ロブスターには寿命がない?不老不死説が嘘か本当か徹底調査!

ロブスターには寿命がないという話を知っていますか?実はロブスターは、生きている間ずっと脱皮を繰り返すことで非常に長く生きることが可能です。その為、寿命がない、不老不死の生き物だとする説もあります。この記事では、ロブスターの寿命についてまとめてみました。ロブスターの不老不死説は本当なのか、実際の寿命は何年ぐらいなのか、ロブスターに興味のある方は、ぜひ目を通してみてください。

ロブスターには寿命がない?不老不死説が嘘か本当か徹底調査!のイメージ

目次

  1. 1ロブスターには寿命がない?
  2. 2ロブスターについての豆知識を紹介
  3. 3ロブスターには寿命がないのは本当?その理由を解説!
  4. 4ロブスターに寿命が無いのは嘘?死因などを解説
  5. 5ロブスターの寿命についてはまだ謎が多い!

ロブスターには寿命がない?

ロブスターには寿命がないという話を知っていますか?ロブスターは、生きている間ずっと脱皮を繰り返して生きています。その為、他の生き物よりも寿命が長く、理論上は不老不死になることも可能だという説も挙げられています。

ロブスターについての豆知識を紹介

そもそも、ロブスターとはどのような生き物か知っていますか?大きなエビの一種だと思っている方も多いと思います。実際、ロブスターはエビの仲間です。エビの仲間ではありますが、どちらかといえばザリガニの仲間に近いので、大きなハサミを持っています。

ロブスターとは?

そもそも、ロブスターとはどのような生き物か知っていますか?ロブスターはエビの一種ですが、ザリガニの仲間でもあります。エビ類の中では最大級の大きさを誇ります。

実は、ロブスターはイセエビなどを含む大型の歩行型エビ全般を指す言葉です。見た目も、ロブスターとイセエビはハサミ以外よく似ています。かつては、イセエビと詐称してロブスターを料理として提供して問題となったホテルもありました。

オマール海老を食べたことはありませんか?身近なものだと、スープストックトーキョーのオマール海老のビスクが挙げられます。実は、オマール海老とはロブスターのことです。ロブスターは西洋料理では非常に馴染みが深い食材で、イセエビ以上の弾力が特徴です。海外では、ビスクというスープや蒸してレモン汁で食べるのが定番です。

ロブスターには2種類がある

ロブスターには、2つの種類があります。ヨーロピアンロブスターと、アメリカンロブスターの2種類です。ヨーロピアンロブスターは地中海からノルウェー付近の大西洋までに分布しています。アメリカンロブスターはカナダからカリブ海を中心に分布しています。

ヨーロピアンロブスターとは?

ヨーロピアンロブスターは、アメリカンロブスターによく似た姿をしています。しかし、ヨーロピアンロブスターの背中は一般的に深い青色をしています。側面はクリーム色のまだら模様で、額角の先端が枝分かれしていないという特徴を持ちます。体長は平均で35cmほどですが、最大で75cmが記録されています。

ヨーロピアンロブスターの平均寿命は、およそ70年とされています。現代の日本人の平均寿命が83歳なので、ヨーロピアンロブスターがかなり長生きであることが分かります。イギリス周辺での漁獲が多く、2010年以降は年間5,000トン以上の漁獲量を誇ります。

ヨーロピアンロブスターは、高級レストラン向けに取引をされています。肉質はアメリカンロブスターに似ていますが、身の甘さはアメリカンロブスター以上に上品だとされ、取引価格も高いです。代表的な料理は殻から取ったエキスに香味野菜やロブスターのミソを入れて作ったアメリカンソースです。

アメリカンロブスターとは?

アメリカンロブスターは、カナダのニューファンドランドからアメリカのノース・カロライナの海に生息しています。巨大なハサミが最大の特徴ですが、実は左右で大きさが違います。大きなハサミで物を砕き、小さなハサミで物を素早く掴めるように役割分担をして進化しています。

アメリカンロブスターはヨーロピアンロブスターよりも大きく、平均で25から50cm、1mを超えるものも珍しくありません。現在確認されている中では、120㎝が最大とされています。アメリカンロブスターは水温の低い地域に生息する為、ヨーロピアンロブスターよりも成長が遅いです。その為、同じ大きさでもヨーロピアンロブスターよりもアメリカンロブスターの方が歳を重ねています。

アメリカンロブスターは北アメリカで最も馴染みのあるシーフードで、日本にも輸入されています。身は柔らかく甘みがあり、ミソも美味しいです。ロブスターをそのまま蒸して割ったものに溶かしバターをつけて食べたり、半分に割ってソースをかけてグリルしたものが定番です。

アメリカンロブスターは1mを超える個体も!

ロブスターは平均して50㎝程のものが出回っています。しかし、アメリカンロブスターは1mを超えるものも珍しくありません。ロブスター漁でも、120㎝以上のロブスターを捕獲されることもあります。

ロブスターには寿命がないのは本当?その理由を解説!

ロブスターに寿命がない、ロブスターは不老不死だという説は、2015年頃にネットで出回った情報です。本当に不老不死という訳ではありませんが、寿命がないと言われる理由はロブスターの生態にあります。

ロブスターは脱皮を繰り返して成長する

ロブスターは、生まれてから死ぬまでに何度も脱皮をしています。ヘビなどの動物も体が大きくなると脱皮をして、小さくなった皮を捨てています。脱皮自体は生物として珍しいものではありませんが、ロブスターの脱皮は特殊なものです。

一般的な動物の脱皮は、体が大きくなるにつれて外側の皮がまとまって剥がれる現象を言います。多くは、その生き物の形をそのままにした抜け殻を残します。外側の皮が剥がれるだけなので、内臓など体内のものは老化をしています。

しかし、ロブスターは他の動物とは異なり、内臓も一緒に脱皮をしています。内臓が脱皮して新しくなるので、ロブスターは老化が遅いのです。体の中も外も常に若々しく老いることが無いので、寿命がないという説が浮上しました。

内蔵も一緒に脱皮を繰り返すロブスター

ロブスターは、外殻だけでなく内臓も一緒に脱皮をしています。しかし、脱皮をしているのは消化器官の外壁だけです。心臓や脳といった重要な器官は老いているので、いつか機能不全や病気で死んでしまいます。その為、不老不死というのは嘘だとする説も出ています。

内蔵も脱皮することで理論上は不老不死が可能

生き物は常に老化をしています。人間でも、歳をとれば当然老化します。内臓も老化していくので、病気などの抵抗も弱くなって最終的に死に至ります。ロブスターは内臓の老化が無いので、理論上は不老不死が可能な生き物ではあります。しかし、様々な要因で死んでしまうので、実際に不老不死という説は嘘というより言い過ぎに近いです。

ロブスターは、内臓も脱皮しているので常に若々しい状態でいることができます。その為、寿命がない、不老不死だという説が出回っています。しかし、ロブスターが脱皮できるのは消化器官の外壁だけです。心臓や脳は脱皮できず老いてしまうので、不老不死というのは嘘だという説も出て来ました。

もし心臓や脳も脱皮が可能で、一生機能不全を起こさず病気にもならないロブスターがいれば、不老不死も可能かも知れません。しかし、現状では心臓や脳の老化があるので、本当の意味での不老不死を手に入れることはできていません。また、脳や心臓が老化しているので、ロブスターが一生老いないという説は嘘だとされています。

ロブスターに寿命が無いのは嘘?死因などを解説

ロブスターは、体の外も中も常に若い状態を保つことができるのは本当の話です。しかし、脱皮不全や病気などで死んでしまうことがあるので、寿命がない、不老不死だというのは嘘と言うよりも言い過ぎに近いデマとなります。

脱皮不全が死因第1位!

ロブスターの死因で最も多いのが、脱皮不全です。脱皮に失敗するのもそうですが、エビなどの甲殻類は常に硬い殻で守られています。脱皮後はその殻が柔らかく、外敵に狙われやすいので、脱皮直後の死は非常に多いです。

また、脱皮には多くのエネルギーが必要になります。脱皮前までにエネルギーを蓄えることをしますが、途中で力尽きて死んでしまうことも少なくありません。特に大きな個体になると、皮を脱ぎ捨てるのも一苦労です。寿命がないと言われるロブスターではありますが、脱皮のリスクには勝てません。

身体が大きくなるほど脱皮のリスクは高くなる!

ロブスターは、長く生きるとそれだけ体も大きくなります。年老いたロブスターは大きく、脱皮に必要なエネルギーも小さなロブスターより大きいです。その為、脱皮途中に力尽きて死んでしまう個体も多いので、とても不老不死とは言えません。

体も内臓も新しく若々しく保つことで不老不死や寿命がないと言われているロブスターですが、その脱皮の為に死んでしまいます。そして、脱皮が難しい大きいロブスターは当然脱皮不全の死亡率も高いので、寿命が近いと言えます。

理論上は寿命がないが確認は難しい!

ロブスターは脱皮を繰り返し常に若い状態でいることのできる生物です。その為、他の生き物のように老化が無く、寿命というものがありません。永遠に脱皮不全を起こさず、食べられることも無ければ、永遠に生きることのできる不老不死のロブスターも理論上存在することになります。

しかし、ロブスターの内臓は脱皮をしても食欲や消化機能、新陳代謝などが落ちないので若い体を保てるだけで、心臓や脳といった重要な器官は脱皮をすることができません。その為、寿命が無いとは言えますがいつか死んでしまうのは本当の話です。

ロブスターは老化速度が遅いだけ?

ロブスターには老化が無いと言われていますが、これは少し違います。本当は、老化が遅いだけだという説もあります。脱皮を繰り返し若い状態を保つというのも本当ですが、もう一つロブスターには他の生き物には無い特徴があります。

生き物の体には、テロメアという成分があります。テロメアは染色体の両端に付いたもので、細胞分裂の度に短くなっていきます。テロメアが短くなることにより、生き物の体は老いていきます。人間も、毎日細胞分裂をして細胞が作り変わっています。この時にテロメアが短くなり、老いて行くのです。

ロブスターには、このテロメアを伸ばすことのできるテロメラーゼという合成酵素が活発であるという特徴があります。テロメラーゼが活発に活動してテロメアを伸ばすことで、ロブスターの体は老いるのが遅いのです。その為、ロブスターが不老不死というのは嘘で、老化が遅いというのが本当だという説もあります。

確認をされているロブスターの年齢は140歳

アメリカのニューヨークにあるシティー・クラブ・アンド・シーフードというレストランでは、推定年齢140歳のロブスターが確認されています。2009年にカナダのニューファンドランドの沖合で発見され、そのままアメリカへ輸送されました。レストランでは、客寄せのマスコットとしてこのロブスターを展示していました。

この推定140歳のロブスターは、なんと9キロもの大きさになっていました。140歳だというのが本当だとしたら、140年間ずっと外敵に襲われず人間に食べられることもなく、脱皮を繰り返し心臓や脳にも異常が無かったということになります。本当に140歳かどうかは分かりませんが、とても興味深いと思いませんか?

また、140歳のロブスターは2009年の時点で動物愛護団体によって海へと返されました。2018年現在も海で生きているかどうかは不明です。

世の中に不老不死の生き物は存在する?

実は、ロブスター以外にも不老不死だと言われている生き物が存在します。嘘か本当かは明らかではありませんが、それぞれ非常に興味深い生態をしています。

不老不死かも知れない生き物:ベニクラゲ

ベニクラゲはその名の通りクラゲの一種です。ある程度歳をとったベニクラゲの個体は、若返り始めるという特徴があります。性的に熟し、体の老化が限界を迎えたベニクラゲは、ベニクラゲの幼体である「ポリプ」に戻るという生態をしています。

ベニクラゲは老いてももう一度子供になって成長することを繰り返すので、ロブスターのように重要な器官が老いて死んでしまうということがありません。体長は小さいので補食というリスクはありますが、補食さえされなければ本当の意味で不老不死の生き物となるかも知れません。

不老不死かも知れない生き物:クマムシ

クマムシは非常に小さく、色々な地域に分布しています。クマムシは代謝を停止させ、乾眠と呼ばれる状態に入ることができます。乾眠状態の間は代謝が停止して一切の老化が起こらないので、不老という意味では最も的確な生き物かもしれません。

乾眠状態のクマムシは非常に頑丈で、熱にも乾燥にも強いという特徴があります。通常のクマムシの体内の水分は85%ですが、これを3%まで減らしても死にません。ほぼ絶対零度から151度という高温にさらされても死なないという研究結果もあるので、自然界でクマムシが死ぬことはほぼありません。

しかし、クマムシは非常に小さく外部からの圧力に弱いので、ちょっと指で押せば簡単に潰れて死んでしまいます。不老不死とも思える乾眠状態でも簡単に潰すことができますが、クマムシより大きな生き物がいない環境であれば不老不死というのも嘘ではないかも知れません。

ロブスターの寿命についてはまだ謎が多い!

いかがでしたか?秦の始皇帝を始め、古来より不老不死は人間の憧れでした。しかし、実際に不老不死と言われているロブスターも実は老化が遅いだけで死んでしまうなど、嘘とまでは言いませんが言い過ぎたデマだとする研究もあります。

ロブスターはまだまだ謎が多く、いずれ本当に寿命がない生き物だとする研究結果が出るかも知れません。もし本当に寿命がない不老不死の生き物だと証明されたら、人間など他の生き物の命にも応用できる日が来るかも知れません。寿命がないのは嘘なのか本当なのか、図鑑などで調べるのも面白そうです。

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