桜餅は関東と関西で違う?皮で巻いた桜餅に関西人が驚く理由とは?

春、桜が時期になるとつい食べたくなるお菓子が桜餅です。昔から親しまれている和菓子ですが、その形はお住いの地域によって異なります。その違いには実は江戸時代までさかのぼる、それぞれの桜餅の歴史がありました。関西と関東の桜餅の違い、関東風桜餅を見た関西人のリアルな感想をお届けします。また関西風・関東風どちらも食べてみたくなる、お家で作る桜餅のレシピもそれぞれを紹介します。

桜餅は関東と関西で違う?皮で巻いた桜餅に関西人が驚く理由とは?のイメージ

目次

  1. 1桜餅は関東と関西では見た目が違うって本当?
  2. 2桜餅について解説
  3. 3桜餅の長命寺を見た関西人が驚く理由とは?
  4. 4桜餅を作ってみよう!
  5. 5桜餅の関東風と関西風の違いを楽しんでみよう!

桜餅は関東と関西では見た目が違うって本当?

桜の開花と共に春の訪れを感じさせる和菓子の桜餅。桜餅と言われてどんな形を想像しますか?柏の葉で包まれていて、ピンク色で、生地はクレープ状それとももっちりとしたもち米タイプでしょうか。実は桜餅といわれて思い浮かべる和菓子は、関東か関西かのお住いの地域によって異なります。2タイプの桜餅の違いから、その成り立ちまで詳しく紹介していきます。

桜餅について解説

桜餅には道明寺と長命寺がある

桜餅のあんこを包む生地はもち米タイプかクレープ状の皮の違いがあります。一般的には関西の上方風のものは「道明寺」、関東の江戸前風の桜餅は「長命寺」と呼ばれています。道明寺はもっちりとした食感が魅力です。長命寺の方はしっとりとした皮であるんこのおいしさが際立ちます。どちらもおいしい桜餅ですがどうして地域によって親しむ和菓子が違うのでしょうか?そこには道明寺と長命寺それぞれの成り立ちに理由があります。

関東の「長命寺」桜餅とは?

関東風桜餅の別名、長命寺は江戸の墨田川近くにあったお寺の名前です。江戸の半ば頃長命寺の門番をしていた山本新平がお寺を訪れる人をもてなすために山本屋というお店を創業しました。そこで掃き掃除でたくさんあつまる桜の葉を塩漬けにして利用しようと思い付いたのです。小麦と砂糖の皮のあんこを桜の葉で包み手製の桜餅として売り出しました。

ちょうどその頃から墨田川での花見も盛んになっており名物のお菓子として長命寺桜餅を売る山本屋は盛況しました。長命寺の桜餅は江戸自体の文学や浮世絵の中にも桜の描写と共に登場しており、当時の人気ぶりがうかがえます。

関西風の「道明寺」桜餅とは?

関西風桜餅の別名、道明寺の名前は大阪府藤井寺にある道明寺というお寺に由来があります。その昔道明寺の尼僧が、水に浸し蒸したもち米を干して粗めに挽き非常食としていました。このもち米の粉末は道明寺粉と呼ばれ、道明寺粉から作られる和菓子も道明寺と呼ばれるようになりました。そんな道明寺粉が使われた桜餅が関西に登場したのは江戸の後期頃です。

大阪の土佐屋という和菓子屋で、関東で一足先に人気になっていた長命寺にならい道明寺を桜の葉で包み桜餅として売り出し一躍人気になりました。道明寺の桜餅はこうして関西を中心に西日本に広まっていきました。

道明寺と長命寺は食べられる地域が違う!

関西と関東でそれぞれ桜餅として生まれた道明寺と長命寺。今は日本全国で親しまれていますが、はやり地域によってどちらの桜餅を食べているかは違います。

長命寺は江戸を中心に関東地方全域と、山梨県、静岡県にも広まっています。また東北地方の太平洋側も長命寺派です。離れた地域にはなりますが金沢や島根でも一部長命寺の桜餅は作られてます。これは江戸で流行っていた桜餅を藩主が地元の和菓子司へ作るよう命じたためです。離れた地域にはなりますが金沢や島根でも一部長命寺の桜餅は作られてます。これは江戸で流行っていた桜餅を藩主が地元の和菓子司へ作るよう命じたためです。

関西生まれの道明寺は関西以西、中部地方(北陸、岐阜県、愛知県)と東北地方の日本海側などへで分布しています。関西風桜餅がこうして伝わったのは江戸時代の日本海を通った水運、北前船のおかげです。北前船は大阪や京都など西国で物資を載せ、日本海を北陸・東北・北海道と順にめぐって商売をしていきました。

北海道でなじみ深いのは道明寺!

北海道で桜餅といえば道明寺の桜餅といわれます。関東にある東京に比べると大阪は北海道まで遠いイメージですが、これは前述した北前船の影響です。定期的に西国よりやってくる北前船に載って、道明寺の桜餅は遠い北海道にまで上陸したのでした。
 

道明寺と長命寺のカロリーの違い

道明寺と長命寺の成り立ちの違いを紹介しましたが、それでは異なる素材でカロリーはどの程度違うのでしょうか?道明寺の100gあたりのカロリーは 200Kcal、長命寺の100gあたりのカロリーは 239Kcalです。道明寺の方が少しカロリーが低いですが、どちらもお菓子としてはとても低カロリーです。

同じお菓子でもショートケーキは100gあたり308Kcal、チョコレートは100gあたり400Kcalと洋菓子はカロリーが高めです。あんこを使った桜餅などの和菓子はヘルシーなおやつとしてもおすすめできます。

桜餅の長命寺を見た関西人が驚く理由とは?

関東風桜餅を見た関西人の反応とは

もち米の道明寺風桜餅が一般的な関西人が、関東の長命寺桜餅を見た反応がこちらです。見慣れない桜餅の姿に動揺が隠しきれません。クレープ状になっている皮の正体がよくわからないようです。

こちらも関西出身の人が関東で販売されている桜餅を見かけた際の反応です。やはり見慣れない形の和菓子で桜餅として認識しない方が多いようです。

関東風桜餅を断固として認めない厳しい意見もありました。確かにクレープに見えますが、地域の違いなのでぜひ違いを認めてほしいところです。

関東風桜餅はレア感があって良い

道明寺に親しみがある関西の方でも長命寺桜餅に興味はあるようです。たまに食べる機会があると珍しいと喜びの声も。関西では長命寺を見る機会は少ないようです。

こちらも長命寺の桜餅が初めてだという関西の方の声です。もち米とは違うクレープ状の生地の食感はお口に合ったでしょうか?

食べていたら関東風の桜餅も美味?

関東風の桜餅を食べた関西の方の感想です。桜の葉としっかり巻かれた長命寺の皮は、桜の香りがしっかり馴染んで美味しいです。そのおいしさに出会って関東風桜餅のファンになる方もいる模様です。

見た目ではびっくりされる関東風桜餅ですが、食べてみるとそのおいしさで関西人にもすんなり受け入れられるようです。どちらも違ったおいしさがあるので、桜も時期には一緒に楽しむのもおすすめです。

桜餅を作ってみよう!

ここからではお家でも簡単に作れる桜餅のレシピを紹介します。今では和菓子屋またはスーパーなどでも手軽に手に入る桜餅ですが、桜の時期にはお家で手作りしてお茶と一緒にゆっくり楽しむのはいかがでしょうか?可愛らしいピンク色と桜の香りで作りながらも春らしさが楽しめます。関西の道明寺、関東の長命寺のどちらも簡単に作れるレシピです。

炊飯器で作れる関西風桜餅のレシピ

まずは関西風・道明寺のレシピからです。もち米2合分と食紅をごく少量と砂糖大さじ3を炊飯器に入れて混ぜます。30分ほど漬けておいたらそのまま炊飯スタート。塩漬けした桜の葉20枚を水につけて塩を抜いた後、良く水分を拭き取ります。

もち米が炊き上がったらしゃもじで米をつぶすように混ぜます。冷めたらあんこをつつみ、桜の葉を巻いていきます。このときラップでボールを作るようにして丸めると簡単にきれいに作れます。もっちりと柔らかな食感がおいしい桜餅です。

もっちり柔らか関東風桜餅のレシピ

続いて関東風・長命寺のレシピを紹介しします。塩漬けの桜4~5枚を塩出しして水気を切ります。餡60gも個数分簡単に丸めておきます。白玉粉15g、砂糖小匙1/2~1、塩1つまみを先に90ccの水で溶きます。小麦粉50gもそこに加えて、食紅をごく少量入れて混ぜ合わせます。ここで少し薄めぐらいの桜色にしておくて仕上がったときに綺麗な色になります。

ホットプレートを160度に設定し、お玉で楕円形に落とします。表演が乾いたら完成です。片面だけ焼いてあとは冷ましましょう。冷めたら餡を包み込み、桜の葉を巻いて完成です。

桜餅にぴったりのおいしいこしあんレシピ

あんこまでこだわりたい方へ、桜餅に相性抜群のこしあんレシピ紹介します。手間はかかりますが難しくはないレシピです。材料はあんこまであずき250g、砂糖200g、塩1つまみを用意します。あずきを洗い、たっぷりの水で煮ます。煮立ってきたら水を変えさらに煮ます。沸騰したら弱めの中火に、水が減ってきたら途中で足すようにします。一時間ほど煮込みます。

ざるとボウルを用意し、3~4回漉しあずきの皮を取り除いていきます。漉したあずきを布巾に包みぎゅっと搾り水分を出します。あずきを鍋に入れ、砂糖を加えてなめらかになるまで火にかけていきます。仕上げに塩を加えて、冷ましたら完成です。手間がかかりますがとっても美味しいこしあんが作れます。

桜餅の関東風と関西風の違いを楽しんでみよう!

ここまで関東と関西それぞれの歴史を紹介しました。どちらも江戸時代から愛される歴史深いお菓子でした。。自分が育った土地の桜餅も良いですが、もしお店などで違う地方の桜餅を見かけたらぜひ試してみるのもおススメです。慣れない食感かもしれませんが、きっといつもの桜餅とはまた違うおいしさに出会えるでしょう!

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