2019年07月09日公開
2024年09月21日更新
フランス発祥のパン「エピ」の意味と特徴は?エピの人気レシピも紹介
エピという名前のパンを知っていますか?葉っぱのような形をした固めのフランスパンの中にベーコンが入っていて、それが枝のように長くつながっているパンがエピです。今回は、この不思議な形をしたフランス発祥のパンの名前の意味と特徴を詳しく探っていきます。また、自宅で作るエピのレシピも一緒に紹介するので、ぜひ参考にしてください。そしてエピが美味しいおすすめのパン屋さんも厳選して紹介します!
エピとは?
最初にエピの特徴を紹介します。パンの中でも変わった形をしてますが、この形と名前にはきちんとした意味があります。また、特徴である外側の固い皮や中に入っているベーコンやチーズもエピの特徴を生かして入れられています。
まずはフランスパンの歴史を紐解き、そこからエピについて解明していきます。フランスパンの種類やパン用語も沢山でてくるので、手作りするときはぜひ参考にしてください。
フランス発祥のパン
フランスパンの中でも有名なバゲットという名前のパンがありますが、エピはバゲットとほとんど同じ生地、同じ発酵方法です。エピはフランスパンの中の一つで、細長いのが特徴です。フランスパンは、他のパンと比べて外側が固く中が柔らかいですが、これにもきちんとした意味があります。
1920年代のフランスは労働法で午前4時から午後10時までパンを焼くことを禁止されていました。そこで、短時間でパンが作れないか考えた結果、細くて固いフランスパンが出来上がったそうです。
フランスパンにはこのほかにも様々な種類があり、バケットより短いパリジャンやラグビーボールの形をしていて生地の中央に1本の切れ目が入ったクッペ、中のモチモチ感が味わえるフィセルなどがあります。
名前の意味と形
エピはフランス語で麦の穂という意味です。見た目がそのまま名前になっています。作り方は細長く切った生地にクレープという名前の切れ目を入れて、左右交互に倒しながら作って焼きます。この形はナイフなどを使わなくても手でちぎって食べる事が出来るので、外で食べるときは非常に食べやすいです。
さきほど紹介したフランスパンの名前にもそれぞれ意味があり、バゲットは棒や杖、パリジャンはパリのパン、クッペは真ん中に切り込みが入っているので切られたという意味、フィセルはひもという意味が込められています。このようにフランスパンは、見た目がそのまま名前になっているパンが多いです。
皮のバリバリ感を愉しむ
エピなどのフランスパンは外側の皮が固いので、日本では好き嫌いがわかれます。しかし、その固い皮がフランスパンにとっては魅力的なのです。外側の固い部分はクラストと呼ばれ、焼きあがった時の香ばしさとバリバリの食感がクラストには含まれています。
また、中の白い生地はクラムと呼びます。このもっちり感が噛めば噛むほど小麦粉の香りを楽しめます。エピはクラストとクラムをしっかり味わうことのできるフランスパンの一つです。
卵と乳製品を使わないパン
エピを作る材料は、強力粉や薄力粉、塩、酵母(イースト)、水のみです。他のパンとは違い材料がとてもシンプルなので、素材や職人の腕前が直接仕上がりに現れるパンと言えるでしょう。
また、本場フランスではプレーンなエピが一般的ですが、日本ではベーコンやチーズを入れているものが多く見られます。これはクープと言われる切れ目に少し塩気が強くてフランスパンと相性が良いベーコンなどを入れています。
ちなみに卵や乳製品を使わない分、小麦粉を多く使用しているため、カロリーが少し高めです。さらにベーコンやチーズが入っていると糖質も増えてしまうので、ダイエット中の人は注意して食べてください。
エピの人気レシピ
次に自宅で簡単に作れるレシピがあります。エピの中でも一番人気のベーコンエピと見た目が華やかでお祝い事やお土産にぴったりなリースエピのレシピを紹介します。通常のパン作りのレシピとあまり変わらないので、変わり種のパンとしてぜひ一度挑戦してください!
ベーコンエピ
- A強力粉240g
- A薄力粉60g
- Aドライイースト小さじ1
- A砂糖大さじ1
- A塩小さじ0.5
- Aぬるま湯180ml~200ml
- Aオリーブオイル小さじ1
- ベーコン3枚
- 粒マスタード適量
- ボウルにAを加えへらで混ぜ、固まってきたら手で混ぜ15分~20分ほど捏ねる。
- 生地を引っ張り伸びるようになったら、ボウルに入れふたをして30度の室温で40分~50分一次発酵する。
- 一次発酵後、ガス抜きをして生地を3等分し丸めた後に濡れ布巾を敷き、ベンチタイムを10分ほど取る。
- 生地を長方形に伸ばし、ベーコン・粒マスタードを置く。そのあと生地を三つ折りするイメージで生地を細長く巻く。
- キッチンバサミで生地を鋭角に切り、稲の形にした後左右に生地をずらす。生地を切るときは生地の底をくっついた状態にする。
- オーブンの天板に生地をのせ、濡れ布巾を敷いて30度の室温に30分~40分おいて二次発酵させる。
- 230度のオーブンで15分~18分焼いて完成。
リースエピ
- A準強力粉200g
- Aイースト小さじ1
- A砂糖小さじ1
- A塩小さじ1/2
- A無塩バター5g
- A牛乳150cc~160cc
- ウインナー約5本
- ピザ用チーズ適量
- Aの材料をしっかり捏ねて一次発酵させる。
- 丸めなおして濡れ布巾をかけてベンチタイムを10分取る。
- 棒で優しく伸ばし、約30cmくらいまで伸ばしたら、ウインナーとチーズを真ん中に並べる。
- 優しく巻いたら綴じ目をしっかりつまみ、綴じ目を下にする。
- くるっとわっかにして綴じ目をしっかりつまむ。
- キッチンバサミをなるべく寝かした状態で切りこみを入れる。
- 一回り大きくなるまで二次発酵する。
- 卵を表面に塗り、ごまをまく。
- 180度で約15分焼いたら完成。
クリスマスならてっぺんにリボンを巻いたり、小さいリースエピをたくさん作って材料の中に抹茶やココアを入れると、色とりどりのパンが出来上がります。小分けにしやすいので大人数でも楽しめるし、切れ目にドライフルーツなどをいれたら子供にも食べやすいので、パーティー向けのパンとしておすすめです。
このようにエピ自体シンプルな材料と味わいなので、中に入れる材料はあまり選びません。和風の醤油ダレを塗るレシピもあれば、マーマレードやチョコを入れて子供のおやつにしたり、枝豆などを入れた惣菜パンなどもお店には並んでいます。自分好みのエピを作るのも楽しいでしょう。
エピが美味しいおすすめのパン屋
最後にエピが美味しくて評判のパン屋を紹介します。全国各地美味しいエピが売っているパン屋は沢山ありますが、今回は東京都内のおすすめを2店です。どちらもフランスパンが美味しいと有名なパン屋で、口コミなどでも評判がよく人気があります。もし食べる機会があったら立ち寄ってみてください。
VIRON渋谷店
東京都内でも有数の有名なお店ブランジュリー・パティスリー・ブラッスリー・ヴィロン渋谷店は、パンの他にもお菓子が売っていたり、ブラッスリー(お酒を飲みながら軽食を楽しむ)があるフランスにあるパン屋さんのイメージに近いお店です。
この店の特徴は、パリ郊外の製粉会社VIRONから直接フランスパンの粉を使っていることです。そのこだわりぬいた粉は、外側はパリッと仕上がり中はモチモチ感たっぷりで、これぞフランスパンと思わせるようなパンになっています。
口コミ
VIRONのエピ、今まで食べたエピの中で一番美味かった!ビールに合う!東京は美味しい物がいっぱいあるなぁ!
— 猫師匠 (@nekoshishow) September 14, 2014
VIRON渋谷店のエピはかりっとしたチーズとベーコンではなくパンチェッタ(豚バラ肉の燻製)が入っていてお酒にぴったりです。他のパン屋のエピと食べ比べしている口コミもありましたが、チーズとパンチェッタの組み合わせは他にはなくVIRON独特の味に魅了されている人が多かったです。
浅野屋
軽井沢に本店があるブランジェ浅野屋は東京駅や自由が丘など東京都内には何店舗もお店があり、イートインスペースも充実している人気のパン屋です。パンの種類はハード系が多く、天然酵母を使用したバゲットやベーグルの他にサンドウィッチやふわふわな食パンなどがあり、東京土産として購入する人も多くいます。
口コミ
見てみて!浅野屋のエピはね?ベーコンが4枚も入ってるんだよ!?!(平和なツイート) pic.twitter.com/P9Phm8jHFZ
— Yuhei (@Gentle_Smooth25) March 24, 2019
浅野屋のエピはベーコンの濃い塩気が特徴です。またかなり表面が固くしかっりとした噛み応えがあります。このベーコンのジューシーな肉汁が噛めば噛むほどパンとなじんでたまらないという人がいました。
エピの食感と小麦の旨味を味わおう!
エピは固くて食べづらいイメージですが、小麦の旨味がしっかり味わえるフランスパンです。自宅で作る時のレシピもシンプルな材料なので、子供のおやつにもぴったりです。また、ベーコンが入っているとさらに旨味が増し、フランスパンが苦手な人でも惣菜パンとして食べやすいでしょう。
最近はアレンジしたパンが多いですが、パン本来の小麦の味を楽しみたくなったらぜひエピを食べて食感と旨味を体験してください!