2018年06月21日公開
2024年07月20日更新
コンソメがない時の代用品は?ほんだしやブイヨン・鶏ガラは使える?
コンソメがない!という場面は、けっこう経験します。では、何で代用するの?と、なると、多少なりとも混乱するのではないでしょうか。コンソメやブイヨン、あるいは、ほんだし、鶏ガラスープの素などの、違いを調べて、どれが欠けていても、あわてることのない代用策を考えます。また、コンソメ、ブイヨン、ほんだし、鶏ガラスープの素などは、世界各国の料理、それぞれの基本になるものです。それらの基本だしを知ることによって、各国の料理を見る目が、ほんの少し変わるかもしれません。
コンソメは代用できる?
結論から言えば、コンソメの代用は、できます!ブイヨンはもちろん、鶏ガラスープの素でもほんだしでも、あるいは味覇などでも可能です。コンソメを使用して、どんな料理を作り上げるかにもよりますが、そのままでも、少し手を加えればたいていの料理にも、対応は可能でしょう。基本的には、コンソメと比較して、それぞれに足りない成分を補ってやればよいのです。
たとえば、コンソメのストックが切れました。他のブイヨン、鶏ガラスープの素、ほんだし、味覇は、一通りそろっているとします。コンソメの代用を、ブイヨンで考えるとすれば、ブイヨンに鶏ガラスープの素か味覇を少し加えてやるだけです。鶏ガラス―プの素で代用する場合も、基本的には変わりません。鶏ガラスープの素に、ブイヨンか味覇を少し加えればよいのです。
味覇で代用する場合はというと、ここでは、鶏ガラスープの素は使いません。ブイヨンを少し足すか、牛脂を少量加えればOKです。では、ほんだしの場合は?というと、さすがにちょいとばかり厄介です。考え方としては、動物系のエキスを加えてやればよいのですが、やはり、最終的に仕上げる料理によって、方法は分かれてくると思います。乱暴な言い方をすれば、ほんだしに味覇かブイヨンを加えればよいのかもしれません。
ほんだしのケースでは、少してこずりました。なぜかといえば、コンソメやブイヨン、鶏ガラスープの素、味覇は、味の互換性や融通性といったものが、感じられますが、ほんだしはその意味で、ちょっと異種類になるかもしれません。コンソメの代用ではなく、逆にコンソメやブイヨン、鶏ガラスープの素、味覇で、ほんだしの代用をさせた場合を想定すると、分かりやすいかもしれません。少しムリがあるような気がします。
コンソメとは
コンソメとは?ということを、うまく説明するとしたら、コンソメとブイヨンの関係をみてみると、容易に理解できます。コンソメは、欧米でのスープであって、出汁ではありません。この場合の出汁は、ブイヨンです。日本流に言い換えるならば、ブイヨンにあたるものが、ほんだしで、コンソメにあたるものは、味噌汁とかすまし汁というところ、ではないでしょうか。
コンソメというは、フランス語で「完全」という意味の言葉であるように、そのままスープという、料理の一品として飲めるものです。先ほど述べたように、ブイヨンという出汁を使用して、それにいろいろな手を加えて、アクを取りきれいに濾したスープが、コンソメなのです。澄んだ琥珀色をしているのが特徴でもあります。これにたいして、ブイヨンをそのまま飲むこともできますが、やはり、物足らない味だと感じるはずです。
ブイヨンや鶏ガラとの違い
ブイヨンは、牛肉や鶏肉、魚、玉ネギ、ニンジンと香味野菜とを、長時間煮込んで作ります。煮込んでいる間は目を離さず、アクもしっかり取り除かねばなりません。この煮込んだ全体は、ポトフとして一品料理になります。汁の部分を取り出したものが、ブイヨンという出汁です。この出汁の、より強く動物質の味を出したものが、フォンであり、より強く、甘い野菜の味を出したものがブイヨンである。
ブイヨンは、スープの基本的出汁となり、フォンは、ソースの基本的出しとして使用されます。このブイヨンと、鶏ガラスープの素との違いは、煮込む材料の違いにあります。ブイヨンが、牛や鶏の肉や骨と、玉ネギやニンジン、セロリ、パセリという、野菜を使うのに対して、鶏ガラスープの素は、鶏ガラのみと、ネギや生姜という野菜である。これをみても、コンソメの代用を図る場合に、どんな加え方をすればよいかのヒントになります。
コンソメの代用方法
ほんだしを使って代用
AJINOMOTOの、ほんだしの原材料は、食塩、砂糖類、「かつおぶし粉末」、「かつおエキス」、酵母エキス、小麦たん白発酵調味料、酵母エキス発酵調味料/調味料(アミノ酸等)、です。同じAJINOMOTOの、コンソメの原材料は、食塩、砂糖類、「食用油脂」、「野菜エキス」、香辛料、酵母エキス、醤油、「ビーフエキス」、「チキンエキス」、果糖、酵母エキス発酵調味料、調味料(アミノ酸)加工でん粉、酸味料、です。
ほんだしとコンソメの、原材料成分を比較してみますと、多少の違いはありますが、決定的に違うのは「」で示したように、食用油脂や野菜エキス、ビーフエキス、チキンエキスです。当然のことながら、ほんだしには、それらは含まれていません。この際に、コンソメをどんな料理に用いるのかが、重要なのですが、ここでは、コンソメスープを作るという前提で、説明します。
出典: https://note.mu
鍋に水を入れ、冷蔵庫にある有り合わせの野菜を加えます。ここからが大事なのですが、やはり、冷蔵庫に牛肉も豚肉も鶏肉も、すべてあることにします。これらも加えて、鍋に火を入れます。最初は強火で、沸騰したら弱火に変えます。ここで、ていねいにアクを取り除いておきます。ここで、ほんだしを適量分加えます。あれば、香味野菜やローリエなどのドライハーブに黒粒コショウも加えてください。
2時間も煮込んだら、スープの部分を分けて取り出せば、コンソメスープの完成です。具も食べることができますから、一緒に食べればポトフ代わりになります。こんな時間はないとか、野菜はともかく、肉類が手元にない場合は、ほんだしとダシダを組み合わせる方法があります。ダシダは、牛と野菜の風味が溶け込んだ粉末調味料です。スープではないケースでも、ほんだしと合わせて素材に加えればコンソメの役割を果たしてくれます。
ブイヨンを使って代用
マギーブイヨンの原材料は、食塩、デキストリン、牛脂、でん粉、粉末醤油、シーズニングパウダー、配合調味料、たまねぎ、酵母エキス、にんにく、調味料(アミノ酸等)、カラメル色素、クエン酸、香辛料抽出物、香料、酸化防止剤(ビタミンE)、です。ブイヨンに足りないものは、やはり野菜エキスやビーフエキス、チキンエキスでした。原材料成分的にみると、ほとんど、ほんだしと同じです。
ここでも、コンソメの代用をするためには、動物系のエキスをどう加えるか、です。ほんだしのときに述べたように、一から手順を踏んで、コンソメをブイヨンから作るか、ブイヨンと何かを混ぜてコンソメ風を作るかです。混ぜるとすれば、顆粒か粉末です。ダシダしかありません。ブイヨンとダシダを素材に混ぜ込むか、一緒に煮込むかすることで、コンソメ味を達成できます。
鶏ガラスープの素を使って代用
李錦記の、鶏ガラスープの素の、原材料成分は、食塩、デキストリン、鶏肉、砂糖類、チキンパウダー、香辛料、調味料(アミノ酸等)、チキンオイル、酵母エキス/調味料(アミノ酸等)、です。やはり、ビーフエキスが欠けています。ここでも、鶏ガラスープの素に、ダシダで牛肉成分を補うか、味覇などで、ポークエキスを補うかして、コンソメの代用にするしかありません。
いずれにしても、各原材料成分をみていただければわかるように、これらの成分の一番にきているのは、常に食塩です。成分の多く含まれている順に表示されているのが普通です。となると、これらの製品を組み合わせて使用する場合には、塩分の摂りすぎにも十分に注意する必要があります。
自家製コンソメの作り方
ちゃんとブイヨンを作って、その後、ちゃんとコンソメを作るのは、困難を極めます。それは、ある意味では、一流のレストランへ行ったほうが、安上がりかもしれません。ここでは、手抜きしながら、なお本格的な自家製コンソメスープを作ります。まずは、玉ネギやニンジン、セロリをみじん切りにします。ここに、鶏ひき肉と卵白を加え、煮込むための鍋の底で、ハンバーグを作るときのように練り上げます。
鍋に、水と玉ネギの皮、昆布、ローリエを加えて、強火にかけます。鍋底に具材がこびりつかないように、木べらなどでかき混ぜながら、沸騰しかかったら火を弱めます。鍋のふちで卵白が固まり始めたら、卵白に穴を開けます。この作業を繰り返しながら、とろ火で1時間ほど煮出します。これを、塩、コショウをしてキッチンペーパーなどで、濾したら完成です。なお、卵白はアク取りのために入れていることを、承知してください。
もしも、このコンソメに物足りなさを感じるようでしたら、鶏ひき肉を牛ひき肉に分量を変えて、対応してください。
コンソメを使ったおすすめレシピ
体も温まる野菜たっぷりポトフ
ここで紹介するのは、簡単かつ本格的な味で、わがままなポトフです。厚切りベーコンか、牛肉もしくは鶏肉があって、ソーセージがあればベストかもしれません。野菜は、その日その時にあるものを、すべて動員しましょう。肉類は、一口大に切って、野菜は大きめで適当に切り分けます。オリーブオイルで肉類を炒めて、野菜を投入します。全体に炒めたら、水とコンソメとローリエを加えて、強火にかけます。
沸騰したら、弱火に変えて、アクをこまめに取り除きながら、さらに煮込んでいきます。煮溶けやすいジャガイモとか、変色しやすいブロッコリーなどは、この段階で投入します。器に盛って、ポトフの完成です。
子どもも大好きなマカロニグラタン
マカロニは茹でておく。鶏肉は、一口大に切り分けて、オリーブオイルで炒めてたら、取り置いておく。玉ネギ、マッシュルーム、ニンジンも、バターで炒めたら、弱火にして小麦粉を加えます。小麦粉を焦がさないように炒めて、コンソメと牛乳、水、砂糖、コショウ、ローリエ、塩を加えたら、弱火でとろみがつくまで煮ます。マッシュルーム、鶏肉と生クリームを加えて、ひと煮立ちしたらソースの完成。
ソースにマカロニを合わせて、耐熱容器に盛り、チーズをふってオーブンで焼き上げたら、マカロニグラタンの完成です。
じゃがいものポタージュ
じゃがいもは、いちょう切りにし、玉ねぎはみじん切りにしておく。鍋にバターをしいて、玉ネギを入れ、透き通るまで炒めたら、水とコンソメ、じゃがいもを加えて、中火で煮ます。具に十分火が入ったら、万能濾し器などで、スープを取ります。鍋にスープを戻し入れたら、牛乳を加えて、煮立たせないように温めます。塩、コショウで味を調えて、うつわに盛ります。刻みパセリをふって完成です。
コンソメでカレーピラフ
玉ネギとニンジン、赤、黄、青のパプリカはみじん切りにしておきます。ベーコンも小さめにカットします。フライパンにバターをたっぷりめにしいて、野菜を投入し、炒めます。ライスを加えたら、塩、コショウ、カレー粉、コンソメも加えて、しっかりと炒めます。器に盛って、パセリを散らしたら完成です。
コンソメでボンゴレビアンコ
鍋でお湯を沸かします。塩を加えてパスタを入れ、茹でておきます。他の作業と茹で上りが、一致するのがベストです。フライパンに、スライスしたニンニクとアサリを入れて、中火で熱し、ニンニクの香りが立ったら、白ワインをふり、鍋の湯とコンソメを加えて、アサリの口が開くまで煮る。茹で上がったパスタを湯切りして器の盛り、仕上げに、コショウと醤油をふったアサリとスープを回しかけて完成です。
コンソメで玄人風のヘルシーオムライス
このオムライスは、あっさりヘルシー風です。どうヘルシーかというと、具ととライスが同量なのです。つまり、たっぷりの鶏肉と玉ネギをバター炒めて、炒め上げた後になおライスと同量というのが、特徴です。フライパンで、鶏肉と玉ネギを炒めたら、ライスとコンソメ、ケチャップ、塩、コショウを加えてチキンライスを作ります。仕上げたチキンライスは皿に、形よく盛っておきます。
キッチンペーパーなどで、汚れを拭いたフライパンに、バターを入れて加熱します。バターが溶けたら、溶き卵を流し入れて、バターとかき混ぜます。熱で卵が固まる前に、取り置いたチキンライスの上からかぶせます。卵は、半熟状態です。素人が半熟のオムライスを作るのは、このやり方が一番です。ここへ、できればデミグラスソースか、なければケチャップをかけて完成です。
コンソメの代用方法をマスターして活用してみよう!
コンソメが欠けた際に、あわてないために、いろいろ調べてきたら、コンソメとブイヨン、あるいは鶏ガラスプの素、はたまたほんだしに至るまで、出汁についてずいぶん深く、知ることができました。これからは、どの出汁に何が足りて、何が足りないかを承知したうえで、さまざまな料理にその知恵を活かせます。ただ、ひとつ気をつけなければならないのは、いずれの出汁も塩分が強めだということを、忘れてはなりません。