2019年03月11日公開
2024年09月07日更新
フォンドボーって何?フォンドボーはブイヨンで代用できる?
フォンドボーを知っていますか?一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。フォンドボーは、材料に仔牛を使ったフランス料理のソースの素のようなものです。今回は、フォンドボーについて、フォンドボーの意味や味、料理の時の使い方などをまとめます。また、フォンドボーはブイヨンで代用できるのか、ブイヨンとコンソメの違いなども交えながら説明していきますので参考にしてみて下さい。
目次
フォンドボーが何か知ってる?
フォンドボー(フォン・ド・ヴォ―)、一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか?フォンドボーとはフランス料理で使う仔牛を材料とした味のついた出汁のようなものです。今回は、フォンドボーについて、意味や料理の時の使い方、ブイヨンで代用できるのか、コンソメとの違いなどを説明します。
フォンドボーについて
はじめに、フォンドボーについて、「フォンドボーとはフランス料理の仔牛の出汁」、「フォンの意味」、「材料は?」の3つの項目に分けて説明します。聞いたことはあっても、実際フォンドボーが何なのか知っていたり料理への使い方を知っている人は少ないかと思いますので、ぜひ参考にしてみて下さい。
フォンドボーとはフランス料理の仔牛の出汁
1つ目に、「フォンドボーとはフランス料理の仔牛の出汁」です。出汁と言うと日本人ならかつお出汁や昆布出汁といったまだ味のついていない汁物の素を思い浮かべるかと思いますが、その出汁はフランス料理ではブイヨンにあたり、さらに出汁に味もついているスープの素はコンソメにあたります。
そして、フォンドボーは、仔牛をメインにしてブイヨンなどの出汁を加えて作った「ソースの素」というイメージです。フランス料理では、フォンドボーをもとに本格的なソースやシチューを作ります。日本でもスーパーなどで市販のルーや缶詰を入手出来ますが、市販のコンソメほど味はついていないので、さらに味つけをして使います。
フォンの意味
2つ目に、フォンドボーの「フォン」とは日本語の「出汁」または「土台」を意味するフランス語です。フランス料理のフォンには、仔牛や野菜などの材料を焼いて色をつけてつくる茶色いフォンと、材料を焼かずに色をつけずにつくる白色のフォンの2種類があります。フォンドボーは、仔牛や野菜を焼いてつくる茶色いフォン「仔牛のフォン」です。
材料は?
3つ目に、フォンドボーの「材料は?」です。説明したように、フォンドボーは仔牛のフォンの意味ですので、主な材料は仔牛となります。仔牛のすじ肉や骨を使います。それに、玉ねぎやセロリトマト、にんじん、にんにくなどの香味野菜、水やブイヨンといったスープ、ブーケガルニやタイムなどのハーブ、味付けに塩を使います。
フォンドボーの使い方
フォンドボーの意味はわかりましたか?次に、「フォンドボーの使い方」を紹介します。フォンドボーの使い方を知ってブイヨンやコンソメのように料理に取り入れられるようになれば、料理の幅が広がって嬉しいものです。ぜひ参考にして下さい。
ソースを作る時に使う
フォンドボーの使い方の1つ目は、「ソースを作る時に使う」です。フランス料理の本格的なソースが色々作れます。具体的には、マデイラソース、ポルトソース、ペリグーソース、赤ワインソース、エスパニョールソースなどなど。
なんだかいかにも本格的といった感じの名前のソースですが、もし過程で本格的なソースが作れるのであれば味のバリエーションが広がって楽しそうなものです。
シチューのベースにする
フォンドボーの使い方の2つ目は、「シチューのベースにする」です。先に説明したように、フォンドボーとは「ソースの素」といった感じですので、フォンドボーをベースにして、好みの具材を入れ、トマトソースやデミグラスソース、ルーなどで味をつけて本格的なフランス料理の味わいのシチューが出来ます。
市販のものでは、すでにフォンドボーが入った固形のシチューのルーやカレーのルーも販売されています。水で具材を煮込んでルーを入れるだけのお手軽なものなので、早速簡単に試してみたい人にはおすすめです。
隠し味として使う
フォンドボーの使い方の3つ目は、「隠し味として使う」です。実は、フォンドボーは隠し味として使われることが一番多いようです。使う料理は、ソースやシチューはもちろん、カレー、スープ、その他すき焼きなどの和食で和風フォンドボーという使い方もあるようです。味に深みやこくが出ますので、いろいろ試してみるのも面白そうです。
フォンドボーの代用品はブイヨン?
続いては、「フォンドボーの代用はブイヨンで出来るか?」について紹介します。フォンドボーとブイヨンは似たような使い方をするもの、というイメージはありませんか?フォンドボーはなじみがないので買ったことはないが、洋食のレシピによく出てくるブイヨンは普段から料理に使っている、という人も多いのではないでしょうか。
ブイヨンでフォンドボーの代用になれば便利です。実際、ブイヨンは代用になるのかどうか説明していきます。
ブイヨンはフォンドボーやコンソメを作る素
固形や顆粒のブイヨンは普段から料理に使っている、という人は多いのではないでしょうか。ブイヨンも、フォンドボーと同じくフランス語で「出汁」の意味です。しかし、ブイヨンは味のない出汁でフォンドボーやコンソメを作る時に使う素で、残念ながら代用として使うには適していません。それでは、他にフォンドボーの代用品はあるのでしょうか?
コンソメは代用できる
スープの素として使うコンソメはフォンドボーの代用にできるのでしょうか?「スープの素」と「ソースの素」の違いはありますが、コンソメはフォンドボーの代用にできます。コンソメもフォンドボーと同じくブイヨンなどの出汁に味をつけたものです。フォンドボーよりも味がしっかりとついている場合ば多いですが、代用して問題ないようです。
デミグラスソースも代用できる
次に、デミグラスソースです。フォンドボーの代用として一番適しているのはデミグラスソースと言われています。フォンドボーとデミグラスソースの違いは、ブイヨンとコンソメの違いと煮ています。コンソメはブイヨンに味をつけて作るように、デミグラスソースはフォンドボーに味をつけて作ります。
ですから、代用する時は、デミグラスソースにはすでに味がついていますので、量は調節する必要があるでしょう。
フォンドボーとブイヨンの違い
次に、同じ「出汁」の意味のあるフォンドボーとブイヨンの違いについてみていきます。同じ出汁と言っても違いがあるのか、味の違い、使い方の違いを説明しますので、料理に取り入れる時の参考に使って下さい。
ブイヨンは日本の出汁のようなもの
ブイヨンもフォンドボーと同じくフランス料理の出汁なのですが、ブイヨンは日本の出汁に似ています。かつお出汁や昆布出汁、いりこ出汁などまだそれ以上味を付けていない出汁のことです。ブイヨンは肉や魚と香味野菜でとる出汁ですが、日本で使われているブイヨンは通常鶏肉のブイヨンのことをさします。
味があるのと無いのとの違い
ですので、フォンドボーとブイヨンの違いは、「味がある」のと「味がない」のです。繰り返しますが、味があるのがフォンドボーで、味がないのがブイヨンということです。この違いを知って入れば、料理に取り入れる時にとても役に立つでしょう。ぜひ使い分けてみたいものです。
使い方の違い
和食ではだし汁に味噌や醤油で味を付けると味噌汁やお吸い物のような汁物に、みりんや醤油と煮詰めるとソースになるように、フランス料理ではブイヨンに味をつけて作ったスープがコンソメ、味をつけて作ったソースがフォンドボーというわけです。
ですから、フォンドボーとブイヨンでは使い方も違います。ブイヨンはフォンドボーを作るのに使い、フォンドボーはシチューやソースを作るのに使います。
フォンドボーの作り方
いかがでしたか?次に、気になるフォンドボーの作り方を簡単に説明します。手がかかる料理ですが、興味のある人は試してみても面白いと思います。
仔牛の骨をオーブンで焼く
まず、仔牛の肉をオーブンで焼きます。170度で30分ほど焼いて焼き目がついてきたら深めの鍋に移します。次に仔牛のすじ肉をフライパンで焼き、同じく焼き目がついたら鍋に移します。
野菜を炒める
次に、玉ねぎやセロリ、にんじんなどの香味野菜をフライパンで炒めます。焦げないように気を付けて炒め、鍋に移します。
鍋で煮だす
鍋に水またはブイヨンを入れて火にかけます。にんにく、トマト、ハーブ類も入れ、始めは強火で煮ます。沸騰したら弱火にして12時間程かけて煮ます。温度は90~95度、こまめに灰汁や脂を取り除くのがポイントです。
漉す作業
スープを漉して仔牛を鍋に戻し、再度水またはブイヨンと炒めた香味野菜を加えて同様に煮て2番フォンをとります。出来上がったら1番フォンと合わせて沸騰させ、裏漉し器で丁寧に漉して出来上がりです。
フォンドボー以外の出汁の種類
最後に、フォンドボー以外のフランス料理の出汁の種類を簡単に説明します。日本の出汁にもかつおやいりこなどの種類があるようにフランス料理の出汁にも色々あります。
フォン・ド・ヴォライユ
出汁の種類の1つ目は、フォン・ド・ヴォライユです。鶏肉を煮だしたフォンで、生なら煮だして作る白色系のフォンです。
フュメ・ド・ポワソン
出汁の種類の2つ目は、フュメ・ド・ポワソンです。これは魚を使ったフォンで、フォン・ド・ヴォライユと同じく生から煮だして作る白色系のフォンです。
フォン・ブラン
フォン・ド・ヴォライユとフュメ・ド・ポワソンは、生から煮だす白色系のフォンと説明しましたが、白色系のフォンをフォン・ブランを言います。「ブラン」はフランス語で「白」を意味します。フォン・ド・ボーを含むその他の出汁は焼いてから煮だす茶色系のフォンで、茶色を意味する「ブリュン」からフォン・ブリュンと言います。
フォン・ド・ジビエ
出汁の種類の3つ目は、フォン・ド・ジビエで、これは野鳥獣を使ったフォンです。ウサギやイノシシ、シカ、ウズラなどが使われる茶色系のフォンです。
フォンドボーの料理での使い方や意味を理解しよう!
いかがでしたか?フォンドボーの意味や使い方を知り、料理に使ってみたくなったのではないでしょうか。興味のある人は丁寧に1から作ってみても面白いと思いますし、お手軽な市販のフォンドボーを使っていつものシチューやソースに深みを出してみてはいかがでしょうか。