さんまをフライパンで焼く調理方法を解説！美味しい焼き方は？

さんまは青魚ならではの栄養はもちろん、子どもにも大人にも食べて欲しい栄養がたっぷりの魚です。美味しいだけでなく、もっと調理して食べたくなるさんまの栄養を紹介します。

さんまには、脳の働きを活性化してくれるDHA（ドコサヘキサエン酸）とEPA（エイコサペタンエン酸）がたっぷり含まれています。この二つは、血液をサラサラにする成分で、動脈硬化、心筋梗塞といった血管の病気の予防、そして脳細胞を活性化してくれるので認知症予防の効果もあるといわれています。このほかにも、鉄分、ミネラルが豊富でビタミンA、ビタミン12、ビタミンD葉酸も豊富です。

さんまにはたんぱく質が含まれていて、しかもアミノ酸バランスがよい良質なたんぱく質なので、筋肉疲労の回復、免疫力低下の予防に効果が期待できます。アルコール分解に関わるたんぱく質もあるので、お酒のおともにもおすすめです。また、EPA、DHAが動脈硬化、心筋梗塞、脳梗塞といった病気の予防にも役立ちます。特に焼くことで、糖分と結びつき、抗酸化作用も働き、中性脂肪の低下作用も生まれます。

青魚全般に含まれるDHAは、脳細胞を活性化して、記憶力や学習能力の向上に高い効果が期待できる成分です。認知症予防だけでなく、学習期の子ども、妊娠中の女性にもぜひ食べて欲しいさんまです。妊娠中であれば、葉酸も含んでいるので、さらにおすすめです。

さんまの栄養をたっぷり摂りたいからと、食べすぎると、脂質をとりすぎることになるので注意が必要です。さんまのお刺身で食べると一尾の過食部分は69gほどで、214キロカロリーあり、塩焼きの場合は、1尾で100gくらいで297キロカロリーになります。脂質は1日の内に必要分の1/3くらい含んでいるので、一尾程度にとどめておくのがおすすめです。

さんまは下処理を丁寧にすることで、子どもでも食べやすく臭みのない魚調理ができます。簡単に内臓を一気にとれるさんまの下処理は、さんまの背側が手前になるようにまな板におき、エラのすぐ後ろの位置に包丁の刃先をいれ、背骨を切り落として、頭の部分を包丁でおさえて、体を少しゆすりながら引き抜くと、内臓が一気に抜けます。

頭を残す場合は、さんまの肛門から包丁をいれて、腹部分をまっすぐに切って、お腹を開き、内臓を描きだします。血合いも丁寧に取り除くことで、苦味のないさんま料理ができます。内臓と血合いをとったら、塩水で中を丁寧に洗い、キッチンペーパーで拭き取ります。

さんまの塩焼きで、内臓を焼いた部分も好きという人もいます。さんまは胃袋がないので、消化が早く、内臓にえぐみがあまり残らないので、他の魚に比べて食べやすくなっています。内臓も一緒に焼きたいという場合は、さんまそのものを水洗いして、汚れや血を流して、うろこを包丁の背で軽くなでておとします。

内臓を取り出す下処理も、内臓を残す場合でも、共通して、さんま全体に塩をふって15分ほどおくと、水分が浮きでてきます。これを再度キッチンペーパーで拭き取ると臭みもとれます。この状態で、丸ごと塩焼きができます。腹の部分に、切り込みをいれておくと、中まで火が通りやすく、見た目も美しく焼きあがります。

さんまだけでなく、魚を焼くには魚焼きグリルを使うという人も多くいます。また魚焼き専用のフィッシュローターというものも販売されていて、使っている人もいるかと思いますが、魚しか焼かないのにキッチンの場所を占有していたり、洗うのが手間だったりと活用しきれていないことも多くあります。

さらに、焼き魚は好きだけれど、キッチンにグリルもフィッシュローターもないということもあります。そうした時には、フライパンを使って焼き魚を作ることができ、フライパンだからこそ、いつでも使いやすく料理もしやすいメリットもありますので紹介します。

フライパンでさんまを料理すると、フライパンを洗うだけで後片付けがラクになります。魚焼きグリルも洗うことができますが、少々手間がかかります。またグリルで塩焼きをすると、表面はパリッと焼けて中はジューシーな焼き上がりになりますが、煙がでます。これがキッチンだけでなく、部屋中ににおいが広がってしまいます。フライパンで焼くと蓋をすることで、煙を少なく押さえることができ、火加減の調整もしやすくなります。

さらに、アルミホイルやクッキングシートをフライパンにあわせて使うことで、後片付けもとても簡単になります。調理後のにおいのもととなるものは、脂や食べ残したさんまの頭やしっぽなので、このアルミホイルやクッキングシートに包んで捨てることで、臭いをかなり防ぐことができます。

フライパンで焼くときに、気をつけたいのは表面だけ焼けて、さんまの中まで火が通りにくいことがある点です。そのため、グリルよりもじっくりと焼くことになるので、さんまの表面が焦げ付いて、フライパンの表面にこびりつかないよう、アルミホイルやクッキングシートをひいた上で焼くことです。焦げ付きを防止してくれて、焼きあがった後には、アルミホイルやシートを捨てることで、さらに後片付けも簡単になります。

最近では、フライパンで魚を焼くためのシートも売られています。これを使うのもよいですし、家庭にあるアルミホイルやクッキングシートでも、十分に焦げ付かずに、さんまを焼くことができます。

フライパンを使うと、さんまは綺麗で美味しく焼けて後片付けもラクになります。フライパンで焼くときには、アルミホイルやクッキングシートを組み合わせると、より綺麗に焼けるので、それぞれの焼き方を紹介します。

フライパンにアルミホイルをひいて、焼く場合には、アルミホイルをフライパンより一回りくらい大きいサイズにカットします。このままフライパンにひいてもよいのですが、軽くクシャクシャとしてから、再度のばして、アルミホイルの表面に凹凸をつけます。こうしたものをフライパンにひいた焼き方にすると、アルミホイルにさんまの皮がくっついて、とりだすときに、身を崩してしまうことを防ぐことができます。

アルミホイルにシワをつけることで、フライパンの底にも、さんまにもアルミホイルが触れる部分が、面から点になることで、さんまが焼けて脂をだし、身がぺったりとアルミホイルにくっつくことを防ぐ役割をはたします。焼き方は、クッキングシートを使った焼き方と同じように焼いていきます。

クッキングシートをフライパンにひきますが、クッキングシートによっては表裏があるものもあります。食材をのせる方には焦げ付き防止の加工がしてあるので、反対面にした焼き方では、クッキングシートの性能が発揮されないことがあるので、気をつけてください。焼き方は、クッキングシートの上に、下処理をしたさんまを並べて、加熱をします。

最初は中火から弱火くらいの火加減にして、蓋をして7分ほど焼いて、片面に焼き色がついて焦げ目も付いてきたら裏返します。裏返したら、蓋をしないで3分ほど焼いて、こちらの面にも焼き色がついたら焼き上がりです。強火を使わずに、じっくりと蒸し焼きにすることで、中までしっかりと火を通す焼き方です。

フライパンとクッキングシートを使い、さんまをふっくらとさせる焼き方は、強火は使わないことです。強火は皮部分だけを焦がしてしまい、身にまで火が通りません。中火から弱火で最初は蓋をして、じっくりと加熱し、仕上げに蓋をとって、皮もパリッとさせながら焼きます。さんまを焼いていると、脂がでてきます。クッキングシートなどにでてきた脂分はキッチンペーパーで拭き取りながら、焼く方が皮がパリッと焼けます。

飾り包丁としえｔ切り込みをいれてあるものの焼き方も同じですが、さんまの身から水分が出てくるころが、焼き上がりのタイミングになります。またフライパンで焼くときに、両面を丁寧に焼こうとして、何度もひっくり返してしまうと、身がくずれやすくなります。表面を焼いて裏面を焼くときに一度だけ裏返るのみにするのも、フライパンでさんまを綺麗に仕上げる焼き方のコツです。

フライパンを使って、さんまを調理するのはただ焼くだけではありません。味付けや組み合わせる食材をかえて、アレンジしたさんま料理や味付けを変えた焼き方ができます。どれもフライパンがあれば調理できる料理を紹介します。

さんまにハーブの香りをまとわせて焼き方、「香草焼き」なら臭みもきにならず、ワインにもあう一品ができます。主な材料は、さんま、強力粉、卵、パン粉、粉チーズ、ハーブ&スパイスミックス、オリーブオイルです。パン粉に、ハーブ&スパイスミックスと塩、粉チーズを混ぜ合わせて、香草パン粉を準備します。さんまは下処理して、内臓も取り除き半分に切り、表面と内臓を除いた部分にも塩こしょうをふり10分置きます。

水気をキッチンペーパーで切り落とし、強力粉をさんま全体にまぶします。溶いた卵にくぐらせて、香草パン粉を全体にまぶします。フライパンにオリーブオイルを1尾あたり大さじ1程いれ熱し、中火から弱火にしてさんまをいれて揚げ焼きにします。片面を5分焼いたら、裏返し反対面も3分ほど、オイルを回しかけるようにしながら焼いてできあがりです。レモン汁をお好みでしぼっていただきます。

香草パン粉を普通のパン粉にして焼き、仕上げにバジルペーストを添える香草焼きもおすすめです。バジルペーストは、バジル、にんにく、松の実、塩、オリーブオイルをフードプロセッサーで刷り混ぜるだけで作ることができます。さんまの塩焼きをするときに、フライパンにオリーブオイルを入れ、タイム、ローズマリーをさんまの上に置き、蓋をして蒸し焼きにする焼き方でも、ハーブの香る香草焼きになります。

フライパンで、よりさんまの表面をパリッとさせて、簡単に塩焼きを味わいたい時におすすめの焼き方です。さんまは下処理をして、塩を振って10分ほどおき、でてきた水分を一度ふき取っておきます。そして、さんまを半分に切り、腹の部分には飾り包丁として、斜めに切れ目を入れ、両面に塩をふります。

フライパンにクッキングシートやアルミホイルなどをひいて、表になるほうを下にしてさんまをおき、弱めの中火で5分ほど、蓋をしないで焼きます。切った部分からみて、胴体の半分くらいが白くなり火が通っていたら、木べらなどで裏返します。さらに3分ほど焼きます。両面にこんがり焼き色が付き、飾り包丁をいれたところから、さんまの胴体が少しのぞけるくらいになったら、焼き上がりです。

さんまを半分に切ることで、一尾丸ごと焼くときよりも、短時間で焼くことができます。また蓋をしないで焼き進めるので、皮がパリッとして、飾り包丁を入れることで、火の通り具合もわかり、焼き上がりの綺麗です。塩は両面にまんべんなくふるように、さんまから高い位置でふると、一部分に塩がかたまらずに、全体に味付けができます。

さんまをかば焼きにしてご飯とあわせると、ご飯も進む美味しい丼ができます。かば焼きも、フライパンで簡単に作ることができます。生のさんまを3枚におろし、腹骨も取り除きます。三等分に切り、塩をふって10分ほどおいてから、キッチンペーパーで表面の水分をふきとります。さんまに小麦粉をまぶします。この時、ビニール袋に小麦粉を大さじ1くらい入れて、さんまの切り身をいれて、ふるとまんべんなく小麦粉がつきます。

しょうゆ、酒、みりん、水を各大さじ2、砂糖を大さじ1をあわせてタレを作っておきます。フライパンに油をいれて火にかけ、中火でさんまを焼きます。片面2～3分で、両面に焦げ色がつくまで焼き、一度さんまをとりだします。フライパンに残った油を一度きれいにふきとってしまいます。この手間、仕上がりが生臭くなりにくくなります。フライパンに焼いたさんまを皮を下にして並べ、中火にかけてタレを入れます。

タレをいれたら中火のままフツフツと沸いてきたら、1分ほどタレを染みこませてできあがりです。そのまま小鉢にもって、山椒をふって食べてもよいですし、丼によそった白飯の上にさんまをのせて、さんまのかば焼き丼でも味わえます。

かば焼きのタレは、麺つゆを濃いめに水とあわせて、しょうがのすりおろしを加えて、煮詰めるだけでも、簡単に作ることができます。濃いめの味付けにして、長ネギなどとあわせて、とき卵でとじるとまたご飯にもタレがよくからみます。

さんまは和の調理法だけでなく、洋風の料理の食材としても活躍します。特にトマトの酸味との相性もよく、フライパンを使って、さんまをふんわりと優しい味わいのトマト煮込みにしていきます。材料は、さんま2尾、トマトの水煮缶（カットタイプ）1缶、玉ねぎ1/2個、にんにく1かけ、カレー粉少々、バジル、小麦粉、オリーブオイル大さじ1、塩こしょうです。調理したものはパスタに和えても美味しいです。

さんまは塩をふって臭みをとるまでの下処理をしたものを半分に切って、塩こしょうをふり、表面に小麦粉を薄くまぶしておきます。フライパンにオリーブオイルをいれて、中火にして、さんまの両面をやきます。両面にこげめがついたら、一旦、取り出しておきます。そのままのフライパンに、みじん切りにしたにんにくと玉ねぎを炒めて、玉ねぎに透明感がでてきたら、トマトの水煮缶とカレー粉を少し加えて強火にして煮たてます。

塩こしょうで味を調え、トマトソースが煮立ったら、中火にしてさんまを戻し入れて、2分ほど煮ます。お皿にもって、バジルを小さくちぎったものをふりかけて、できあがりです。カレー粉を少し加えることで、さんまの臭みも消え、トマトソースに深みもでます。辛い味が好みなら、カレー粉の代わりに、赤唐辛子や豆板醤を少し加えてソースを調理する方法もおすすめです。洋風のさんま料理を味わってください。

さんまの臭みを消してくれる、香りの強いシソと梅をあわせた調理法です。巻いて焼くだけと簡単に作ることができるので、塩焼きではない、さんまがメインのおかずになります。準備するものは、三枚におろしたさんま、シソ、梅干し、塩こしょうです。さんまをおろしたものに塩こしょうをふっておきます。梅をのせるので、塩は軽くふるだけで大丈夫です。

そこに、梅干しをたたいてペーストにしたものをスプーンなどでまんべんなくのばして、その上にシソをおきます。端からくるくると巻いて、巻き終わりを楊枝でとめます。フライパンに巻いたさんまを並べて、中火にかけます。焦げ付きやすいフライパンなら、クッキングシートやアルミホイルをひいた上に並べてやきます。片面に焦げ目がついたら、裏返し、蓋をして4分ほど蒸し焼きにします。中心部まで色が変わればできあがりです。

さんまは三枚におろしたものを使うことで、小骨も取り除けるので、食べやすくなっています。梅干しの塩加減にもよりますが、味もしっかりとついているので、そのままで美味しくいただけます。さんまの脂が、梅とシソでさっぱりと食べられる一品です。

チーズでさんまの臭みを和らげて、子どもが食べやすいロール状にした「チーズロール」です。三枚におろしたさんまに、塩をふっておきます。シソを半分に切り、プロセスチーズはさんまの幅にあわせてスティック状に切っておきます。さんまの上に、シソをのせ、チーズを端に置いて、クルクルと巻いて、巻き終わりを楊枝を指してとめます。全体に薄く片栗粉をふっておきます。

フライパンを熱して、さんまをいれて蓋をして中火で蒸し焼きにします。焼き色がついたら、裏返して弱火にして再度、蓋をして蒸し焼きにします。4～5分程焼いたら出来上がりです。そのままでも食べられますが、お皿にもって、トマトケチャップなどを添えて、楊枝をピックなどに変えると、子どもも手にもって食べやすくなります。大人向きには、おろしにんにく、梅ペーストをあわせて巻くのもおすすめです。

オーブンで焼き上げるパエリアですが、フライパンを使っても簡単に調理できます。さんまを使うと、脂分の旨味にふっくらとした身の食感も好く、いつもとは違うさんま料理になります。材料は、さんま（三枚におろしたもの）2尾分、米1.5合、玉ねぎ1/2個、パプリカ1個、にんにく1かけ、オリーブオイル大さじ1、水380cc、コンソメスープの素1個、トマトケチャップ大さじ1、塩こしょう、レモンです。

さんまは3等分にして両面に塩こしょうをふっておきます。水とコンソメスープの素、ケチャップをあわせて電子レンジに入れてスープにしておきます。フライパンにオリーブオイルを少しいれて、さんまの両面を焼き色がつくくらいに焼いて、取り出します。そのフライパンに、残りのオリーブオイルとみじん切りにした、にんにく、玉ねぎ、半分のパプリカをいれて炒め、研いでいない米も入れ、米の表面が透明になるまで炒め合わせます。

スープの半量を米を炒めているフライパンにいれて、沸騰させて3分程煮たら、残りのスープを注ぎ入れて、表面を焼いたさんまと、細切りにしたパプリカをならべて、フライパンの蓋をして弱火にして15分ほど炊きます。火を止めて10分蒸らして、レモンのくし切りにしたものを添えてできあがりです。フライパンの底と側面には焦げもでき、美味しく食べられます。トマトやシーフードミックスを加えたアレンジ調理もできます。

さんまは魚焼き用のグリルやトースターがなくても、フライパンで美味しく簡単に焼くことができます。その時には、アルミホイルやクッキングシートをあわせて使うことで、焦げ付きも防ぎ、後片付けもとてもラクになります。美味しいさんまの塩焼きだけでなく、洋風にもアレンジした焼き方もフライパンを使ってお試しください。