「みずのいろ」和菓子にうっとり！岐阜つちやの美しい菓子を紹介

みずのいろとは、お菓子の名前です。その美しさは綺麗過ぎて食べるのがもったいない、とまで言われているぐらいです。いったいどんな見た目や味をしているのか、また誰がどこで作っているのか、どうやって購入できるのか、気になるお値段などを調べてみました。

実はみずのいろは、伝統的な和菓子の製法である干錦玉（ほしきんぎょく）と呼ばれる方法で作られています。作っているのは、岐阜の老舗の和菓子屋さんです。つまり、みずのいろは和菓子です！みずのいろ、とだけ書かれたシンプルな白い箱に入っており、非常にスタイリッシュです。この時点で普段皆さんが和菓子に持っているイメージとは、かなり違っているのではないでしょうか？

白い箱を開けてみると、ピンク、オレンジ、イエロー、グリーン、ブルーの全5色の板状のお菓子が2枚づつ、合計で10枚入っています。半透明で柔らかいパステルカラーと呼べるような色合いです。綺麗過ぎて、一見食べ物のようには見えません。

質感は飴のように見えます。あるいは薄い氷のようにも見えますが、触っても冷たくありません。べたつくこともなくさらさらとした質感は、まさに飴のようです。大きさ・薄さは500円硬貨ぐらいです。特に注目していただきたいのはその薄さで、5mmもありません。

干錦玉は寒天と砂糖を煮詰めて固めてつくられたお菓子で、地域によっては干琥珀（ほしこはく）とも呼ばれます。伝統的な和菓子の製法のひとつなので、さまざまな地域の和菓子屋さんで作られ、販売されています。が、この干錦玉を極限まで薄く、かつ美しい色あいで作り上げているのが、みずのいろの大きな特徴なのです。

みずのいろは職人さんが一枚一枚手作りしているために、二つと同じ形はありません。大変な手間がかかっているために大量生産ができず、そのため予約販売のみとなっています。

みずのいろを作っているのは、岐阜県の大垣市を中心に展開する御菓子つちやです。創業260年を超える老舗の和菓子屋さんで、みずのいろの他に柿羊羹なども有名です。老舗ですが親しみやすいお値段のものから、少し贅沢な値段設定のものまで、幅広い商品のラインナップが印象的です。地元の人に愛される和菓子屋さんです。

大垣市俵町にある本店はさすが老舗らしい、風格あふれる店構えです。ここを拠点に、昔ながらの伝統的な和菓子はもちろんのこと、みずのいろをはじめとするモダンとも呼べそうな和菓子が続々と発表されています。本店の他に、岐阜県内に数店舗の店を構えています。

もともと、御菓子つちやがある岐阜県の大垣市は、水が綺麗な場所で有名です。豊富な地下水がわき水として自噴している場所も数多くあり、加えてたくさんの河川が存在することから、水の都とよばれることもある都市です。

水資源が豊富な大垣市。その良質な水を生かして、古くからお酒やお菓子といった食品づくりが盛んに行われてきた、グルメ好きにはたまらない地域でもあります。そんな大垣で生まれたのが、御菓子つちやという老舗であり、みずのいろというお菓子です。
 

もともと無色透明な水が、さまざまな景色や季節を映してその色を変えていく様子を、お菓子に映してみたいという思いから生まれたお菓子だそうです。美しい水が身近な大垣市に店を構える御菓子つちやだからこその、発想ではないでしょうか。みずのいろのお菓子の形自体が、水滴をイメージしたものになっています。

みずのいろが持つそれそれの色は、そのまま水にうつる、四季折々の風景を表現しています。ピンクは湖面に映った紅葉、オレンジは山装う木々の色、イエローは秋の銀杏並木、グリーンは山滴る木々の色、ブルーは空の色を表しているそうです。大垣の豊かな自然を彷彿とさせるイメージです。

繰り返しになりますが、とても繊細なお菓子なので、勢いよく摘まむとあっというまに割れてしまいます。食べる時は、はやる気持ちをおさえつつ、優しく手に持ってから食べるようにしてください。

表面はぱりっとした食感で、薄い氷を噛んだ時に似ていますが、もちろん冷たくはありません。内側は寒天状になっており、外側の軽やかな食感と、内側の弾力との対比が癖になります。ほどよい甘さと、色ごとに異なるフレーバーがとても優しい味を醸し出しています。口に含むとすぐに消えてしまうはかなさが後をひきます。これも人気の秘密です。

ハーブを使用することで、柔らかな美しい色と、繊細なフレーバーを表現しています。ピンクはハイビスカス＆ローズヒップ、オレンジはオレンジピール、イエローはカモミール、グリーンはスペアミント、ブルーはバタフライ・ピーといった材料を使っているとか。和菓子とハーブを組み合わせるなんて、とても斬新だと思いませんか？

2018年7月現在で、10枚入りで1,296円（税込み）になっています。原材料費の高騰のため、値上げに踏み切ったうえでの、このお値段・・・作るための手間ひまを考えると、決して高いお値段とは思えませんね。この良心的な値段設定も、人気のひとつかもしれませんね。

生菓子ではないので、20日間の日持ちが可能です。これぐらい日持ちがするようであれば、自分用はもちろんですが、手土産にもしやすいですね。

外側がお砂糖でできているので、あまりに気温が高いと、その影響をうけて溶けてしまいます。特に夏の暑い時期、車などで長時間移動する際は十分に注意しましょう。また、宅急便で発送できないくらい壊れやすいお菓子ですから、運ぶ際に割れることの無いよう、じゅうぶん気を付けてください。
 

御菓子つちやのホームページでは、つちやのさまざまなお菓子のオンラインショッピングができるようになっています。ですが、残念ながらみずのいろは、オンラインショッピングはできません。壊れやすいため、宅急便で発送することができないからです。それぐらい繊細なお菓子だということです。

御菓子つちやのみずのいろは、ネット通販はしていません。店頭販売しかしていないので、購入したい場合は直接お店に行く必要があります。御菓子つちやは岐阜県内に何店舗ありますので、行きやすい店舗に一度問い合わせてみましょう。ただし、その日に行ってすぐ購入できるわけではありません！予約が必要なので注意してください。

みずのいろは作れる数が限られており、また大変人気のお菓子のため、購入する前には予約が絶対に必要になります。店舗に電話を直接かけるか、ホームページに用意されているメールフォームであらかじめ予約してから、店頭で受け取るようにしましょう。2018年7月現在は、予約から受け取りまで12日ほどかかるようです。

インターネット通販で買えないものは何もないと思いがちでしたが、みずのいろのように、ご当地に行かないと買えないものはまだまだ存在するのです。そんなみずのいろは、まさに岐阜の幻の銘菓と呼んでよいのではないでしょうか？けれど、なかなか岐阜まで行けない！買えない！という方へ、うれしいニュースがあります。

御菓子つちやでは全国のデパート・商業施設などで、出張販売を行っています。詳しいスケジュールや販売予定の商品情報は、御菓子つちやのホームページに掲載されていますのでこまめにチェックしましょう！あなたの近くのデパートに、出店しているかもしれません。数に限りはありますが、みずのいろも販売されるようです。

なんと2018年には七夕シーズン限定のみずのいろが販売されました。100箱限定ということで、7月6日・7日・8日の3日間のみの販売です。こちらも購入には予約が必要です。今後の予定はわかりませんが、こういうサプライズ企画はわくわくしますし、あらためてみずのいろの人気の高さを感じます。

みずのいろは現地でしか買えない、まさに岐阜県のご当地グルメと呼んでいいでしょう。水の都とよばれる大垣市や岐阜県には、みずのいろのほかにも美味しいものや、観光スポットがたくさんあります。岐阜県への旅行ついでに、御菓子つちやに立ち寄ってみてはいかがでしょうか。もちろん、旅行前にみずのいろの予約をしておくことはお忘れなく！