2018年09月14日公開
2024年08月03日更新
善玉菌を増やす食べ物7選!腸内環境を整える食生活も紹介!
腸内には100兆から1000兆にものぼる細菌が住んでいると言われています。腸内細菌は、善玉菌、悪玉菌、日和見菌に分けられます。このうち善玉菌は体にとって良い働きをすることがわかっています。また近年の研究で、善玉菌の数を増やせば肥満を予防することができることもわかってきました。善玉菌は食事によって増やすことができます。今回は善玉菌を増やす食べ物を7種類紹介します。また善玉菌を増やす食べ物を使ったレシピも紹介します。
目次
善玉菌を増やす食べ物で食生活を見直そう
近年、食の欧米化が進み、脂質や動物性タンパク質の摂取が増加し、野菜や植物性タンパク質の摂取が減少しています。このような食生活は、肥満をはじめとした様々な疾患を引き起こします。
肥満が進行すると動脈硬化を発症し、心血管疾患や脳血管疾患の原因となります。心血管疾患や脳血管疾患による死亡者を合わせると、ガンによる死亡率に匹敵するといわれています。肥満を予防することは、人々の健康寿命の延長に非常に重要です。
食物を摂取すると口腔内や胃などで消化され、腸に送られて吸収されます。腸を広げるとテニスコート一面分になるとも言われていますが、そこには多くの腸内細菌が生息しています。腸内細菌は働きの違いによって善玉菌、悪玉菌、日和見菌と分けられ、その人の健康状態によってどの腸内細菌が多いのかが変わります。
善玉菌とは私たちの体にとって良い働きをしてくれる腸内細菌です。善玉菌は日々の食事を工夫するだけで増やすことができます。食生活を見直して、善玉菌を増やす食べ物を積極的に摂取することが、健康増進につながります。
善玉菌を増やす食べ物の効果は?
善玉菌とは?
善玉菌とは私たちの体にとって良い影響を示す腸内細菌の総称です。現在のところ、善玉菌は約500種類あることがわかっています。よく知られている善玉菌に、ビフィズス菌や乳酸菌などがあります。主な作用としては、消化吸収を助けたり、私たちの体を感染から守ってくれたりと多様な働きをしています。
善玉菌は肥満を防ぐ
善玉菌が免疫力を上げるという話を聞いたことがある人は多いかもしれませんが、実は善玉菌は肥満を防ぐ効果もあることがわかってきました。
痩せている人と太っている人の腸内細菌を比べてみると、善玉菌の数が太っている人に比べて痩せている人で多いことがわかりました。腸内細菌は、食べ物を分解する時に様々な物質を放出するのですが、善玉菌から放出された物質は脂肪の吸収を抑える効果があることが知られています。そのため、善玉菌は肥満を防ぐことができるのです。
反対の意味を持つ悪玉菌とは?
悪玉菌とは、善玉菌の反対で私たちの体に有害な影響を与える腸内細菌です。代表的な悪玉菌に大腸菌やウェルシュ菌などがあります。悪玉菌が増える原因は、ストレス、不規則な食生活、加齢など様々です。
出典: http://fromj.jp
理想的な腸内環境は、善玉菌20%、悪玉菌10%で、残りの70%は日和見菌と呼ばれるものです。日和見菌の働きはよくわかっていませんが、正常な状態では特に目立った働きはしていないと言われています。しかし、様々な原因によって悪玉菌が増えてくると、今まで何もしていなかった日和見菌が悪さをし始めます。
腸内細菌のメカニズムとは?
人の腸を広げると、テニスコート1面分ほどの大きさだといわれています。その面積の中に100兆から1000兆にものぼる細菌が生息する姿は花畑のように例えられ、腸内フローラとも呼ばれています。
腸内細菌同士が共生し合うのはもちろん、腸内細菌と宿主である人も互いに助け合って生きています。腸内細菌は、私たちが食べたものをエサとし増殖し、様々な物質を産生します。そして私たちは腸内細菌が産生した物質を利用しています。このように人と腸内細菌は互いに助け合いながら生活しています。
善玉菌を増やす食材:食物繊維を含むもの
善玉菌を増やす食材1つ目は、食物繊維を含むものです。食物繊維は、人の消化酵素で消化されないため役に立たないものだと考えられていた時期もありましたが、後の研究で、食物繊維が善玉菌のエサになることが明らかになりました。
善玉菌は生きていくために炭水化物を摂取しなければいけません。ですが、ごはんや小麦などに含まれる炭水化物は消化酵素で消化され小腸で吸収されるため、腸内細菌のエネルギー源として使うことができません。
そこで善玉菌のエネルギー源となるのが食物繊維です。食物繊維に含まれる炭水化物は、消化されることなく腸内にやってくるので、善玉菌のエネルギー源として使われます。また悪玉菌のエネルギー源はタンパク質なので、食物繊維は善玉菌のみを積極的に増やしてくれる食材といえます。
善玉菌を増やす食材:発酵食品
善玉菌を増やす食材2つ目は、発酵食品です。発酵は食品を長期間保存する場合や、そのままでは食べにくい食材を食べやすくするために古くから行われてきた調理方法です。
多くの発酵食品には、ビフィズス菌や乳酸菌といった腸内で善玉菌として働く細菌類が使われています。そのため発酵食品をたくさん食べれば、善玉菌をたくさん食べることになるので、善玉菌を増やすことができます。
善玉菌を増やす食材:オリゴ糖や糖アルコールを含むもの
善玉菌を増やす食材3つ目は、オリゴ糖や糖アルコールを含むものです。糖類は単糖と呼ばれる基本構造が繋がってできており、2個くっついたものを二糖、3個くっついたものを三糖のように呼びます。
オリゴ糖は糖類が3から10個くっついた糖類のことです。ちなみに、オリゴはラテン語で少ないを意味します。オリゴ糖は100年以上も前から、ビフィズス菌を始めとした善玉菌を増やす効果が期待されており、現在は特定保険用食品としても利用されています。
糖アルコールは、甘みはあるけれども吸収されにくく、低カロリーの甘味料として利用されています。人が吸収しにくい糖アルコールは、食物繊維と同様、善玉菌のエネルギー源として使われるので、善玉菌を増やすことができます。
組み合わせた食べ方がおすすめ
善玉菌を増やすことは腸内環境を整えて便秘を解消するだけでなく、肥満の予防など様々な病気の予防に効果的です。ストレス社会である現代、より効率的に善玉菌を増やせた方が便利です。善玉菌を効率的に増やすためには、善玉菌を増やす食べ物を組み合わせて食べることをおすすめします。ここからは、善玉菌を増やす食べ物を7つ紹介していきます。
善玉菌を増やす食べ物7選を紹介
食物繊維たっぷりのスーパー野菜「モロヘイヤ」
善玉菌を増やす食べ物1つ目は、近年スーパー野菜として話題になっているモロヘイヤです。シマツナソと呼ばれる植物の若葉を指します。食物繊維だけでなく、カルシウムやβカロテン、ビタミンB、ビタミンCなどを多く含んでおり、「野菜の王様」とも呼ばれています。
モロヘイヤに含まれる食物繊維の中に、ムチンと呼ばれる成分があります。ムチンは糖質の吸収を抑える効果があります。糖質は私たちが生きていくうえで欠かせないエネルギー源ですが、摂りすぎると脂肪として溜め込まれ、肥満の原因となります。ムチンを多く含むモロヘイヤは。善玉菌を増やす食べ物であるだけでなく、ダイエットにも効果的な食べ物といえます。
不溶性食物繊維が豊富で便秘に効く「きのこ」
善玉菌を増やす食べ物2品目は、きのこです。きのこも食物繊維が豊富な食べ物です。食物繊維には水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の2種類があります。それぞれ働きが異なり、水溶性食物繊維は腸内の老廃物を柔らかくし体積を増やす効果、不溶性食物繊維は腸を刺激し老廃物を排出しやすくする効果を持っています。どちらかだけ食べると腸内のバランスが崩れてしまいます。
きのこには水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の両方が含まれているので、便秘解消効果が期待できます。また、きのこは非常に低カロリーの割に、食物繊維のおかげで満腹感が味わえる食品です。ダイエット中のレシピに取り入れるのもおすすめです。
ミネラルも豊富「海藻」
善玉菌を増やす食べ物3品目は、ワカメや昆布、海苔などの海藻です。海藻にも善玉菌のエサとなる水溶性食物繊維が豊富に含まれています。食物繊維の主成分は多糖と呼ばれる糖類です。善玉菌はこの多糖をエサとし、短鎖脂肪酸を作ります。脂肪という名前がついていますが、この短鎖脂肪酸は血液に乗って全身をめぐり、脂肪の吸収を抑える働きをします。
食物繊維もオリゴ糖もたっぷり「大豆」
善玉菌を増やす食べ物4品目は。畑の肉とも呼ばれる大豆です。大豆には食物繊維だけでなく、オリゴ糖も豊富に含まれています。
大豆は植物性タンパク質も豊富に含んでいます。近年、植物性タンパク質の摂取が減少し、動物性タンパク質の摂取が増加しており、それが肥満や糖尿病などの原因の1つと言われています。植物性タンパク質が豊富な大豆を食べることは、これらの病気の予防に効果的といえます。
毎朝食べて腸内スッキリ「ヨーグルト」
善玉菌を増やす食べ物5品目は、発酵食品の代表格であるヨーグルトです。ヨーグルトにはビフィズス菌や乳酸菌といった善玉菌が多く含まれています。ビフィズス菌や乳酸菌は、ヨーグルトに含まれている乳糖をエサにして乳酸や短鎖脂肪酸などを作り出します。
乳酸や短鎖脂肪酸は悪玉菌が嫌いな酸性環境を作ります。悪玉菌はアルカリ性の環境を好んで増殖します。ヨーグルトを食べることで腸内が酸性環境となり、悪玉菌が増殖しづらい環境を作り出します。毎日の朝食レシピに取り込んで、日常的に摂取することがおすすめです。
過酷な環境で育った善玉菌が生きて腸に届く「キムチ」
善玉菌を増やす食べ物6品目は、発酵食品の1つであるキムチです。キムチは乳酸菌を使って白菜などの野菜は発酵させる発酵食品です。キムチに使われる乳酸菌は、ヨーグルトなどで使われている乳酸菌ではなく、植物にもともといる乳酸菌です。
実は、自然に生育している植物の表面にも乳酸菌は存在しており、植物由来の乳酸菌は乳製品由来のものより強く、厳しい環境でも生き抜くことができると言われています。私たちの体内には、胃酸や胆汁酸などで酸性になる場所が多くあります。そんな過酷な環境でも植物由来の乳酸菌は生き抜くことができ、腸内まで届き効果を発揮してくれます。
おやつにもぴったり「りんご」
善玉菌を増やす食べ物7品目は、おやつにもぴったりのりんごです。りんごにはペクチンと呼ばれる水溶性食物繊維が含まれており、便秘解消に働きます。
また、りんごに含まれるペクチンは、腸内でコレステロールを吸収し、老廃物と一緒に排出する働きも持っています。過剰なコレステロールは動脈硬化や肥満の原因になります。さらに近年、りんごに100種類以上のポリフェノールが含まれていることがわかってきました。1つの食品にこれだけ多くのポリフェノールが含まれることは珍しく、様々な健康効果が期待されています。
善玉菌を増やす食べ物のレシピを紹介
エリンギのぬか漬けで便秘を解消しよう!
ここまでは善玉菌を増やす食べ物を紹介してきましたが、ここからは善玉菌を増やす食べ物を使ったレシピを3つ紹介します。
善玉菌を増やす食べ物を使ったレシピ1品目は、きのこであるエリンギを使ったぬか漬けです。ぬか漬けとは、米麹を使った漬物で、麹床は善玉菌の一種である乳酸菌で発酵させています。
漬ける食材はエリンギ以外のきのこや野菜でも問題ありません。自分や家族の好みに合わせて好きな食材を漬けてみてください。3から4時間程度漬けたら食べられます。
腸内環境を整えてくれるひよこ豆入りつくね
善玉菌を増やす食べ物を使ったレシピ2品目は、ひよこ豆入りつくねです。形がひよこに似ていることからこの名がついており、インド料理のレシピによく取り入れられている食材です。ビニル袋にひよこ豆と合挽き肉、ネギ、小麦粉を入れてしっかり混ぜます。形を整えてフライパンで焼けば出来上がりです。
合挽き肉のかわりに木綿豆腐を使うレシピもあります。大豆から作られる豆腐はも善玉菌を増やす食べ物の1つです。また合挽き肉の代わりに木綿豆腐を使うことでカロリーを抑えることができ、ダイエットにも適したレシピとなります。
小腹が空いた時に最適!かぼちゃのホットヨーグルトスープ
善玉菌を増やす食べ物を使ったレシピ3品目は、かぼちゃのホットヨーグルトスープです。かぼちゃと玉ねぎを適当な大きさに切り、レンジで加熱し柔らかくします。
柔らかくした野菜とヨーグルト、コンソメを一緒にミキサーにかければ出来上がりです。ヨーグルトを入れることでクリーミーに仕上がり、腹持ちもよくなります。
善玉菌を増やす食べ物で食生活を整える
善玉菌を増やす食べ物をバランスよく食べる
善玉菌を増やす食べ物は、腸内環境を整えるだけでなく、肥満などの生活習慣病の予防にも効果的に働きます。腸内環境は食生活だけでなく、ストレスや加齢などで変化します。また腸内の環境は目に見えないので、気をつけることはなかなか難しいです。しかし、善玉菌を増やす食べ物を知っておけば、積極的に日々の食生活に取り入れることができます。
ただし、善玉菌を増やす食べ物だけを摂取しれもバランスを崩してしまいます。炭水化物、脂質、タンパク質を合わせて三大栄養素といい、この三大栄養素とミネラルとビタミンを合わせて五大栄養素といいます。
これらの栄養素は私たちが生きていくうえで欠かすことができないものです。善玉菌を増やす食べ物は、腸内環境を整えたり、肥満を予防したりと有益な作用があるのですが、摂取する栄養素が偏ってしまう可能性があります。善玉菌を増やす食べ物をバランス良く食生活に取り入れることが大切です。
運動も適度に行う
善玉菌を増やす食べ物を食生活に取り入れることも大切ですが、食生活だけを変えてもすぐ健康になれるわけではありません。善玉菌を増やす食べ物の効果をより効率良く出すためには、食生活だけでなく運動も大切です。
運動の中でも、短時間の強い運動を行う無酸素運動は、体内の糖質を優先的に使用します。肥満などの生活習慣病を予防するためには、体内の脂肪を優先的に使用する有酸素運動が効果的です。
善玉菌を増やす食べ物で腸内環境を整えよう!
いかがでしたか?善玉菌を増やす食べ物や、善玉菌を増やす食べ物を使ったレシピについて紹介しました。食生活の乱れやストレスなどによって腸内環境が乱れると、様々な病気を引き起こされます。
腸内環境をより健康に保つように、善玉菌を増やす食べ物を知り、その食材を積極的に摂るようにしましょう。ただし、食生活に頼るだけではいけません。食事だけでなく運動にも力を入れ、体の内と外から健康を目指しましょう。