2019年03月12日公開
2024年09月08日更新
ババロアとムース/プリン/パンナコッタの違いとは?
ババロアとにているデザートにムースがあります。くちどけがよく滑らかな食感は同じようなものには、プリン、パンナコッタ、ゼリーといったものもあります。それぞれに特徴がありますが、どういった点に違いがあるのかをまとめました。ババロアとムースの材料や製法の違い、味の特徴といったことから比較していきます。作り方の違いが判ると、それぞれのお菓子の特徴がよく分かるようになります。
目次
ババロアとムース/プリン/パンナコッタは何が違う?
ババロア、ムース、プリンそしてパンナコッタとも、ひんやりとしたデザートで、とろけるような食感が美味しいお菓子です。小さな器に入っているものもあれば、お皿に盛りつけられたものもあり、フルーツやクリームを飾っているものもあります。
このババロア、ムース、プリン、パンナコッタやゼリーといったものは、何が違うのかそれぞれの特徴と、製法の違いなどを調べてみました。
ババロアとムースの違いとは?
ババロアもムースもしっとりとした食感で、きめ細やかな泡をかためたような状態になっています。まずババロアとムースの違いをみていきます。
材料の違い
ババロアは、ゼラチンを使って、卵、牛乳、砂糖といった材料を型に流し入れて冷やし固めたものになります。ゼラチンを使っているので、冷やすだけで固まり、ぷるんとした食感が特徴です。
ムースは、卵白をや生クリームを泡立てたものを使い、フルーツ果汁やチョコレートを溶かしたものに加えてふんわりとしたものです。デザートとして甘いものが多いですが、野菜などをムース状にしたものもあります。
作り方・製法の違い
ババロアの作り方は、卵と牛乳、砂糖をあわせて作ったソースに、ゼラチンを加えて冷やし固めたものです。やわらかいけれども、スプーンですくいとるような弾力性もあるのは、ゼラチンの力によるものです。製法としては冷蔵庫で冷やすことで固まるようになっています。
ムースの作り方は、卵白を泡立ててふんわりとさせたものに、フルーツソースなどを加えて味付けをします。生クリームを泡立ててそれを冷やしたものも同様に味をつけ、ゼラチンを加える作り方もあれば加えずに、そのまま器に流し入れて冷やし固めるものもあります。ババロアとムースの材料や製法には大きな違いはありません。
味の特徴
ババロアとムースの味の違いは、あまりありませんが、舌にのせた時の食感に違いがあります。ババロアは冷やし固めているので、プルンとした食感で唇や舌でおさえて噛むようなイメージで、ムースの方が口にいれた時に軽くふんわりとしています。ババロアをより軽やかな食感に仕上げたものが、ムースということもできます。
生まれた国の違い
ババロアもムースもフランスで生まれたお菓子です。ババロアの語源は、フランス語の「バイエルンの」という、バイエルン地方の貴族のためにシェフが作りだした食べ物という説があります。
ムースはフランス語で「泡」という意味があり、特定のお菓子の名称というだけでなく、整髪料などでもきめ細かな泡の状態をムース状、ムース仕立てといった使い方もします。
ババロアとプリンの違い
ババロアの食感に似たものに、プリンもあります。プリンもなめらかな食感でプルンとしていますが、ババロアとは何が違うのかをみます。
プリンとは?
プリンの大きな特徴は、卵を使い、熱を加えると固まるという卵の特性を活かして使っているお菓子です。プリン型といわれる小さなカップに入っているものが多く、カラメルソースを合わせています。
材料の違い
ババロアとプリンの材料の違いは、ゼラチンです。ババロアはゼラチンを使って固めますが、プリンはゼラチンを使いません。他の卵、牛乳、砂糖といった材料は分量の違いはあっても、シンプルなもの同士であれば、使うものはほぼ同じです。
作り方・製法の違い
プリンの特徴は、卵と牛乳、砂糖を合わせて作ったプリン液を型にいれて、加熱することで固めます。これが、ババロアやゼリーといったゼラチンで固めるものとは違います。プリン液を作った後は、蒸し器などで蒸す作り方もあれば、オーブンで蒸し焼きにする作り方もあります。
味の特徴
ババロアとプリンの味の違いは、ゼラチンは牛乳の割合が多く、プリンは卵の味わいです。ババロアは、後からソースやクリームでデコレーションすることがありますが、プリンはプリン液を流し入れる前に、砂糖を焦がしてつくるカラメルソースを入れておいたり、固まった後にクリームやカラメルソースを合わせて食べます。
生まれた国の違い
ババロアはフランスで誕生しましたが、プリンはイギリスが発祥です。イギリスの船乗りが作り出したもので、大切な食材の切れ端をまとめて、卵液と一緒に蒸したキッシュのようなものをプディングといいました。その後、ナッツやパンくずといったものを入れるようになり、18~19世紀に甘いプディングが作られるようになりました。
ババロアとパンナコッタの違い
プリンの他に、パンナコッタというお菓子もあります。このパンナコッタもババロアと食感が近く、冷やして食べるものですが、パンナコッタとババロアの違いがどこにあるのかをみていきます。
パンナコッタとは?
パンナコッタは、白い色をしたババロアのような食感のお菓子ですが、生クリームを使ってゼラチンで固めたものです。
材料の違い
パンナコッタは、生クリームをたっぷりと使い、ゼラチンを加えています。ババロアもゼラチンを使っていますが、ババロアは牛乳が主な材料となるのと違い、パンナコッタは生クリームの濃厚さが特徴です。
作り方・製法の違い
パンナコッタの作り方は、生クリームを温めて砂糖と牛乳を加え、ゼラチンを使って冷やし固めます。生クリームを泡立てていないので、ムースやババロアよりもつるんとした食感になります。
パンナコッタと似たお菓子にブランマンジェがあります。ブランマンジェは、フランスのお菓子で、フランス語の白色のブランという意味から、製法や外観はパンナコッタにそっくりになります。ただブランマンジェはでんぷんで固め、洋酒などを加えて香りがついているという違いがあります。
味の特徴
材料をみると、ババロアとパンナコッタは似ていますが、ババロアは牛乳、パンナコッタは生クリームということで、パンナコッタの方が濃厚さがあります。ババロアは、チョコレート風味にしたり果実の風味をつけることがありますが、パンナコッタの多くは生クリームの白さに、固まってからフルーツソースなどを添えることが多いです。
生まれた国の違い
ババロアはフランス発祥のお菓子ですが、パンナコッタはイタリアで誕生したお菓子です。イタリア語で「パンナ」は生クリームのこと、「コッタ」は煮るという意味になっています。イタリアンレストランのデザートとしてパンナコッタはよくみられます。
プリンとゼリーの違いとは?
プリンの特徴を調べましたが、同じような食感で冷やして食べるものでゼリーもあります。プリンとゼリーの違いとは、どこにあるのかをみていきます。
材料の違い
ゼリーは、ババロアと同じようにゼラチンを使って固めています。プリンはゼラチンを使わないという点が大きく違います。ゼリーの材料は、果汁、牛乳、コーヒーなど液体であればそれにゼラチンを加えてかためたものです。プリンも牛乳を使いますが、卵が加わるのが、ゼリーとは違う点です。
味の違い
プリンは卵そのものの味で、味や香りに違いがでてきます。また砂糖を使っているので、砂糖の甘さが加わっています。ゼリーは、どんな液体を材料にしているかによって味に個性がでます。砂糖を使っても良いですし、使わずに果汁やコーヒーといった液体そのものの味を感じることができます。
食感の特徴
ゼリーはゼラチンの濃度で、固さを調整することができます。型にいれて固まったら型から外せるようにするために、スプーンがしっかりと入るような固さにすることもあれば、吸い込んでも口にはいるくらいのやわらかさのゼリーもあります。プリンと同じような硬さに仕上げるゼリーもあります。
作り方の違い
ゼリーは、ゼラチンまたは寒天を合わせて冷やし固めます。ゼラチンは動物のコラーゲンから作られるもので、熱で溶かした後に冷蔵庫で冷やして固めます。寒天は、海藻が原料で、ゼラチンではかたまりにくい、パイナップルやキウイなどの酸性の果実でも固めることができます。
寒天は過熱して溶かしますが、そのまま置いておくと常温でも固まります。牛乳を使ったゼリーをミルクプリンというものもありますが、正確にはミルクゼリーですが、食感はプリンと同じようになります。
ババロアとムース/プリン/パンナコッタの違いに納得!
ババロア、ムース、パンナコッタやプリンもつるんとした食感のスイーツです。違いは、ゼラチンを使っているかという材料の違いで、ババロアとプリンは違います。牛乳と生クリームのどちらがメインの材料となるかの違いでババロアとパンナコッタは違いいます。違いを知って、手作りもしてみてください。