2019年01月02日公開
2024年08月27日更新
タナカゲンゲは鳥取のグルメ!別名や旬の時期も解説!
タナカゲンゲという魚をしっているでしょうか?タナカゲンゲは別名ババアとも呼ばれる鳥取で人気のある魚です。なかなか市場には出回らないタナカゲンゲですが、その旬や値段はどのくらいなのか詳しく調査しました。肝も美味しいといわれており、鍋料理にすると絶品の味わいが楽しめるようです。簡単に作れるおすすめのレシピも紹介しているので、ぜひタナカゲンゲを味わってみてください。
タナカゲンゲとは一体どんな魚?
タナカゲンゲの特徴と産地
タナカゲンゲは、水深300メートルからさらに深い場所にすむ深海魚です。鳥取や兵庫をはじめ、石川や富山などが主な産地となっています。大きいもので体長が1メートル前後にもなるといわれており、犬やキツネのような顔つきをしているのが特徴です。ゲンゲの由来は、「下の下(げのげ)」という言葉からきているとされています。
この魚は、もともと練り製品の原材料としてのみ使用されていましたが、鳥取県で街の名物にしようという取り組みが行われたことから鳥取の名物魚として知られるようになりました。タナカゲンゲの身はゼラチン質で、肝は濃厚な味わいが楽しめます。肝煎りにして食べると非常に美味しいと人気で、身は鍋の具材や唐揚げによく使用されているようです。
タナカゲンゲの旬や値段
タナカゲンゲの旬や値段はどのくらいなのでしょうか?タナカゲンゲの旬は9月から翌5月までと、比較的長い間旬の時期が続くようです。漁獲の最盛期は、ズワイガニ漁の行われる11月から翌3月ごろとされており、この期間が最も旬だといえるかもしれません。鍋の具材として食べられることが多いため、季節的には冬が旬となるようです。
タナカゲンゲは、鳥取県底魚の三大珍魚の1つともされています。日本海沿岸以外の地域ではスーパーなどで見かけることも少ないため、自宅でタナカゲンゲを食べるのであれば通信販売がおすすめです。店舗によって値段にも差がありますが、2.5kg前後のサイズ1尾で3,500円ほどの値段で購入が可能です。また、切り身になった魚だと、1.5kgが4,000円前後の値段で手に入ります。
鳥取で人気の魚といっても全国的にはまだまだ知られていないため、比較的手ごろな値段で購入できる魚といえるでしょう。漁獲量が安定していないため、時期によっては通信販売でも購入が難しいようです。手に入ったら、ぜひいろんな食べ方に挑戦してみるとよいでしょう。
タナカゲンゲの別名は「ババア」?
タナカゲンゲは鳥取や島根でババアと呼ばれる
冬が旬のタナカゲンゲには、いろんな別名があります。鳥取や島根県ではタナカゲンゲという名前で呼ばれることはほとんどなく、別名の「ババア」という名前で知られています。タナカゲンゲの顔がしわしわでおばあちゃんに見えることからこの別名がつけられたようです。また、ババアという別名から派生した「ばばちゃん」という呼び方も山陰地方ではなじみがあるそうです。
鳥取県岩美町では「ばばちゃん鍋」が名物
鳥取県岩美町では、タナカゲンゲを使った名物鍋があります。「ばばちゃん鍋」と呼ばれるその鍋料理は、店によって味に違いがあるようです。シンプルな味つけの店がおすすめとされており、優しい味のばばちゃん鍋はあっさりとした上品な味わいが楽しめます。
鍋にしたタナカゲンゲは、コラーゲンのゼラチン質を存分に楽しむことができ、アンコウにも引けを取らない味といわれています。値段も手ごろなので冬に鳥取へ旅行する際は、その味わいを堪能してみるとよいでしょう。
タナカゲンゲは地域によって別名いろいろ
ババアやばばちゃんという別名のあるタナカゲンゲですが、他の地域によってはさらなる呼び方があるそうです。北海道では「ナンダ」、石川県では「シャデ」という名前で知られており、顔の特徴から「キツネダラ」や「ババダラ」などと呼ぶ地域もあります。
タナカゲンゲで美味しいレシピ
つるんと美味しい「ゲンゲの味噌汁」
タナカゲンゲ(ババア)のアラを味噌汁にしたレシピを紹介します。ぷるんとした食感のタナカゲンゲは、アラも美味しいと人気があります。臭みもないので、あっさりした味噌汁にしてもコクのある味わいが楽しめるでしょう。火を通しすぎると食感が変わってしまうので気をつけてください。濃厚なスープと程よい締まりのタナカゲンゲをぜひ味わいましょう。3人分のレシピは下記の通りです。
- タナカゲンゲのアラ280g
- 水800ml
- 生姜のすりおろし5g
- 味噌大さじ2
- 顆粒だしの素大さじ1
- じゃがいも1個
- 大根150g
- 長ネギ1/2本
- タナカゲンゲのアラは、食べやすい大きさにカットします。じゃがいもは皮をむいてひと口大にカット、大根はいちょう切りにします。長ネギは小口切りにしておきましょう。
- 鍋にじゃがいも、大根、しょうが、水を入れて中火で煮込みます。タナカゲンゲを加えてアクが出たら取り除き、火が通るまで加熱します。
- 全体に火が通ったら顆粒だしの素、味噌を溶き入れ、ネギを加えたら火を消します。器に盛りつければレシピの完成です。
オーソドックスな食べ方「タナカゲンゲ鍋」
タナカゲンゲ(ババア)の最も定番な食べ方として鍋のレシピを紹介します。肝を一緒に入れることで濃厚な味わいになり、野菜などから出る旨みもたっぷりスープにしみ込みます。新鮮な肝は非常に美味しいため、あれば一緒に入れることをおすすめします。タナカゲンゲの肝は特に珍味で、あん肝などが好きな方にはたまらない味です。肝煎りにするほか、ぜひ鍋の肝も味わってみてください。2人分のレシピは下記の通りです。
- タナカゲンゲ(ババア)1尾
- 白菜4枚
- 長ネギ1本
- 豆腐1/2丁
- 水菜1/3束
- えのき1袋
- しいたけ2枚
- くずきり適量
- 水1200cc
- かつお節適量
- 昆布適量
- 薄口醤油100cc
- みりん100cc
- タナカゲンゲ(ババア)はぬめりを金たわしでしっかり落とし、頭を切り落とします。内臓を取り出したら3枚におろしておきましょう。白菜、豆腐はひと口大にカット、長ネギは斜めに切ります。水菜は3~4cm幅に切り分けます。きのこは石づきを取り、えのきは半分に、しいたけは飾り切りをほどこします。
- 1のタナカゲンゲを食べやすい大きさにぶつ切りにし、熱湯をくぐらせて冷水にとります。
- 鍋に水を入れ、昆布とかつお節でだしを取ります。ひと煮立ちさせたら醤油、みりんで味つけしましょう。
- 3の鍋にタナカゲンゲを入れ、沸騰したら野菜、きのこ、くずきりを入れて煮込みます。全体に火が通ったらレシピの完成です。
カリっとしっとりシンプルおかず「ゲンゲの美肌揚げ」
タナカゲンゲ(ババア)は、唐揚げにしても美味しいと人気があります。プリッとした食感が楽しめる唐揚げは、子供も喜んで食べてくれるおかずになるでしょう。紹介するレシピでは皮をひいて作っていますが、皮つきの身も美味しい唐揚げになります。また、シンプルに塩こしょうで味つけして片栗粉で揚げる作り方もおすすめです。タナカゲンゲ1尾分のレシピは下記の通りです。
- タナカゲンゲ(ババア)1尾
- 片栗粉適量
- 唐揚げ粉(市販)適量
- 揚げ油
- タナカゲンゲは、頭を切り落として内臓を取り除きます。3枚におろして適当な大きさにぶつ切りします。
- カットしたタナカゲンゲに片栗粉、唐揚げ粉をまぶします。中火で熱した揚げ油の中に入れ、表面がカリっとするまで揚げたらレシピの完成です。好みでレモンやマヨネーズを一緒にいただきましょう。
タルタルソースをかけて「ババアのフリッター」
タナカゲンゲ(ババア)をフリッターにしたレシピを紹介します。淡白なタナカゲンゲは、タルタルソースとの相性も抜群です。作るのも簡単なので、唐揚げと一緒に作って2種類の食べ方を楽しんでもよいでしょう。フリッターの生地にカレー粉や青のりをプラスしても美味しい仕上がりになります。4人分の作り方は下記の通りです。
- タナカゲンゲ(ババア)の切り身適量
- 薄力粉100g
- 牛乳100ml
- 卵1個
- 塩ひとつまみ
- ゆで卵2個
- 玉ねぎ1/8個
- パセリのみじん切り適量
- Aマヨネーズ大さじ5
- Aレモンのしぼり汁小さじ1
- A塩こしょう少々
- 揚げ油適量
- まずはじめに、タルタルソースを作ります。ゆで卵と玉ねぎはそれぞれみじん切りにします。玉ねぎは塩少々(分量外)をふってもみ込み、水で洗ってから水気を切っておきます。ボウルにゆで卵、玉ねぎ、パセリ、Aを入れて混ぜたらタルタルソースの完成です。
- 次に、フリッター生地を作ります。卵は卵黄を卵白にわけておきます。ボウルに卵白と塩を入れ、角が立つまで泡立てます。別のボウルにふるった薄力粉、卵黄、牛乳を入れ、少しずつ混ぜながらなめらかにします。泡立てた卵白をひとすくい入れ、ヘラなどで混ぜ合わせます。全体が混ざったところで卵白を全て加え、混ぜ合わせたら生地の完成です。
- タナカゲンゲに塩こしょう(分量外)をふって下味をつけます。2のフリッター生地をたっぷりつけて、中温の油でカリっとするまで揚げます。皿に盛りつけ、タルタルソースを添えたらレシピの出来上がりです。
タナカゲンゲはローカルな魚だけどとても美味しい!
鳥取で有名なタナカゲンゲは、なかなか手に入らないローカルな魚です。アンコウに似た味と食感で、どんな料理にしても美味しくなるため、購入する機会があればいろんな食べ方に挑戦してみるとよいでしょう。タナカゲンゲは肝や卵も食べることができます。ぜひ、丸ごとその味わいを堪能してみてください。