全粒粉とは?小麦粉(薄力粉・強力粉)との違いやグルテンフリーの効果を紹介!
全粒粉とは何か知っていますか?最近はパンやクッキーなどに全粒粉使用の文字をよく見かけるようになっています。パンやクッキーの材料になる粉だということはわかるけれど、薄力粉や強力粉とどう違うのかよく知らない方も多いかもしれません。今回は全粒粉とは何なのかについて詳しくまとめてみました。含まれる栄養についてやグルテンフリーの効果も含め、全粒粉についてもっと深く知りましょう。
全粒粉とは?
最近、パンやお菓子などによく使われている全粒粉とは何だか知っていますか?よく見かけるし何となく健康やダイエットに良さそうなイメージだけど、全粒粉とは何かと聞かれると実はよくわからないという方も多いかもしれません。
今回は、全粒粉についてまとめてみました。全粒粉とはそもそも一体何なのか、同じ粉類の薄力粉や強力粉とはどう違うのか、気になるダイエット効果や健康にどのように良いのかについても紹介していきます。
全粒粉の特徴
全粒粉の読み方は?
全粒粉とは「ぜんりゅうふん」または「ぜんりゅうこ」と読みます。漢字からわかる通り、全粒粉とは小麦の粒を全て粉にしたもので、胚乳部分に加え表皮と胚芽も含まれています。英語ではwholemeal flourまたはwhole-wheat flourと言います。
全粒粉の特徴
全粒粉とは、薄力粉や強力粉と同じように小麦を挽いて粉にしたものです。小麦粉は小麦の胚乳だけを挽いている一方、全粒粉は胚乳だけでなく表皮と胚芽も含まれるのでざらざらとして少し茶色っぽいのが特徴で、栄養的に優れています。独特の歯ごたえや風味があり、パンやクッキー、グラノーラなどの材料として使われます。
パンや菓子を作るのに使用すると少し固めの仕上がりになり、噛み応えや風味が楽しめますが、ふんわりとしたスポンジケーキなどの材料としては不向きです。ライ麦や小麦粉などと混ぜて使われることもあります。
全粒粉のグルテンフリーの効果
全粒粉はグルテンが少ない
全粒粉とは、薄力粉に比べてグルテンが少ない粉です。そのため全粒粉を使ってパンや焼き菓子を作ると固めの仕上がりになります。グルテン量が少ないため生地を作る時もまとまりがあまりよくありません。独特の風味と歯ごたえを楽しむことができますが、全粒粉とはスポンジケーキなどのふわふわ感を重視する生地には向かない粉と言えます。
出典: https://eonet.jp
ここで気をつけなければならないのは、全粒粉とはグルテンフリーの粉ではないということです。全粒粉100%のパンやクッキーでも、薄力粉使用のものと比較してグルテンの量は少ないですが含まれているので注意してください。
全粒粉の栄養と効果
全粒粉とは食物繊維が非常に豊富な食材です。薄力粉と比較すると3倍以上も含まれています。食物繊維は整腸作用がありお腹の調子を整えてくれます。腸の中で膨らんで満腹感を満たしてくれるので食べすぎを防ぐのに役立ちますし、排便を促してくれる成分です。
鉄分も豊富で、これも薄力粉の約3倍も含まれています。鉄分は貧血予防などに効果のある栄養素で、これが不足するとめまいがしたり、疲れや寒さを感じやすくなったりしてしまいます。また筋肉や体内のさまざまな酵素にも必要な成分です。
ビタミンB1も非常に豊富です。ビタミンB1は糖質からエネルギーを作ったり、皮膚や粘膜の健康維持に役立つ効果があり、小麦の胚芽に含まれていますので、胚芽を取り除いている小麦粉よりも全粒粉に豊富なのがわかります。全粒粉とはこのように栄養的に優れた食品なのです。
このほか、ビタミンEや葉酸、マグネシウム、カリウム、リンなどのミネラルも含み、モリブデンやセレンが豊富です。モリブデンは貧血を予防しデトックス効果があると言われています。セレンには強い抗酸化作用があると言われ、抗がん作用や老化防止に効果が期待できます。全粒粉とは貧血予防と美容にも良い食品と言えそうです。
全粒粉にダイエット効果はある?
全粒粉とは食物繊維の非常に豊富な小麦の表皮部分も一緒に粉にしたものですので、食物繊維の持つ整腸作用でダイエット効果が期待できます。食物繊維は排便を促して腸の中をきれいにしてくれますし、お腹の中でふくらむので満腹感が得られて食べすぎ防止にも役立ちます。
これらのことから、全粒粉とはダイエットに効果的な食材だと言えそうです。ダイエットで不足しがちなビタミンやミネラルも豊富ですので、ダイエット中の食事は全粒粉のパンに、間食は全粒粉クッキーにしてみるのがよさそうです。
ただし、全粒粉のパンはよく売られていますが強力粉など小麦粉が混ざっていることもあり、全ての材料が全粒粉とは限りません。全粒粉のパンと書かれていても半分以上小麦粉のこともあり、これではあまり効果が期待できません。加えて、全粒粉とはあくまで炭水化物です。ダイエット効果を期待するなら全粒粉100%のものを選び、取りすぎには注意しましょう。
全粒粉は小麦粉(薄力粉・強力粉)の違い
違い①全粒粉は栄養価が高い
全粒粉とは栄養価が高い食材です。薄力粉や強力粉といった小麦粉と比較して食物繊維やビタミン、特にビタミンB群が豊富です。鉄分やカリウム、マグネシウム、リンなどのミネラルもたくさん含んでいます。小麦粉は小麦の胚乳のみを粉にしていますが、全粒粉には栄養のたっぷり詰まった表皮や胚芽部分も含まれます。全粒粉とは小麦の栄養を全てとれる、栄養バランスの良い食材なのです。
違い②全粒粉は血糖値が上がりにくい
小麦粉に比べ、全粒粉は糖質が少なくカロリーも低めです。しかし、決定的に違うのが、GI値です。GI値とは、食べ物を摂取したときに血糖値が上昇するスピードを数値化したもので、小麦粉のパンのGI値が73なのに比べ全粒粉のパンはGI値が65、数字が大きいほど血糖値が急激に上昇するので、小麦粉のパンよりも全粒粉のパンの方が血糖値の上昇がゆるやかということになります
血糖値が急激に上がると、すい臓からインスリンが大量に分泌されて血糖値を落ち着かせようとします。インスリンはブドウ糖を細胞に蓄積する働きがあるので、血糖値の急激な上昇は肥満を招く要因になります。つまり、全粒粉とは血糖値の急激な上昇を押さえ太りにくくしてくれるのです。
違い③全粒粉は色がやや茶色い
全粒粉は小麦の外側の表皮や、胚芽部分も含まれていますので、少し茶色がかった色をしています。パンなどの材料に全粒粉と小麦粉を使う場合、全粒粉の配合が多くなるほど茶色っぽく固くなります。
強力粉はグルテンが多くもっちり食感
全粒粉とははグルテンの含有量が少ない食材で、パンやクッキーに使うと固めの歯ごたえがある仕上がりになるのに対し、小麦粉はグルテンが多く含まれています。中でも強力粉は最もグルテンが多く含まれているのでもっちりとした食感になります。強力粉はパンやパスタに向いていますが、ケーキやクッキーに使うと仕上がりが固くぼそぼそしてしまうのであまり向きません。ふわっとサクッと仕上げたいものには薄力粉が向いています。
全粒粉は小麦粉で代用できる?
全粒粉とは小麦粉と同じ、小麦を原料に作られた粉ですので、小麦粉の代わりにパンやクッキーの材料として使うことはできます。全粒粉を小麦粉の代わりに使ってパンを焼くと、固めで噛み応えのあるパンができます。生地にもちもち感が少なく、ふんわりというよりしっかりとした食感です。材料の全てを全粒粉にすると食感が悪くなってしまうことがあるので強力粉などを混ぜて作られることが多いです。
薄力粉の代わりに全粒粉を使用してクッキーを作った場合はザクザクとした歯ごたえのある、固めの素朴な感じのクッキーになります。クッキーなどのお菓子を作る時も薄力粉など他の粉類を混ぜて作ることもできます。全粒粉の生地はグルテンが少ないことと胚芽に含まれる油分のためにまとまりにくくなります。
いずれの場合も全粒粉の配合が100%に近くなるほど、色が茶色っぽくなります。小麦粉のレシピをそのまま全粒粉に置き換えると色や食感が変わるだけでなく、まとまりにくくなって成型できなくなることもありますので、もともと小麦粉使用のレシピで置き換えたい場合はまず何割かを全粒粉にしてみるとよいでしょう。
全粒粉とは栄養も小麦粉よりも優れていてカロリーも低めの食材ですので、小麦粉の代わりに全粒粉を使ってパンやクッキーを作ればヘルシーで栄養のあるものができます。配合を変えて食感の変化を楽しんでみるのもいいかもしれません。
全粒粉は栄養価が高い健康的な粉
今回は全粒粉とはどんな食材かについて詳しく紹介してきました。普段何気なくスーパーやパン屋さんなどで見かける全粒粉のパンやクッキーですが、栄養価やカロリーなどを比較すると、同じ小麦が原料でも、全粒粉とは薄力粉や強力粉などの小麦粉よりも優れている粉だということがわかりました。
全粒粉は小麦粉や強力粉の代わりにパンやクッキー、ケーキなどに幅広く使えますので、ダイエット中などどうしてもパンやおやつが食べたい時は全粒粉のものを選ぶことをおすすめします。栄養価が高く健康的な全粒粉を積極的に食べましょう。