2022年05月09日公開
2024年05月21日更新
チョコレートの白い粉はカビ?ブルーム現象との見分け方や対処法も
チョコレートのカビとブルーム現象の見分け方について解説します。チョコレートの表面の白い粉の正体や、対処法について詳しく説明!上手な保存方法や活用レシピも紹介します。カビとブルーム現象の特徴を詳しくまとめているため、しっかりチェックしておきましょう。
目次
チョコレートのカビとブルーム現象の見分け方を解説
チョコレートの表面が白くなったとき、問題なく食べられることもあります。食べられるケースは、ブルーム現象が起きた場合です。しかし、ブルーム現象ではなく、カビが生えていることもあります。
チョコレートを安全に食べるためには、カビとブルーム現象を見分けることが大事です。本記事では、カビとブルーム現象の見分け方や、上手な保存方法を紹介します。ブルーム現象が起きたときの対処法も説明しているため、ぜひ参考にしてください。
チョコレートにカビは生える?
チョコレートにカビが生える原因
チョコレートはカビが生えにくいお菓子ですが、古くなれば生えることもあります。カビが生える原因は、チョコレートに含まれる水分です。
チョコレートには水分がないように見えますが、まったくないわけではありません。ほんの少し含まれた水分により、カビが発生してしまうのです。
カビが生えやすいチョコレートの種類
カビが生えやすいチョコレートは、水分が多いチョコレートです。特にカビが生えやすいのは、生クリームを多く使う、生チョコレートやボンボンショコラです。
生クリームの分だけ水分量が増え、カビやすくなってしまいます。ボンボンショコラは中にだけカビが生え、見ただけでは、わからないこともあります。
チョコレートのカビを食べてしまったら?
少量のカビであれば、食べてしまっても問題ありません。胃に入った時点で、胃酸がカビの原因菌を消化してくれるためです。吐き気が起こることもありますが、カビの味に反応している場合もあります。吐き気も一時的なものでしたら、それほど問題はありません。
そうはいっても、体に良いものではないため、異変を感じたらすぐに吐き出しましょう。カビが体内に入ることで、アレルギー反応を起こすこともあります。
体調不良が起きた場合は、病院を受診したほうが良いでしょう。受診する際は、残りのチョコレートを持参するのがおすすめです。カビの菌が特定できれば、治療も素早く行えます。
チョコレートのカビとブルーム現象の見分け方
ブルーム現象とは?
チョコレートを長期保存すると、表面が白っぽくなることがあります。この現象が、ブルーム現象と呼ばれるものです。ブルーム現象には「ファットブルーム現象」と、「シュガーブルーム現象」があります。
ファットブルーム現象が起きる原因は、チョコレートに含まれる脂肪分です。カカオ豆に含まれるココアバターは、28℃前後で溶け出します。それよりも温度が上がると脂肪の結晶が現れ、冷えて固まることにより白くなるのです。
一方のシュガーブルーム現象は、砂糖が表面に出ることによって起きる現象です。チョコレートは温度差によって、水滴がつくことがあります。その水滴には、チョコレート中の砂糖が溶け出しています。水滴が蒸発することで、砂糖が結晶として表面に残るのです。
チョコレートは高温(28℃以上)におかれるとココアバターが溶けて表面に浮き出し、その後冷えて固まるときに白く粉をふいたような状態になります。ブルーム 現象(ブルーミング)といってチョコレート特有のものです。こうなるとみかけも悪く、チョコレート本来の味も損なわれますが、食べても別に害はありませ ん
チョコレートがブルーム現象で白い場合の特徴
ファットブルーム現象が起きたチョコレートは、白い斑のような模様で現れるのが特徴です。シュガーブルーム現象の場合は、細かい白い粉が均等につきます。触るとザラザラすることもありますが、それ以外の触感に変化はありません。
味にもさほど変化はありませんが、多少風味が弱くなることもあります。また、商品によっては、脂っぽさを強く感じるでしょう。においに関しては、特に変化はありません。
チョコレートがカビで白い場合の特徴
カビは見た目がフワフワしており、一箇所に集中していることが多いです。白い綿のようなものが、広範囲に付着していることもあります。触るとヌルヌルとしており、においもカビくさくなります。
食べると明らかに味が悪いため、傷んでいることが、すぐにわかるでしょう。ブルーム現象とは違いが明確であるため、見分け方も簡単です。
チョコレートがカビないように保存する方法
保存方法①ジップロックに入れて密封する
チョコレートに含まれているカカオバターは、周りのにおいを吸着しやすい成分です。そのまま冷蔵庫に入れてしまうと、風味が悪くなります。そのため、ジップロックに入れ、密封して保存するのがおすすめです。
その際は、中の空気をしっかりと抜きましょう。空気に触れないことで、カビも生えにくくなります。
パッケージに入っているチョコレートは、そのままジップロックに入れましょう。パッケージがすでにない場合は、ラップでぴったりと包んでから入れてください。
保存方法②アルミホイルで包み遮光する
市販のチョコレートを購入すると、アルミホイルに包まれていることがあります。これは、アルミホイルの遮光効果を利用し、カカオバターの変質を防ぐためです。カカオバターは光に弱いため、日光に当たると変質してしまいます。
そのため、一度開封したチョコレートも、アルミホイルに包んで保存するのがおすすめです。アルミホイルで包むことで、豊かな風味を残せます。また、日光に当たらないようにすることで、カビの発生も抑えることができます。
保存方法③冷蔵庫の野菜室に入れる
カビが生えないようにするためには、温度管理も必要です。チョコレートの保存に適している温度は、14〜20℃程になります。
冷蔵庫だと低温すぎるため、野菜室で保存すると良いでしょう。また、野菜室は湿気が少ないため、カビが生えにくいだけでなく、ブルーム現象も起きにくくなります。
チョコレートにブルーム現象が起きたときの対処法
対処法①料理の隠し味に活用する
ブルーム現象が起こったチョコレートは、料理の隠し味に活用しましょう。カレーやシチューなど、洋風の煮込み料理に使うのがおすすめです。いつもよりコクが出て、芳ばしさもプラスされます。隠し味として使う量は、1〜2片ほどで十分です。
和風料理に活用したい場合は、牛すじやサバの煮込みなど、こってりとした料理に使いましょう。また、パスタのソースや、肉料理のソースにも活用できます。
対処法②テンパリングをする
テンパリングとは、カカオバターの結晶を安定化させるための作業です。この作業を行うことで、口当たりが滑らかなチョコレートになります。テンパリングをするときは、まずチョコレートを細かく刻みましょう。
刻んだらボウルに入れて、50℃程度の湯煎にかけて静かに混ぜます。そのまま、チョコレートが40℃くらいになるまで、混ぜ続けてください。混ぜるときは、水が中に入らないように気をつけましょう。
温度が40℃に達したら、今度はボウルを冷水につけます。混ぜながら26〜27℃まで温度を下げ、そこで一瞬だけ湯煎にかけます。すぐに取り出して混ぜ、温度が30℃くらいになったら完了です。
対処法③チョコレート菓子やソースに加工する
ブルーム現象が起きたチョコレートも、お菓子やソースに加工することで美味しく食べられます。ケーキやクッキーはもちろん、プリンやムースなどもおすすめです。
チョコソースは、刻んだチョコレートを湯煎にかけて作ります。パンやアイス、フルーツなどにかけて食べましょう。
ブルーム現象が起きたチョコレートの活用レシピ
活用レシピ①生チョコクッキー
【材料】(15枚程度)
- チョコレート 100g
- バター 30g
- 薄力粉 30g
【作り方】
- ボウルにチョコレートを割り入れて、バターを加えます。
- 1を600wのレンジで1分加熱します。
- 2を混ぜて溶かします。
- 3に薄力粉を振るいいれて、ゴムベラで切るようにして混ぜます。
- ひとまとまりになったらラップで包み、棒状に形を整えます。
- 5を冷凍庫で15分冷やします。
- 6を8mmほどの厚さに切り、クッキングシートを敷いた天板に並べます。
- 150℃に余熱したオーブンで、4〜5分焼きます。
- 粗熱が取れたら、冷蔵庫で1時間冷やして完成です。
たった3つの材料で作れる、簡単な生チョコクッキーのレシピです。トースターでも作れるため、お菓子作りの初心者でも気軽に挑戦できます。
トースターを使う場合は、生地をアルミホイルに乗せて1〜2分焼きましょう。生チョコとクッキーの中間のような、独特の食感が人気です。プチギフトなど、ちょっとした贈り物に利用するのも良いでしょう。
活用レシピ②アイスチョコレートミルク
【材料】
- ブラックチョコレート 100g
- A グラニュー糖 10g
- A ピュアココア 8g
- 生クリーム 150g
- 牛乳 300g
【作り方】
- チョコレートを細かく刻みます。
- 鍋にAと少量の牛乳と生クリームを入れて、よく練り混ぜます。
- 滑らかになったら残りの牛乳と生クリームを加え、中火にかけます。
- 沸いてきたら火をとめ、1を入れて溶かします。
- 4をボウルに移し、氷に当てて混ぜながら冷やします。
- 5を濾し、冷蔵庫で冷やしたら完成です。
そのままだと食べづらいチョコレートは、ドリンクにリメイクしてみましょう。しっかりと冷やすことで、暑い夏でも美味しく飲めます。
ココアパウダーなどをトッピングすると、見た目がおしゃれになります。彩りを良くしたいときは、ミントを飾るのがおすすめです。
チョコレートのカビとブルーム現象を正確に見分けよう
ブルーム現象が起きると、チョコレートにカビが生えたのかと心配になります。しかし、それぞれの特徴を覚えておけば、見分け方は難しくありません。見た目や触感の違いを把握して、正確に見分けられるようにしましょう。
また、ブルーム現象で味が落ちたチョコレートは、他の料理などに活用するのがおすすめです。いろいろなレシピを参考にして、最後まで美味しく食べ切りましょう。