ししゃものカロリーと糖質は一匹でどれくらい?子持ち・オスで比較調査!
ししゃもは小ぶりなその姿から、食卓のメインディッシュに外されてしまいがちですが、実は栄養価が高い魚です。そんなししゃものカロリーと糖質は一匹でどれくらい?か気になるところです。そこで、子持ちししゃもやオスのししゃもで比較調査しました。そもそも、ししゃもってどんな魚なのか、また栄養や効能の他に、どのような食べ方が効果的なのかも合わせて紹介しています。高カロリーにならない食べ方などを知り、進んで食卓に摂りいれましょう。
ししゃもってどんな魚?
ししゃもは、世界的にみても、日本だけに分布する日本国有の大変貴重な魚です。10月中旬~12月下旬にかけて産卵のために河川を遡上します。この時期に卵を持ったメスがいわゆる「子持ちししゃも」と呼ばれ商品価値が高くなります。ししゃもが全国的に知られるようになったのは戦後のことで、北海道のししゃも漁獲量は1969年以前は3000トン超える年もありましたが、1970年代から徐々に減少し、現在は1000トンの漁獲量です。
ししゃもの産地は、北海道の太平洋岸にある鵡川町が有名でしたが、近年では十勝・釧路管内のししゃも漁獲量が大半を占めており、主な産地となっています。ししゃもの主な特長は、ウロコが大きく、口や目も大きいです。脂びれが小さく、オスとメスの違いの見分け方は、オスは尻びれが大きいのに対し、メスは尻びれが小さいです。産卵期は脂がのっているので、塩干にして食べると最高に美味しいです。
ししゃもはキュウリウオ科に属する魚で「柳葉魚」と書きます。本ししゃもの漁獲量が減ったことにより、居酒屋やスーパーで見られるししゃものほとんどは、ノルウェー産などの北大西洋で獲れた「カラフトシシャモ」という魚が大半だと言われています。安くて手軽に味わえる庶民の味方としてスーパーの鮮魚売り場でも豊富に出回っており、今日でもししゃもと言えばこの魚を意味し、コンビニのおつまみの原料としても大活躍です。
スーパーで売られている安いカラフトシシャモは、10数匹入って数百円位です。一方、本ししゃもはオスが10匹で1000~2000円位で、メス10匹になると3000~4000円位と高価です。北海道でしか獲れない本ししゃもは、以前乱獲されてしまった為、絶滅を防ぐために獲れる量を制限していますが、このような値段で楽天市場にて購入することができます。
ししゃもとカラフトシシャモの違い
通常のししゃもは、北海道太平洋沿岸のみ生息するのに対し、カラフトシシャモは北太平洋、北大西洋などに生息します。両者ともキュウリウオ科に属してはいますが、実は全く別の魚です。ししゃもとの違いについては、カラフトシシャモはうろこ、口、目が小さく、川へは遡上せず、海で産卵します。そして、体型はししゃもより細長いのが特徴です。
ししゃも一匹のカロリーと糖質は?
ししゃもは骨が柔らかいので、骨ごと食べることができる魚です。一般的には塩焼きやフライ、天ぷらなどで調理して食べます。そしてししゃもは、国産の本ししゃもの他に輸入のカラフトシシャモがあるのは先ほど説明した通りですが、ししゃも一匹のカロリーや糖質はどれくらいでしょうか?子持ちししゃもの場合やオスのししゃもの場合と比較調査してみました。
子持ちししゃもの場合
子持ちししゃもの一匹20gあたりのカロリーは、本ししゃも30kcal、カラフトシシャモ35kcalです。一匹の重量が軽いので、カロリーは低く感じますが、同じ重量を食べればカロリーはマグロやアジよりもカロリー摂取量は多くなります。さらに、子持ちししゃもは脂質を含んでいるので、カロリーは他の魚よりは高めです。ちなみにししゃもよりも脂質含有量が多いサバやブリはこれ以上にカロリーが高くなります。
次に、ししゃも一匹の糖質はどのくらいでしょうか?基本的に糖質は「糖質=炭水化物量-食物繊維量」で計算することができます。食品成分表(7訂)をもとにすると、本ししゃもは0.0g、カラフトシシャモは0.1gになります。いずれにしろ、本ししゃもやカラフトシシャモは糖質が少ないことが分かります。一般に多く出回っているカラフトシシャモの方が多少糖質量は含んでいます。ただ調理法によっては糖質量も変化するので注意です。
オスのししゃもの場合
本ししゃものメスの値段は、オスの値段の倍しましたが、カラフトシシャモのメスとオスはどうでしょうか?カラフトシシャモはメスだけで回遊しているので、選別しなくてもメスだけで売ることができます。逆にカラフトシシャモのオスが流通されるのは極めて稀だと言われています。その訳は、オスは身が痩せて美味しくないからです。市場に回らないカラフトシシャモのオスの行先は、肥料かアシカやオットセイの餌になるようです。
カラフトシシャモのオスは美味しいとは言い難いですが、本ししゃものオスは美味しいです。本ししゃもはオスとメスのどちらが美味しいかは、魚通によるとオスと答える人が多いようです。オスの本ししゃもはさっぱりと淡泊な味わいですが、身にのっている脂が濃く、鯛などの高級白身魚と引けを取らない美味しさです。そしてメスよりも身がふっくら締まっていて、内臓も美味しいので、トライしてみてはいかがでしょうか?
オスのししゃものカロリーや糖質を紹介する前に、オスのししゃもなのに子持ちで売られることがあります。オスは元々卵を持っていません。では一体どういうことでしょうか?実は、傷などがあって売り物にならなくなったカラフトシシャモのメスの卵を取り出し、オスの腹に注射しています。つまり「意図的にオスのお腹の中にメスの卵を詰めて売っている」ことになります。結果、卵入りと卵なしのオスのカロリーや糖質も変わります。
本ししゃものオスは大きさも色々ですが、一匹20gでおよそ35kcalです。子持ちししゃもやカラフトシシャモも大体このカロリーです。子持ちの方がカロリーが多く思われがちですが、卵に栄養が詰まっていて、身は意外と淡泊だったりします。オスの本ししゃもは子持ちでなくても身に脂がのっている結果、両者供にカロリーは大差がないようです。大きさもまちまちなので、30gの大きめのししゃもは50kcalになり、糖質は0.5gです。
ししゃもは低カロリー低糖質でダイエット向き
ししゃもの糖質量は、カロリー同様に大きさや調理の仕方によって変わるので差はありますが、一匹30gあたり0.5gと低糖質です。もちろん、糖質0の方が痩せられるのですが、糖質を全く摂らないと健康にあまりよくないのと、ダイエットが続きにくいというデメリットもあります。よって、ししゃもには低糖質ながらも含まれており、さらに高タンパクな為、代謝が上がり、1日の消費カロリーが高くなるので痩せやすい体が目指せます。
カルシウムで脂肪吸収
ししゃもには、カルシウムが豊富に含まれています。カルシウムは骨や歯の形成を促してくれたり、丈夫に保つ働きがありますが、その他にも脂肪の吸収を抑えてくれる効果があります。糖質や脂質を摂取しても、脂肪として吸収されにくくなり、太りにくい魚と言われています。
DHAとEPAが中性脂肪を減らす
ししゃもにはDHAという栄養素が多く含まれています。DHAの効果は「脳の活性化効果」や「血栓を作りにくくし、血液をサラサラにする効果」「血圧を下げる効果」が期待されます。また、DHAにはコレステロール値を下げ、中性脂肪を減らしてくれます。コレステロール値が下がり、中性脂肪が減ると血液がサラサラになり、代謝が上がることに繋がり、カロリー消費量が多くなるため、痩せやすくなると言われています。
DHAはししゃものどこに多く含まれているでしょうか?それはずばり「目」です。ししゃもは一匹丸ごと食べられるので、目も一緒に食べることにより、DHAを効果的に摂ることができる唯一の魚です。「頭が良くなる栄養素」とも言われるので、進んで摂取しましょう。また、ししゃもにはEPAも多く含まれています。EPAはアレルギー反応を促進させる酵素の働きを阻害する効能がある栄養素です
EPAを摂取することにより、アレルギー症状の緩和に期待ができます。EPAの効能には抗血栓作用もあります。血管を柔軟にし、血液をサラサラにするとともに、血流も良くするため、動脈硬化や脳梗塞などのリスクの軽減にも効果があります。ぜひ進んで摂りいれましょう。
ビタミンEで代謝アップ
ししゃもにはビタミンEも含まれています。ビタミンEは抗酸化作用という働きがあります。抗酸化作用は体の錆びや老化を防いでくれ、肌や細胞が若返る効果があります。また、太る原因には活性酸素によって臓器の働きが阻害され、代謝が悪くなるのが原因と言われています。そこで、ビタミンEの抗酸化作用によって代謝が上がり、アンチエイジング効果や痩せやすい体を作ることが期待できます。
食べ方によっては高カロリー高糖質に!
ししゃもは比較的低カロリー・低糖質な魚なので、ダイエットに良いとされています。しかし、ししゃもの調理法や食べ方によっては高カロリー・高糖質になるので注意です。例えば、ししゃもをフライにしてウスターソースやタルタルソースをつけて食べたり、揚げてから漬ける南蛮漬けも一見ヘルシーに見えますが、揚げている分、高カロリー・高糖質になるので気を付けましょう。なるべく塩焼きなどシンプルなものがベストです。
ししゃものダイエット効果アップの食べ方
ししゃもは、食べ方に気を付ければ低カロリー・低糖質な上に、高タンパクでダイエット効果が期待できる、優れた食材です。ダイエット効果アップの食べ方をさらに紹介します。まず、調味料に気を付けることが大事です。ししゃもを姿焼きした後に醤油やポン酢で食べる人もいますが、醤油やポン酢に含まれている塩分で食欲が増進してしまい、食べ過ぎてカロリーオーバーにならないよう、注意が必要です。
塩分を摂り過ぎると、喉が渇きやすくなり、むくみの原因にもなるので、醤油やポン酢の過剰摂取には気を付けましょう。ししゃもにかけると良いとされる調味料に「レモン」があります。レモンは血液をサラサラにしてくれる効果があり、代謝を上げてくれるので、消費カロリーを高くすることもできます。また、レモンのクエン酸は油の消化を促進してくれる働きがあり、油が体に吸収されにくくなるので、おすすめです。
ししゃもに大根おろしをかけて食べると良いとされています。大根おろしはアミラーゼという消化酵素が豊富に含まれていて、このアミラーゼの働きによって摂取した炭水化物を消化しやすくなると言われています。本来、炭水化物はエネルギーとして変換しますが、余った炭水化物は脂肪として体に蓄えられ太る原因になります。これをアミラーゼよって素早く消化し、脂肪に変換されにくいので、ぜひおすすめします。
ししゃもはシンプル塩焼きが一番!
栄養たっぷりでぷちぷちした食感が美味しい子持ちししゃもは、ぜひ塩焼きでシンプルにいただくのがとてもヘルシーで、ししゃもそのものの味を堪能できます。旨味が口いっぱいに広がりながらも、余分な脂分は落ちるので、美味しくヘルシーに食べれておすすめです。
揚げないししゃもの南蛮漬け
ししゃものヘルシーなガーリックソテー
頭からしっぽまで、丸ごと一匹食べられるししゃもは、鉄やカルシウム、ビタミンB2が豊富なので、妊婦さんにも良いメニューとされています。また、ししゃもは揚げないヘルシーな南蛮漬けも作れます。コツは魚焼きグリルやオーブントースターを使ってししゃもを両面焼きます。後は玉ねぎや人参の千切りと南蛮酢(酢50cc、砂糖・水各大さじ1、しょうゆ大さじ3/4、赤唐辛子1/2本)を合わせ冷蔵庫で冷やしたら完成です。
ししゃもはヘルシーで食べやすい魚ですし、調理のしやすい魚でもあります。このようなガーリックソテーはいかがでしょうか?ししゃもの生臭さも取れて、にんにくの香ばしさが引き立って美味しいです。ガーリックを合わせることによって洋風メニューにもなります。
おしゃれなでヘルシーなししゃものコンフィー
ふんわり美味しい「子持ちししゃものコンフィー」はいかがでしょうか?子持ちししゃもの干物1パックを厚手の鍋に魚同士が重ならないように並べて、にんにく1かけ、ローリエ1枚、鷹の爪1本を置きます。魚がひたひたになるまでキャノーラ油を注ぎます。弱めの中火で小さな気泡が出たら弱火にして1時間煮ます。塩の結晶が浮いたら取り除き、火を消して余熱で冷まします。油を拭き取り皿に盛って塩コショウしたら完成です。
ヘルシーで美味なししゃものみぞれ煮
簡単ヘルシーレシピで「ししゃものみぞれ煮」はいかがでしょうか?大根おろし適量をすりおろしておき、ししゃも1パックは片栗粉を全体にはたいて、フライパンにサラダ油をひいて炒めます。カリッと両面焼いたら余分な油をペーパーでふき取り、めんつゆを注ぎ入れ、沸騰したら弱火にし、2~3分煮込みます。すりおろした大根おろしと青ネギをちらせたら完成です。ヘルシーでとても美味しいです。
ししゃもはヘルシー食べやすい魚
今回は、ししゃものカロリーと糖質は一匹でどれくらい?という素朴な疑問や、子持ち・オスで比較調査をして解決しました。ししゃもが意外にダイエットに効果がある魚だったことや、栄養価が高いことが分かりました。また、本ししゃもが大変希少価値が高かったことや、全く別の魚であるカラフトシシャモが大半を占めていることなど、皆さんもししゃもについて興味が湧き関心を持ちながらぜひ食卓に取り入れて下さい。