アナゴの捌き方のコツは?締め方やぬめり取り・目打ち方法も解説!

今回はアナゴについて調査し、その捌き方についても追っていきます。アナゴはウナギ目というウナギやウツボ、さらにハモのグループです。近年ウナギが高騰しているのでアナゴを代わりに食べる人も増えています。スーパーで調理済みを買うのもいいですが、新鮮なアナゴを食べる場合はやはり捌き方やあの独特のぬめり取りが大事です。アナゴには他の魚類と違って特別な捌き方の手法があります。

アナゴの捌き方のコツは?締め方やぬめり取り・目打ち方法も解説!のイメージ

目次

  1. 1アナゴってどんな魚?
  2. 2アナゴの捌き方と締め方
  3. 3アナゴの下処理とぬめり取り
  4. 4美味しいアナゴの料理方法
  5. 5アナゴの捌き方をマスターして美味しく食べよう!

アナゴってどんな魚?

アナゴの捌き方を紹介していきますが、まずはアナゴという魚について知る必要があります。アナゴはうなぎ目といってうなぎやハモと同じグループに分けられます。さらにアナゴにはマアナゴやクロアナゴなど世界中には32属いて、150種類にも分けられます。日本で多く獲れるマアナゴは瀬戸内海に生息しており、水産重要種という事になっています。

アナゴ類はウナギと同じ円筒の体型をしており、腹にヒレはなく、背中から尻、尾びれと連なってします。鱗はなく、のちに下処理する際にぬめりを取らなければならないほどぬるぬるしているのです。体の色は、背中から側面は暗褐色や灰色の褐色といった暗めの色であり、模様があまりない魚です。しかし瀬戸内海でよく獲れるマアナゴは白い斑点があります。一見ウナギとそっくりですが違う点も多々あります。

口はマアナゴの上顎が出ているのに対してウナギは下顎が出ています。目はマアナゴの方が大きく、ウナギは小さいです。尾びれの形はマアナゴが尖っていて、ウナギは丸い尾びれをしています。身体の色についてですが、マアナゴは白い斑点があり、ウナギに模様はありません。おおよそのアナゴ類は水深100mといったところに生息しており、夜に活動し、エビ、カニやイカ、タコといった種を捕食します。

基本的にアナゴは温かい海にいます。種類別にもなりますが日本だと南日本を中心として、東シナ海、朝鮮半島にも存在します。また、瀬戸内海には多くのマアナゴが全域に存在します。瀬戸内海という場所は岩礁や砂泥といった複雑な海底構造をしており、水深の平均はだいたい36m、動物も約3000種近くが存在する生物の溜まり場であり、アナゴにとって隠れやすく、餌になる生物も多い事からアナゴには天国のような場所でしょう。

アナゴの捌き方と締め方

アナゴの捌き方のコツ

アナゴの捌き方、および下処理ですが、まず締め方からやっていきましょう。締め方はいきなり頭部を切り落としてしまってはいけません。首の、根元あたりの中骨まで包丁の刃を入れます。こうする事を生き締めという締め方になります。アナゴの頭を包丁で叩いて失神させる締め方もあります。続いてアナゴの背中を自分の方へ向けて、アナゴの目にアイスピックや千枚通しなどでもいいので突き刺し、まな板にアナゴをとめます。

次に下処理として包丁の入れ方ですが、捌き方は昔からウナギは腹開き、アナゴは背開きと言われていますので、アナゴの背から刃を入れていきましょう。背びれの下部付近から包丁の刃を入れていきます。包丁の先をアナゴの中骨の上を滑らすように右から、左へと、つまり頭から尾の方向へ刃を入れていきます。この時、アナゴの腹には注意が必要です。腹部に三角骨があるので普通に刃を入れていくと身が骨に残ってしまいます。

刃の角度を若干斜めにして切り裂いていきましょう。一回で頭部から尾まで中骨に剃って刃を入れ背開きするのが理想ですが、下処理に慣れないうちは2,3回と数回にわけてやってみてください。無事半分に、開く事に成功したら、内臓と血合いを取り除きます。そして中骨を取り除く作業に移ります。逆さ包丁で中骨のスジに切れ込みを入れていきます。尾の先までスジはきっちり入れておきましょう。

中骨を取り除く時は1番始めに切れ込みを入れた頭部から包丁を入れて中骨を剥ぎ取るように刃を尾に向かって入れていきます。中骨には小骨もついているので、包丁で中骨を軽く持ち上げていく感覚で包丁を入れいくと小骨も切れます。中骨を取り終えたら、生臭さの元になるヒレを落とします。腹のヒレと背ビレ切り落としましょう。最後は頭を落として終わりです。締め方から下処理の流れを紹介しました。

アナゴの目打ち方法

アナゴの捌き方として有名なのが目打ちですが、目打ちの道具は上がT字型になった、先っぽの尖った形をした道具などがあります。しかし家庭ではなかなかない道具かもしれません。そういった時は千枚通しやアイスピックで代用しましょう。なお、目打ちをすると木のまな板に穴が空いてしまいます。一人で使っている物なら良いでしょうが、家族、複数人で使っている場合は穴が空いてしまうと困り物です。

目打ちを家族で使っているまな板でやりたくないという人は100円均一で売っているような木のまな板を買ってきて、目打ちをする頭部だけに100円均一のまな板を敷き、アナゴの胴体は家のまな板を使ってはどうでしょうか?ちゃんと家のまな板と100円均一のまな板の段差を揃えてやればちゃんとした目打ちができ、あとは普通に捌き方ができます。また、プラスチック製のまな板しか家にない人もいるでしょう。

プラスチック製のまな板で、目打ちをするアナゴの締め方は可能なのでしょうか?方法としてはかまぼこ板を利用します。まず、プラスチック製のまな板は滑りやすいので下にタオルでも台拭きでも敷いて滑らないようにしましょう。まな板と布巾等の間にかまぼこ板を挟み、かまぼこ板が水泳の飛び込み台のように前に突き出る形にします。まな板からアナゴの頭部だけ、挟んだかまぼこ板の上にでっぱるように置きます。

目打ち道具、手軽なところでアイスピックを使うとして、プラスチック製のまな板とかまぼこ板の間に隙間ができますがそのまま目打ちしてかまぼこ板にアイスピックを突き刺して下さい。あとの下処理、捌き方はまな板ごとアナゴをアイスピックに近づけ固定すると安定しますのでそのまま捌いていください。目打ちはアナゴの締め方としては欠かせないものなのでしっかりした締め方になるように目打ちしてください。

アナゴの締め方

アナゴは身体についた粘液のおかげなのか、新鮮なものは捌く際にも生きている事があります。ほっておくと鮮度が悪くなるので締め方を駆使して締める必要があります。一般的な締め方は頭部のやや後ろの中骨まで刃を入れる締め方です。包丁で叩いて気絶させる締め方もあります。また、氷水に長くさらして仮死状態にする締め方もあります。締め方を間違うと捌き方が難しくなったり、鮮度が落ちたりするので締め方は大事です。

アナゴの下処理とぬめり取り

白焼き・蒲焼・揚げ物の場合のアナゴのぬめり取り

アナゴには体にぬるぬるの粘液がたくさんついており、下処理としてぬめり取りはかかせない作業の1つです。白焼きの場合、皮目だけ熱湯を振りかけてやるとアナゴのぬめりが浮き上がるので、ここがぬめり取りのチャンスです。包丁の刃でこそぎ落とすように浮いたぬめりを取っていって、水で洗い流しぬめり取りをおこない、アナゴの下処理を行います。

天ぷらなど揚げ物の、場合のぬるめ取りする下処理ですが、包丁で皮目をこそげて、先程の、ぬめり取りの過程からさらによく塩でもんでやってぬめり取りしてやる必要があります。そしてさらにぬめり取りの仕上げとして包丁でぬめりをこそいでいください。蒲焼もだいたい白焼きの方法でぬめりは取れますが、開いたアナゴのぬめりに包丁をさっとスライドさせ、ぬめり取りし、粗塩でしごいて、流水でしっかり流す程度でも良いです。

佃煮・煮アナゴの場合のアナゴのぬめり取り

ぬるめ取りという下処理をしっかりしないと調理後に臭みが残ります。佃煮や煮アナゴも同様です。ぬめり取りを佃煮や煮アナゴをつくる際に行う下処理ですが、斜めにしたまな板にアナゴを並べ、上から熱湯を満遍なくかけたら、粗熱を取るために、氷水にさらします。再びまな板にアナゴを並べて、逆さ包丁でアナゴのぬめりをこそぐように取っていきます。

オオアナゴの場合の骨切り

1mを超えてくるようなオオアナゴの場合、小骨の処理が難しくなります。捌き方も大変です。普段食べる分には気にならない大きさの小骨が大骨になってしまっています。そして柔らかいわけではなく硬いのです。骨切りといえばハモが有名ですが、オオアナゴほど大きいアナゴになると骨切りが必要になってきます。まず、通常のアナゴと同様に体を開き、内臓を取り除き、ぬめりをとるといった下処理をします。

捌き方としてはオオアナゴを出刃包丁で三枚におろします。皮を下にし、まな板に置きます。オオアナゴの骨切りなのでまな板が小さいと乗せられない大きさのケースが出てきます。オオアナゴの骨切りの際にはまな板に乗せられる大きさにカットした方が作業しやすいでしょう。ここから本格的に骨切りを始めます。オオアナゴの小骨は皮があるところの裏側あたりにあります。

小骨は皮に沿って斜めにあります。そこを、出刃包丁を使って、刃先で皮を切るギリギリまで刃を入れて、身の上から下へ向かってさーと刃を引きます。正しく骨切りがされているようならコリコリとした音が聞こえてくるはずです。ハモの骨切りは職人技とまで言われていますが、ハモほどオオアナゴの骨切りは細かくやる必要はありません。おおよそ3cm~4cm感覚でオオアナゴの大きさに沿って刃を入れていきます。

例えばアナゴを釣りにいってオオアナゴを釣り上げ、調理する際には1番やっかいなのが骨切りになります。オオアナゴだけあった普通のアナゴの何気ない、口に入れても気にならない小骨が邪魔になるのです。オオアナゴの下処理をする場合は念入りに骨切りをしておきましょう。オオアナゴの捌き方の基本にもなります。

美味しいアナゴの料理方法

美味しいアナゴ料理:アナゴ丼

アナゴの捌き方までマスターしたら次は調理法です。美味しいアナゴ丼のレシピを紹介します。まず焼きアナゴを二匹分ほど用意し、頭は取って3cmほどの幅に切っていきます。タレの材料は、酒大さじ3,みりん大さじ3,しょうゆ大さじ1.5、砂糖小さじ1、昆布1枚、温かいごはんを今回は2人分なので2つ、卵1個、調味料は砂糖小さじ1、塩を少々、大葉三枚、すり白ゴマおおさじ1、サラダ油少々用意してください。

卵を割り、溶きほぐします、ここに調味料を加えて混ぜ、サラダ油で熱したフライパンに好きな固さになるまで卵を入れて炒めます。大葉は細切りにして水にさらし、ザルに上げて水気を取ります。この時にタレも混ぜ合わせておきましょう。なお、生のアナゴを用意している場合は、アナゴをザルにのせて熱湯を回しかけ、臭みをとり、網かグリルで両面を焼きます。

タレを弱火で、フライパンで煮詰まるまで熱しましょう。煮立ちそうになったら昆布は出しておきます。そしてトロトロになってきたら火を止めてアナゴを入れて混ぜ合わせます。温かいごはんを用意したら炒めた卵、と大葉と白ゴマを加えて混ぜ合わせ、丼などの器に入れ、アナゴを乗せます。アナゴを乗せたらタレをかけましょう。これで美味しいアナゴ丼のできあがりです。

美味しいアナゴ料理:アナゴの卵焼き

材料は卵3個、合わせ調味料としてだし汁大さじ3杯、だし汁の作り方は水1200mlに昆布10cm角ほど、かつお節15g~20gを用意し、鍋へ水と昆布を入れて中火で煮立ってきたらかつお節を入れ、昆布が鰹節の蓋になるような形で乗せて、2分ほど煮て、火を止め、鰹節が沈んでいくまで待ちます。ボウルにザルを重ねてキッチンペーパーを乗せ、昆布と鰹節を取り出しキッチンペーパーでこし、ペーパーを抑えてだし汁を絞ります。

材料の続きですが、酒小さじ1、みりん小さじ1、塩少々、刻んだ蒲焼アナゴ1/2、刻んだ大葉2枚、サラダ油適量、大根おろし大さじ5ほどです。作り方ですが、だし汁と酒とみりんと塩を耐熱ボウルに入れて、電子レンジで40秒ほど加熱させ、ひと煮立ちさせたあと粗熱を取ります。そこに卵を入れて合わせアナゴも入れ、大葉もくわえましょう。卵焼き器用意してサラダ油で、中火で熱し、卵液の半分を流し入れます。

さい箸でさっと早く混ぜて、半熟になったら手前から向こう側へ巻きます。そして卵焼き器に再びサラダ油を少し引き、残りの卵液を流し込み、向こう側から手前へ向けて引きます。最後は巻きすで形を整え、適当な大きさに切り分けます。食べやすい形に切り分けましょう。皿に大根おろしと共に盛り付けて完成です。卵液を作る段階で、電子レンジで加熱させますが600wが望ましいです。

アナゴの捌き方をマスターして美味しく食べよう!

店で捌いてあるアナゴを調理するのはそれほど難しくないでしょう。しかし新鮮な釣ったばかりのアナゴは捌き方が難しいです。アナゴは他の魚と違って捌き方が独特です。生命力も強いので捌き方には目打ちをして、暴れないようにして、上手に切り開かないといけません。臭みを取るためにぬめりも取る必要があります。オオアナゴになると小骨を骨切りする必要も出てきます。

ですがアナゴの握りや白焼きと大変美味で苦労して捌く価値がある魚です。丼物にしても美味しいですし、寿司でちらし寿司の中に入ってあったり、蒲焼のアナゴも美味しく、アナゴ料理を名物にしている店、地方もあるぐらいです。新鮮なアナゴを手に入れる機会があるのなら是非、上手な捌き方をして美味しくいただきたいです。

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