2019年01月09日公開
2024年08月28日更新
高級魚ウメイロのアオダイとの見分け方とは?美味しいレシピも紹介!
「ウメイロ」という魚を知っていますか?アオダイのような高級魚とされる白身の魚で、水揚げされる地域では、旬の時期を待ち望む人も多い高級魚です。このウメイロとは、どんな魚なのか、どんな料理やレシピにしたら美味しいのかなどを調査しました。ウメイロの選び方や、似ている魚との見分け方、おおよその値段もあります。寿司屋や魚屋で「ウメイロ」と言われたら、一度は食べてみたくなる高級魚ということが分かります。
ウメイロはどんな魚?
ウメイロの特徴と名前の由来
「ウメイロ」は漢字で「梅色」と表記されることもあるように、背中から尾にかけての部分が熟した梅の実のように鮮やかな黄色からグリーンの色をしているのが特徴です。スズキの種類に分類され、近い魚に「アオダイ」がいる海水魚で、水深100~200メートルという深い所に生息しています。泳いでいる時は、特に背中の梅の実のようなきれいな色が、輝くように見えることから、名前が付けられました。
温暖な海に広く生息していて、プランクトンなど、海水中の小さな動物性たんぱくを食べて育ちます。背中の美しさが熱帯魚のようで鑑賞用になることもありますが、マダイ、ヒラマサといった高級な魚ほどの認知度はありませんが、価格も高めで、絶品の美味しさがある魚です。
ウメイロという呼び方は、主に高知のものです。神奈川や和歌山では「オキタカベ」、屋久島では「キホタ」「キーホタ」などと呼ばれ、「イエズミ」「ウグイス」「ウメノ」「ヒワダイ」「ボウタ」といった呼び方をするところもあります。
ウメイロの旬と生息地
ウメイロは西太平洋やインド洋など、温かい海水域を泳いでいます。日本では、伊豆よりも西側の太平洋側、高知、長崎、鹿児島などで水揚げされることがあります。沖縄では、ダイビングスポットで、ウメイロの集団に出くわすこともあって、体全体は青っぽく、背から尾にかけての黄色のラインの美しい姿を目の当たりにすることができます。
ウメイロの旬は、夏といわれますが、流通量が多くないので、旬のシーズンでもスーパーなどで見かけることはほとんどありません。春の終わりくらいから、夏にかけてが旬でもあるので、梅の実がなるころという点でも、梅に縁のある魚です。水揚げされるエリアでは、夏の楽しみとして、待ち焦がれる人たちもいるのがウメイロですが、温かい海域であれば、一年を通じて漁獲され、冬だからといって味が落ちることがないのも特徴です。
ウメイロの味わい
もともとは普通の白身魚と同じように、すり潰して練り物の原料として加工されることがほとんどでしたが、ウメイロの刺身での美味しい味わいが見直されて、値段も高く取引されるようになりました。ウロコは小さく薄くて取りやすく、皮はやや厚みがあります。骨はそれほどかたくなく、透明感のある白身ですが、白く濁りやすいです。刺身で食べることもでき、加熱をしても身がかたくなりすぎることもありません。
これまで市場に刺身用として出回らなかった原因の1つが、脂がのってくると、身がやや白濁してしまい、刺身としての味が落ちやすいということにあります。新鮮なものは、透明感があり、タイのような食感で甘味や旨味もある高級魚で、流通技術などの発展で、新鮮なものが寿司店などに並ぶことがでてきています。淡白な味わいなので、そのままの美味しい刺身だけでなく、さまざまな料理で味つけをしても楽しむことができます。
ウメイロの値段と選び方
ウメイロは高級魚
ウメイロは高知県での呼び名ですが、その高知では、アオダイをウメイロとして呼ぶこともあります。同じ属に分類されていて、ウメイロもアオダイのどちらも同じように美味しい魚です。アオダイは、東京の市場にでれば、高級白身魚として取扱いされ、鮮度のよいものは1キロあたりの値段が2,000円前後ということで、アンコウなどと同等ともいわれます。1匹3,000円以上の値段で売買されることもあります。
アオダイの場合は、1キロ以上になると値段が4,000円以上になることもあり、ウメイロも同じくらいの値段で売買されることが多いようです。市場に出る時には30cmくらいのウメイロが多く、小さなもの値段は1尾1,500円前後、寿司店では1貫の値段は、高級な白身に分類されることもあります。
このアオダイと同じ類のウメイロも、同じように高価格で取引がされます。マダイと比較されることもあり、味わいはマダイ以上と評する人もいます。関東では夏から秋にかけて、市場にでることもありますが、漁獲量も限られていることから、高級魚として高値がつくことがあります。
ウメイロの選び方
ウメイロを刺身で食べるのであれば、選び方を慎重にして、新鮮なものを選ぶと格段に美味しくなります。選び方のポイントは、全体の色が美しく、背中の梅色が鮮やかなものであれば、新鮮な証拠です。どの魚にも言えることですが、目が澄んでいて、ウロコ全体がきれいで、張りがあるものというのが、おすすめの選び方です。ウメイロも同じように、全体に張りがあって、色が美しいものを選んでください。
ウメイロと似たアオダイとの見分け方
見分け方①全体の色合いを見る
ウメイロとアオダイの見分け方は、2種が並んでいて、全体の色を見れば、ウメイロの選び方が分かりますが、高知ではアオダイをウメイロと表記して並ぶこともあります。また地域によって呼び名も変わるので、ウメイロの全体の色合いを知っておくと、間違いがありません。大きいものでは40cmほどになり、全体は青紫色で、なだらかなだ円形をしています。アオダイは、ウメイロよりも大きなものが多く全体的に暗い青色になります。
ウメイロは、背から尾にかけて黄色状になっていて、尾びれ部分も全体的に黄色というのが見分け方では、わかりやすいポイントです。アオダイとの見分け方では、アオダイは背びれと尾びれが黄色いですが、背側に帯状の黄色はあまりありません。また、ウメイロの尾びれは、深く二又のように中央部分が切れ込んでいますが、アオダイにはこの切れ込みはないので、見分け方のポイントです。
見分け方②側線のうろこの数を見る
ウメイロとアオダイの見分け方として、じっくりと見ることができるのであれば、側線有孔鱗(そくせんゆうこうりん)の数を比較すると、違いが明らかです。魚の背側には、水中での水圧や流れの変化を感じとることができる器官が、線状にあって、その上にウロコが並んでいます。このウロコに穴があいているものが多く合って、この数の違いが種類の見分け方で使われることがあります。
この側線有孔鱗数がウメイロは70~72枚ですが、アオダイは47~50枚です。選び方、見分け方で迷ったら、このウロコの数を数えるのは手間なので、尾びれの特徴を知っておくと、間違えない選び方ができます。
ウメイロモドキという魚もそっくり
ウメイロと間違われやすい魚で、「ウメイロモドキ」というものもいます。ウメイロモドキと、ウメイロは見た目は似ていて、ぱっとした見た目では、きれいな背びれと尾びれで見分け方、選び方に迷うかもしれません。分類の属でいうと、ウメイロはフエダイ科なのに対し、ウメイロモドキはタカサゴ科です。また側線有孔鱗数は、ウメイロモドキの方が少なく、背びれにウロコがないということでの見分け方ができます。
ウメイロモドキも温かい海域に生息している白身ですが、ウメイロよりも、全体にブルーの色合いが強く、腹側はうっすらとしたピンク色です。胸ビレの付け根に、黒いマークのようなものがついているのが、ウメイロモドキで、ウメイロにはこの黒いマークは見えないというのが見分け方、選び方のポイントになります。ウメイロモドキは値段も手ごろで、水分がやや多く、焼き魚やから揚げにして食べることがあります。
ウメイロの美味しいおすすめレシピ
美味しい魚はあらまで美味しい「ウメイロの潮汁」
ウメイロはお刺身で、高級魚としての旨味を堪能して、その後に残ったあらからも、美味しい出汁がでて、潮汁にするのがおすすめです。ウメイロが1匹丸ごと手に入ったら、身は刺身や料理にして、残ったあらを活用するレシピです。値段も高めなウメイロなので、捨てる前に、あらからもしっかりと出汁をとって、旨味を堪能してください。
- ウメイロのあら1匹分
- だし昆布5cmほど
- 塩、日本酒
- ウメイロの頭、中落、腹骨部分に軽く塩をふって、10分ほど置きます。
- 鍋に水とだし昆布を入れておきます。
- ウメイロの表面をさっと水でながして、2の鍋にいれて、中火にかけます。
- 煮立ってきたら昆布を取り出して、弱火にして、だし汁を煮出します。
- アクは丁寧に取り除きながら、汁が透き通ってきたら、あらを取り出します。
- 酒と塩で味を整えて、白髪ネギを添えて出来上がりです。
しっかり味ながらも上品さくさく「竜田揚げ」
やや高い値段でウメイロをかって、刺身だけでなく、加熱したものが食べたいのであれば、竜田揚げがおすすめです。火を通してもウメイロの身はかたくなりにくいので、ふっくらとして美味しい一皿になります。衣もサクサクにして、より美味しい食感にするレシピです。ウメイロではなく、選び方で間違えて、ウメイロモドキやアオダイなどの白身でも同じレシピで料理できます。
- ウメイロ1尾分
- 酒・しょうゆ各大さじ1
- みりん大さじ1/2
- 生姜のすりおろし小さじ1
- 片栗粉
- 大葉
- ボウルに酒、しょうゆ、みりん、しょうがを混ぜ合わせておきます。
- ウメイロの身を一口サイズに切り分けて5~10分ほど1に漬けておきます。漬け込み過ぎると、ウメイロの美味しさが分かりにくくなってしまうので、短めの漬け込みにします。
- ウメイロの身をキッチンペーパーではさみ、軽く水分を取り除き、片栗粉を前提にまぶします。
- 油を170度に熱して、衣をつけたウメイロを揚げます。表面がこんがりとしたら、取り出します。
- 器に盛りつけ、大葉の千切りを添えてできあがりです。
高級魚ならではの皮も味わう「湯霜づくり」
高知では定番の味わい方でもありますが、ウメイロの皮はそれほどかたくなく、高級魚としての旨味を捨てずに味わえるレシピが「湯霜(ゆじも)づくり」です。タイなどでも、サッと熱湯をかけて、湯引きをしたものをお造りにして食べますが、それと同じようにして味わうと、ウメイロらしい美味しさが分かります。
- お湯を沸かします。ボウルに氷水を準備しておきます。
- ウメイロの半身を、少し傾斜をつけたまな板にのせます。皮目が上になるように置き、湯をかけたときに、身の方に湯が貯まらないように傾けておきます。
- ウメイロの身にキッチンペーパーをかぶせ、その上から熱湯を全体にかけます。
- すぐにキッチンペーパーを取り除き、氷水に半身を入れます。
- 皮が冷えたらすぐにとりだし、キッチンペーパーで水気をとります。
- 好みの厚さに切ってできあがりです。
大きめのウメイロが手に入ったら、皮が食べにくい場合もあるので、皮に切れ目を入れてから、刺身にした方が食べやすくなり、より高級魚らしくなります。わさび醤油ではもちろん、レモン汁をたらしたしょうゆや、柚子こしょうなどを添えても美味しくいただけます。
ふっくら柔らかな身が楽しめる「ホイル蒸し」
ウメイロの上品な甘みを堪能できるのが、ホイル蒸しです。ホイル蒸しは簡単に作れるレシピで、ふっくらとした身の味わいと、旨味のだしを吸った野菜も一緒に味わえる料理です。食べる時に、ホイルを開いた瞬間の湯気と香りで食欲をそそられ、ウメイロのやわらかな身を堪能できます。お好みでポン酢やレモン汁などをたらして食べてください。
- ウメイロ2切れ
- えのき、しめじ
- 塩、こしょう
- 酒大さじ2
- バター10g
- ウメイロの身の両面に塩こしょうをふって、下味をつけます。
- アルミホイルをひろげて、バターを薄くぬるようにします。
- えのき、しめじなどを敷いて、その上にウメイロの身をのせます。ウメイロの上にもえのき、しめじをかぶせます。
- 酒をふりかけて、アルミホイルで包むようにして口を閉じます。
- フライパンに4を置いて、フライパンに少し水をいれて、蓋をして中火にかけます。
- 蓋がくもって、蒸気がでてきたら火を弱めて5分ほど蒸し焼きにします。
- フライパンから取り出し、お皿にアルミホイルのまま盛り付けてできあがりです。
漬けておくだけ簡単「白身魚とパプリカのカルパッチョ」
ウメイロをカルパッチョにするレシピですが、合わせる野菜を浅漬けの素に漬けておいたものを合わせます。好みのドレッシングをかけてもよいですが、このレシピのようなさっぱりとした野菜の味わいは、高級魚のウメイロの美味しさを、オイルなどを使わずに楽しむのにおすすめのものです。見た目はイタリアンですが、新しい刺身の味わい方としてもおすすめのレシピです。
- ウメイロの身
- パプリカ(黄色・赤色)
- ズッキーニ
- 浅漬けの素
- パプリカはとズッキーニは、細かなさいの目に切ります。
- ビニール袋に1をいれて、浅漬けの素を合わせて冷蔵庫で半日ほどおきます。
- ウメイロを刺身にして、お皿に敷きます。
- 漬けていたパプリカとズッキーニを散らしてできあがりです。新鮮なウメイロが手にはいらなければ、他の白身を使って、野菜と一緒に漬け込んでも美味しくいただけます。
ウメイロはどんな料理にも合う万能な魚!
高級魚と言われるウメイロは、鯛のような美味しさもある白身魚です。刺身でも美味しく、塩焼きや揚げ物にもでき、あらからは、上品な出汁もとることができます。美味しいレシピも紹介しましたので、ウメイロが手に入ったら、ぜひ料理してみてください。