還元水飴の特徴!水あめとの違いや効果は?気になる危険性について解説

還元水飴という食材を知っていますか?還元水飴は名前の通り、水あめを戻して作られる甘味料です。今回は、還元水飴について徹底調査します。還元水飴とはどのような甘味料なのか?還元水飴のカロリー、甘味料の種類やそれぞれの特徴などを調べてみました。また、還元水飴と水あめとの製造方法や用途の違い、還元水飴を摂取することで得られる効果、還元水飴の気になる危険性についても詳しく解説します。

還元水飴の特徴!水あめとの違いや効果は?気になる危険性について解説のイメージ

目次

  1. 1還元水飴とは?
  2. 2還元水飴と水あめとの違い
  3. 3還元水飴にはどんな効果がある?
  4. 4還元水飴の気になる危険性
  5. 5還元水飴についてキチンと知っておこう!

還元水飴とは?

還元水飴は、水あめに水素を添加することで製造される糖アルコールの一種です。砂糖や水あめの代わりに使用することを目的としており、低糖化還元水飴、中糖化還元水飴、高糖化還元水飴、マルチトールシラップ、還元麦芽糖水飴など色々な種類があります。

還元水飴には色々な種類と違いがあり、使用目的に応じて作り分けられ、ソルビトールやマルチトールを多く含んだものから、甘味度を抑えたもの逆に甘味度を高く設定したものなど、用途別に違いがあり選べるのが特徴です。

還元水飴と砂糖の違いは、砂糖に比べて熱に強く甘味がアッサリしており、カロリーも低く日持ちが良いのも特徴です。酸や熱に非常に強く、着色することもなく、調理や加工に向いており、色々なダイエット食品やダイエットシュガーなどに使われています。

水あめから作られた甘味料

還元水飴は、名前の通り水飴を還元してできる糖アルコールの一種で、水あめから作られた糖質系甘味料です。糖質系甘味料とは、砂糖、植物から取り出し精製したでん粉由来の糖、糖アルコール、その他の糖があり、還元水飴はソルビトールマルチトールと同じ、糖アルコールに分類されます。

還元水飴は甘味料として使われ、カロリーを上げずに甘味度を変えることが狙いです。この甘味度は、砂糖が基準となっており、砂糖の甘味度を100とした場合、対象の甘味料がどのくらいの甘味があるか数値化したものです。

還元水飴は、一般的に低糖化還元水飴高糖化還元水飴との2種類に分けられます。低糖化還元水飴は、甘味度が低く、粘度や皮膜性が高いのが特徴です。高糖化還元水飴は逆に、甘味度が高く、浸透性や保湿性に優れているのが特徴です。

そのほか、中糖化還元水飴、マルチトールシラップ、還元麦芽糖水飴などもあり、用途にあわせて選べる特徴があります。

糖アルコールとは?

糖アルコールは砂糖や水飴と同じ「糖質」の仲間ですが、1.熱・酸・アルカリに強い、2.微生物の栄養源になりにくい、3.消化吸収されにくい、など砂糖や水飴とは異なる特長を持っています。その特長を活かして食品、化粧品、医薬品、病者用食品など幅広く利用されています。

糖アルコールの特徴は、熱、酸、アルカリに強く色々な加工や調理に向いています。また、微生物の栄養源になりにくく、虫歯の心配が要りません。体内で消化、吸収されにくいので低カロリー素材として利用されています。また、保存性、保湿性がよく食品の日持ちを良くしたり、着色しにくい特徴があります。

カロリーは砂糖の約三分の二

還元水飴は、カロリーを上げずに甘味度を変える目的で作られています。砂糖の代わりに使用されることが一般的で、砂糖よりもカロリーは低く設定されています。

還元水飴のカロリーは、およそ砂糖の2/3といわれています。還元水飴は、小腸でほとんど消化、吸収されることがなく大腸へと送られ、やがて便と一緒に排泄されます。体内へ吸収されないということは、エネルギーに変換されることがありません。したがってカロリーが発生することがなく、ダイエット効果も期待できます。

還元水飴の種類

還元水飴は、原料の水あめの糖化度の違いより、甘味料の甘味の強さの甘味度、ねばりの度合の粘度保存性保湿性浸透性味質改善などを考慮して色々な違いのある還元水飴が作られています。

したがって還元水飴は、使いたい食材や料理、用途によっても使い分けることができます。ここでは、低糖化還元水飴、中糖化還元水飴、高糖化還元水飴、マルチトールシラップ、還元麦芽糖水飴のそれぞれの特徴の違いを紹介します。

低糖化還元水飴

低糖化還元水飴の特徴は、甘味度10から20と低く設定されています。甘味を感じさせることが少なく、料理の材の味を活かしたい場合におすすめです。また、粘度、皮膜性も高いのでタレ類の粘度調整に向いています。

フレッシュ感を出すためのボディ感付与効果が高く食材や料理に照りやツヤを持たせる効果も期待できます。そのほかの特徴として、浸透性、保湿性は低いことがいわれています。

中糖化還元水飴

中糖化還元水飴の特徴は、甘味度が低糖化還元水飴と高糖化還元水飴の中間の40程度に設定されており、味質も砂糖に近くなるよう作られています。

中糖化還元水飴は、お菓子やスイーツ、デザート類など作るときにカロリーを抑えたいときに使用するのがおすすめです。さらに、ハムやソーセージなどの塩カドを取りたい場合に最適で、塩馴染みもよく、塩味をやわらげる効果が期待できます。

高糖化還元水飴

高糖化還元水飴の特徴は、甘味度50から65と高く設定されています。糖アルコールの中でも、分子量の小さい単糖のソルビトールやマルチトールが主なアルコール成分です。甘味度が高いことから、甘味を感じさせたい料理や食材に使用されます。

また、低粘度で高い浸透性と保湿性があり、食品の表面からの水分が蒸発すること防ぐ効果があります。乾燥を防ぎ、食材の新鮮さを長持ちささえ、保存性をよくする効果が期待できます。

マルチトールシラップ

マルチトールシラップは、糖アルコールの一種のマルチトールの含量が50%以上のものをいいます。マルチトールの甘味度は80から90と甘味は砂糖に近く、すっきりとした後味が特徴です。

マルチトールシラップは、甘味度50程度砂糖約半分のカロリーに抑えられており、キレの良い良好な甘味質が特徴です。キャンディーやゼリーなどの甘味を感じるシュガーレス菓子におすすめです。

還元麦芽糖水飴

還元麦芽糖水飴は、糖アルコールの一種のマルチトールの含量が75%以上のものをいいます。還元麦芽糖水飴は甘味度75と高く設定されており、甘味を強く感じさせたい場合におすすめです。

還元麦芽糖水飴は、砂糖よりもキレが良くスッキリしており、なおかつ低カロリー化に最適です。色々なダイエットなどに使われる健康食品ゼリー飲料シラップなどに利用されることが多い還元水飴です。

還元水飴と水あめとの違い

還元水飴と水あめは違う甘味料です。ここでは、還元水飴と水あめとの違いを紹介します。また、化学合成により作られた大量生産の人工甘味料には、日常的に摂取する危険性があることも解説します。

製造方法が異なる

ここでは、還元水飴と水あめの製造方法の違いについて紹介します。また、それぞれの使用例の違いについても説明します。

還元水飴の製造方法

還元水飴の製造方法は、完成している水あめに水素を添加することで作られます。還元とは、酸化物から酸素の全部または一部を取り除き元に戻す働きのことで、還元水飴は、水あめに水素を加えて結合させ、ソルビトールやマルチトールに戻していきます。

還元水飴は、熱に対して安定性があり、着色が起こりにくい特徴があります。ソルビトールは、日本でお馴染みの佃煮や煮豆、和菓子などにも使われており、マルチトールは、ノンシュガーやシュガーレスのキャンディやガムなど菓子類に使われています。

還元水飴は、ソルビトールと同じように使われ、さらに食品全般に使われており、タレやドレッシングなどの調味料もによく使われています。

水あめの製造方法

水あめは、穀物や芋類などに含まれるデンプンを、酸や糖化酵素で糖化して作られます。糖化とは、水に溶けないデンプンを加水分解することで、水に溶ける甘味に変える工程です。糖化し集められた粘液状の物質が水あめです。

糖化の方法には色々なあり、麦芽の中に含まれている糖化酵素を使った麦芽糖化法強い酸を使って高温高圧で処理して糖化する酸糖化法、微生物を培養したり、大豆、小麦などの穀物から抽出した純粋な酵素を使う酵素糖化法などがあります。

水あめは、飴としてそのまま食べるほか、和菓子ではそのまま使用したり、甘味料のひとつとして利用されています。砂糖が日本に伝わる前は、主な甘味料として調理に利用されていました。

大量生産の水あめは危険!?

大量生産の還元水飴を、日常的に摂取することはおすすめできません。還元水飴に限らず、化学合成により作られた人工甘味料では、安全性を疑問視し危険性を疑う噂がたくさんあります。今すぐ健康的に害があり危険というわけではありませんが、健康的に全く危険がないというわけではありません。

人工甘味料は大量生産され、極度に精製された物質は体にとって危険性があるものだといわれています。また、多用してしまうと甘味に対して鈍感になる危険性があります。結果的に、より強い甘味を欲するようになる危険性があります。

これらの危険性については、科学的根拠はなく、現在でも調査研究中です。日常的に摂取する場合には、パッケージなどに、体重1kgあたりの摂取量を表示していますので、その摂取量を超えることなく利用することが絶対に必要です。

還元水飴にはどんな効果がある?

砂糖に比べカロリーが低いものの、甘味度が調整できる還元水飴は、色々なところで利用されています。ここでは、還元水飴にはどんな効果があるのが紹介します。還元水飴を摂取することで得られる、ダイエットや肥満防止効果、虫歯予防効果、糖尿病予防効果について解説します。

ダイエットや肥満防止に

還元水飴で得られる効果の1つ目は、ダイエットや肥満防止に効果が期待できます。還元水飴には、砂糖に近い甘味質が特長のものもあり、砂糖の代わりに使うことができます。

還元水飴は砂糖よりも低カロリーですので、同じ量を摂取してもダイエット効果肥満防止に役立ちます。実際は、還元水飴は高い甘味度があり使用量が少なくてすみます。さらに、体内で消化されにくく、結果として摂り込まれるカロリーが少なくなり、ダイエット効果や肥満防止効果があるといわれています。

虫歯予防に

還元水飴で得られる効果の2つ目は、虫歯予防効果が期待できます。虫歯は、食事などで食べ物を食べたあと、口の中に残った食べカスをエサにした虫歯菌が、歯垢の原因となる物質や歯のエナメル質を溶かす酸を作ることが原因でなるといわれています。

虫歯菌が酸をつくれのは、ショ糖、果糖、ブドウ糖、水あめなどがあります。しかし、糖アルコール類には、口の中の虫歯菌に利用されにくい性質を持つものが多く、虫歯予防効果が得られます。

中でも、キシリトールが有名で、歯磨き剤やチューインガムに利用されています。還元水飴も糖アルコールの一種で、虫歯菌のエサになることがなく虫歯になりにくい効果があります。

糖尿病に

還元水飴で得られる効果の3つ目は、糖尿病予防効果が期待できます。糖アルコールのひとつですので、人の消化酵素で消化されにくく、身体に吸収されにくい特徴があります。

還元水飴は、身体に吸収されにいくく体外に排出される特徴があります。糖が吸収されないということは、血糖値が上昇することがなくインシュリンの増加にも影響しないことから糖尿病予防に役立ちます。

さらに、低カロリーであることから、ダイエットや肥満予防にもつながり、生活習慣病の改善にも効果が期待できます。

還元水飴の気になる危険性

化学合成により作られた人工甘味料の場合、明確な理由はないものの、安全性や危険性についての噂をよく聞くことがあります。

ここでは、還元水飴の気になる危険性の「摂取しすぎるとおなかが緩くなる」、「人体に害を及ぼした報告は?」について紹介します。

摂取しすぎるとおなかが緩くなる

還元水飴の気になる危険性の1つ目は、摂取しすぎるとおなかが緩くなるということです。

糖アルコールやオリゴ糖など、身体に消化、吸収されにくい甘味料を、一度にたくさん摂取しすぎると、胃や小腸で消化、吸収されなかった甘味料が大腸に移動することで、おなかが緩くなる場合があります。

これは、大腸内の浸透圧が一時的に上昇することで理由で、緩下作用と呼ばれています。しかし、排便や時間経過とともに改善され、重症化した事例はありません。

パッケージの注意書きや使用方法のところに表記してあるとおり、体重1kgあたりの摂取量を守りれば防げる事例です。当たり前のことですが、使用前に使用方法をよく見てから利用してください。
 

人体に害を及ぼした報告は?

還元水飴の気になる危険性の2つ目は、「人体に害を及ぼした報告はあるのか」ということです。

現在までのところ、還元水飴が人体に害を及ぼした報告はありません。還元水飴などの化学合成により作られた人工甘味料では、わずかながら健康被害を及ぼした事例がありますが、重症化した事例はなく原因も特定されていません。

しかしながら、化学合成により作られた人工甘味料を摂取したことが原因だと思われる健康被害が報告されているのも事実ですので、一日の摂取量や使用方法は確認し、厳守することが必要です。

還元水飴についてキチンと知っておこう!

今回は、還元水飴について紹介しました。還元水飴のメリットは、ダイエット効果や肥満防止、虫歯予防効果、糖尿病予防に効果があります。砂糖の代わりに利用できることから、色々なダイエット商品やダイエットシュガーなどに使われています。カロリーも低めに設定されており、糖質制限にもなることから、生活習慣病の予防にも役立ちます。

還元水飴のデメリットは、おなかが緩くなるとか、味覚障害があげられますが、全て過剰摂取することが原因で、一日に摂取量を守ることで防げます

使用方法をキチンと確認し、摂取量を守り、還元水飴を上手に使ってダイエットや肥満予防、生活習慣病予防や改善に役立てましょう。

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