っており、柔らかな雰囲気を醸し出しています。また、酒器などの食器類にもこだわられています。

秋田てんぷらみかわのメニューはランチ、ディナー共にコースとなっています。是非予約してから行きましょう。ランチのコースは、「みはからい」9,500円、「まつ」7,000円、「たけ」5,000円の3種類です。どのコースも車えび、魚介類、野菜、かきあげで、それぞれ品数が少しずつ変わっています。

ディナーのコースは、「みはからい」10,000円、「まつ」7,500円の2種類です。ディナーのコースは、ランチと同様、車えび、魚介類、野菜、かきあげの他に肴が1品つきます。かき揚げは、天丼か天茶での提供となります。

秋田てんぷらみかわの定休日は日曜日となっています。営業は、月曜日から金曜日はディナーのみで18時から22時、土曜日は、ランチは12時から14時、ディナーは2部制になっており、第1部が17時から19時10分、第2部は19時半から22時となっています。

ミシュランも見とめた名店みかわの天ぷらを味わおう

いかがでしたか?ミシュランで星を獲得した、門前仲町の是山居だけでなく、初代店舗である茅場町店、六本木ヒルズ店、秋田店の特徴についても紹介しました。どのお店も予約がなかなか取れない名店です。茅場町店や六本木ヒルズ店はリーズナブルなランチが提供されていますが、ディナーやどのお店もリーズナブルとは言えません。しかし、是非予約を取ってミシュランも認めた名店の味を味わってください。

初代店主の早乙女氏は多くの取材を受けられていたり、著書も出版されていたりします。みかわを訪れる際には、それらをチェックして初代店主の天ぷらへの思いを感じてください。また、天ぷらだけでなく店内の芸術作品にも目を向け、素敵なひとときを過ごしてみてください。

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