薄口醤油がない場合濃口醤油で代用できる?濃口との違いや使い方を解説

薄口醤油と濃口醤油のうち、皆さんは普段どちらの醤油を利用していますか?薄口醤油は醤油自体の色が薄いので、素材の色を生かしたい料理では良く使われます。ですが普段から薄口醤油と濃口醤油の両方を、料理に合わせて使い分けている人はそう多くはないのではないでしょうか?両方の醤油の特性がわかっていれば、薄口醤油がなくても濃口醤油で代用することもできるのです。そんな濃口醤油を使った薄口醤油の代用法とともに、薄口醤油と濃口醤油にどんな違いがあるのか紹介します。

薄口醤油がない場合濃口醤油で代用できる?濃口との違いや使い方を解説のイメージ

目次

  1. 1薄口醤油が手元に無くて困った!
  2. 2薄口醤油がない時は濃口醤油で代用ができる?
  3. 3薄口醤油と濃口醤油の違いとは?
  4. 4薄口醤油を使う時の注意点
  5. 5薄口醤油は濃口醤油で代用可能!料理に役立てよう

薄口醤油が手元に無くて困った!

近頃はさまざまな料理レシピを、ネットで簡単に調べることができるようになりました。そのため普段は濃口醤油しか使わない、という人でも薄口醤油を使ったレシピを目にする機会も増えてきました。もし薄口醤油を使う料理を作ってみたいときには、濃口醤油を薄口醤油の代用として使ってみてはどうでしょうか?濃口醤油を薄口醤油の代用として使う方法や、薄口醤油と濃口醤油の違いを紹介します。

薄口醤油がない時は濃口醤油で代用ができる?

薄口醤油はレシピこそ目にするようになったものの、そのシェアは濃口醤油の比ではありません。当然のように濃口醤油はあっても薄口醤油はない、という家庭のほうが一般的です。だからといって料理そのものを諦める必要はありません。濃口醤油で薄口醤油を代用することは可能だからです。濃口醤油で薄口醤油を代用する方法と注意点を紹介します。

それぞれの醤油に含まれる塩分濃度を知ろう

醤油といえばどれも塩分濃度は同じ、と思っていませんか?実は薄口醤油と濃口醤油では、はっきりと塩分濃度が違うのです。薄口醤油は濃口醤油よりも、約1割ほど多く塩を使って作っています。そのため濃口醤油の塩分濃度が約16%であるのに対して、薄口醤油の塩分濃度は約18%になります。ですので濃口醤油で薄口醤油を代用するときには、この塩分濃度の差を頭に置いて分量を量っていく必要があるのです。

一般に薄口醤油のほうが色が薄いこともあり、塩分濃度も低目と思いがちです。ですが実際には濃口醤油よりも薄口醤油のほうが塩分が濃いため、代用するときにはこの濃口醤油で足りない分の塩分も調節しないと、ただ色だけ薄口醤油に合わせても、余計に薄味になるだけで代用にはならないのです。

薄口醤油は濃口醤油と塩で代用可能!

薄口醤油と濃口醤油の塩分量に、差があることはわかりました。つまり薄口醤油と同じ塩分量になるまで濃口醤油を入れれば良い、というわけにはいかないのです。薄口醤油と違って濃口醤油は色の濃さだけでなく、味にもはっきりとした違いがあります。もし薄口醤油と同じ塩分量になるまで濃口醤油を入れると、料理の色だけでなく風味にも大きな違いがでてしまいます。

そのため薄口醤油の代用として濃口醤油を使うときには、薄口醤油の半分の分量の濃口醤油と、足りない塩分量を補うために塩を足して、味の濃さを調節することになります。そうすることで薄口醤油の本来の持ち味である色の薄さと、素材の風味を損なうことなく活かすことができるようになります。そうなると次に大切なのは、薄口醤油と濃口醤油に含まれる具体的な塩分量です。それぞれどのくらい塩分を含んでいるのでしょうか?

薄口醤油と濃口醤油の大さじ1と小さじ1の量の差は?

一般的に醤油というと濃口醤油を指します。ではその醤油大さじ1と小さじ1には、それぞれどのくらいの塩分が含まれているのでしょうか?通常醤油大さじ1には3gの塩分が、小さじ1には1gの塩分が含まれています。では薄口醤油の代用として濃口醤油を使うとき、どのくらいの塩を足すとちょうどになるのでしょうか?

薄口醤油の大さじ1を濃口醤油で代用するときは、濃口醤油の大さじ1/2に食塩を1.5g(小さじ1/4)で塩分濃度のバランスも取れ、醤油の風味も足されつつ素材の風味は壊さない味付けができます。なお食塩小さじ1/4の量り方は、小さじ1をすりきり1杯すくった後手の上に乗せて、そこからまず半分を切って落としたらもう一度半分を切って落とせば、小さじ1/4にすることができます。グラムで量るのが面倒なときには、試してみてください。

塩の種類によっては、さじに入れたまま半分ずつ落としていくほうが楽なこともあります。さらさらな塩の場合は、手の上に乗せてもさじのまま落としていっても等分していくのは難しいので、きっちり量りたいときにはやはり秤を用意して、きちんと計量したほうが間違いがありません。量り方だけでなく使う塩もいろいろと試しておくと、感覚だけでも分量をつかみやすくなるので、料理もスムーズにこなせるようになりおすすめです。

薄口醤油の小さじ1を濃口醤油で代用するときは、濃口醤油の小さじ1/2に食塩を0.5g(通常で言うところの少々)となります。この食塩0.5gとは、親指と人差し指で一つまみとされる量がこの食塩0.5g相当と言われています。ですが人によって指の太さもつまみ方もつまめる量も当然異なるため、一度自分の一つまみがどのくらいかを量っておくと、後々の料理の際にも目安になるので、各調味料ごとに確認しておくと良いでしょう。

濃口醤油では代用しきれない点もある

薄口醤油がないときには濃口醤油で代用することも可能ですが、濃口醤油を薄めて塩を足しても薄口醤油とまったく同じになる、というわけではありません。濃口醤油を使った代用品は、薄口醤油よりもどうしても香りが強めになってしまいます。そのため素材の香りを活かしたい料理の場合は、濃口醤油を使った代用品では醤油の香りが素材の香りを消してしまうことがあります。

薄口醤油の特徴である控えめな香りを必要とする料理の場合は、やはり薄口醤油を使うほうが良いでしょう。もしくは先に少しだけだしを入れて旨味を足し、その後塩だけを少しずつ加えて味を調えるほうが、素材の香りを壊すことなく調理できます。ただしこの方法も加熱時間が長くなりやすい欠点があり、香りにこだわる料理であれば、やはり薄口醤油も用意しておきたいところです。

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薄口醤油と濃口醤油の違いとは?

薄口醤油の代用を、濃口醤油でできるのはわかりましたが、そもそもこの2つの醤油の違いとは何なのでしょうか?薄口醤油は正しくは「淡口醤油」と書きます。実際薄口醤油は濃口醤油と比べて、色も淡くて香りもまろやかです。2つの醤油の違いはどこから生まれているのか、どんな違いがあるのかを調べてまとめてみました。

原料や作り方が違う

一般的に、醤油と言えば濃口醤油を指します。日本の醤油生産量の約8割を占める、最もスタンダードな醤油です。濃口大豆の材料は、大豆もしくは脱脂加工大豆を蒸したものに、炒った後に砕いた小麦を大豆とほぼ同じ量混ぜて作った麹を、発酵させて醸造します。江戸時代から関東を中心に発達を続け、香りや色のほか味のバランスも優れているのが特徴です。

濃口醤油に対して薄口醤油は、日本の醤油生産量の約13%を占めています。本来の表記である「淡口」の淡いという文字は、「色が淡い」という意味であって「塩分量が少ない」という意味ではありません。料理素材である魚や野菜の色合いや風味を活かすのに向いていて、淡い色合いと控えめでおとなしい香りが特徴です。関西生まれの醤油で、京料理には欠かせない醤油でもあります。

薄口醤油の材料は、大豆や脱脂加工大豆とほぼ同量の小麦で作った麹を発酵させる、とここまでは濃口醤油と同じです。ですが発酵・熟成が進むほど醤油の色が濃くなるだけでなく、風味も強く豊かになってしまいます。そのため薄口醤油では発酵を抑えて熟成期間を短くし、さらに醸造過程の仕上げにおいて甘酒や水あめで甘味を加えるのも特徴のひとつです。結果として醤油の旨味も、濃口醤油よりも控えめに仕上がっているのです。

賞味期限が違う

薄口醤油と濃口醤油では、賞味期限の長さにも違いがあります。醤油の賞味期限は、保存方法に関係なく容器によっても変化します。濃口醤油の場合は、一般的なプラスチック製容器入りの商品でも、未開封のままなら常温保存できますが、賞味期限は18ヶ月となっています。それに対してガラス瓶入りの商品ならば、同じように未開封のまま常温保存したときでも、賞味期限は24ヶ月と6ヶ月も長くなります。

薄口醤油の場合はどうでしょうか?薄口醤油も一般的なプラスチック製容器入りの商品は、未開封のまま常温保存した場合、賞味期限は12ヶ月となります。この時点で、濃口醤油よりも6ヶ月も賞味期限が短いことになります。そしてガラス瓶入りの薄口醤油でも、未開封で常温保存の場合なら18ヶ月と、こちらも6ヶ月賞味期限は延びていますが、濃口醤油よりも賞味期限が短いことには変わりません。

開封後は薄口醤油・濃口醤油ともども、空気に触れないようにし、冷蔵保存がおすすめです。なるべく小さい容器に小分けして、酸化しないように保存するようにします。開封後は1ヶ月以内に使うようにしますが、薄口醤油・濃口醤油ともに時間の経過とともに色が黒ずんでいくので、特に薄口醤油の場合は変化してしまう前に使いきるようにしましょう。

薄口醤油は塩分が高い!

これまでにもたびたび紹介しましたが、薄口醤油の本来の書き方が「淡口」であり、「色が淡い」という意味であって「塩分量が少ない」という意味ではありません。濃口醤油で代用する際にも紹介したように、濃口醤油の塩分含有率が16%ほどなのに対して、薄口醤油は18%~19%とかなりの塩分量なのがわかります。この塩分量の差は、薄口醤油の色を淡くするために、濃口醤油よりも塩を多く入れて発酵を抑えているためです。

このため薄口醤油は少量でもしっかり塩味がつく代わり、発酵が抑えられている分、原料の大豆や麦の旨味が濃口醤油より薄いのも特徴のひとつです。料理の素材本来の持つ色や旨味・風味といったものを活かすのが薄口醤油の特徴であるのに対し、さまざまな味をまとめたりコクや旨味を足したりするだけでなく、ツヤや香りといった素材が持っていないものも補うことができる反面、色もしっかりつけてしまうのが濃口醤油といえます。

薄口醤油は温度管理のしかたも違う

薄口醤油にとって、色の淡さと控えめな香りは、料理の素材を活かすためにも欠かせない特徴です。そのため薄口醤油は、発酵期間中の温度管理も濃口醤油よりも低くし、加熱殺菌をして発酵を止めるための火入れの温度も濃口醤油よりも低くすることで、色や香りに変化が出ないように工夫されています。一方で塩分の高さのわりに賞味期限が短いのも、発酵が短く火入れの温度が低いため、濃口醤油よりも変化しやすいことがあげられます。

薄口醤油と濃口醤油は等級の基準も違う

醤油は種類ごとに等級の基準が、「しょうゆ品質表示基準」によって決められています。旨味成分のアミノ酸が窒素化合物であることから、窒素の含有量も大切な指標のひとつです。この窒素の含有量によって、醤油の種類ごとに基準が決められていて、「特級」・「上級」・「標準」に分けられています。「特級」の中でも、特に窒素含有量が多いものは、「特選」「超特選」といった表示も認められています。

濃口醤油におけるこの窒素含有量の基準によると、容量に対して1.20%以上で「標準」、1.35%以上で「上級」、1.50%以上から「特級」となっています。では薄口醤油はどうかというと、容量に対して0.95%以上で「標準」、1.05%以上で「上級」、1.15%以上から「特級」と、濃口醤油の「標準」よりも旨味は少ないものの、代用醤油にはだしも少し足すくらいのほうが、より薄口醤油に近づくことは間違いありません。

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薄口醤油を使う時の注意点

濃口醤油が薄口醤油の代用品として使えるなら、薄口醤油も濃口醤油の代用品として使える、と思ったらそれは間違いです。薄口醤油は濃口醤油よりも塩分が濃いため、同じに使うと塩味が濃くなりすぎます。また薄口醤油は素材の味を活かすため、香りや旨味も濃口醤油よりも控えめのため、塩分ばかりが濃い味付けになってしまいやすいのです。

特に薄口醤油はその色の淡さゆえに、使い慣れていない人は料理の色の濃さが同じになるまで、薄口醤油を足してしまうことが多くあります。あくまで薄いのは色と風味であることを理解して、味見をしながら塩分量を調節しましょう。また醤油自体の旨味も濃口醤油よりも薄いため、だしや味醂など他の調味料や昆布やかつお節などの素材を使って、味のバランスをとる必要もあります。

もし薄口醤油を日常使いにするのであれば、近頃の減塩ブームに合わせた塩分量を減らした薄口醤油も販売されています。ただし、いくら減塩といえど使いすぎたり、味の調節にだしを足す場合には、そのだし自体にも塩分が含まれているので、味を濃くしすぎることがないように味見はきちんとするようにして、塩分調整するのを忘れないように気をつけましょう。

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薄口醤油は濃口醤油で代用可能!料理に役立てよう

薄口醤油と濃口醤油のそれぞれの特徴を理解すれば、濃口醤油でも薄口醤油を代用することは可能です。家庭料理でちょっと使ってみたいときには、薄口醤油を買うよりも代用醤油でまかなうほうが、無駄も少なくおすすめです。今まで気になっていたけど、薄口醤油を買うのをためらっていて作れずにいた料理に、濃口醤油を代用して挑戦してみてはいかがでしょうか?

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